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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第159話

~碧の大樹ー神域ー~



「ところで……あたし達の自己紹介は終わった事だし、そっちも自己紹介をしてくれないかしら?プリネ姫からもらった情報には乗ってなかった人達もかなりいるし……」

サラはリーシャやアドル達を見回して尋ね

「あれ?君って確かアルカンシェルのリーシャ・マオじゃなかったっけ?」

リーシャを見たミリアムは首を傾げ

「ええっ!?ア、アルカンシェルのリーシャ・マオって言ったら……!」

「あの”炎の舞姫”イリア・プラティエと並ぶトップスターじゃないか!何でこんな所にいるんだ!?」

アリサは驚き、マキアスは信じられない表情でリーシャを見つめて叫んだ。

「アハハ…………えっと、実は私は”(イン)”の一族なんです。」

「”(イン)”?」

「一族というと…………”ノルドの民”のような独特の文化を持つ民達なのだろうか?」

苦笑しながら答えたリーシャの話を聞いたエリオットは首を傾げ、ガイウスは不思議そうな表情をし

「何っ!?」

「”(イン)”ですって!?」

「えええええええええええええええええええっ!?あのアルカンシェルのリーシャ・マオが”(イン)”だなんて信じられない!」

「というかそれ以前に東方の伝説の暗殺者が何で力を貸しているのかも意味不明…………」

ヴィクターとサラは厳しい表情で声を上げ、ミリアムは驚き、フィーは信じられない表情でリーシャを見つめた。

「教官達はリーシャさんの事を知っているのですか?」

「それに東方の伝説の暗殺者とか聞き捨てならぬ言葉も聞こえてきたが……」

「彼女は一体何者なのだろうか?」

サラ達の様子を見たエマはサラ達に尋ね、ユーシスは目を細めてリーシャを見つめ、ラウラは真剣な表情で尋ねた。

「………”(イン)”っていうのは―――――」

そしてサラは”(イン)”についての説明をした。



「ええっ!?カルバード共和国に伝わっている伝説の暗殺者!?」

「な、何でそんな裏の人間が警察と一緒に行動しているんだ!?どう考えても警察とは相容れない存在じゃないか!」

「そ、それにどうして暗殺者がアルカンシェルのアーティストをしているのよ……!?」

説明を聞いたエリオットは驚き、マキアスとアリサは混乱した

「ハハ…………」

「まあ普通に考えたらそうですね。」

「フン、本来ならこちらの方も色々と聞きたい事があるのだがな?」

エリオット達の様子を見たロイドは苦笑し、ティオは静かな表情で呟き、ダドリーは鼻を鳴らした後目を細めてリーシャを睨み

「アハハ………ジオフロントの時にも言いましたが自治州法に反する事はしていないですよ?」

ダドリーに睨まれたリーシャは苦笑し

「私達の”知る限り”はな。」

リーシャの言葉を聞いたダドリーは目を細めてリーシャを睨んでいた。

「あたしだって色々と聞きたいぐらいよ!……エステル、今の話は本当なのかしら?」

一方エリオット達の言葉に疲れた表情で突っ込んだサラは真剣な表情でエステルに尋ね

「うん。でも今のリーシャさんはロイド君に惚れて骨抜きにされているから、心配いらないわよ?」

「ちょ、エステル!?」

尋ねられたエステルは答え、エステルの答えを聞いたロイドは慌てた。

「ほ、惚れているってまさか…………」

エステルの言葉を聞いたエマは顔を赤らめてリーシャを見つめ

「はい♪ロイドさんに心も体も奪われてしまったので、今の私の”全て”はロイドさんのものです♪」

リーシャはロイドの片腕に抱き付き

「ちょっ、リーシャ!?」

「リーシャさん!」

リーシャの行動にロイドは慌て、エリィは怒りの表情で叫び

「アハハ……本当に油断も隙もないね~、リーシャさん……」

「エリィさんも大変ですね……」

「確かにただでさえルファディエルさんが厄介ですものね…………」

シャマーラとセティ、エリナは苦笑していた。

「ロイドの一番の恋人は私です!皆さん、そこの所はちゃんとわかっておいてくださいね!?」

「エリィまで!?」

そしてエリィはもう片方のロイドの腕に抱き付いて真剣な表情で叫び、エリィの行動にロイドはさらに慌てた。

「ええっ!?ま、まさか……二股!?」

エリィの行動を見たアリサは驚いた後厳しい表情でロイドを睨み

「二股ならまだマシな方だ!いいか!?この弟王はとんでもない女タラシでな……」

「フフ、僕も知っている限りの事を話してあげるよ。」

「ランディ!?ワジ!?」

ランディは悔しそうな表情で声を上げた後ワジと共に説明を始め、ランディの行動にロイドは驚いた。



「信じられない……二股どころかそんなとんでもない数の女性達から好意を向けられているなんて…………」

「うわ~……あの”黄金の戦王”にも負けていないんじゃないの?」

「フン、確かにそれは言えているな。」

「ア、アハハ…………」

「ちなみにヴァイスさんは私を含めてもっと一杯付き合っている女の人達がいますよ~?」

「フラン……そこは自慢する所ではないでしょう……」

「……そなた、エリィ殿の気持ちを考えた事はあるのか?」

説明を聞いたフィーは信じられない表情をし、ミリアムが呟いた言葉を聞いたユーシスは鼻を鳴らして頷き、エマは苦笑し、フランは無邪気な笑顔で呟き、フランの言葉を聞いたノエルは呆れた表情で溜息を吐き、ラウラは厳しい表情でロイドを睨み

「最っ低!婚約までしている癖に他の女性とも付き合っている挙句、さらに多くの女性達から好意を向けられているなんて…………!」

「何てふしだらな男だ!情報を見て一体どんな凄い男かと思っていたが……まさかこんな男だったなんて!?失望したぞ!」

「というか他の人達はよく喧嘩をしないよね………?」

「むしろ仲が良いように見えるな…………」

アリサは蔑みの表情でロイドを睨み、マキアスは怒りの表情で声を上げ、エリオットは不安そうな表情で呟き、ガイウスは静かな表情でエリィ達を見回し

「アハハハハハハハハッ!こりゃ傑作だわ!まさか特務支援課のリーダーがこんなとんでもない女タラシだったなんて!?しかもあの”(イン)”を惚れさせて自分の戦力にするなんて!さすがはあの”黄金の戦王”直属の部下だけはあるわねえ!?」

サラは腹を抱えて大声で笑い

「ロイド君の株がどんどんと落ちているな~。」

「当然の結果。」

ケビンは苦笑し、リースはジト目でロイドを見つめて言った。



「ちょっ!?ランディ、ワジ!今の話のせいで俺の人物像が思いっきり誤解されているじゃないか!?」

サラ達の様子を見たロイドは驚いた後ランディとワジを睨んだ。

「うるせえ!俺はこれ以上被害者が増えないように新顔の連中にお前の危険性を教えてやっただけだ!」

「アハハ……確かに今でもとんでもない状況ですものね。」

ランディは悔しそうな表情でロイドを睨み、ノエルは苦笑し

「誤解も何も僕達の話に嘘はなかったけど?」

「フフ、確かに嘘はなかったわね。」

「だってロイドだもんね♪」

「セシル姉とキーアまで!?」

口元に笑みを浮かべて呟いたワジの言葉に微笑みながら頷いたセシルとキーアの言葉を聞いたロイドは慌て

(……今の内に兄様の危険性も教えておいた方がいいのかしら?)

(何でそこで俺を見るんだよ、エリゼ……)

ジト目のエリゼに視線を向けられたリィンは疲れた表情をし

(昔は別に気にしていなかったけど、今は結構嫉妬するのよね、セリカの女殺しな所…………)

(本当にあの性格は何とかしてほしいですよね……)

(全くですよ。しかも本人に自覚がない所が余計に性質が悪いんですよね……)

(ヨシュアも結構似た所があるわよね?)

(アハハ……確かにクローゼさんやジョゼットさんから好意を寄せられているものね……)

(こういう人達って心を奪われた女の子達の気持ちが全然わかんないから腹が立つのよね……)

(全くなの!ライラもそうだけどクレハ様がどれだけ辛い思いをしていたのか思い知って欲しいの!)

さらにサティア、フィーナ、エレナ、エステル、クレハはそれぞれセリカ、アドル、ヨシュア、ナユタを膨大な威圧を纏って見つめ、エステルの言葉を聞いたミントは苦笑し、クレハの言葉を聞いたノイは怒りの表情でナユタを睨み

(…………イリーナを怖がるリウイの気持ちが今ならわかる気がする……)

(ハハハハハハハッ!とんでもない嫉妬持ちになっているだの!)

(どうしてこう、ブライト家の女の人って時々こんなに恐ろしくなるんだ……?)

(ううっ……何でそこで僕達まで責められる事になるんだ……?)

(何で今の話でクレハやノイが僕を睨むんだよ~………)

セリカは冷や汗をかき、ハイシェラは爆笑し、ヨシュア、アドル、ナユタはそれぞれ大量の冷や汗をかき

(フッ、やはり血は争えんな……)

(もう……一体それはどういう意味ですか。)

その様子を見ていたツァイトは苦笑し、ツァイトの言葉を聞いたエイドスは溜息を吐いた後ツァイトを睨み

(この様子だとご主人様は将来サティア様に尻にしかれているかもしれないわね♪)

(確かにその光景が今なら思い浮かぶな。)

(まあ昔から男の人は女の人に弱いのはよく聞く話ですし。)

(マ、マリーニャさん。それにレシェンテやリタちゃんも。)

(ふえ?一体どういう意味ですか??)

(よく……わかんない……)

(セリカさんに身体どころか心も”奪われた”今ならわかるわ……ホント、こういう男の人達って性質が悪いわね…………)

セリカの様子を見たマリーニャはからかいの表情になり、レシェンテとリタは口元に笑みを浮かべ、シュリは冷や汗をかき、サリアとナベリウスは首を傾げ、エオリアは疲れた表情で溜息を吐いた。



「コホン……まあ、ロイドは本当に!超危険人物だけど、だからこそ私達はここまで来れたし、リーシャさんも今この場にいて私達に力を貸してくれているの。そこがロイドの良い所であると共に悪い所なのよ。」

(何か滅茶苦茶けなされているのだけど……)

咳払いをした後笑顔で言ったエリィの言葉を聞いたロイドは疲れた表情をし

「……色恋沙汰は当事者同士の問題の上、当事者達は納得しているのだし、初対面の我々が口を出す事ではないだろう。」

「ま、まあそうですよね……真っ先に婚約したエリィさん自身も重婚に納得しているとの事ですし……」

「……そうね。でも、女の敵である事には違いないけど。」

「フン、あの”黄金の戦王”と変わらない程のとんでもない好色男だな……」

苦笑しながら言ったヴィクターの言葉を聞いたエマは頷き、アリサは頷いた後蔑みの表情でロイドを睨み、ユーシスは鼻を鳴らした後ロイドを睨み

(ううっ……完全に誤解されているよ……)

アリサとユーシスに睨まれたロイドは大量の冷や汗をかいて疲れた表情になり

(くかかかかかっ!今の状況でも笑かすとはさすがだよ、ロイド!)

(フフ、ある意味ロイドらしいわね……)

ギレゼルは陽気に笑い、ルファディエルは苦笑していた。

「でも婚約したとはいえ、正妻がエリィさんだと決まった訳じゃないと思いますがね。最終的にみんな、結婚する事になるでしょうし。」

「リーシャ!?」

「………………」

そして微笑みながら言ったリーシャの言葉を聞いたロイドは驚き、エリィは厳しい表情でリーシャを睨み

「フフ、本人の目の前で宣戦布告なんてさすがは”銀”ね♪」

「カーリアン様、”銀”は関係ないと思いますが…………」

からかいの表情で言ったカーリアンの言葉を聞いたエクリアは呆れた表情で溜息を吐いた……………… 
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