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英雄伝説~光と闇の軌跡~番外編 語り継がれなかった軌跡篇

作者:sorano
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外伝~”六銃士”の”鉄血宰相”への宣戦布告~第3話

~ベルガード門・ガレリア要塞間街道~



走り回る装甲車を無力化する為に”アハツェン”は装甲車へと砲口を向けたが

「させないわよっ!!」

ミレイユ准尉を始めとした選び抜かれた運転者達による巧みな運転技術で砲口が向けられた瞬間猛スピードでその場を離れて砲撃を回避し

「今よっ!総攻撃(フルアタック)!!」

「イエス・マムッ!!」

さらに数の優位を利用し、数台で”アハツェン”を囲んで次々とミサイルを”アハツェン”に命中させ、バルカン砲で”アハツェン”の車輪を狙い、その攻撃によって2台の”アハツェン”の車輪がパンクした!

「だぁっはははははっ!それを待っていたんだぜぇ!?フンッ!!」

するとその時ミレイユが運転する装甲車の屋根にあぐらをかいて座っていたギュランドロスは立ち上がった後空高くへと跳躍し

「俺の闘気に耐えられるかぁぁぁぁぁっ!?天震撃!!」

落下すると共に膨大な闘気を纏わせた大剣を戦車に叩きつけた!訓練用に刃を潰しているとはいえ、ギュランドロスがその身に秘める膨大な闘気を纏わせた訓練用の大剣は実戦用の大剣と変わらない刃へと変わり、戦車をバターのようにあっさりと真っ二つに斬った!

「え―――――」

「な――――――」

戦車が真っ二つに斬られ、姿を現した乗組員達が呆けたその時ギュランドロスは膨大な闘気を纏わせた事によって剣全体が轟音を立てて燃え続ける炎の大剣を振るった!

「オラアアッ!!」

「ギャアアアアアアアッ!?」

業火を宿したギュランドロスの一撃によって戦車の乗組員たち全員重傷を負って気絶した!

「なあっ!?あんな荒い運転の装甲車の屋根に座って平然としている事にも驚いたが、生身で戦車を破壊するだと!?」

戦車の砲口の傍で立って指揮をしていたオーラフ中将はギュランドロスによって破壊された戦車を見て唖然とした。



「う、撃て―――――ッ!!」

一方生身で戦車を破壊するという信じられない光景に恐怖した乗組員達は戦車を操って砲口をギュランドロスに向けて砲撃した。轟音と共に砲弾がギュランドロスを襲ったが

「ガッハハハハハハッ!甘いぜぇっ!!」

なんとギュランドロスは闘気を纏わせた大剣をバットのように思い切り横に振るって自分に襲い掛かる砲弾を撃ち返し、撃ち返された砲弾は撃った戦車の砲口に命中して爆発した!

「グアアアアアッ!?」

「ぎゃあああっ!?」

砲口から襲い掛かって来た爆発をその身に受けた乗組員達は重傷を負い

「オラアッ!!」

その隙にギュランドロスは戦車に近づいて再び大剣を振るって戦車を易々と真っ二つに斬り裂き、破壊された戦車からは重傷を負って気絶している乗組員達が地面に叩きつけられた!



「す、凄い!生身で戦車を……!ミ、ミレイユ准尉!ギュランドロス司令って、本当に俺達と同じ人間なんでしょうか??」

「そんな事は後で考えなさい!それより司令のおかげで”アハツェン”は混乱して孤立しているわ!”アハツェン”の部隊が孤立している間に包囲して一気に無力化するわよ!」

「イエス・マム!!」

一方ミレイユ達もギュランドロスの攻撃によって混乱し、孤立している戦車の部隊を巧みな運転技術で翻弄しながら包囲をして集中攻撃をして車輪をパンクさせたり砲口を完全に破壊し、ギュランドロスはミレイユ達の援護を受けながら戦車の無力化を次々と行った!

「―――いかん!孤立するな!固まって迎撃しろっ!!」

次々と包囲されて確固撃破されて行く様子を見たオーラフ中将は指示をし、指示によって残った戦車達は固まり始めた。

「だぁっははははははははっ!そっちの方が纏めてぶっ壊せるから手間がかからなくて助かるぜっ!俺の闘気が暴れ狂う!さぁいくぜ!奥義!豪震撃ッ!!」

「ぎゃああああああっ!?」

「ぐあああああああっ!?」

しかしその時跳躍したギュランドロスが一か所に固まり始めている戦車の部隊に膨大な闘気の刃を纏わせた大剣を叩きつけ、大剣が叩きつけられた瞬間天をも貫く衝撃波が発生し、衝撃波に呑み込まれた戦車の部隊はそれぞれ様々な場所が完全に破壊され、破壊されなかった戦車は転倒し、破壊された戦車や転倒している戦車の傍には乗組員達がうめき声を上げて倒れていた!



「馬鹿なっ!?まさかこれほどまでとは!?――――総員、直ちに下車し、白兵戦に切り替えろっ!!」

次々と無力化される”アハツェン”の様子に愕然とした後”アハツェン”はもはや足手纏いと判断したオーラフ中将の号令により”アハツェン”からは次々と帝国兵が下車し

「ほう?―――ミレイユ!向こうの希望通り、白兵戦で一気に決めてやるぞっ!」

「イエス・サーッ!」

対するギュランドロスも耳に付けているインカムでミレイユ准尉に指示をし、警備隊の装甲車はオーラフ中将の部隊を包囲するかのような位置で停めた後次々と警備隊員が下車し、それぞれ武器を構えてオーラフ中将の部隊を包囲していた。ギュランドロス達の活躍によって戦車の乗組員である兵士達の多くが重傷を負って既に無力化されていた為、戦力差はあまりにも違い、10人にも満たないオーラフ中将の部隊に対し、ギュランドロスとミレイユ准尉率いる部隊は数十人以上の警備隊員で包囲していた!

「クッ!?」

「何で自治州の警備隊如きがここまでやれるんだ!?」

警備隊に包囲され、圧倒的不利な状況になった帝国兵達は悔しそうな表情で唇を噛みしめ

「どうだぁ?俺達”六銃士”が鍛え上げた警備隊の連中は?」

ギュランドロスは不敵な笑みを浮かべてオーラフ中将を見つめて尋ねた。



「見事としか言いようがないですな!ふふっ、我が部隊でこのザマなのですから此度の演習は我が軍の敗北が濃厚でしょうな。」

ギュランドロスの問いかけにオーラフ中将は静かな笑みを浮かべて答えた後苦笑し

「で?自分達の状況がわかってなお、まだ戦うのか?」

ギュランドロスは不敵な笑みを浮かべて尋ねた。

「当然!例えどのような苦境に陥ろうと絶対に退かぬのが誇り高き帝国軍人!せめて一矢は報いさせてもらいますぞ!」

「だぁっははははははははっ!そうこなくっちゃなあっ!!」

そして絶対的不利な状況であるにも関わらず戦いの意志を衰えさせず、全身から膨大な闘気をさらけ出すオーラフ中将の気迫に闘志を高めたギュランドロスは豪快に笑いながら武器を構え、絶対的不利な状況でも活路を見出そうとする勇将を評価して自らの名を教えた。

「俺の名はギュランドロス・ヴァスガン!クロスベル警備隊司令にして”六銃士”の”紅き暴君”だ!テメェは?」

「我が名はオーラフ・クレイグ!人呼んで”紅毛のクレイグ”!」

「ほう?異名に俺と同じ”紅”がついているとはなあ?面白くなってきたぜ!―――さあ、楽しもうや、戦争(えんしゅう)を!」

「望む所!総員、誇り高き帝国軍人の意地を見せてやれっ!」

「イエス・サー!!」

「総員、戦闘開始(オープンコンバット)!!総攻撃で一気に制圧しなさい!」

「イエス・マム!!」

その後ギュランドロスの部隊とオーラフ中将の部隊は戦闘をし……数的にも圧倒的不利ながらもオーラフ中将の部隊はギュランドロスの部隊の約1割を戦闘不能にし……オーラフ中将自身は自分の部隊の兵士達全員が倒れても諦める事なくギュランドロスと激しい戦いを繰り広げ、ミレイユ達が見守る中、ギュランドロスの強烈な一撃を受けて武器を破壊されると共に満足そうな笑みを浮かべて気絶し、その後ギュランドロス達は最前線で戦うルイーネ達と合流した。



「よお、オッサン。どうやらその様子だとマジで”アハツェン”の部隊を壊滅させてきたようだな?」

合流して来たギュランドロス達を見たランディは苦笑しながら話しかけ

「おうよっ!”紅毛のクレイグ”だったか?中々歯ごたえのある将だったぜ!」

「ハアッ!?”紅毛のクレイグ”って”帝国最強”の将の一人として知られているあの猛将か!?あ、ありえねえ………」

「さっすがギュランドロス様だね♪」

「ハ、ハハ。いくら数的有利があったとはいえ、マジで警備隊が帝国軍相手にここまで有利に戦えるとは思わなかったぜ。しかも”アハツェン”の部隊は壊滅させた上、帝国軍最強の猛将を制圧するなんて、”化物”すぎだろ……んな真似ができるのなんて叔父貴か親父ぐれぇだぞ…………つーか、それどころかあの二人を超えている気がしてきたぜ……」

「クク、さすがは”皇”になる事を豪語しているだけはあるねえ?」

不敵な笑みを浮かべて答えたギュランドロスの説明をパティルナは笑顔で見つめながら聞き、ギュランドロス達の”規格外”さにランディは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながら見つめ、エルンストは不敵な笑みを浮かべてギュランドロスを見つめていた。

「それではギュランドロス様、ご下知をお願いします。」

その時ルイーネがギュランドロスの前に跪いた。

「聞けぇいクロスベルの(つわもの)と将、そして六銃士よ!これより帝国軍の本陣に総攻撃を仕掛ける!敵は腐っても大国の軍人だ!油断をしていたら負けるのは俺達だ。しかしながら、ここにはルイーネ達が揃っている。俺とルイーネ達が揃ったとなると、どうだ。宣言しよう!今からこの戦場を支配するのは俺達――――史上最大に超弩級の桁外れの強さに成長したクロスベル警備隊だっ!」

「オオオオオォォォォォォォォオオオオオオ――――――――――――――ッ!!」

「あっはははははははっ!いいねいいね!高ぶってきたよっ!!」

「ハハ、まさかあの阿保司令の後釜にあんな”化物”連中が座る事になるとはな……まさに天と地の差だぜ。」

全身に膨大な闘気と覇気を纏ったギュランドロスの大号令に警備隊員達は次々と武器を天へと掲げて叫び、ギュランドロスの大号令にエルンストは不敵な笑みを浮かべ、前警備隊司令とギュランドロス達を比べたランディは苦笑いをし

「全軍―――――突撃開始ッ!!帝国軍に生まれ変わった警備隊(俺達)の底力を見せてやれっ!!」

「オォォォオオォォォォォォオオオォォ――――――――ッッッ!!!!」

ギュランドロスの号令の元、クロスベル警備隊は雄たけびを上げて戦場そのものを喰うかの如く怒涛の勢いで突貫した! 
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