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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第158話

~碧の大樹ー神域ー~



「でも、僕のガーちゃんの武器はできるのかな~?」

「”ガーちゃん”??」

「そう言えば貴女の名前は?」

ミリアムの言葉を聞いたシャマーラは首を傾げ、セティはミリアムに尋ねた。

「あ、うん。僕はミリアム・オライオン!”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人だよ!」

「何だとっ!?」

「あ、”鉄血の子供達(アイアンブリード)”!?」

「そ、それって確かあの”鉄血宰相”直属の有能な子飼いの部下達ですよね……?」

「こ、こんな小さな子供が……?」

ミリアムの自己紹介を聞いたダドリーとロイドは信じられない表情で声を上げ、ノエルは不安そうな表情で呟き、エリィは戸惑いの表情でミリアムを見つめた。

「ちなみにこの子が”アガートラム”のガーちゃんだよ!よろしくね!」

「―――――――」

そしてミリアムが声を上げると白い人形兵器――――”アガートラム”がミリアムの背後に現れ

「なっ!?」

「に、人形兵器!?」

「しかもステルス機能付きですか……」

「白い人形兵器……ああ、なるほど!お前が”白兎(ホワイトラビット)”か!間違いなくそのガキは”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人のようだぜ?」

アガートラムを見たロイドとリーシャは驚き、ティオは真剣な表情になり、ヨナは納得した様子で頷いた後口元に笑みを浮かべた。

「む~……僕と大して変わらない年齢の癖に君に子供扱いされるのはシャクにさわるな~。クロスベルの2流ハッカーなんかに。」

「オイッ!誰が2流だ!俺はクロスベル一のハッカーのヨナ様だぞ!?」

そして頬を膨らませて呟いたミリアムの言葉を聞いたヨナは怒りの表情をし

「そこは威張る事じゃないでしょうが……」

「しかも”仔猫(キティ)”のハッカー能力には劣っていますからクロスベル一ではありませんね。」

エリィは呆れ、ティオは静かな表情で呟き

「グッ!?」

ティオの言葉を聞いたヨナは唸った。



「何でそんなとんでもない奴がいるんだよ…………って。テメェはまさか……―――――”西風の妖精(シルフィード)”!?何でテメェがそこにいる!?」

そして疲れた表情で溜息を吐いたランディはフィーに気付いた後、厳しい表情でフィーを睨んで声を上げた後警戒の表情をした。

「先輩?」

「……もしかしてかつての猟兵としての知り合いですか?」

ランディの様子を見たノエルは首を傾げ、リーシャは真剣な表情で尋ね

「ああ……”西風の旅団”の猟兵―――”西風の妖精(シルフィード)”、フィー・クラウゼル。猟兵の間ではわりと名の知れた猟兵だ。」

ランディは目を細めてフィーを睨みながら答えた。

「なっ!?」

「あ、あんですって~!?」

「”西風の旅団”だと!?」

「何でそんな人が学校に通っているの~!?」

ランディの説明を聞いたロイドとエステル、ダドリーは驚きの表情で声を上げ、ミントは混乱し

「君がかの”西風の妖精(シルフィード)”か…………」

ヨシュアは真剣な表情でフィーを見つめた。

「何でそこにいるはこっちの台詞。”闘神の息子”が”赤い星座”を抜けて、クロスベル警察にいる方が不思議なくらい。」

その時フィーは静かな表情で呟いてランディを見つめ

「その名前は止めろっつーの。ヘドが出るほど大嫌いなんだからな。………ったく、”キリングベア”に続いて”西風の妖精(シルフィード)”にまで会うとかどんな縁だよ……」

ランディは目を細めて答えた後疲れた表情で溜息を吐いた。

「”キリングベア”……?―――あ。ガルシアは随分前にルバーチェに引き抜かれたんだっけ。」

ランディの言葉を聞いたフィーは首を傾げた後静かな表情で呟き

「ああ……ま、今はルバーチェは崩壊して拘置所の中にいるがな。」

「そう……あのガルシアが大人しく捕まるとは思えないけど…………やっぱりガルシアを無力化したのは貴方?」

ランディの説明を聞いて頷いた後尋ねた。

「まあな……あん時はヨアヒムの野郎が創ったクスリでとんでもなく強くなっていたから無力化するのに苦労したぜ……」

「なるほどね…………さすがはあの”赤き死神”ね。”グノーシス”で強化された”キリングベア”を無力化できるなんて……」

疲れた表情で答えたランディの話を聞いたサラは真剣な表情でランディを見つめた。

「…………今の私は貴方が”赤い星座”を抜けてクロスベル警察にいるように、猟兵じゃなくⅦ組の生徒。それだけは覚えておいて。」

そしてフィーは静かな表情で呟き

「フィーちゃん……」

フィーの答えを聞いたエマは微笑み

「……………………」

ランディは複雑そうな表情で黙り込んでいた。


「――――ラウラ・S・アルゼイド。父ヴィクターの娘であり、”アルゼイド流”の剣士の一人だ。まだまだ未熟な剣だが、足は引っ張らないように全力を持ってそなた達に協力する。よろしく頼む。」

「”光の剣匠”の……!」

「……さすがはアルゼイド子爵のご息女だけあって、佇まいが他の生徒の方達とは明らかに違いますね……」

ラウラが名乗るとリィンは驚き、エリゼは真剣な表情でラウラを見つめ

「フッ……そなた達こそ只者ではあるまい。リィンとエリゼと言ったか……見た所二人とも剣を帯剣しているが流派はどこなのだ?」

見つめられたラウラは静かな笑みを浮かべた後興味深そうな表情でリィンとエリゼを見つめて尋ねた。

「私の剣はエクリア様より教わりましたから、特に流派と言ったものではありませんね。私の剣術はあくまで護衛程度です。私は兄様と違って後衛で魔術による援護の方を得意としていますので。」

「魔術……!」

「す、凄いわね……その年で剣どころか異世界の魔法が扱えるなんて……」

「………さすがに皇族の護衛を兼ねているだけはあるな……」

「………………」

エリゼの説明を聞いたマキアスとアリサは驚き、ユーシスは目を細めてエリゼを見つめ、エマは複雑そうな表情で黙り込んだ。

「俺の剣は”八葉一刀流”だ。未熟な剣ながらも老師――――”剣仙”ユン・カーファイより”中伝”を預かっている。」

「ほう……”剣仙”殿から直々に剣の手ほどきを……」

「フフ、時間があれば是非お手合わせを願いたい。いつか”八葉”の剣士とも手合わせをしたいと思っていたしな。勿論妹君も時間があれば手合わせを願いたい。」

リィンの説明を聞いたヴィクターは感心し、ラウラは口元に笑みを浮かべてリィンとエリゼを見つめ

「ハハ……こちらこそ、”アルゼイド流”と戦えるなんて良い機会だよ。」

「フフ、私はどちらかというと魔術師に近いですから、剣士としてはそれ程誇れるものではないのですけどね。」

リィンとエリゼは苦笑しながら答えた。



「……勿論、もしよければでいいが貴女も私と手合わせして頂きたい。ファラ・サウリン卿。」

「あ、あたし!?何で??」

そしてラウラに視線を向けられたエステルは驚き

「私の父上のように貴女の父親は大陸中でその名を轟かせるかの”剣聖”の上、貴女自身も激戦を潜り抜けた実力者。貴女の情報を見て、同じ偉大なる父を持つ娘同士として手合わせを願いたいと思っていてな。」

「フフ、さすがに持ち上げすぎだ……」

ラウラの言葉を聞いたヴィクターは苦笑し

「アハハ……あの不良中年親父と比べたら、アルゼイド子爵の方が貫禄があって全然比べものにならないわよ~。」

エステルも苦笑しながら答えた。

「フム……?ファラ・サウリン卿はお父上の祖国での活躍を知らないのですか?」

エステルの言葉を聞いたラウラは不思議そうな表情で尋ね

「勿論、知っているわ。でも父さんったら、あたしにはその事については全く教えてくれなかったし、遊撃士だった時はボースのハイジャックの事件だって人に心配させるだけさせて、事件が解決した後にエレボニアにいるって連絡するぐらいのいい加減なぐうたら親父よ?しかもお母さんには逆らえないし。」

「あー、2年前の件ね…………そう言えばボースのハイジャックの事件の時と時期が被っていたわね~。」

エステルの説明を聞いたサラは苦笑し

「…………信じられん…………かの”剣聖”がそのような人物とは……」

ラウラは信じられない表情をし

(なるほど。家の中では”剣聖”ではなく”カシウス・ブライト”として見て欲しかったという事か。)

ヴィクターは静かな笑みを浮かべていた。

「エステル……さすがに言いすぎだと思うわよ?」

「おじいちゃんの威厳が台無しになっていくよ~?」

その時エオリアとミントは苦笑しながらエステルに視線を向け

「父さんに威厳??そんなの最初からないじゃない。軍を一度やめる時だってリシャール大佐やモルガン将軍達に丸投げするほどのいい加減な親父だし。そのせいで大佐がクーデターを起こすきっかけになったんだから。」

視線を向けられたエステルは目を丸くした後ジト目で答えた。

「あの……あくまでエステルとしての視点だから父さんの事を誤解しないでね。」

「……承知した。」

そして苦笑しながら言ったヨシュアの言葉にラウラは表情を引き攣らせながら頷いた。



「あ、それともう一つあるわ!サラさんは言わなくてもわかるけど、今後あたしの事は”エステル”って呼び捨てや気軽な態度で接してくれていいわよ?そのファラ・サウリン卿って呼ばれても正直、くすぐったいのよね~。」

「ええっ!?で、でもファラ・サウリン卿って”侯爵”だし……」

エステルの言葉を聞いたエリオットは驚き

「だ~か~ら~!そのファラ・サウリン卿ってのは止めてって言ってるでしょう!?元々あたしの名前はエステル・ブライトなんだから!貴族の爵位や家名なんてあたしにとったら後からついてきたオマケよ!」

「なっ!?」

「き、貴族の爵位や家名をオマケ扱い!?」

「貴族の爵位や家名をそんなぞんざいに扱う等……普通に考えてありえんぞ!?成り上がったとはいえ、今の貴様は曲がりなりにも貴族だろうが!?貴族としての自覚はないのか!?」

エステルの答えを聞いたマキアスとアリサは信じられない表情で、ユーシスは驚きの表情で声を上げた後エステルを睨んだ。

「そんな事言われても、あたしはあくまで遊撃士だもん。それに貴族としての仕事をしている訳でもないし。」

「その割にはその貴族としての身分を存分に使って、エレボニア帝国では暴れ回っていたよね?確か君達を無力化しようとした領邦軍の兵士達をみんな返り討ちにした挙句、貴族達が脅してきた時もその時は”英雄王”達に相談してメンフィルに介入させるって言って逆に脅していたし、君達の態度に業を煮やした貴族が命じた兵士達ごとその貴族を気絶させたりしていたよね?クレアちゃんなんか、下手に手を出したらメンフィルどころか、”英雄王”が直々に出てくる可能性も十分あるから、放置するしかないとんでもなく厄介な存在だってボヤいて対処法を必死に考える為に頭を抱えていたし、エレボニア帝国内で落ちた遊撃士協会の権威を復活させるために君達が来たんじゃないかって警戒していたぐらいだよ?」

「へえ?さすがにメンフィルの後ろ盾があるその娘達には対処できなかったようね♪」

エステルの説明を聞いたミリアムは不思議そうな表情で尋ね、ミリアムの言葉を聞いたサラは口元をニヤリとさせ

「あれは向こうが悪いのよ!『平民風情が出しゃばるな』って言って、あたし達の仕事の邪魔をしようとしたんだから!身分には身分をって奴よ!」

尋ねられたエステルは怒りの表情で答え

「いや、そんな諺絶対にないから。」

「……自らの欲望の為に民達を蔑ろにする愚か者達には当然の裁きですわ。殺さなかっただけありがたいと思って欲しいぐらいです。」

ヨシュアは呆れた表情で指摘し、フェミリンスは静かな表情で呟いた。

「特に”四大名門”の当主さん達だっけ?ホント、あたし達が出会った”四大名門”の当主さん達は最低な人達ばっかりだったわ!」

「ええっ!?」

「し、”四大名門”の当主にまで会っているなんて……」

頬を膨らませて話したエステルの説明を聞いたエリオットは驚き、アリサは表情を引き攣らせ

「確かミント達はえ~と……アルバレア公爵さんとカイエン公爵さんに会った事があるんだ。」

「何だと!?」

「よ、よりにもよって”四大名門”の中でも強弁派の……」

「よく無事でいられましたね………」

ミントの説明を聞いたユーシスは声を上げ、マキアスとエマは信じられない表情をし

「領邦軍の兵とか差し向けられなかったの?」

フィーは不思議そうな表情で尋ねた。



「勿論、差し向けられたわよ。まあ、その時はパズモ達と一緒に大暴れして、兵士さん達はみんな無力化して公爵さん達にお仕置き代わりにあたしの棒で一発キツイのを入れてブッ飛ばしてあげたけどね♪」

「……戦車を差し向けられた時もありましたが完膚なきまでに破壊してあげましたわ。」

「あの時の兵士さん達や公爵さんの顔が面白いように強張っていたよね~。」

「なあっ!?」

「な、生身で戦車を破壊するって…………」

「凄いな……まるで教官達みたいじゃないか……」

「エ、エステルさん!?貴族の……それも”四大名門”の当主にそんな事をしたらどうなるかわかっているんですか……!?」

そして笑顔で答えたエステルと静かな表情で答えたフェミリンス、苦笑しながら言ったミントの言葉を聞いたユーシスは口を大きく開けて声を上げ、エリオットは表情を引き攣らせ、ガイウスは目を丸くし、エリィは信じられない表情で尋ねた。

「ん?あんまりしつこくあたし達の事を狙ってきたら今度はリウイ達に相談するって言ったら顔を青褪めさせて『この成り上がり化物共が!』って捨て台詞を吐いて逃げていったけど?いや~、あの時はスッキリしたわ!周りの人達も『よくやってくれた』とか『ありがとう』って言って褒めてくれたりお礼を言ってくれたし!」

「それとミントが”竜化”したら、みんな背中を向けて逃げて行ったよ♪」

「…………………………」

「め、滅茶苦茶だ…………」

「幾ら何でも好き勝手に暴れすぎよ……」

「エステルちゃん達、エレボニアでは大暴れしていたようだな……」

「さすがはエステルさん達ですね……」

「メンフィルを出されてはさすがの”四大名門”も下がるしかありませんものね……」

「あ、相変わらずとんでもないな、エステルちゃん…………」

「でも、そう言う所がみんなに好かれているのだから……そこがエステルの良い所よ。」

「フフ、民達をおろそかにする彼らにとってはちょうどいい裁きになっただろうな……」

エステルとミントの答えを聞いたユーシスは絶句し、ロイドとエオリアは疲れた表情で呟き、ランディとティオ、リースは苦笑し、ケビンは表情を引き攣らせ、サティアは微笑み、ヴィクターは口元に笑みを浮かべ

(フッ、さすがはお前の子孫だけはあるな。)

(もう……一体それはどういう意味ですか、ツァイト?)

ツァイトの念話を聞いたエイドスは呆れた表情をし

「アハハ……ちなみにミントも普通の貴族さん達みたいに威張るつもりはないから、ルーハンス卿って呼ぶのは止めて欲しいし、ママみたいに気楽な態度で接してね!」

ミントは苦笑した後微笑んだ。

「なんていうか…………想像していたイメージとは全然違いますね……」

「まるで太陽のような人達だな…………」

その様子を見ていたエマは苦笑し、ガイウスは口元に笑みを浮かべ

「フフ、だから言ったでしょう?貴族としての身分は何とも思っていないって。」

サラは口元に笑みを浮かべて答えた。

「――――ガイウス・ウォーゼル。知り合いの紹介でトールズ士官学院に留学している者だ。ノルド高原から帝国に来て口が浅いからよろしくしてくれると助かる。」

「”ノルド高原”…………!」

「……クロスベルのようにエレボニアとカルバードに挟まれ、領有権問題のある地域か。」

「へー……じゃあもしかして貴方は”ノルド高原”に住んでいる独特の民族――――”ノルドの民”かしら?」

ガイウスが名乗り出るとエリィは驚き、ダドリーは静かな表情で呟き、グレイスは興味深そうな表情でガイウスを見つめて尋ねた。

「ああ。ちなみに”ノルド高原”の問題は今回の戦争で解決するらしい。」

「へ?」

「それってどういう事なんですか?」

ガイウスの答えを聞いたロイドは呆け、ノエルは不思議そうな表情で尋ねた。

「…………エレボニアとカルバードが滅ぶ事で高原の領有権問題も自然消滅するとの事だ。」

「あ…………」

「―――なるほど。領有権を巡って争っていた相手が互いにいなくなりますものね。」

ガイウスの話を聞いたエリィは複雑そうな表情でアリサ達を見つめ、ティオは静かな表情で答えた。

「――――マキアス・レーグニッツ。Ⅶ組の副委員長をしている。」

「”レーグニッツ”だと……?」

「――――もしかして……帝都ヘイムダルの知事、カール・レーグニッツ知事の関係者の方かしら?」

マキアスが名乗るとダドリーは眉を顰め、エリィは目を丸くして尋ねた。

「ええ、カール・レーグニッツは僕の父になります。」

「まあ、オジサン―――”鉄血宰相”の盟友であるあのヒトも”六銃士”や”叡智”、そしてメンフィルが通商会議でオジサンを嵌めた事によって一気に追い詰められる立場になったけどね~。」

エリィの疑問にマキアスは頷き、ミリアムは静かな表情で呟き

「あー…………そう言えばレーグニッツ知事はオズボーン宰相の盟友として知られていたわね~。オズボーン宰相を庇った事で今まで慕われていた市民達からも相当嫌われたみたいよ?」

「え、えっとそれは……」

「何て言ったらいいのか………」

「お気の毒さまとしか言いようがないですね。」

グレイスの言葉を聞いたロイドは表情を引き攣らせ、エリィは申し訳なさそうな表情をし、ティオは目を伏せて呟いた。

「………その。これを機会に聞きたいんだけど、どうして”六銃士”達はメンフィルと協力してオズボーン宰相をあそこまで徹底的に嵌めたんだ?」

そしてマキアスは複雑そうな表情でロイド達を見つめて尋ね、ロイド達はルファディエル達がオズボーン宰相を嵌めた理由を説明した。



「まさかクロスベルを手に入れる為にそこまでしたなんて…………」

「自分を狙うテロリストをも利用するなんて信じられない…………」

「フン、だがあの”鉄血宰相”ならやりかねんな。」

説明を聞いたアリサは厳しい表情をし、フィーは真剣な表情になり、ユーシスは鼻を鳴らした後呟き

「……話を聞く限り、オズボーン宰相自身にも非があるな…………」

「確かにそうだな。実際その通りになれば、クロスベルの立場は弱くなるしな……」

「クロスベルを手に入れる為に猟兵団にテロリストを処刑させて、それを弱みにクロスベルを手に入れようとするなんて……さすがにそれは酷過ぎだよ……」

「まあ、オジサンもそれを逆手に取られて自分をが嵌められる事になるとは思わなかっただろうね~。」

ガイウスは静かな表情で呟き、ガイウスの言葉にラウラは頷き、エリオットは不安そうな表情になり、ミリアムは疲れた表情で呟き

「………つまりは因果応報だったという事か……………」

「マキアスさん………」

複雑そうな表情で呟いたマキアスをエマは心配そうな表情で見つめていた。

「――――ユーシス・アルバレア。先程貴様らが叩きのめしたというアルバレア公爵の次男だ。」

「へっ!?」

「ええっ!?し、”四大名門”の……!?」

ユーシスがエステル達に視線を向けて名乗り出るとエステルとエリィは驚き

(なあ、ロイド。さっきから気になっていたが”四大名門”ってのはそんなに凄いのか?)

ランディは真剣な表情でロイドに小声で尋ねた。

(ああ……エレボニアでは皇族に次ぐ権力を持っている貴族なんだ。)

(何!?オイオイオイ……!つーことはエステルちゃん達はそんなとんでもない権力持ちと戦ったのかよ!?)

(ハルトマン元議長とも比べものにならないですね……)

真剣な表情で答えたロイドの答えを聞いたランディは驚き、ティオは疲れた表情で呟いた。

「へえ?さっきから疑問に思っていたけどまるで狙っているかのような人選だねえ?”革命派”、”貴族派”の関係者に加えて”ラインフォルトグループ”の関係者までいるし。」

「……否定はせん。オリヴァルト殿下はそのつもりで集めたと言っていたしな。」

口元に笑みを浮かべたワジの言葉を聞いたユーシスは目を伏せて答えた。

「え……」

「オリビエが?」

「一体どうしてそんな事をしたの??」

ユーシスの答えを聞いたヨシュアは呆け、エステルは首を傾げ、ミントは尋ねた。そしてアリサ達は特科クラス”Ⅶ組”の説明をした。



「まさかあのオリヴァルト皇子がそんな事を考えていたなんて…………」

「あのスチャラカ演奏家がね~?全ッ然信じられないわ!」

「エステル……オリビエさんは今では”一応”まともに活動しているみたいだから、ちょっとは信じてあげようよ……」

説明を聞いたエリィは驚き、エステルはジト目になり、エステルの言葉を聞いたヨシュアは苦笑しながら諌めた。

「ハハ……ところで……アルゼイド子爵とサラさん……でしたか。お二人はどうなされるのですか?」

その様子を苦笑しながら見ていたロイドはある事に気付いてヴィクターとサラを見つめて尋ね

「無論、私も探索に加わろう。いつでも君達の力になる。」

「当然あたしも探索に加わるわ。こんな危険な場所の探索を生徒達だけに任せておけないし。」

「あ、ありがとうございます……!」

「これでアリオスさんに対抗できる人がまた増えたわね……!」

ヴィクターとサラの答えを聞いたロイドとエオリアは明るい表情をした………… 
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