SAO~円卓の騎士達~
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第三十一話 紅の殺意
~キリト side~
『血盟騎士団』の任務で五十五層を突破することになった。
だが、実際に行ってみるとそこにはクラディールが居た。
クラディールは謝ってきたが、その時俺は嫌な予感がしていた。
ゴドフリー「それでは、ここで全員の結晶を預かる。」
キリト「転移結晶もか?」
ゴドフリー「その通りだ。」
おい、嘘だろ。
結晶、特に転移結晶はこのゲームの中では生命線になるアイテムだぞ。
けど、他の二人も大人しく渡しているし、仕方がない。
キリト「結晶の中でも記録結晶とかは渡さなくていいよな?」
ゴドフリー「それは戦闘に使わないから持ってて構わない。」
その記録結晶の中に回復結晶と解毒結晶を一つずつ残し、実体化して懐に隠す。
その後、ストレージの中まで確認されたが懐に隠した結晶は見つからなかった。
そして、出発したが出てきたモンスターはゴドフリーの指示が出る前に二刀流の《エンドリボルバー》で一瞬でポリゴンに変える。
そして、迷宮区の前の谷のような所で一時休憩となった。
ゴドフリー「では、水と食料を配布する。」
そう言って渡された袋に入っていたのは水と味気の無いパンだった。
若干、がっかりしながら水を飲もうとする。
その時、クラディールの姿が目に入った。
奴は袋を開けてすらいない。
こちらを見ているだけだ。
キリト「っクソ。」
口に含んだ水を吐き出す、が、力が入らなくなる。
自分のHPを見ると麻痺のマーク。
さらにゴドフリーと名前の知らないメンバーが同じく麻痺で倒れる。
ゴドフリー「これは、麻痺? この水を用意したのはクラディール。 どういう事だ?」
キリト「早く解毒結晶を!」
ゴドフリーがポーチの結晶に手を伸ばすが、
クラディール「ヒャアァァ!」
クラディールが結晶を蹴り飛ばす。
クラディール「ヒャハ、ヒャハハハハハ! ゴドフリーさんよぉ! あんたはバカだバカだと思っていたが、本当に筋金入りの脳金だなぁ! あんたにも色々言ってやりたいことはあるけどなぁ。・・オードブルで腹いっぱいになっちまっても困るしよぉ。」
言いながら、クラディールは両手剣を腰の鞘から引き抜いた。
体をいっぱいに反らせ、大きく振りかぶる。
ゴドフリー「ま、まてクラディール! お前、何を・・。 何を言っているんだ、? く、訓練じゃないのか、?」
クラディール「うるせぇ。 いいからもう死ねや。」
キリト「ヒール!」
懐に隠してた解毒結晶を使って麻痺を解除する。
片手剣を背中から抜き、《ヴォーパルストライク》を使うが避けられる。
クラディール「おおっと、麻痺を解除したのかよ。 だったら先にオードブルのお前を殺してやるよ!」
そう言ってヴォーパルストライクの硬直が起きている間に攻撃される。
クラディールがオレンジになる。
と、その時、糸がクラディールの体に巻き付き、動きを止めた。
シンタロー「はい、現行犯逮捕。」
キリト「シンタロー!?」
アスナ「私もいるよ。」
キリト「ア、アスナまで。 何で?」
シンタロー「いやー、こいつがプーと接触したって情報があってさー。 目を付けてたんだよ。 で、アスナに聞いたらお前と一緒だって言うから尾行した。 悪いな囮にさせて。」
クラディール「クソ! 離せ! 離しやがれ!」
シンタロー「犯罪者に離せと言われて離すバカが居るわけ無いだろ。 それと、この糸、アンタの攻撃力じゃあその状態で破壊するのに三時間はかかるから諦めろ。 コリドーオープン。 じゃ、ゲームがクリアされるまで牢獄で大人しくしてろ。」
そのままクラディールを光の中に投げ込む。
かなりの勢いをつけて。
ゴドフリー「すまないが、そこに有る解毒結晶で麻痺を解除してくれないか?」
シンタロー「ん、ヒール。」
ゴドフリー「すまない。 助かった。 ヒール。」
もう1人のメンバーの麻痺も解除する。
ゴドフリー「しかし、クラディールがあんな事を。 すまなかったキリト君。」
シンタロー「詳しいことはアンタ等の本部で話すからアンタも付いてきてくれ。 キリトはどうする?」
キリト「少し遅れて行くよ。 アスナと話したいことが有る。」
シンタロー「そうか。 んじゃ、行くわ。」
三人はグランザムの方に歩いて行った。
アスナ「ごめんね。 キリトくん。 危ない目にあわせて。」
キリト「大丈夫だよ。 俺も、誰も死んでない。」
アスナ「でも、んんっ!?」
俺はアスナにキスをして、それ以上話さないようにした。
キリト「アスナ、今夜は、今夜だけは君と一緒に居たい。 それで、今回の事は水に流そう。」
アスナ「うん。」
その後俺達は一度『血盟騎士団』の本部に戻り、先に来ていたアーサーやシンタローと一緒に今回の事を説明した。
ヒースクリフはクラディールを正規にギルドから追放し、俺は今日で『血盟騎士団』の任務を手伝うことを辞め、元通りに『円卓の騎士団』に戻った。
そして、その夜、アスナの自宅にて。
色々と話をして、夕飯を食べ、一息ついたとき。
アスナ「ふぅ。 っよし。」
キリト「何がよしなんだ?」
俺の言葉に答えず、アスナが部屋の照明を消す。
そして、メニューを操作したかと思うと、下着姿になっていた。
キリト「っな!?」
アスナ「あまりジロジロ見ないで。 は、早く君も脱いでよ。」
キリト「えっ?」
アスナ「だって、「君と一緒にいたい。」ってそういうことなんでしょ?」
キリト「い、いや。 俺はただ単に今日は一緒に寝たいなーって。」
アスナ「はっ?」
アスナが赤くなり、プルプルと震える。
アスナ「キ、キ、キリトくんのバカー!!」
アスナに殴られ、俺は壁に激突する。
さらにナイフまで持ち出している。
キリト「ちょっ、ちょっと待った!」
アスナ「待つわけ無いでしょ!」
そしてナイフを振り上げたところで俺がアスナに抱き付く。
キリト「ごめんアスナ。 でも俺は君に伝えたい事がある。 俺は君のことが好きだ。 大好きだ。 だから、俺と結婚してくれないか?」
アスナ「えっ? ・・・もう。 君はずるいよ。 そんな事言われたら怒るに怒れないじゃない。 ・・・はい。 こちらこそよろしくお願いします。」
俺達は結婚した。
~side out~
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