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Three Roses

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第十六話 姉妹が会いその三

「では」
「その様に」
 こうしてマイラもマリーと会うことにはした、だが本心は明らかだった。それで司教は旧教の諸侯達にこう話したのだった。
「致し方ないことですが」
「マイラ様はマリー様と会われますが」
「それでもですか」
「そのご本心は」
「どうしても」
「はい」
 こう言うのだった。
「お変わりありません」
「左様ですか」
「お心を閉ざされたままですか」
「今も尚」
「そうなのですね」
「あの方が心を開かれれば」
 その時はともだ、司教は言った。
「大きく動きますが」
「その時点で、ですね」
「マイラ様は大きく変わられますね」
「今以上に」
「側室の子であることは」
 まさにとだ、また言った司教だった。
「あの方を非常に強く束縛してです」
「あの様にされていますか」
「マリー様と会われない」
「その様になっているのですね」
「私はマイラ様にこの国の主となって頂きたいです」
 司教は切実な声で述べた。
「是非」
「はい、我々もです」
「我々も同じです」
「旧教徒としてです」
「切実に思っています」
「その様に」
「しかしです」
 マイラを女王に、しかしだった。
 それと共にだ、司教は同志達にさらに話した。
「マリー様をマイラ様の助けにと考えています」
「そうですね、マリー様は立派な方です」
「見事な識見を持っておられます」
「お心も立派ですし」
「あの方ならです」
「マイラ様の助けになってくれます」
「まさにです」
 司教はさらにだった、言葉を続けた。
「お二人があってこそです」
「しかもマリー様は野心がないです」
「そのことは我々もわかります」
「玉座というものに関心はありません」
「周りの方々にしても」
「ならば余計に好都合です」
 マイラ、そして自分達にとってというのだ。
「国政の助けになってくれます、ですから」
「マリー様とは親しくされて」
「そのうえで、ですね」
「この国を導いてもらいたい」
「是非共ですね」
「旧教が国教に戻り勢力も戻ればです」
 それでとだ、司教は信仰の話もした。
「それでいいとは思いませんか」
「はい、まことに」
「司教殿の言われる通りです」
「旧教は力を取り戻すべきです」
「かつての様に」
「はい、しかし新教徒もまた必要です」
 この国にとってはとだ、司教はこうも言ったのだった。
「国を保つ為には」
「彼等の勢力も大きくなりましたし」
「商工業者にも多くいます」
「金融業者にも多いですし」
「彼等の力は国には欠かせない」
「それ故に」
「そうです、ですから彼等も必要です」
 宗教的に対する立場の彼等もというのだ。 
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