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アンジュリーゼ物語

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番外編2 死にに行く日を待つ日々

 
前書き
これはアンジュリーゼが、ヴィルキスを託されてから、それに乗って死にに行く日までの間の物語である。
アンジュリーゼは、ヴィルキスを託されてから7日後に、死ぬためにヴィルキスに乗って飛んでいく。 

 
ヴィルキスを託されてから1日後。
アンジュリーゼは部屋で引きこもっていた。
アルゼナルの兵士として自分を最も慕ってくれるココを失った上に、皇女に戻ることができなくなったからだ。
昼食の時間になった。
しかしアンジュリーゼは、食事を口にしようとしない。
食欲すらも失っていたからだ。
この日は、シンギュラー反応が出なかった。

ヴィルキスを託されてから2日後。
朝食の時間。
エルシャは、落ち込んでいるアンジュリーゼに話しかける。
エルシャ「アンジュちゃん、逃げようとして3人の仲間を失ったことで落ち込んでいるの?」
アンジュリーゼ「ココは私を最も慕ってくれる存在でした。たとえ彼女がノーマでも、そうだと信じています。」
この日も、シンギュラー反応が出なかった。

ヴィルキスを託されてから3日後。
アンジュリーゼは、落ち込みながら廊下で歩いていた。
ヒルダ、ロザリー、クリスが彼女の所に寄って来た。
ヒルダ「逃げようとしたお前が悪いんだろ!」
ロザリー「よくもゾーラお姉さまを!」
クリス「まだそんなことを言っているの?ロザリー。アンジュは、次の戦いで死ぬと思うよ。」
アンジュリーゼは、自分の部屋の隅に置いたプリンを食べた。
少し不味いプリンであった。
アンジュリーゼは、ココのことを思い、泣き叫ぶ。
アンジュリーゼは、ミスルギ宮にいたときプリンをよく食べていた。
この日も、シンギュラー反応が出なかった。

ヴィルキスを託されてから4日後。
談話室に、ジル、サリア、ジャスミン、マギーがいる。
ジルは机の椅子に座っている。
ジル「ヴィルキスの鍵を開ける新たな者が現れている。その名はアンジュだ。これより、第二次リベルタスの計画会議を行う。全員、椅子に座れ。」
3人は言いつけ通り椅子に座った。
サリア「アンジュにヴィルキスを託して大丈夫なのでしょうか。敵から逃げるような人にヴィルキスを託すなんてどういうことでしょうか。」
ジャスミン「覚えているだろサリア。ジルは第一次リベルタスで、片腕を失っているんだよ。そんな女が司令官の後継者だなんて。」
ジル「その嫌みは気に入らないぞ、ジャスミン。」
マギーはサリア、ジャスミンにこう言った。
マギー「もしアンジュがリベルタスで大けがしたら、私にとってそれは大歓迎だよ。」
こちらはアンジュリーゼの部屋。
アンジュリーゼ「いつになったら死にに行けるのかしら。」
この日も、シンギュラー反応が出なかった。

ヴィルキスを託されてから5日後。
アンジュリーゼは、許可を得てココの部屋に行き、彼女の日記を発見。
早速その日記を読んだ。
アンジュリーゼは泣き叫んだ。
アンジュリーゼ「ココ、私を置いていかないで…!」
そして銃を垂直に向けて、銃口を顎につける。
涙を流しながら。
しかし引き金を引くことが出来ない。
死ぬのが怖いからだ。
どうして死ぬのが怖いのだろうか。
ノーマだからか。
どんなことをしてでも生きようとするのがノーマだからか。
皇女なのにどうして…。
とアンジュリーゼは考える。
そして再び泣き叫ぶ。
その後アンジュリーゼは、砂浜に行き、海を眺める。
アンジュリーゼ「惨めね…、私一人では死ぬことも出来ないなんて…。」
この日も、シンギュラー反応が出なかった。

ヴィルキスを託されてから6日後。
アンジュリーゼは砂浜に行き、海を眺める。
ココを思い、人生と決別する日を思いながら。
この日も、シンギュラー反応が出なかった。 
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