SAO~円卓の騎士達~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十話 実力
~アーサー side~
アーサー「さぁ、第2ラウンドと行こうか。ヒースクリフ。」
そう言われてヒースクリフは盾を構え直す。
俺は両腕をダランと下げ、右足をさげ、前傾姿勢になって構える。
俺は飛び出し、攻撃する。
ヒースクリフ(速い!)
ドッ、ガッ、ドドドッ、ガン!
ヒースクリフが耐えきれずに後ろに跳ぶ。
ヒースクリフ「くっ、ハアァァ!」
ヒースクリフがソードスキルで攻撃してくるが、俺はそれを受けきる。
アーサー「遅い。」
ドゴォ!
俺は体術スキル《正拳》を使い、ヒースクリフを吹き飛ばす。
わざと盾に当てたのでダメージは大して無い。
ヒースクリフ「・・・なぜ決めなかったのかね?」
アーサー「この闘い、ここで終わるにはもったいない。 そう考えたからさ。 さっきの隠し技、使っても良いんだぜ?」
わざと挑発してさっきのをもう一度出させるためだ。
さっきの技はスキルにしては光が出なかった。
この世界でスキルを使用する時は必ず使うものが光る。
つまり、あれはスキルではない。
かといって、ヒースクリフの反射速度はあそこまで早くはない。
技の正体が何なのか突き止めるためだ。
アーサー「行くぞ。」
もう一度飛び出し、さっきよりも攻撃の速度を上げる。
アーサー(もっと、もっとだ。 まだ遅い。)
どんどん上がっていく攻撃の速度に耐えられなくなったのかヒースクリフの防御が少しずつだが遅れ始める。
『ゾーン』を使って限界まで上げた俺の反射速度はキリトの通常状態での反射速度と同等かそれ以上くらいだ。
アイツの反射速度は全国区でも1、2を争うほど速かった。
アイツが『ゾーン』を使えるようになれば確実に世界で通用するほどになるだろう。
それはさておき、ヒースクリフの防御が遅れ始めた今、攻撃の手を休めるわけにはいかない。
アーサー(このまま押し切る!)
アーサー「オオオォォォォ!!」
遂にヒースクリフの防御が崩れ、チャンスが出来た。
アーサー(さあ、見せてみろ。 さっきの技を。)「ッラァァ!」
俺が攻撃する。
その速度は断然速い。
そして、また世界がブレた。
だが、今の俺は止まらない。
俺は時間が止まったような世界で少しずつだが、剣をヒースクリフに近付けさせている。
それに気付いたのかヒースクリフは防御ではなく、攻撃しようとしてくる。
この時間が止まった世界、動きが早いのはヒースクリフだが、俺の剣はヒースクリフの体のホンの数㎝のところまで迫っている。
アーサー(行け! 届けぇぇぇ!)
そして、ほとんど同時に俺の剣とヒースクリフの剣がお互いの体を貫いた。
そこで世界が元に戻る。
アーサー「結果は、、?」
二秒ほどたってからシステムの結果が現れる。
そこに書いてあったのは、
【DRAW!!】
引き分けだった。
ヒースクリフ「・・・引き分けとはな。」
アーサー「あー、クソ。 不完全燃焼。 暴れ足りねぇ。 というか決着つけてぇ。」
ヒースクリフ「同感だ。 しかし、楽しかったよ。」
アーサー「あぁ、こっちもだ。」
そこで俺達は握手をした。
・・・ワアアァァァァ!!
そこで、歓声が起こり、拍手も聞こえる。
サクラ「大丈夫!!?」
アーサー「あぁ。 何ともない。 悪いなキリト、引き分けで。」
キリト「負けなきゃ何でも良いさ。」
アーサー「ところで、約束、どうする?」
ヒースクリフ「それに関しては一度控え室に戻ってから話そう。 ここでは少し都合が悪いだろう。」
その後、話し合った結果、アスナは本人の希望もあるのでギルドを休む事を許可された。
その代わり、キリトは数日間、『血盟騎士団』で任務をすることになった。
~side out~
~キリト side~
キリト「な、何じゃこりゃあぁぁ!!」
アーサー「い、良いんじゃ、ねーか? に、似合ってるぞ。」
俺が絶叫し、アーサーが笑うのを堪えながら答える。
ちなみに他の全員も笑うのを堪えている。
今、俺は『血盟騎士団』から送られてきたユニフォームを着ているのだが、年がら年中黒装備の俺に『血盟騎士団』のおめでたい紅白のユニフォームは合わない。
合わなさすぎる。
キリト「俺、地味なのって言わなかったっけ?」
アスナ「これでも十分地味な方よ。」
アーサー「これは永久保存物だ。 スクショしようぜ。」
そう言ってアーサーが結晶を取り出す。
キリト「や、止めろおぉぉぉ!!」
全員「「「「「ッハハハハハハハハ!!」」」」」
俺が必死にそれを阻止しようとするが、それで我慢が出来なくなったのか、大爆笑が起こる。
ストレア「本当にキリト面白すぎ! ッアハハハハハ!!」
シリカ「ごめんなさいキリトさん! でも面白すぎて! ッアハハハハハ!!」
キリト「俺、もう泣くよ!? 泣いちゃうよ!?」
そして一頻り笑われた後、
アスナ「ふぅ。 じゃあ、そろそろ行こうか。」
アーサー「あ、もうそんな時間か。」
キリト「じゃ、行ってくる。」
そして、『血盟騎士団』の本部に向かう。
キリト「訓練?」
ヒースクリフ「その通りだ。 詳細はゴドフリー君が説明してくれる。」
ゴドフリー「訓練と言っても実際は君の実力を見たいだけだ。 数日とは言え、ギルドに入るのなら、フォワードを率いる私に実力を見せて欲しい。」
キリト「そういうことなら。」
ゴドフリー「うむ。 では五十五層に向かおう。 そこの迷宮区で行う。」
そして、五十五層迷宮区前の街。
そこにいるメンバーを見て俺は驚いた。
クラディールが居るのだ。
キリト「どういうつもりだ?」
ゴドフリー「うむ、君とクラディールの間で有った事は私も知っている。 が、同じギルドのメンバー、ここで水に流してはどうかな?」
キリト「って言われても、」
クラディールがこちらに近付いてきた。
クラディール「先日はご迷惑をお掛けしました。 このような事は二度と起こしませんので許していただけませんか?」
その意外な言葉に一瞬、固まり、そして、
キリト「あ、あぁ。」
ゴドフリー「これで一件落着だな。 ッハッハッハ。」
だが、その時、俺はとても嫌な予感がしていた。
~side out~
ページ上へ戻る