英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第192話
~最果ての道~
「イーリュンよ……!みんなに貴女のご加護を……!アルテミスの祝福!!」
「癒しの光よ、勇者達に生命の加護を!聖なる再生の風!!」
「みんなに力を!ゾディアック!!」
「光よ、僕達の盾となれ!防護の結界!!」
敵――――”碧き虚神”碧のデミウルゴスとの戦闘を開始したセシル、ルファディエル、キーア、ワジはそれぞれの魔術で仲間達にさまざまな能力上昇の付与をし
「うおおおおおお……………だあああああああああああっ!!」
「はぁぁぁぁぁぁ………うおおおおおおおおおおおおっ!!」
「オォォォォォォォォォ………フンッ!!」
「ハァァァァァァァ………セイッ!!」
「”神狼”の力、思い知るがよい!オォォォォォォォォォ―――――――――――――ッ!!」
「くかかかかかっ!最終決戦だ!燃えてきたぜ~!!」
「オォォォォォォォォォ―――――――――――ッ!!」
「よ~し、いっくぞ~!!」
ロイド、ランディ、ダドリー、リーシャ、ツァイト、ギレゼル、ラグタス、シャマーラはそれぞれのクラフトで自身の身体能力を大幅に上昇させた!
「クク、一番槍はあたいがもらったよ!まずは景気づけにコイツを喰らいなぁっ!イオ=ルーン!!」
するとその時両手に魔力を溜め込んだエルンストが純粋属性の爆発を敵のコア部分に起こして攻撃した!
「おい、エルンスト!あそこにはキー坊がいるんだから、そこの所を考えて撃てよ!?」
エルンストの攻撃を見たランディは厳しい表情でエルンストを睨んで叫び
「ハッ、あの神もどきからガキを解放したかったら”本気で殺す”つもりで行かないとこっちがやられるよ!……っと!!」
ランディの言葉を聞いたエルンストは鼻を鳴らした後自分の周囲に違和感を感じて転移した。すると敵は巨腕を軽く振るってエルンストがいた空間を爆発させた!
「行くぞ―――雷光撃!!」
「参ります――――雷光閃!!」
そしてメヒーシャとエリナが空中から電光石火の速さで強襲して攻撃し
「行きますよ………!ファイアーッ!!」
「そこっ!クイックドロウ!!」
「矢よ、弾けなさい!制圧射撃!!」
ノエルとエリィ、セティが遠距離攻撃で次々と敵の巨体に命中させ
「うふふ………切り裂いてあげるわ!――――羅刹刃!!
「ハハハ!貫イテヤルッ!ジエヌの串刺し!!」
レンとラテンニールが敵に近づいて強烈な一撃を叩き込み
「大地に降り注ぐ光よ!矢となり、敵を貫け!シャインアロー!!」
「闇よ、全てを呑みこめ!ティルワンの闇界!!」
ミントとティオの魔術によって発生した光の矢の雨と闇の球体が敵に襲ってダメージを与えた!
「…………………」
攻撃を叩き込まれた敵は異形の魔物達を数体ロイド達の周囲に現させた!
「!みんな、その子達はすぐに倒して!ほおっておいたらキーア……ううん、碧のデミウルゴスが吸収して倒してもすぐに復活するよ!」
自分達の周囲に現れた異形の魔物達を見たキーアは血相を変えた後ロイド達に忠告し
「!わかった!みんな、まずは魔物達の撃破を優先だ!」
忠告を聞いたロイドは仲間達に指示をした後仲間達と共に魔物に攻撃した。しかし
「無傷だとっ!?」
「まさか障壁か……!?」
攻撃を受けても無傷の様子の敵を見たランディとワジは厳しい表情をし
「―――でしたら障壁ごと切り裂くまで!斬!!」
「フンッ!!」
リーシャは剣に闘気を溜め込んで敵が纏っている障壁ごと一撃で斬り捨て、ラグタスは剛腕に膨大な闘気を纏って障壁ごと敵を破壊し
「――――次元斬!!」
ミントは敵達の”空間ごと”切り裂いて滅した!
「…………………」
一方敵は自分の足元に魔力を溜め始め
「!七耀脈の高まりを確認!―――魔法を撃つつもりです!!」
敵の様子を見て何かに気付いたティオはロイド達に忠告した。
「させるかぁっ!ダークブレイク!!」
「ハァァァァァァァ………!ヒート……スマッシュ!!」
「さあ、行きますよ……!スタンスマッシュ!!」
「せーの……!気合い斬り!!」
「鎌鼬!!」
「フン!空破特攻弾!!」
「ヤァァァァァァァ………!ブラッドサークル!!」
「我輩の一撃、受けて見なぁっ!宵闇の一撃!!」
「叩き斬る!ハァァァァァァァ………!破砕槍!!」
「オォォォォォォォォォ………!爆裂拳!!」
そしてティオの忠告を聞き、敵の行動を中断させるためにロイド、ランディ、ノエル、シャマーラ、リーシャ、ツァイト、レン、ギレゼル、メヒーシャ、ラグタスが次々と接近してさまざまなクラフトを敵に叩き込み
「さあ、行くわよっ!!」
「狙いは外さない……!―――精密射撃!!」
「裁きを受けろ……!」
エリィは怒涛の銃撃を敵の身体に叩き込み、セティは敵のコア部分に狙いを定めて矢を放ち、ダドリーは散弾銃で敵の全身を攻撃していた。
「…………………」
ロイド達に怒涛の攻撃を叩き込まれた敵だったが行動を中断せず、片手を軽く振るってロイド達を吹っ飛ばし
「……………」
「「キャッ!?」」
「チッ!?」
さらにエリィ達には炎の衝撃波を放って怯ませた!
「イーリュンよ、傷つきし者達に慈悲を!大いなる癒しの風!!」
「イーリュン、みんなを助けて!癒しの風!!」
敵の攻撃によって傷ついたロイド達だったがセシルとキーアによる治癒魔術によって受けた傷は回復し
「来たれ!魔の海よ!大海床!!エニグマ駆動!エンドオブワールド!!」
「漆黒の空に光挿す箒星よ、旅路の果てに、我の地を選べ! シューティングスター!!アークス駆動!アルテアカノン!!」
「消し飛びなぁっ!ルン=アウエラ!!こいつはオマケだっ!ルシフェンウィング!!」
後方で魔術の詠唱とオーブメントの駆動をしていたティオとミント、エルンストが次々と高威力の魔術やアーツを怒涛に放って敵の身体に叩き込んだ!
「―――――――――――――!!」
魔術やアーツによる攻撃を叩き込まれた敵は溜めていた魔力を解き放ち、アーツ――――ロードインフェルノを発動した。すると異空間から巨大な竜が現れ、ロイド達向けて灼熱の炎を吐いた。しかし!
「光よ!刃を跳ね返す盾となれ!聖燐障壁!!」
ルファディエルが自分を中心にドーム型の光の結界を展開し、灼熱の炎は光の結界に命中すると跳ね返り、敵を襲った!
「――――――――――――!?」
攻撃が跳ね返された敵は怯んだ!
「はハハハハハハはッ!全部、潰レロ―――――――――ッ!!」
するとその時、ラテンニールが魔術――――大隕石召喚を発動し、魔術によって発生した隕石が次々と敵に降り注いだ!
「―――――――――――!!」
隕石が降り注ぎ終わると敵は形態を変えるかのようにもう片方の腕に巨大な刃を形成し
「―――――!!」
目を光らせた後戦場全体にいるロイド達をレーザーで薙ぎ払ってダメージを与えた!
「グッ………!」
「チッ、どうやらここからが本番みたいだな……!」
敵の攻撃――――超破壊光線によってダメージを受けたロイドとランディは表情を歪めながら仲間達と共に立ち上がり
「イーリュンよ……どうか、私達に慈悲を……!大いなる癒しの風……!!」
「イーリュン、お願い……!みんなを助けて……!癒しの風!!」
セシルとキーアもそれぞれ敵の攻撃によって受けた傷に表情を顰めながらも治癒魔術を発動して自分達の傷を回復した。そして傷が回復したロイド達は再び敵との攻防を続けていた。形態を変えた敵の猛攻は凄まじく、多くの仲間達が傷つき倒れたがその度に他の仲間達が治癒魔術やアーツ、回復薬で復活させ、ロイド達と敵―――碧のデミウルゴスは互いに疲労していた。
「――――――――――――!!」
ロイド達との攻防で疲労していた敵は片手から”D∴G教団”が紋章としていた”目”の魔法陣を現して全身に膨大な神気を溜め始めた!
「!!いけない!イーリュン、お願い!みんなを守って!!」
「イーリュンよ……どうか私達をお守りください!防護の神域!!」
敵の行動を見たキーアは血相を変えた後セシルと共に強く祈って何重もの大結界を展開し
「ハァァァァァァァ………!グオオオオオオオオオオ――――ッ!!」
ミントは竜化して、口に莫大なエネルギーを溜め始めた!
「…………………」
一方両腕を掲げて巨大な闇の球体を現した後、両腕に球体を纏わせて莫大なエネルギーを溜め込み、両腕の部分を砲口へと変形させ、砲口から莫大なエネルギーを解き放った!
「クッ………!」
「イーリュンよ、どうか私達に加護を………!」
敵のSクラフト――――超時空鎖異誇撃によるエネルギーで次々と結界が破壊され、キーアとセシルは必死に祈り続けて残された結界を維持しようとしていた。そしてエネルギーが結界を破壊して残りの一枚に達しようとしたその時!
「最終伝説時空破壊撃――――――――――――ッ!!」
竜化したミントが口から莫大なエネルギーを放って、敵が放ち続けるエネルギーとぶつかり合わせた!エネルギーは一進一退の攻防を続けていたが
「ハァァァァァァァ―――――――――――ッ!!」
ミントが残る力全てを口から吐き続けているエネルギーに注ぎ込むと、エネルギー同士は超越した大爆発を起こして相殺した!
「ハア、ハア……ご、ごめん、みんな……ミントはこれ以上は………」
そして人の姿に戻ったミントは疲労を隠せない様子で息を切らせながら地面に膝をついた。
「………………………」
一方攻撃を相殺された敵は全身に莫大なエネルギーを溜め始めた!
「!!みんな、”アレ”を撃たせたら駄目だよ!時空を完全に破壊して、世界を崩壊させるつもりだよ!」
敵の行動を見たキーアは血相を変えてロイド達に警告し
「!わかった!みんな、俺達の持てる力全てを今あの碧き存在に叩きつけ、何としても攻撃を中断させろ!」
「おおっ!!」
キーアの警告を聞いたロイドの号令に仲間達は力強く頷き
「聖と魔の刻印銃よ…………光と影の弾を以って、大いなる虚無を討ち祓え…………はああぁぁぁっ!デバイン………クルセイド―――――ッ!!」
「さあて……こいつで終わらせてもらうぜっ!うおおおおおおおおおおおお―――――――――――ッ!喰らえ………メルカルトッ!!」
「我が呼びかけに応え、今こそ顕れよ!災いの雷よ!災いの闇よ!全てを呑みこめっ!!そして全てを滅ぼせ!エレシュキガルッ!!」
「これで終わらせます!貫けッ!ヴァリアブルバレット!!」
「我が深淵にて煌く蒼金の刻印よ……………大いなる神の腕となりて我が右手に集え!おおおおおおおおおおおおおおおっ!呑みこめっ!アカシックブレイカー!!」
「銀の名の下、永遠の眠りにつけ……!―――最終奥義!裏桜花!炸光!!ハァァァァァァァァァ……………!!」
「――――――ルファディエル!」
「ええっ!」
「「セイクリッドハンマー!!」」
「あたい達も続くよ、ラグタス!」
「うむ!」
「「アルテマ………レイジ!!」」
「大地の力よ!ゼムリアに仇名す敵に制裁を!プレッシャーエクスプロージョン!!」
「精霊達よ……今こそ我が矢に勝利の祝福を!エレメンタル………アロー!!」
「ハァァァァァァァ………!これがあたしのとっておきだよ!睡魔の一刀!!」
「我が聖槍にて全てを決する!奥義――――聖槍乱舞!!」
「コイツで終わりにしてやるよっ!彗星の闇剣!!」
「聖なる光よ!偽りの神を滅ぼす刃となれ!貫け――――彗星の光剣!!」
「コいツで終ワリだぁっ!イディオの斬魔剣!!」
「うふふ、これで終わりにしてあげるわ!――――そ~れっ!レ・ラナンデス!!」
エリィ達は次々と持てる力全てを振り絞って強力な攻撃を敵に叩き込んだ!しかしそれでも敵は怯まず自分のコア部分に手を入れて光の球体を取り出し
「!?まさかあれはキーアか!?させるかあああああああああっ!おおおおおおおおおおっ!!」
光の球体を見たロイドは血相を変えた後莫大な闘気を全身に溜め込み
「頑張って、ロイド………!」
キーアは全身から神秘的な光を放ちながら強く祈った。するとロイドに膨大な神気が纏った!
「―――――――――!!」
そして敵が光の球体を握って潰そうとしたその瞬間、キーアの加護を受けたロイドが回転しながら巨大な球体となって突撃した!その技は”零の御子”の加護を受けた神技!その技の名は……!
「「ゼロ!エクシード――――――――――――――ッ!!」」
キーアの加護を受けた神技―――――ゼロ・エクシードによるロイドの突撃技は光の球体を握った巨腕を破壊して敵に命中し、超越した連鎖の大爆発を起こした後星をも貫くほどの巨大な碧き光の柱を立てた!
「――――――――――――――――――――!!??」
そして敵――――”碧き虚神”碧のデミウルゴスは崩壊し、崩壊した所から光の球体が現れ、光の球体はキーアとなって降りてきた後、背後の空間を歪ませ、穴に呑みこまれようとしていた!
「クッ……なんだ!?」
「キーアちゃん……!?」
その様子を見たランディとエリィは血相を変え
「これは哀しみ………そして絶望……!?」
「一体どうして……!?」
ティオとセティは戸惑い
「――――――――いかん!このままではかつての”幻の至宝”のように自らの存在を消す事になるぞ!?」
ツァイトは厳しい表情で声を上げた!
「ロイド!」
「ここを逃したらあの娘と2度と会えない!行けっ!!」
するとその時未来のキーアと戦闘を終わらせた未来のロイドがロイドを見つめて叫び
「…………………」
ロイドは決意の表情になってキーアが吸い込まれようとしている穴へと突撃した!
「ロイド……!?」
「ロイドさん……!?」
「どうするつもりだ!?」
ロイドの行動にエリィ達は驚き
「………大丈夫だ……そこで待っていてくれ……!俺が……必ずこの子を………キーアをこの手で―――――」
ロイドはキーアと共に穴に呑みこまれ
「ロイド――――――――――ッ!!」
エリィは声を上げた!
そしてロイドとキーアが異空間に呑みこまれると、エステル達やセリカ達――――消えたはずの仲間達が次々と転移して現れ、穴にキーアと共に呑みこまれたロイドは謎の空間に立っていた…………………
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