SAO~円卓の騎士達~
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第六十四話 第二試合
~ユージオ side~
僕がやられた後、アリスが二対一で勝てるはずもなく倒された。
やはり僕が戦っていた方がシャドウが魔法でそう見せてただけだった。
けど、あの速さは一体何だったんだろう。
シャドウ「それじゃあ、試合も終わったしネタばらしと行こうか。 何を聞きたい?」
アリス「・・・良いんですか? 自分の手の内を晒すような事をして。」
シャドウ「うん、僕の騙し術はアレだけじゃ無いしね。」
ユージオ「じゃ、じゃあ、最後、君がシュートの姿になってたとき、何でシュート並みの速さを持ってたの?」
シュート「それも魔法だよ。 あの時、魔法で僕の耐久値の六、七割くらいを俊敏値に変えてたんだ。 けど、騙されたでしょ?」
ユージオ「うん、君とは二度と戦いたくないくらいにね。」
シュート「少しやり過ぎたんじゃないかゼヨ?」
シャドウ「そうかなー?」
ユージオ「冗談だよ。 次にやるときは負けないから。」
アリス「同じく、次は負けません。」
シャドウ「楽しみにしてるよ。」
シュート「ま、返り討ちにしてやるゼヨ。」
そして僕達は互いに握手した。
控え室に戻って、
ユージオ「ごめん。」
アリス「負けてしまいました。」
アーサー「別にいいさ。 それより、感想を聞きたい。」
ユージオ「・・・負けたのはもちろん悔しいよ。 でも、」
アリス「少し自惚れていました。 タッグとしては最高だと。」
ユージオ「それが自覚できた分、これからまだ強くなれる。」
アリス「そういう面では今回のバトルには感謝ですね。」
アーサー「そうか。 なら、これが終わったら特訓だな。」
ユージオ、アリス「「え、」」
アーサー「冗談だ。 ま、課題は自分達で克服しろって事だけどな。」
~side out~
~サクラ side~
シンタロー「相手、結構強いぞ。」
サクラ「関係無いわ、ちゃんとあの二人の仇、取ってあげなくちゃ。」
マイク「続けて、タッグマッチ第二試合! 『円卓の騎士団』からはサクラ、シンタローペア!」
シンタロー「俺が合わせる。 好きに動け。」
サクラ「りょーかい。 後衛は任せたわよ。」
マイク「対する『妖精連盟』からはアクア、ウォードペア!」
アクア「いつも通り、ヨロシクね。」
ウォード「その代わり、攻撃は頼むぜ。」
デュエル開始のカウントが進む。
5、4、3、2、1、0
マイク「デュエル開始!」
まず私がスピードをかなり抑えつつ走る。
幻惑魔法の詠唱を終えるためだ。
そして詠唱が終わると同時にトップスピードまで上げる。
サクラ「さぁ、行くわよ。」
そのまま相手二人の周りを走り回る。
そして十数秒ほどして、
サクラ(ここ!)
先に後衛のアクアに対して攻撃を仕掛ける。
サクラ(まずは一人、貰っ、!?)
だが、その時、ウォードが私とアクアの間に入り、私の攻撃を止めた。
サクラ(な、何で? 幻惑魔法の効果がある中、ここまで反応できるなんて有り得ない!)
ウォード「何で?って顔してんな。 ならば教えてやろう。 俺の左腕に付けてる腕輪見えるか?」
確かに左腕に銀の腕輪がある。
ウォード「これは古代級装備の一つでな、効果は幻惑魔法の無効化。 前衛の俺が最も注意するべきは幻惑だからな。」
アクア「そう言うこと。 良い攻撃だったけど残念だったわね。」
そしてアクアが詠唱を終え、大量の火球が向かってくる。
私は反応が遅れて動けない。
もうダメかと思ったとき、後ろに引っ張られる感覚がして、私はその場から離脱した。
シンタロー「ったく、もうちょっと手間かからないようにしてくれよ。 ガキじゃ有るまいし。」
どうやらいつの間にかシンタローに糸を結び付けられたらしい。
サクラ「ご、ごめん。」
シンタロー「次は無いからな。 同じ手が二度も通用する相手じゃ無いのは分かるだろ? それより、ちょっと耳貸せ。」
アクア「アララ、外しちゃった。」
ウォード「ま、今のはしょうがない。 次当てていこうぜ。」
アクア「しょうがない? 何言ってんの? 次はどんな手を使っても逃がしはしないわよ。」
ウォード「あー、お前そういう奴だったな。 ま、頼むぜ。」
シンタロー「ーーーーーー、いいな? 大丈夫だ。 お前のスピードなら出来る。」
私はシンタローの言葉に頷く。
そして、また私は相手に向かって駆け出す。
今度は魔法の詠唱も無い。
最初からトップスピードだ。
そしてまた相手の周りを走り回る。
数秒に一回、相手二人の間を縫うように攻撃する。
そしてすぐに離脱し、また周りを走り回る。
ウォード「何のつもりだ?」
アクア「さあ? でも焦らすのが目的ならもう完璧。 そろそろ捕まえようかしら。」
そう言ってアクアが詠唱に入る。
これは水属性の束縛魔法。
サクラ「残念、ハズレ。」
私はその場から離脱する。
サクラ(さぁ、バレないように作って上げたわよ。 魔方陣。)
そう、さっきから私は走り回りながら地面に少しずつ傷を付け、魔方陣を作っていた。
その形は円の中に六角星を描いたもの。
シンタロー「喰らえ。 《極大魔法 氷刃零ノ太刀》」
魔方陣から精製された大量の巨大な氷の刃が相手二人を切り裂いた。
だが、相手のHPは二人ともわずかに残った。
アクア「魔方陣を使う極大魔法は術者のMPを全て使ってその総MP量によってダメージが変わるというもの。 つまり、あっちのメイジにはもうMPは無い。」
ウォード「まったく危なかったぜ。 後HP1000有るか無いかくらいまで一撃で削られるとはな。 けど、お前らは眠れる獅子を起こしちまった。」
アクア「フ、フフ、フフフフフ。 ここまで削られたのは何時以来かしら? まあ、いいわ。 ここまで私のHPを削った貴方達二人に敬意を表します。 そして、散りなさい。」
そう言うと詠唱も無しに氷柱が現れ、こちらに向かってきた。
サクラ「何で詠唱も無しに魔法が。」
シンタロー「あいつの杖だ。 杖に魔法を登録しておけば詠唱をしなくてもその魔法を使うことが出来る。 その杖のランクで登録できる魔法の強さに制限がかかるけどな。 ってマズイ。 次の魔法、隕石だ。 全力で回避しろ!」
そしてシンタローの言う通り、巨大な隕石が降ってきた。
それを回避してアクアに攻撃する。
が、
ウォード「防御の俺を忘れるなよ。」
ウォードに阻まれ攻撃が出来ない。
だが、
サクラ「残念だったわね。 これはタッグマッチよ。」
ウォード「チィ! だが、アクアでも少しは防げるはず」
サクラ「それもハズレ。 シンタローの近接戦での攻撃は、普通じゃ無いわよ?」
ウォードが後ろを振り向くと同時にアクアのアバターは消えた。
そして、その隙に私はウォードを倒した。
~side out~
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