SAO~円卓の騎士達~
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第三十二話 少女
~キリト side~
昨日、結婚した俺達は『円卓の騎士団』に報告に来ていた。
キリト「と、言うわけで俺達結婚しました。」
アーサー「ようやくかよ。」
キリト「よ、やうやく?」
サクマ「気付かなかったのか? アスナは結構アプローチしてきてたぞ。」
キリト「えっ!? いつぐらいから!?」
コジロウ「圏内事件の後からでしたね。」
アーサー「お前の鈍感さは見ててイライラするくらいだったぞ。」
キリト「え、えぇー、そんなに鈍感かなぁ、俺。」
アーサー「それよりも、家、どうするんだ? 結婚したことが情報屋にバレたら押し掛けられるぞ。 主にアスナのファンに。」
キリト「少し下の階層に何処か良い物件が無いか探してみるよ。」
アーサー「そうか。 決まったら教えろよ。」
キリト「あぁ。 それと、」
アーサー「分かってる。 少しの間休みたい、だろ? 多分次のボスでどうやっても召集かけられるから今の内に休んどけ。」
キリト「あぁ。 悪いな。」
そして、二十二層の不動産で、良さげな物件を紹介してもらった。
その夜、俺達はその家でギルドの全員から結婚祝いを貰った。
アーサーがS級食材を持ってきたのには驚いたが。
それからしばらくの間、俺達は二十二層のあちこちを見てまわった。
そんなある日。
アスナ「今日はどこに行く?」
キリト「ちょっと森の方に行こう。」
アスナ「分かったわ。」
そのまま森に向かって行き、森についたところで、
キリト「ところでアスナ、この森にはちょっとした噂があってな。」
アスナ「噂? どんなの?」
キリト「出るんだってさ。」
アスナ「出るって何が?」
キリト「・・・人間の幽霊、女の子だって。」
アスナ「そ、それって、アストラル系モンスターじゃ無くって?」
幽霊、という単語が出た瞬間アスナの顔が青くなる。
キリト「違うんだよ。 俺が聞いた話だとこの森で採れる木材は結構、質が良いらしくてちょくちょく採りに来てる木材職人プレイヤーがいるんだ。 ある日、そのプレイヤーがこの森で木材を採ってたらいつの間にか夕方になっていた。 帰ろうと思ったら木と木の間に白いものがチラッと見えた。 けどモンスターじゃないことに気が付いた。 ならプレイヤーだと思って視線を合わせたら、カーソルが出ない。 それで怖くなったそのプレイヤーは一目散に逃げ帰った。 そんな話だ。」
アスナ「ね、ねぇ? キリトくん。 もしかして、アレじゃない?」
そう言ってアスナが向いてる方を見ると確かに俺が話した少女がいる。
少女はじっとこちらを見ていたかと思ったら倒れた。
キリト「お、おい。 大丈夫か?」
アスナ「様子見に行こうよ。」
キリト「ああ。」
そして少女のそばに駆け寄っていく。
少女は倒れていた。
どうやら眠っているみたいだ。
キリト「うーん。 でもまぁ、消滅していない、っ事は生きているって事だよな。 しかしこれは、相当妙だぞ。」
アスナ「確かに。 カーソルが出ないもんね。」
キリト「取り合えず家まで運ぼう。」
そして俺達は少女を家まで運んだ。
キリト「で、ここまで連れてくることが出来たならNPCでは無いわけだ。」
アスナ「うん。 そしてクエストフラグも出ないし。」
キリト「何かのバグ、なのか?」
アスナ「そうとしか考えられないよね。」
キリト「取り合えずギルドに知らせとく。 情報が有ったら教えてくれるはずだ。」
アスナ「うん。 あと、この子が起きたら始まりの街に行こうか。 迷子の情報とかはほとんどあそこに集まるし。」
その日少女が起きることは無かった。
そしてその翌日、俺が先に起きてリビングで新聞を読んでいると、
アスナ「キリトくん! ちょっと来て!」
アスナの呼ぶ声が聞こえた。
焦っているようなので急いで向かうと、
アスナ「この子が私の起床アラームに合わせてハミングしてるの。」
そう言われて耳を澄ますと確かにハミングをしている。
キリト「もしかしたら起きるかもしれない。アーサー達を呼ぼう。」
アスナ「そうね。」
そして、アーサー達が来る少し前にその子は目を覚ました。
~side out~
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