SAO~円卓の騎士達~
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第六十五話 第三試合
~シンタロー side~
アクア「まったく無茶苦茶な攻撃するわね、貴方。」
シンタロー「常に、相手の虚を突きたい性格でな。」
ウォード「嫌な性格してんなオイ。」
サクラ「それがウチの参謀だから。」
アクア「まぁ、いいわ。 お陰で自分の克服するべき弱点がまた一つ分かったから。」
ウォード「右に同じ。 と言うわけで次は負けねぇぞ。」
シンタロー「あぁ。 楽しみにしてる。」
サクラ「今度一緒に女子会しない?」
アクア「あら、良いわね。」
そして俺達は握手をした。
控え室に戻って、
アーサー「初タッグにしては上手く行ってたな。」
シンタロー「冗談キツいぜ。 サポートが多くて疲れた。」
アーサー「それと、良く頑張ったな、サクラ。」
サクラ「ホント!? じゃあじゃあ、何かご褒美、欲しいなぁ。」
アーサー「何がいい?」
サクラ「んーとね、今度、家に泊まりに来て。」
アーサー「そんなんで良いのか?」
サクラ「うん! それが良いの!」
イチャイチャするなら別の場所行け!
~side out~
~キリト side~
アスナ「キリト君なら大丈夫だと思うけど、気を付けてね。」
キリト「あぁ。 じゃ、行ってくるよ、アスナ。」
アスナの額にキスしながら言う。
マイク「続きまして、シングルマッチ、第一試合! 『円卓の騎士団』からは『円卓の黒騎士』、キリト選手!」
キリト「っし、いっちょ気合い入れて行きますか。」
マイク「対する『妖精連盟』からは『戦闘の聖書』、ダーク選手!」
ダーク「一勝一敗、これの勝敗で勝ちへの王手が決まる。 中々燃える展開じゃ無いか。」
デュエル開始のカウントが進む。
5、4、3、2、1、0
マイク「デュエル開始!」
まずは片手剣の《ヴォーパル・ストライク》で様子見を
ダーク「《ヴォーパル・ストライク》、確かに良い技だが、所詮はソードスキル。 システムによって動きは制限される。 故に、」
ギリギリで回避され背中に剣を降り下ろされる。
ダーク「直前で回避され、背中を攻撃されるとほとんど対応が出来ない。」
こ、こいつ、
ダーク「ソードスキルという物は確かに使っている間は隙が少なく、且つ無駄もない。 だが、問題は使った後の硬直時間と使っている間、背中ががら空きになる事。 つまり、使えば使うほど無駄が多くなる。 俺に勝ちたいならソードスキルは封印するんだな。」
強い。
キリト「そうか、そうだよな。 そうこなくっちゃ面白くない。」
言いながらメニューを操作し、片手剣をもう一本出現させる。
ダーク「へぇ、二刀流。」
キリト「その通り。 そして、」
『覇気』と『ゾーン』を同時に使う。
キリト「これが俺の全力だ。」
ダーク「成る程、『覇気』と『ゾーン』か。」
キリト「知ってるのか?」
ダーク「ウチのギルマスもそれの使い手でな。 少なくともお前よりは強い『覇気』を使えるぜ。」
キリト「そりゃギルマス同士の対決が楽しみ。」
ダーク「そこまで回れば良いけどな。」
キリト「どういう意味だ?」
ダーク「俺と次の奴で勝ちを決めるって事。」
キリト「なめやがって、絶対泣かす。」
ダーク「出来るものならな!」
ダークと俺がほぼ同時に突っ込み、剣を打ち合う。
手数では俺の方が単純計算で二倍、なのに相手はそれらを受け、避け、流す。
ダーク「どうした? そんなものか?」
キリト「このっ、喰らえ『スターバーストストリーム』!」
オリジナルソードスキルとして復活させた二刀流上位ソードスキル『スターバーストストリーム』を放つ。
ダーク「オリジナルソードスキルか。 確かに剣の軌道は分からないが、それだけの連撃、使用後の硬直時間はさぞ長いんだろうな。 それに、防御にだけ徹すれば、受けきれないこともない。」
ダークはそれを受け続ける。
これが終われば俺には相当の硬直時間が課される。
だが、それを無効化できる方法を俺は知っている。
システム外スキル『スキルファントム』発動
左手の剣を裏手持ちにすることでシステムがスキルを強制的に終了させる。
そして、この際、スキル使用後の硬直時間は発生しない。
ダーク「なにっ!?」
スキル使用後の硬直時間が発生していないことに気が付いたダークが大きく後ろに跳び、距離を取る。
ダーク「これは、、、成る程、そう言うことか。 スキルのキャンセルを使うとは考えたな。」
キリト「それに一瞬で気付いて後ろに跳んだアンタも中々だけどな。」
ダーク「燃える展開になってきたじゃないか。 来い!」
もう一度お互いに飛び出し、剣を打ち合う。
~side out~
~サクマ side~
アスナ「いけっ、キリト君。 そこっ。」
控え室で応援しているアスナとキリトとダークの戦いを見ながらボソリと言う。
サクマ「不味いな。」
アーサー「お前も気付いたか。」
サクマ「あぁ。」
リーファ「えっ、何が? お兄ちゃん押してるのに。」
シンタロー「あまりにも相手が防御に徹しすぎてるんだ。」
ランスロット「恐らく、キリト君の『ゾーン』が切れるのを待っているのだろう。」
アスナ「えっ、『ゾーン』が切れたら、」
アーサー「疲労感が一気に体を襲う。 そうなればキリトの負けは決まったようなものだ。」
リーファ「どうにか出来ないの?」
サクマ「相手も相当の強さだ。 焦って決めようとすれば必ず隙が出来る。 そこを逃すような奴じゃない。」
アーサー「試合開始からすでに二十分は過ぎてる。 残り五分から十分が限界だろう。 それまでに決めなければ。」
アスナ「キリト君が、、負ける?」
~side out~
~キリト side~
キリト「・・・何で攻めてこない?」
ダーク「今攻めても無駄になるだけ。 後少しなんだからな。」
キリト「やっぱり、狙ってたか。」
ダーク「あぁ。 もって十分が限界だろ?」
キリト「なめんな。 それまでには終わらせてやる。」
再度、突撃をする。
ダーク「感情に呑まれた攻撃など恐るるに足らず、ってな。」
それをそつなく受け続けるダーク。
それでも少しずつだがこれまで蓄積したダメージのお陰でダークのHPはすでにイエローゾーンに入っている。
あと一撃、クリティカルヒットが入ればHPを削りきる事が出来ると確信している。
だが、それは出来ないことは今までの戦闘で良く分かってる。
少しでも隙が出来れば。
欲しい。
切っ掛けが。
アスナ「キリト君!」
アスナの声に反応し、声のした方を見る。
アスナが観客席の一番前まで来ている。
その隣にはシンタローがいる。
アスナ「私、信じてるから! キリト君は絶対に負けないって!」
キリト「アスナ、」
シンタロー「なに出し惜しみしてんだ! 勝ちに行かないんだったらさっさと降参しやがれ! バカヤロー!」
キリト「シンタロー。」
ダーク「・・・出し惜しみ、だと?」
キリト「あ、」
ダーク「この状況で出し惜しみをするとは良い度胸じゃないか。」
そして、さっきまでの防御とは一転、怒濤の攻撃が襲ってきた。
ダーク「さぁ、出してみろ! その技を!」
未完成だからやりたくなかったんだけど仕方が無い。
キリト「そこまで言うなら見せてやるよ。 俺の新システム外スキル。」
そう言って片手剣ソードスキルの《レイジスパイク》を右の剣で発動する。
もちろん、それは全て弾かれたが、続けて片手剣ソードスキル《バーチカルスクエア》で左の剣に繋げる。
左右の剣で交互に片手剣ソードスキルを繋げるこの技の名前は『スキルコネクト』。
ただし、スキルを繋げるには条件がある。
それはスキル使用後の格好が次のスキルの発動モーションに近いこと。
スキル使用直後に硬直時間が来るのでスキルが終わる寸前で次のスキルの発動モーションに移ることを考えなければならない。
僅かな捻りなどの小さな動きならまだしも足の位置を変えるなど大きな動きになると硬直時間が来てしまい、このシステム外スキルは失敗する。
それはさておき、
先程の『スキルコネクト』で《バーチカルスクエア》を繋げたことでダークは驚いた顔をしている。
そして現在成功率40%程の二回目の『スキルコネクト』をなんとか成功させる。
ここでダークの反応が完全に遅れた。
俺のソードスキルは後一撃残っている。
これで勝った!
そう思ったとき。
キリト「!?」
ズシンと体が重くなった。
別に重力が上がったわけでも、俺の背中に誰かが乗っかったわけでもない。
『ゾーン』が切れたのだ。
それに従い、反応速度も落ち、俺の最後の一撃は急に遅くなった。
そのお陰で『ゾーン』を使ったままの反応速度、いや、通常状態での反応速度でも万全の状態なら決められた最後の一撃を回避された。
ダーク「お前と闘えたこと、感謝する。」
そして俺は負けた。
~side out~
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