英雄伝説~光と闇の軌跡~番外編 語り継がれなかった軌跡篇
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外伝~”六銃士”の”鉄血宰相”への宣戦布告~第2話
エレボニア帝国軍とクロスベル警備隊の演習。装備や練度が圧倒的に上のエレボニア帝国軍が有利かと誰もが思っていたが、戦闘開始早々から誰もが想像しない展開になっていた。
~ベルガード門・ガレリア要塞間街道~
「総員!栄誉ある帝国軍の力を見せつけてやれっ!」
「イエス・サーッ!!」
エレボニア帝国将校の号令に兵達は士気を高めた。するとその時スタンハルバードを装備した警備隊が突撃してきた!
「来たぞ!総員、構えっ!!」
そしてエレボニア帝国軍の兵士達が一斉に銃を構えたその時!
「フフ、一番槍はあたしがもらったよっ!!」
なんと警備隊から一人の女性――――パティルナが跳躍して銃を一斉に構えた部隊の中心地に着地した。
「え―――――」
パティルナに気付いた将校が呆けたその時!
「でええええいっ!!」
訓練用に刃を潰した投刃を地面に叩きつけて衝撃波を発生させた!
「ぎゃっ!?」
「ぐあっ!?」
「ががっ!?」
衝撃波を受けたパティルナの周囲の兵達は次々と吹っ飛ばされて気絶し
「なっ!?う、撃て、撃て――――ッ!相手は単騎だぞ!!」
その事に驚いた将校は指示をした。そして兵達が銃口をパティルナに向けたが
「反応が遅いんだよっ!メルキアの連中のほうがまだマシだったよっ!」
「ぎゃああああっ!?」
「ぐあああああっ!?」
「ハッ、自分の力に頼らずそんな銃に頼る軟弱者達にあたしが止められる事なんてありえないって事をとくと教えてやるよっ!でえええええいっ!!」
「ががっ!?」
「うああああああっ!?」
その瞬間パティルナは電光石火の如く次々と兵士達を襲って戦闘不能にしたり、吹き飛ばしたりし、薙ぎ払ったりして兵達を圧倒し、また凄まじいスピードで戦い続けるパティルナに翻弄されている事によって兵達が討った銃弾は味方の兵達に命中し、部隊は混乱し始めた!そして部隊が混乱し始めたその時、スタンハルバードを持った警備隊が兵達に襲い掛かった!
「うおおおおおおおっ!!」
「喰らえ―――ッ!!」
「なっ!?ぐがっ!?」
「ぎゃあっ!?」
スタンハルバードを持つ警備隊の猛攻によって帝国軍の兵達は次々と戦闘不能に陥った!
「ば、バカな………!?たかが警備隊如きに何故これ程の力がある!?クっ!全てはあの女が原因か!」
「!!」
次々と崩壊していく部隊の様子に将校は狼狽えた後銃口をパティルナに向けて放ったがパティルナは銃口を見ていないにも関わらず、銃弾が自分を襲う瞬間自らの直感のみで危機を察して横に跳躍して回避した!
「何だとっ!?」
パティルナの回避に将校が驚いたその時
「オラアッ!!」
「ガッ!?」
ランディが背後からスタンハルバードを将校の頭に叩きつけて気絶させた!
「やれやれ………直感で攻撃を避けるとかマジでシャーリィ達みたいなとんでもねぇ”化物”じゃねえか。」
エレボニア帝国軍を翻弄するパティルナの戦いを見たランディは苦笑していた。
「みんなっ!遅れるんじゃないよっ!あたしの後ろについて来れば待っているのは勝利のみである事をこの演習で思い知らせてやるよっ!」
「さすがパティルナ中尉!」
「最高ですっ!」
「パティルナ中尉に続け―――――――ッ!!」
「オォォォォォォ―――――ッ!!」
パティルナの号令に警備隊員は士気を高めた。
「あっはははははははっ!いいよいいよ~、最高に楽しくなってきちゃったよ♪………行くぜ野郎共ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおッ!!」
「オォォォォォォオオオオォォォォォ―――――ッ!!」
互いに士気を高め合ったパティルナの部隊は興奮に身を任せ、何者をも寄せ付けない突貫をかまし、怒涛の勢いで帝国軍の兵士達を吹き飛ばしたり戦闘不能にしていた!
「いや~、ギュランドロスのオッサン達が来てからずっと思ってたけど俺って警備隊のリハビリに来た意味ってあったのか?どう考えてもリハビリってレベルじゃねえぞ、あの強さは。」
「アッハハハハハハッ!何を言っているんだい!?あんた自身、奴等に鍛えて貰って昔のカンや体力を完全に取り戻したから十分意味があったじゃないか!」
パティルナ達の戦いを見て大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせたランディの言葉に応えるかのようにエルンストは高笑いをしながらランディの傍に現れた。
「ハア、好きで取り戻したんじゃねえっての。―――――敵を殺すのだけは止めろよ、エルンスト。」
疲れた表情で溜息を吐いたランディは膨大な闘気を纏って目を細めてエルンストに視線を向け
「クク、わかっているよ。だけど、骨の一本や二本ぐらいは覚悟してもらうよっ!!」
エルンストは口元に笑みを浮かべた後凶悪な笑みを浮かべてランディと共に突撃し
「デス――――スコルピオンッ!!」
「あっはははははははっ!”死神”の恐ろしさ、とくと思い知りなぁっ!!」
「ぐああああああああああああっ!?」
「ぎゃあああああああああああああっ!?」
ランディが膨大な闘気と殺気を纏って兵達を吹き飛ばした後、エルンストはSクラフト―――転移爆発によって戦場全体に連鎖する爆発を起こして次々と兵士達に重傷を負わせて気絶させていた!
「報告!さ、最前線部隊のおよそ6割が壊滅状態との事です!」
「あ、ありえん!?数の差で有利とは言え警備隊に我が軍が翻弄されるだと!?クッ、すぐに私達も応援に向かって戦線を立て直すぞっ!」
一方次々と崩壊していく最前線部隊を見つめていたナイトハルト少佐は信じられない思いになった後すぐに気を取り直して兵達に指示をした。しかしその時
「フフ、パティちゃん達の邪魔はさせないわよ♪」
「―――総員、構えっ!」
なんとナイトハルト少佐達の部隊を挟み込むかのようにルイーネとエルミナが率いる部隊がナイトハルト少佐達の部隊の左右から現れて挟み撃ちにした!
「なっ!?挟まれただとっ!?」
「一体どうやって!?」
挟み込まれた事にナイトハルト少佐は驚き、帝国兵達は信じられない表情でルイーネ達を見つめて武器を構えていた。
「―――最前線部隊が戦っている間に回りこませてもらいました。地の理を活かしきれなかったようですね?」
「!!囮か………!」
エルミナの説明を聞いたナイトハルト少佐は目を見開いて厳しい表情をした。
「さてと、ギュランドロス様達が戦車部隊を無効化して来るまでにこっちも終わらせておきましょうか。近接戦闘準備ッ!!」
「イエス・マム!!」
そしてルイーネの号令によってルイーネの部隊は全員スタンハルバードを構え
「クッ!こちらも近接戦闘準備だ!誇り高き帝国軍の力、見せつけてやれっ!」
「イエス・サー!!」
対するナイトハルト少佐も号令をかけて兵達に近接戦闘用の武器を構えさせた後、自らも剣を構えた。そしてルイーネとナイトハルト少佐の部隊がぶつかり合って戦闘を開始し
「あらあらまあまあ♪部隊を率いる人自らが相手してくれるのね♪」
「………早めに貴女を無力化しないと今後の戦況に響くと思われるのでここで沈んでもらう。」
ルイーネとナイトハルト少佐は互いに武器を構えて対峙をしていた。
「フフ、奇遇ね♪それは私も思ったわ♪――――早めに沈むのはどちらなのか思い知らせてあげるわ。」
「………!!」
ルイーネからさらけ出される吹き荒れるような膨大な殺気によってナイトハルト少佐は背筋をぞくりとさせ、ルイーネの殺気によって圧されたナイトハルト少佐はぴくりとも動けなくなった。
「どう?背筋が寒くて寒くて、逃げ出したくて仕方がないくらいでしょう?」
「グッ!?これが噂に聞く”微笑みの剣妃”の恐ろしさか……!」
膨大な殺気と威圧を出しつづけながら微笑むルイーネの言葉にナイトハルト少佐は唇を噛みしめてルイーネを睨み
「あらあら♪こんな美人なお姉さんを捕まえて恐ろしいなんて失礼ね♪演習であった事に感謝してね♪だって…………戦場だと貴方は為す術もなく死ぬだけなんだから。――――行くわよ。」
ルイーネは前に踏み込んで細剣による神速の連続攻撃を放った!
「オォォォォォォォッ!!」
対するナイトハルト少佐は必死に身体を動かして剣を振るってルイーネの攻撃をさばいていたが、ルイーネの神速の攻撃は見切れず、次々と身体を傷つかせていった。
「うふふ、それなりにやるようだけど貴方が私の相手をしてエルちゃんから目を離した時点で”貴方達”の負けね。」
「何だとっ!?――――――!!」
攻防の最中、互いに距離を取って微笑みながら呟いたルイーネの言葉に驚いたナイトハルト少佐が周囲を見回した時、戦況は信じがたい光景であった。
「初撃アーツ部隊!放てっ!!」
「ダークマター!!」
「ぐあああああっ!?」
「うああああああっ!?」
エルミナの指示によって警備隊員から怒涛に放たれたアーツは多くの帝国軍の兵達を重力によって一か所に集められ
「追撃アーツ部隊!放てっ!!」
「エアリアル!!」
「シルバーソーン!!」
「ぎゃあああああっ!?」
「があああああっ!?」
そして一か所に集められた兵達は次々と放たれる広範囲アーツの的になった。
「クッ……!何をしている!アーツを撃たせる前に撃て―――――ッ!!」
一方帝国軍も銃を撃って反撃した。しかし
「―――今です、ライフル部隊!訓練通り、アーツ部隊の援護をしなさい!!」
「イエス・マム!!」
「グアッ!?」
「ががっ!?」
エルミナの号令によってライフルを持った警備隊員達から放たれる一斉射撃を受けて次々と地面に倒れ
「ハイドロカノン!!」
「フレアバタフライ!!」
「スパークダイン!!」
「ぎゃあああああああっ!?」
そしてライフル部隊が銃撃を放って時間を稼いでいる間にオーブメントの駆動を終わらせた警備隊員が次々と高火力のアーツを発動させて多くの帝国軍人達を沈めた!
「―――敵軍の陣形は乱れました!近接戦闘部隊!止めを刺しなさい!」
「オォォォォォォオオオオ―――――――――――ッ!!」
「ぐああああああっ!?」
「ぎゃあああああっ!?」
「だ、誰かえ、援軍を……ガッ!?」
そしてエルミナの指示を今か今かと待ち構えていたスタンハルバードの部隊の突貫によって多くの帝国軍の兵達は戦闘不能または気絶状態に陥らされた!エルミナはまるで空から戦場を見ているかのように次々と的確な指示を出し、エルミナの巧みな指示による戦闘によってナイトハルト少佐達の部隊は総崩れになった!
「馬鹿なっ!?警備隊にこれ程までの戦術家がいるだと!?」
総崩れになっている自軍の状況を見たナイトハルト少佐は信じられない表情をした。
「うふふ、私達を舐めてかかったのが貴方達の間違いね♪―――――おやすみなさい。」
「!!」
ルイーネは神速のスピードでナイトハルト少佐の背後へと駆け抜けると共にナイトハルト少佐の目では決して見切れない4つの殺気によって発生した刃による斬撃が放たれた。そしてルイーネがナイトハルト少佐の背後に立って細剣を鞘に納めると共にオーブメントに指を走らせて駆動させた。
「グアアアアアッ!?」
刃は潰されているが闘気を纏わせた事によって発生した刃で四肢を斬られたナイトハルト少佐は四肢から血を噴出させながら手から剣を落として地面に蹲り
「これで止めよ♪――――デス・スパイラル。」
「グゥゥゥゥッゥッ!?む、無念………申し訳……ありま……せん……中将………」
駆動を終えて発動した地面から発生した闇の刃によって捕えられた身体は残った体力を根こそぎ奪い、体力を根こそぎ奪われたナイトハルト少佐は地面に倒れて気絶した!
「しょ、少佐!?」
「そ、そんな!?ナイトハルト少佐が!?」
「うあああああああああっ!?」
自分達が信頼する将が無力化された事に帝国軍は絶望に陥って混乱し
「――――敵軍は混乱しているわ!今の内に”殲滅”しなさいっ!!」
「オォォォォォオオオオ――――――ッ!!」
混乱している隙を逃さないかのようにルイーネは号令をかけ、エルミナの部隊と共に総攻撃をかけて帝国軍を蹂躙した!
パティルナやルイーネ達が歩兵部隊を蹂躙しているその頃、凄まじいスピードを出して荒々しい運転をしているにも関わらず振り落とされる事なく装甲車の屋根にあぐらをかいて座っているギュランドロスとミレイユ准尉を隊長とした装甲車の部隊はオーラフ中将率いる”アハツェン”の部隊を翻弄していた……………!
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