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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第156話

~碧の大樹ー神域ー~



「……ここは………」

崖に隣接したメルカバから降り立ったロイドは景色を見て厳しい表情をし

「本当にあの大樹の中……?」

「確かにデカイ樹だったがここまでじゃねえだろ……?」

「……空間そのものが歪んでしまっている……?」

エリィやランディ、ティオは不安そうな表情や厳しい表情で呟いた。



ミツケテ



ワタシヲミツケテ



「「……………………」」

誰かの声が聞こえたロイドとその場にいるキーアは真剣な表情で大樹内にある巨大な建造物を見つめ

「まさか唯の遊撃士だった私がこんな所まで来るなんてね……」

エオリアは静かな表情で景色を見つめていた。

「はああっ……すっごくキレイ……」

「ええ……おとぎ話で出てくるみたいな景色ですね……」

「とっても大きくてキレイです~♪」

「ええ……本当に……」

「……まあこの大樹は”至宝”の力でできているから、実際そのおとぎ話の中にいるようなものだしな……」

周囲の景色で表情を輝かせたフランとエリゼ、サリアとシュリの言葉を聞いたリィンは苦笑し

「”至宝”でできた迷宮か……どんな素材があるんだろうね♪」

「きっと、他では手に入らない珍しい素材があるでしょうね……」

「ええ……”工匠”としては是非素材を採取しておきたいですね。」

シャマーラとエリナ、セティは興味深そうな表情で大樹や建物を見つめ

(やっぱりウィルさんの血を引いているだけはありますね。ウィルさん、”幻影城”の時も何気に素材を採取したらしいですし……)

シャマーラ達の言葉を聞いたティオは呆れた表情でシャマーラ達を見つめた。

「う~ん……珍しいお宝ちゃんの匂いがするわね♪どんなお宝ちゃんが眠っているのかしら♪」

「マリーニャ……貴女ね……」

「……まあ、こういう決戦の場には古の武器や道具が隠されてあるのがお約束じゃからの。」

「……?よく……わかんない…………」

「そう言えばリベル=アーク内にも結構使える武器とか眠っていたわね……」

口元に笑みを浮かべて呟いたマリーニャの言葉を聞いたエクリアは呆れ、苦笑しながら言ったレシェンテの言葉を聞いたナベリウスは首を傾げ、カーリアンはかつての事を思い出し

「フフ、さすがはシャマーラの子孫ですね。」

「あいつも宝に目が眩んでいたからな……」

「全く……緊張感のない連中だな……」

微笑みながら言ったリタの言葉を聞いたセリカは苦笑し、ダドリーは呆れた表情で溜息を吐いた。

「外にあったのとはまた別の大樹……?」

一方ノエルは真剣な表情で大樹を見つめ

「無数の光が……樹に吸い込まれていますね。」

「あの光は一体何なのかしら……?」

「なんつーか……導力ネットの概念イメージみたいだな。」

リーシャとセシル、ヨナは考え込み

「うーん、それにしてもシャッターチャンスばかりだわ!」

グレイスは嬉しそうな表情で写真を撮りまくっていた。

「――――ここより先は、重力の歪みが発生しているため、メルカバを進められないようだ。後から来るカレイジャスも同じ状況だろう。ここからは徒歩で行くより道は無かろう。」

「やれやれ、面倒だね……まあ、外にだったらメルカバで離脱もできそうだ。いざとなったら”大樹”の外に出る事もできると思うよ?」

「そうか………わかった。」

アッバスの話を聞いたワジは溜息を吐いた後ロイドに言った。



「うわ~……凄い景色だわ!」

「”リベル=アーク”とはまた別の凄さだね!」

「”幻影城”とはまた違った神秘的な場所ね………」

「さすがは”至宝”の力だな……」

「かつて私が貴女達に敗れたように……”人”の力は時にとてつもない力を出しますね……まあ、野望の為に使われようとしているのは悲しい事ですが。」

その時メルカバ伍号機が崖に隣接し、甲板からエステル、ミント、サティア、ヨシュア、フェミリンスが現れ

「やれやれ…………クロイス家も”白面”みたいにとんでもない事をしてくれたな……」

「うん…………絶対にクロイス家の野望を阻止しないと……!」

続いてケビンとリースが現れ

「凄く高い大樹ですね……バレスタイン城すら比べものにならないですね……」

「ああ……僕が知る限りの高い建物よりも遥かに高いな………」

「まさか大樹の中にこれほどの空間が広がっているなんて予想外です……」

「……”幻の至宝”を再現したいが為に”幻の至宝”をも超える”至宝”を創りだすなんて……この”至宝”をもっと別の方向に使えば人々の為になったというのに…………」

さらにエレナ、アドル、フィーナ、エイドスが現れ

「凄い高い大樹だな……ひょっとしたら”ヘリオグラード”をも超えているんじゃないかな?ねえノイ、”ギアドライブ”で登れるかな?」

「さ、さすがに無理なの~!登り切る前に私の体力が尽きてしまうの~!」

「それ以前に”ギアドライブ”で登れるのは貴方達だけじゃない……」

そしてナユタ、ノイ、クレハが現れた。

「エステル……また力を貸してもらう事になったな。」

「よろしくお願いします。エステルさん達はあの”異変”時に現れたという浮遊都市を攻略したのですから期待しています。」

「アハハ。そんなに期待してもらっても困るわよ~。あの時だってあたし達だけじゃなくオリビエやクローゼ達……みんなの力を借りて解決できたんだから。」

ロイドとティオに見つめられたエステルは苦笑しながら答え

「ちなみに本物の”幻の至宝”をよく知る貴女に聞きたいんだけどさ。”幻の至宝”はこんな大規模なものだったのかい?」

「……確かに”輝く(オーリオール)”の事を考えたら、ありえるな………」

真剣な表情でエイドスを見つめて尋ねたワジの言葉を聞いたケビンは考え込み

「―――――いえ。”七の至宝(セプト=テリオン)”にはさまざまな形がありますが……ツァイトが貴方達に教えたように”幻の至宝”は人の姿を形どり、人々の幸せがわかるように”心”を与えた”至宝”です。だからこそキーアさんが創られたのだと思います。」

「……………」

ワジの疑問に静かな表情で答えたエイドスの言葉を聞いたキーアは複雑そうな表情で黙り込んでいた。

「正直な所……私でもこの大樹がどのような力を発揮するのかわかりません。大樹から感じる”空”や”時”の力を考えると下手をすれば”空”や”時”の”至宝”の力も持っているかもしれません。」

「ええっ!?”輝く(オーリオール)”みたいなのが!?」

「という事は”導力停止現象”も再び起きる可能性があるな……」

「絶対に阻止しないと!」

エイドスの説明を聞いたエステルは驚き、ヨシュアは真剣な表情で考え込み、ミントは決意の表情になり

女神(エイドス)自身すらわからないなんて……」

「……気を引き締めてかかる必要がありますね。」

ノエルは驚き、リースは静かな表情で言った。



「――――勿論私も力を貸します。ツァイト、貴方も全力を出せるように今から貴方のその身を縛る”禁忌”――――”盟約”を解きましょう。」

「……正気か?お前自身が決めた事だというのに。」

エイドスの言葉を聞いたツァイトは驚きの表情で尋ね

「ええ。下手をすればかつての混迷が再び訪れる可能性も考えられます。それだけは絶対に阻止せねばなりません。それに”幻の至宝”自身は消えている以上、もはや”盟約”も意味をなしません。」

「…………そうか。」

エイドスの答えを聞き、重々しい様子を纏って頷いた。

「”盟約”というと……」

「レグナートが以前言ってた答えを出すまであたし達に力を貸せないとかそういうの?」

二人の会話を聞いたヨシュアは真剣な表情になり、エステルは尋ねた。

「はい。いつか成長した人々が”神”や”至宝”に頼らず、自分達の力だけで生きていけるようにという思いを込めてツァイト達に”人”に必要以上に力を貸さないようにしていたのです。」

「……まさか”盟約”にそのような意味が込められていたとはな……」

「また騎士団に報告すべき事が増えたね。」

エイドスの説明を聞いたアッバスとワジは真剣な表情で呟き

「できればエイドス自身がアルテリアに来て色々と我々に教えて欲しいのですけどね……」

「ま、それは止めた方がええやろ……下手したら教会がエイドス自身を元の時代に帰さないように動くかもしれんしな。」

複雑そうな表情で呟いたリースの言葉を聞いたケビンは真剣な表情で答えた。

「――――”神狼”ツァイトよ……汝の契約者エイドスの名においてその身を縛る”盟約”を解除する事を許可します……!」

そしてエイドスが強く祈るとツァイトの全身から膨大な”神気”が漂い始めた!

「……中々の”神気”だな。」

「”神狼”と呼ばれるだけはあるという事ですね……」

ツァイトがさらけ出す神気を感じたセリカとエクリアは真剣な表情になり

「フッ……懐かしいな、この力……再び振るえる時が来るとは思わなかったな……」

「ツァイト、凄い魔力や霊圧を出しているねー。」

ツァイトは口元に笑みを浮かべ、キーアは呆けた表情で呟き

「え……」

「キーアもそう言った”気配”がわかるんですか?」

キーアの言葉を聞いたエリィは呆け、ティオは驚きの表情で尋ねた。

「うん。”至宝”を宿していた影響なのかな?ティオみたいに七耀脈の力も感じやすいし、動物の言葉もハッキリとわかるよ。」

「ええっ!?動物の言葉がわかるって……それは獣人族だけの能力なのに………!」

「”至宝”の力は無限大という証拠ですね……」

キーアの説明を聞いたシャマーラは驚き、セティは真剣な表情でキーアを見つめていた。

「こりゃまたとんでもない所だわね~。」

「これが伝説の”至宝”の力か……」

その時、2機のメルカバのように崖に寄せたカレイジャスからサラとヴィクター、その後ろからは”Ⅶ組”の面々が現れた…………! 
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