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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第176話

~戒の領域・最奥~



「風よ……我が力となれっ!!」

ヴィクターと対峙したアリオスの分け身はクラフト―――軽功で身体能力を上昇させ

「コォォォォォ……ハアッ!!」

対するヴィクターもクラフト―――洸翼陣で自らの身体能力を上昇させた!

「斬ッ!!」

そしてアリオスはクラフト―――洸破斬による衝撃波を放ち

「フンッ!!」

ヴィクターはクラフト―――洸迅剣を放って相殺した!

「二の型―――疾風!!」

攻撃が相殺されたアリオスは電光石火の速さで強襲し

「―――閃!!」

対するヴィクターも電光石火の速さで強襲して互いの攻撃を相殺した!攻撃が相殺されたアリオスはすぐさま剣を引いてヴィクターから距離を取り

「秘技――――裏疾風!!」

再び電光石火の速さで強襲した!

「甘い!」

しかしヴィクターはアリオスの攻撃を見切っていたのか、アリオスの強襲攻撃を剣を振るって相殺し

「ハァァァァァ……!!」

「フン!!」

さらに自分の背後に回って放ったアリオスの斬撃による衝撃波をすぐさま振り向いて真っ二つに切り裂いた!

「逃がさぬぞ……!」

衝撃波を切り裂いたヴィクターは自分の足元に光の渦を発生させ

「何……!?」

光の渦によってアリオスは引き寄せられ

「斬!!」

「…………!」

ヴィクターの斬撃を正面から刀で受け止めた!



「……なるほど。さすがは”剣仙”殿が褒め称えているだけあって、技のキレも中々のものだ。」

アリオスと鍔迫り合いの状態になっているヴィクターは静かな口調で呟き

「…………師とは面識が?」

アリオスは静かな表情で尋ねた。

「―――以前レグラムに訪れた時に仕合った事はある。……まあ、決着はつかなかったが……」

「フッ……さすがは”光の剣匠”か……まさか師と互角とは…………」

ヴィクターの説明を聞いたアリオスは静かな笑みを浮かべ

「……だが、それでも己の道を行かせてもらう!例え相手が”光の剣匠”と言えど!」

すぐに真剣な表情になってヴィクターを見つめて呟くと同時に刀に力を入れた。

「……ならば私はそなたのその考えが間違っている事を”剣仙”殿に代わり、教えてやろう……!」

対するヴィクターも真剣な表情で答えた後大剣に力を入れた。そして鍔迫り合いの状態になっていた二人の武器だったが、刀では大剣に敵わず、徐々にアリオスが圧され始め、その事に気付いたアリオスは鍔迫り合いを止めると共に後ろに跳躍した。

「フンッ!!」

アリオスの行動を見たヴィクターはクラフト―――洸迅剣による凄まじいスピードの衝撃波を放ち

「ハアッ!!」

アリオスは刀を振るって衝撃波を切り裂いた。

「甘い!洸閃剣!!」

しかしその時ヴィクターが突きの構えで電光石火の速さで強襲した!

「!!」

アリオスは空に向かって跳躍して回避し

「大雪斬!!」

剣に膨大な闘気を纏わせて落下しながら刀をヴィクターに叩きつけた!しかし

「何っ!?」

なんとヴィクターはアリオスの刀を大剣で受け止め

「我が渾身の乱舞………喰らうがよいっ!奥義!洸刃乱舞!!」

大剣に巨大なエネルギーをまとわせた状態で連続で怒涛の乱舞攻撃を放ち始めた!

「クッ…………!」

アリオスは唇を噛みしめてヴィクターの乱舞攻撃を刀で捌き始めた。ヴィクターの乱舞攻撃は”光の剣匠”の異名を大陸中に轟かせているだけあって、まさに光の速さのように早く、アリオスでも見切れない攻撃が多く、アリオスは徐々に傷ついて行った。

「グッ……!?速すぎる……!これが”光の剣匠”の剣か……!」

ヴィクターの攻撃によって次々と傷を作っているアリオスは表情を歪め

「止めだっ!………――――鉄閃刃!!」

乱舞攻撃から続くようにヴィクターは跳躍して膨大な闘気が纏った大剣をアリオス向かって叩きつけ

「ハッ!!」

アリオスは後ろに跳躍して回避した。



「風巻く光よ、我が剣に集え!」

ヴィクターから距離を取ったアリオスは抜刀の構えで膨大な闘気を纏い

「………おおおおおっ!」

ヴィクターに向かって飛び込むと共に抜刀をして無数の斬撃を放った。しかし

「オォォォォォォッ!!」

なんとヴィクターは大剣を光の速さで怒涛に振るって無数の斬撃を全て打消し

「奥義!風神烈破!!」

「フンッ!!」

なんと膨大な闘気や風を纏ったアリオスの一撃を正面から受け止めた!

「!?なっ…………!」

攻撃を受け止められたアリオスは目を見開き

「――――八葉一刀流”二の型”の奥義、”風神烈破”か。初見であったならば私も受けたかもしれぬが……既にその奥義は”剣仙”殿との仕合で見ている上……”剣仙”殿が放つ”風神烈破”と比べればまだまだ精進が足りぬな。」

ヴィクターは静かな表情で答えた。

「クッ…………!」

一方アリオスは表情を歪めた後再び後ろに跳躍してヴィクターから距離を取り

「―――ならば、この一撃で決めさせてもらう!受けて見よっ!滅びの太刀!!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」

全身に膨大な闘気を纏って跳躍した!

「ほう……?まさか”絶技”も習得しているとは…………ならばこちらもアルゼイドの真髄……お見せしようっ!!」

対するヴィクターは感心した後大剣に膨大な闘気による光のエネルギーを纏わせた!

「絶!黒皇剣!!」

「絶!洸凰剣!!」

そして二人の”絶技”がぶつかり合った瞬間、ヴィクターの大剣がアリオスの刀を真っ二つに破壊すると共にアリオスの全身を一刀両断し、一刀両断されたアリオスの分け身は消滅した!



「風よ、我が力となれ!!」

フェミリンスと対峙したアリオスの分け身もヴィクターと対峙している分け身のように”気功”で自らの身体能力を上昇させ

「光よ、行けっ!!」

フェミリンスは片手を振るって魔術――――嵐光弾を放った。

「!!」

フェミリンスが放った怒涛の光の魔力弾を見たアリオスは跳躍して回避し

「大雪斬!!」

そのままフェミリンスに刀を叩きつけた。しかしフェミリンスは咄嗟に槍でアリオスの刀を受け止め

「吹き飛びなさい!!ハイロウスピン!!」

「グアッ!?」

槍全体から衝撃波を発生させてアリオスを吹っ飛ばした!そしてフェミリンスはオーブメントを駆動させた後一瞬で吹っ飛ばされたアリオスに詰め寄り

「―――参ります。五連聖印突!!」

膨大な光の魔力を纏わせた槍で次々と突きを連続で放った。

「ハァァァァァ……!」

フェミリンスの連続攻撃をアリオスは刀を振るい続けて攻撃を相殺していたが

「ハアッ!!」

「なっ!?ぐっ!?」

突きの連携攻撃から薙ぎ払い攻撃に連携したフェミリンスの攻撃は見切れず、フェミリンスの槍はアリオスの胴を薙ぎ払い、胴を薙ぎ払われ、斬られた部分から血を流しているアリオスの分け身は後ろに跳躍した。するとその時

「―――エニグマ駆動!クリムゾンレイ!!断罪の炎に焼き尽くされなさい!贖罪の聖炎!!」

「ガアアアアアアアアア―――――――ッ!?」

フェミリンスが放ったアーツと魔術による2種類の炎をその身に受け、悲鳴を上げた!



「――――止めです。ルン=アウエラ!!」

そしてフェミリンスは片手に溜め込んだ膨大な魔力を解放した。するとアリオスを中心点に超越的な大爆発が起こった!そして爆発の煙が晴れるとそこには、満身創痍のアリオスが息を切らせてフェミリンスを見つめていた。

「―――”闘気”を防御に回して、致命傷を避けましたか……………手加減しているとはいえ、女神たる私の魔術に耐えられた事……誇りなさい。」

アリオスの状態を見てすぐに状況を把握したフェミリンスは静かな表情で呟き

「……”手加減”か。セリカ殿と言い、神は俺達”人間”をどこまで愚弄するつもりだ!?」

フェミリンスの言葉を聞いたアリオスは静かな表情で呟いた後怒りの表情で叫んだ。

「……”神殺し”と同等の扱いにされるのは非常に不愉快ですが……貴方は決定的な勘違いをしていますわ。」

「何……!?」

しかしフェミリンスが呟いた言葉を聞いたアリオスは驚き

「元々”神”と”人”は”存在自体”の”次元”が違うのです。そして人は”絆”を結んでこそ”真の力”を発揮する……その力はまさに文字通り無限。時には”神”をも超えますわ。―――かつてエステル達が協力して私を破ったように。」

「なっ……!?」

「―――対する貴方は絆を裏切り、下らぬ妄執の為に悪の道へと走った愚者…………墜ちてしまった愚者の剣が”神”に届くと思う事自体がそもそもの間違いなのですよ。”神”は”墜ちた人”を”裁く立場”なのですから。その”墜ちた人”である貴方が”裁く立場”である私に勝てる可能性は全くありえませんわ。」

「……………………」

フェミリンスの話を聞いたアリオスは厳しい表情でフェミリンスを睨み

「―――ならば、我が全力を持ってその傲慢を打ち砕き……我が剣にて神に届かせる!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」

全身に膨大な闘気を纏って跳躍し

「絶!黒皇剣!!」

フェミリンスに向かって突撃すると共に刀を叩きつけた!しかしアリオスが刀を叩きつける瞬間、フェミリンスはドーム型の結界を展開してアリオスの攻撃を防いでいた。

「オオオオオオオオオオオオオ―――――――――――――ッ!!」

攻撃を結界に受け止められたアリオスは結界を破壊する為に刀に闘気を流し続けていたが、フェミリンスの結界はあまりにも強固で罅すら入らなかった。

「――――そろそろ終わらせてもらいますわ。神技!イセリアルブラスト!!」

アリオスの様子を見ていたフェミリンスは背中に光の翼を具現化させた後、膨大な神力や魔力がこもったエネルギーをアリオスに向かって放った!

「な―――――」

そしてアリオスの分け身は光に呑みこまれ、塵も残さず消滅した!


「風よ……我が力となれっ!!」

ロイド達と対峙したアリオスはクラフト―――軽功で身体能力を上昇させ

「みんな、一気に行くぞっ!!」

ロイドはクラフト―――鼓舞で仲間達の闘志を高め

「ハァァァァァァ…………オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

ランディはクラフト―――デスクライで自らの身体能力を上昇させ

「イーリュンよ……私達をお守りください!防護の聖域!!」

セシルはその場で祈って仲間達の防御能力を高め

「本気で行かせてもらいますよ………!ハアッ!!」

ティオはその身に秘める力を解放し、”魔人化(デモナイズ)”した!

「二の型―――疾風!!」

そしてアリオスは電光石火の速さで強襲したが

「―――空破特攻弾!!」

なんとツァイトも電光石火の速さで全身を回転させながら強襲してアリオスの攻撃を弾いた!

「っ!?”神狼”か……!……今になって”眷属”が何故俺達”人”の事情に介入する……!」

攻撃が弾かれたアリオスは厳しい表情で呟き

「―――既にこの身を縛る”盟約”は解かれた。ならば、”特務支援課の警察犬”として貴様を止めるのみ。」

ツァイトは静かな様子を纏って呟いた後口元に笑みを浮かべた。

「全く……警察犬まで訳ありとはな……!訳ありばかり集まる運命でもあるのか?”特務支援課”は……!」

その時口元に笑みを浮かべたダドリーが拳に闘気を纏わせてアリオスに飛び込み

「この………大馬鹿者がぁっ!!」

アリオスに鉄拳を放った!

「!!」

ダドリーのクラフト―――正義の鉄拳を見たアリオスはその場から跳躍して回避した。

「逃がさん!」

攻撃を回避されたダドリーは懐から大型の拳銃を取り出して銃撃を開始し

「そこっ!シュート!!」

「オオオオオォォォォッ!!」

「それっ!!」

エリィやランディ、エオリアもそれぞれ銃撃や短剣の投擲を開始した。



「ハァァァァァ……!」

自分に次々と襲い掛かる銃弾や短剣を見たアリオスは刀を連続で振るって撃ち落し

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」

「魔の雷よ……我が敵を葬れ!メ・ベルデ!!」

「フッ!!」

さらにルファディエルとティオが放った光の魔力弾の雨や魔の雷を回避し

「秘技―――――裏疾風!!」

再び電光石火の速さで強襲をした。しかし

「させるかあっ!!」

「何……!?」

なんとロイドがアリオスの攻撃をトンファーで受け止めた!

「ハァァァァッ!!」

「うおおおおおっ!!」

そして二人はそれぞれの武器を振るって武器の打ち合いを始めた!

「成長したな、ロイド……!まるであの雨の日のガイと戦っているようだぞ……!」

ロイドと鍔迫り合いの状態になっているアリオスは口元に笑みを浮かべて呟き

「俺がここまで来れたのはみんなのお蔭です……!それに――――3年前兄貴が殺された時と違って、俺には仲間達がいる!」

アリオスの言葉を聞いたロイドは真剣な表情で叫んだ。するとその時

「エニグマ駆動!クロノドライブ!!」

セシルがアーツを発動してロイドの身体能力を上昇させた。

「うおおおおおおおっ!!」

セシルのアーツによって身体能力が上昇したロイドはアリオスとの鍔迫り合いの状態を止めて、トンファーによる猛連撃を怒涛に放ち始め

「ハァァァァァッ!!」

対するアリオスも凄まじい速さで刀を振るい続けてロイドの攻撃をさばいていた。

「今よ!逃がさない!!」

その時、エリィは導力ライフルを構えてアリオスの側面からライフルを連射した!

「うっ!?……!」

ロイドとの打ち合いに気を取られ、ライフルによる導力エネルギーをその身に受けたアリオスはその場から跳躍してロイドから距離を取り

「ほーらよっ!!」

「!!」

さらにランディがスタングレネードを投擲された際、さらに後ろに跳躍してスタングレネードから距離をとって爆発と共に起きる閃光を回避した。しかし

「逃がさないわっ!!」

「っつ!?腕を上げたな、エオリア…………!」

エオリアのクラフト―――ウィンドエッジがアリオスの肩に命中し、肩から血を流しているアリオスは短剣を抜いてエオリアに視線を向け

「これで……沈めっ!!」

「セイッ!洸破斬!!」

ダドリーが散弾銃を構えて放ったクラフト―――ジャッジショットの弾丸を衝撃波を放って真っ二つにして攻撃を無効化した。するとその時、ロイド達とアリオスの攻防の隙を狙って魔術――――ダークミラージュで姿を消したティオがアリオスの背後からエネルギーの刃を現させた魔導杖を振るった。しかし

「!?ハアッ!!」

「なっ!?あうっ………!?」

すぐに振り向いて振るったアリオスの刀によって弾き飛ばされた!



「フッ、まさか後方支援のお前が奇襲をかけるとはな。」

「……その奇襲を防いだ人がよく言いますね……デミガンナー起動…………トールサンダー!!」

アリオスの言葉を聞いてジト目になったティオは魔導杖を銃に変形させて雷の魔法弾を放ち

「甘いっ!大雪斬!!」

アリオスは前方に跳躍する事によって頭上から落ちてきた落雷を回避すると共にティオに刀を叩きつけようとした。しかし

「――――光よ、盾となれ!聖燐障壁!!」

「なっ!?クッ…………!」

ルファディエルがティオを中心に展開した光の障壁によって攻撃が防がれると共に跳ね返され、アリオスは自分の攻撃によって吹っ飛ばされた。

「――――エニグマ駆動!フォルトゥナ!!」

その時オーブメントの駆動を終えたセシルがアーツを発動して魔術の詠唱をしているツァイト達の魔法能力を上昇させ

「―――今こそ開け!異界の門!アヴァロンゲート!!」

「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!」

「降り注げ閃光!我が敵を葬れ!シャイニングレイ!!」

魔術の詠唱を終えたツァイトとエリィ、エオリアはそれぞれ魔術を発動した!

「グッ…………!?」

二人が発動した魔術によって発生した空より降り注ぐ光の魔力弾や銀の槍、光の針の雨を受け続けているアリオスは呻いた。

「―――今よ、ダドリー!タイミングを外さないでよ!」

「フン、無用な心配だ!貴様こそ外すなよ!ハアッ!」

その時拳に膨大な闘気を纏ったダドリーがアリオスに向かって突撃し、ルファディエルは杖を構えて詠唱をした。すると闘気が込められたダドリーの拳に光の魔力が宿り

「「セイクリッドハンマー!!」」

「ガハッ!?」

ダドリーは光の魔力と闘気を宿らせた拳をアリオスの腹に叩きつけた!すると闘気と光の大爆発を起こり、アリオスを再び吹っ飛ばした!

「ハァァァァァ……!!」

そしてティオはクラフト―――魔眼を発動してアリオスの動きを封じようとし

「ランディ、行くぞ!」

「合点承知だぁっ!」

ロイドとランディはアリオスを挟み撃ちにしてそれぞれの武器を構えて同時にアリオスに突撃した!

「オォォォォォ…………!!」

するとその時アリオスは膨大な闘気を解放して魔眼の効果を吹き飛ばし

「ハァァァァァ……!!」

「なっ!?挟み撃ちによる連撃を防ぐなんて……!」

「攻撃の手を休めるな、ロイド!」

さらに自分を挟み撃にしてち怒涛の連撃を放ち続けるロイドとランディの攻撃を全て刀を振るって捌き

「「バーニング……レイジ!!」」

「秘技――――裏疾風!斬ッ!!」

「ぐっ!?」

「チッ!?」

同時攻撃してきたロイドとランディに反撃してダメージを与えた!



「―――今助けるわ!イーリュンよ……!」

ダメージを受けたロイド達を見たセシルはその場で祈り始め

「―――やらせん!二の型―――疾風!!」

セシルの行動を見たアリオスは電光石火の速さでセシルに強襲しようとしたが

「させないわよ!」

「!!ルファディエル……!」

なんと、セシルの傍にいたルファディエルが自分達を中心にドーム型の結界を展開してアリオスの攻撃を受け止めた!

「今思えばお前が一番厄介な存在だったな……!恐ろしいほどの知識量……それらを利用して敵の行動を完全に予測し…………セルゲイさんすら足元に及ばない搦め手や手回しに加えてメンフィルや”ラギール商会”をも利用し……そして合理的な判断と処理能力で確実に勝利し……挙句の果てには可能な限り自分は表舞台に立たず、裏方に徹して自分の存在を”真の敵”の目から欺く…………初めて出会った時、まさかこんな厄介な女だった事に気付かず、警戒しなかったのが俺の最大の過ちだな………!ガイも厄介な天使を拾ってきたものだ……!」

「フフ……もしかしたらガイは自分に何かあった時用の”切り札”もしくは”代役”として、私に警察に関わらせたかもしれないわね?」

真剣な表情で呟いたアリオスの言葉を聞いたルファディエルは結界を展開しながら口元に笑みを浮かべて答え

「なるほど………殺されてなお、俺の道を阻もうとするとは恐ろしい男だ……!」

ルファディエルの答えを聞いたアリオスは刀にさらに力を入れてルファディエルの結界を破壊しようとしていた。

「―――イーリュンよ、彼の者達に慈悲を!大いなる癒しの風!!」

その時祈りを終えたセシルが魔術でロイド達の傷を回復し

「フン、その女が厄介な女である事には同感だな。むしろその女が警察に所属している方が不思議なくらい……だ!!」

「ガッ!?」

不敵な笑みを浮かべたダドリーがアリオスの側面からクラフト―――ビクトリーチャージによる突進攻撃でアリオスを吹っ飛ばし

「あら、失礼ね。私はお伽話や教会の教えでは”神の御使い”とも言われている”天使”なのだから、”正義”の象徴である警察にいても違和感はないでしょう?―――フォルテ!!」

「フフ、ルファディエルの場合は腹黒い所が多すぎるからそう思われても仕方ないわよ。―――クロノドライブ!!」

ダドリーの言葉を聞いたルファディエルとセシルは微笑みながらそれぞれアーツを発動してダドリーの身体能力を上昇させた。

「今までの行動で犯罪者共どころか”鉄血宰相”とロックスミス大統領まで嵌めた女がよくそんな口が叩けるな………………まあ、悪事に染まった奴と比べればまだマシだが……なっ!!」

「グッ!?」

ルファディエルの言葉を聞いたダドリーは呆れた表情で答ながら懐から素早く出した大型の導力銃でアリオスに向けて連射し

「貴様のその腐った性根……叩き直してやる、マクレイン!オォォォォォ―――――――――――――――ッ!!」

そして銃を懐にしまって背後に闘気の炎が見えるほどの膨大な闘気を全身に纏い

「受けるがいい……!正義の鉄拳を!ハァァァァァ……!!」

さらにアリオスに向かって突撃して凄まじい速さで連続でアリオスに膨大な闘気を纏わせた拳を叩き込み始め

「ハァァァァァ……!!」

対するアリオスは刀を振るって闘気が込められた拳をさばいていたが、今までの戦闘の疲労によって全てはさばけず、ダメージを受け

「フンッ!」

「ガッ!?」

そして拳による連続攻撃の後に放ったダドリーの渾身のアッパーによって空へと打ち上げられた!

「そこだっ!!」

そしてダドリーは再び銃を懐から出してマグナム弾を空に打ち上げられたアリオス向けて放って命中させた。

「グアアアアアアアアアッ!?」

マグナム弾がアリオスに命中した瞬間、落雷が発生してアリオスに命中し

「おおおおおおおおおおおおおおおっ!ジャッジメントストームッ!!」

さらにダドリーは跳躍して落下して来るアリオスに膨大な闘気を込めた拳を叩きつけ、闘気による大爆発を起こした!



「ガハッ!?」

悪に己の罪を悔いさせ、改心させる正義の肉体説得技にしてダドリー最強のSクラフト―――ジャッジメントストームをその身に受けたアリオスは地面に叩きつけられた!するとその時!

「星の光よ、今こそ集い手咎人達に滅びを!そして全てを撃ち抜く光となれ!」

エリィは銃に膨大な魔力と導力、魔導エネルギーを溜め始め

「我が呼びかけに応えよ……!出でよ、災厄の宝珠!!」

ティオは上空に禍々しい何かの顔のようになっている巨大な球体を召喚し

「こいつも喰らいなっ!ハァァァァァ……!」

ランディは武器をスタンハルバードに持ち替えて闘気を溜め込み

「”神狼”の真の力……見せてやろう!大地の力よ……今こそ我に力を!」

ツァイトは真の姿に戻ってその身に膨大な魔力を溜め込み

「我らの糧たる常明の光よ 今ここに集いてかの者を滅せん!」

ルファディエルは杖に膨大な魔力を溜め込み

「これで決めるわ!全弾……行くわよっ!!」

エオリアは背後に無数の魔力でできた短剣を召喚した!

「スターライト………カノンッ!!」

そしてエリィは銃から極太の光のエネルギーを解き放ち

「クリムゾン……ゲイルッ!!」

ランディはスタンハルバードを一振りして灼熱の炎の斬撃波を放ち

「我が敵を蹂躙せよ!カラミティスフィア!!」

ティオは球体から妖しげな紅い光を無数に解き放ち

「ゼムリアの敵を滅せよっ!プレッシャーエクスプロージョン!!」

ツァイトは空から巨大な魔力の球体をアリオスの頭上に降ろして超越した大爆発を起こさせ

「セイクリッドシャイン!!」

ルファディエルはアリオスを閃光で包むと共に大爆発を起こさせ

「トリリオン・ドライブ!!」

エオリアは無数の短剣をアリオスに解き放った!するとアリオスを中心に閃光、爆発が連続で次々と起こり、爆発による煙が晴れるとそこには―――

「ハア……ハア…………」

なんと全身傷つきながらも、致命傷を受けていない様子のアリオスが息を切らせて地面に立ってロイド達を見つめていた。

「う、嘘!?」

「オイオイオイ!あんな一斉攻撃を受けてもなお立っているって、どこまで”化物”なんだよ!?」

アリオスの状態を見たエリィとランディは驚き

「闘気を全て防御に回すと共に、刀を高速に振るって可能な限り攻撃を捌いたのか……」

「さすがはアリオスさんね…………」

「相変わらず反則なくらい、強すぎです…………」

ツァイトの推測を聞いたエオリアは表情を引き攣らせ、ティオは疲れた表情で呟き

「フフ、成長したな………だが…………それでも俺は我が道を貫かせてもらう。―――受けて見よ、滅びの太刀を!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」

アリオスは静かな笑みを浮かべて呟いた後全身に膨大な闘気を纏って跳躍した!

「……今こそ貴方を超えさせてもらいます、アリオスさん!うおおおおおおおおおお………………………全力全開ッ!!」

一方ロイドは静かな表情で呟いた後決意の表情になって全身に力を溜めた後、膨大な闘気と魔力を同時に解放した!

「絶!黒皇剣!!」

そしてアリオスは膨大な闘気を纏いながら地上に突撃し

「スターライト………ブレイカー―――――――――――――ッ!!」

ロイドは身体を回転させながら巨大な闘気と魔力の塊と化し、闘気と魔力による光の軌跡を残しながら地上に向かって突撃するアリオス目掛けて突撃した!そして突撃する2人がぶつかり合ったその時!

「うおおおおおおおおおおおお―――――――――――――ッ!!」

「!?な―――――――」

回転をし続けるロイドと鍔迫り合いの状態になっているアリオスはロイドの背後にトンファーを構えて自分に向かって来るガイの幻影が一瞬見え、ガイの幻影を見たアリオスは驚くと共に力が僅かに抜けてしまった。その瞬間光を纏った闘気と魔力の塊と化したロイドがアリオスの刀の刀身を真っ二つに破壊し―――

「グアアアアアアアアアアアアアッ!?」

刀身を破壊されたアリオスは闘気と魔力の球体になったロイドがアリオスに命中し、空中で”領域”全体を星の光を思わせるような光で照らすと共に超越した大爆発がアリオスを呑みこみ、そして爆発によって発生した煙の中からロイドと全身ボロボロ状態のアリオスが出て来て、ロイドは地面に着地し、アリオスは地面に叩きつけられ

「クッ………!」

折れた刀身を支えに立ち上がろうとしたアリオスだったが

「グッ!?これまで………か………」

すぐに地面に膝をついて、戦闘不能状態になった…………! 
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