英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~クロスベル警察”特務支援課”の情報~中篇
~第3学生寮~
「ちなみに現在のリィン・シュバルツァーは特殊任務を終えた後リフィア殿下の親衛隊員に所属していて、彼の妹であるエリゼ・シュバルツァーはリフィア殿下の専属侍女の仕事についているそうよ。」
「リフィア殿下と言えば…………」
「――――メンフィル帝国の皇帝の跡継ぎの皇女か。どのような手を使ったか知らぬが……元敵国の貴族の割に随分とメンフィル帝国に優遇されているようだな。」
「まあ、あの国はあくまで僕達の見方になるけど、どっちかというと僕達と同じ考え――――”実力主義”と同じ考えっぽいしね~。二人にはそれだけの能力があるって事じゃない?」
サラの話を聞いたラウラは考え込み、ユーシスは答えた後リィンとエリゼの写真を見つめ、ミリアムは静かな口調で呟いた。
「で、ですが……このエリゼさん……でしたか?侍女の彼女が戦えるのでしょうか?」
その時マキアスは不思議そうな表情で呟いた。
「ああ、そこの所は心配いらないらしいわ。彼女はリフィア殿下の護衛も兼ねているから、戦闘能力も高いそうよ。」
「ええっ!?メイドさんなのに戦うんですか!?し、しかもこの人の年齢……僕達より二つも年下じゃないですか!?」
「そのような若さで皇族の専属侍女の任についた上、護衛も兼ねているとは……若輩ながらも親衛隊員になった兄共々よほど優秀なようだな。」
「まるでシャロンさんみたいな人だな…………」
サラの説明を聞いたエリオットは驚き、ラウラは感心した様子でリィンとエリゼの写真を見つめ。マキアスは冷や汗をかいてアリサを見つめた。
「私だって今まで知らなかったわよ!?というかシャロン!あの時からずっと思っていたけどどうして今まで黙っていたのよ!?」
見つめられたアリサは慌てた様子で答えた後シャロンを睨み
「申し訳ございません。私にも色々と”事情”がございまして……」
「フン、その”事情”とやらを今回の件が終わったら全て話してもらおうかしら?どうせ”結社”はもう終わりだろうしね。何せよりにもよって最高幹部の”蛇の使徒”達に加えてトップの”盟主”まで殺されているものねえ?」
睨まれたシャロンは頭を下げ、サラは鼻を鳴らして不敵な笑みを浮かべてシャロンを睨み
「……私も正直な所、本当に驚きました。”盟主”の方に加えて”使徒”の方達まで次々とお亡くなりになったらしいのですから…………”もう一つの職場”は今回の件にて”倒産”してしまいましたわ。」
「……ま、そこの所はあたしもメンフィルには感謝しているわ。――――そのメンフィルの関係者でとんでもないのが一人いるわ。”戦妃”カーリアン。この名はあんた達も何でも知っているでしょう?」
困った表情で答えたシャロンの言葉を聞いたサラは口元に笑みを浮かべた後アリサ達を見回して言った。
「そりゃそうだよ~。何てたってエレボニア帝国で恐れられているメンフィルの将軍の一人だし~。」
「彼女程の強者まで力を貸しているとは…………」
「い、一体どんな経緯があってそんな事になっているんでしょうね……?」
「……”戦妃”がいるなんてラッキー。彼女は”闘神”を一人で討った人だし。」
サラの言葉を聞いたミリアムは苦笑しながら呟き、ラウラは驚き、エマは表情を引き攣らせ。フィーは静かな口調で呟いた。
「――――ワジ・ヘミスフィア、ケビン・グラハム、リース・アルジェント。”星杯騎士団”所属の騎士達よ。」
「”星杯騎士団”……?」
「見た所神父にシスターのようだが……まさか”七耀教会”の関係者なのか?」
サラの話を聞いたマキアスは不思議そうな表情をし、ユーシスはワジ達の写真を見つめた後尋ねた。
「へえ~……………まさか”星杯騎士団”まで力を貸すとはね~。しかも”守護騎士”までいるし。彼らがいるって事はクロスベルはリベールの”異変”と同じくらい状況が不味いって証拠みたいだね~。」
「ミリアムちゃんは知っているの?」
興味深そうな表情で呟いたミリアムの言葉を聞いたエマは尋ねた。そしてサラとミリアムは”星杯騎士団”や”守護騎士”について説明した。
「し、”七耀教会”にそんな組織があるなんて…………」
「……………”空の女神”が遺した”古代遺物”を回収する組織にして”外法”を滅する組織か…………まさか七耀教会にそのような裏組織があるなんて…………”空の女神”が知ったらなんと思うだろうな……」
「……とても神父やシスターのやる事とは思えんな……」
「……私も噂程度に聞いた事ある。”西風の旅団”の仲間達の中で”星杯騎士”とやり合った仲間もいたし。」
説明を聞き終えたマキアスは信じられない表情をし、ガイウスは驚いた後辛そうな表情をし、ラウラは眉を顰め、フィーは静かに呟き
「…………………………」
(不味いわね…………”私達”の事が”星杯騎士”にバレなければいいのだけど…………しかも”守護騎士”までいるなんて、最悪としか言いようがないわ……!)
エマは表情を青褪めさせて黙り込み、セリーヌは厳しい表情で考え込んでいた。
「エマ?どうしたの?顔が真っ青よ?」
「い、いえ……!その……ちょっと驚きすぎただけです、アハハ……」
そして心配そうな表情をしたアリサに見つめられたエマは慌てた後苦笑していた。
「―――――エステル・ファラ・サウリン・ブライト。遊撃士協会所属にしてかの”ブレイサーロード”よ。」
「ええっ!?こ、この人が………!?」
「それに”ブライト”と言えば……」
「リベールの”剣聖”カシウス・ブライトの娘か。」
エステルの説明を聞いたエリオットは驚き、ラウラは考え込み、ラウラの疑問にユーシスは答えた後エステルの写真を見つめ
「し、しかも”ブレイサーロード”と言えば……」
「遊撃士にして貴族の爵位も持っているある意味反則的な存在にして、平民にとっては”六銃士”クラスに見られている権力者すら逆らう事ができない無敵の英雄。」
マキアスは表情を引き攣らせ、フィーは静かな口調で呟き
「凄いな…………自らの実力で貴族になったなんて………」
「エレボニア帝国では考えられない事ね…………」
「”ブレイサーロード”と”黄金の百合”には僕達……というか”貴族派”と”革命派”の両方にとってとんでもなく厄介な存在だったんだよね~……何せ二人はメンフィルの後ろ盾があるから下手に手を出したら、メンフィルと敵対する事になるし。この人達がいる間は”革命派”、”貴族派”共に煮え湯を飲まされたみたいだよ?この人達は”市民を護る為”に平気で僕達の事情に突っ込んできて、邪魔したし。」
ガイウスは驚き、アリサは複雑そうな表情で呟き、ミリアムは静かな口調で呟いた。
「いや~……まさかこの娘達も力を貸しているなんて、最初知った時は驚いたけど、納得すると共に心強いと思ったわ♪―――何せ彼女達はリベールの”異変”に加えてリベールのクーデターを解決した主要人物達だし。」
「ええっ!?あのリベールの”異変”に加えて、その少し前にリベール王国内で起こったクーデターもですか!?」
「そ、そんな凄い方達まで力を貸しているなんて……」
「まさに”英雄”…………」
「……親娘揃ってリベールの”英雄”とはな…………」
「さすがは”剣聖”殿のご息女と言った所か……」
笑顔で言ったサラの説明を聞いたアリサとエマは驚き、フィーは静かな口調で呟き、ユーシスは目を細めてエステルの写真を見つめ、ラウラは感心していた。
「……もしかしたら彼女達がエレボニア帝国にずっと滞在していれば、内戦を止められたかもしれないな…………」
「た、確かに……実際リベールのクーデターまで解決している上、この人達にはメンフィル帝国の後ろ盾まであるし……」
「フン、そのような経歴があるのなら、実際そうなっている可能性も十分に考えられたから冗談になっていないな。」
「確かにこの人達が介入していたら、本当に内戦が起こる事を邪魔されたかもしれないし、内戦も止められたかもね~。」
静かな口調で呟いたガイウスの言葉を聞いたエリオットは冷や汗をかき、ユーシスは鼻を鳴らして不愉快そうな表情になり、ミリアムは静かな表情で頷いた。
「そうね。それにあの娘には”六異将”って言う6種類の異種族達があの娘に従う………いえ、力を貸しているから実際この娘が本気になったら軍隊ともまともに渡り合えると思うわよ?」
「ええっ!?」
「いくら何でもたった7人で軍隊と戦えるなんてありえないと思うのですが……」
サラの説明を聞いたエリオットは驚き、アリサは冷や汗をかいて尋ねた。
「まあ、あの娘自身もA級正遊撃士としてトップクラスの実力を持っているけど……あの娘に力を貸している異種族達が一人一人とんでもない強さを秘めているからね。あの娘に力を貸している異種族は妖精や天使どころか、竜や大型魔獣すらもいるのよ?」
「馬鹿なっ!?」
「妖精や天使も聞き捨てなりませんけど、竜や大型魔獣ですって!?」
「しかも”従えている”ではなく”力を貸してもらう”……か……」
「よほど人徳があるのだな……」
パズモたちの説明を聞いたユーシスとマキアスは驚き、ガイウスとラウラは静かな表情でエステルの写真を見つめ
「そうね。あの娘は持ち前の明るさや相手が何者であろうと全く変わらない態度で次々と異種族達と仲良くなってね。そんなあの娘に好意を抱いたか興味が出たとか、そう言った理由で”六異将”達がそれぞれ自分達の実力より下にも関わらずあの娘に従い、力を貸しているみたいよ。」
「……………………」
サラの話を聞いたエマは複雑そうな表情でエステルの写真を見つめていた。
「ちなみにエステルが養子として引き取った孤児院出身のミント・ルーハンス・ブライトは”ブレイサーロード”と同じく貴族の爵位を持っている遊撃士である”黄金の百合”よ♪ちなみに二人とも過去の功績でリベールだけでなく、メンフィル皇族からも気にいられているそうよ。」
「ええっ!?”黄金の百合”って孤児だったんですか!?」
「ルーハンス卿が孤児院出身なのは驚いたが……何故ファラ・サウリン卿は同い年の者を”娘”として引き取ったのだろうな?」
「平民や孤児の身分から貴族へと成り上がり、あのメンフィル帝国の皇族からも特別扱いされている遊撃士達……ですか。」
「…………バレスタイン教官。二人はどの爵位をメンフィルからもらっているのだ?」
サラの説明を聞いたエリオットは驚き、ラウラは考え込み、マキアスは複雑そうな表情をし、ユーシスは真剣な表情で尋ねた。
「えっと……確かエステルが”侯爵”でミントが”伯爵”らしいわよ?」
「”四大名門”の”ハイアームズ家”や”ログナー家”、それにメアリー教官の”アルトハイム家”と同じ爵位を持っているなんて……!」
「一体どんなサクセスストーリーなのか非常に気になる……」
「情報局の方でも”ブレイサーロード”達がメンフィルから爵位を貰った経緯とか全然わかんなかったんだよね~。リベールの”異変”が終わってからその二人がメンフィルから爵位を貰っていたという話になっていたし。」
「………………………」
サラの答えを聞いたアリサは驚き、フィーは静かな口調で呟き、ミリアムは首を傾げてエステルとミントの写真を見つめ、ユーシスは目を伏せて黙り込んでいた。
「―――ヨシュア・ブライト。彼も遊撃士で、カシウスさんの養子であり、かつては結社―――”身喰らう蛇”の”執行者”だった子よ。」
「ええっ!?」
「あの”結社”ですか!?」
「しかも”執行者”という事は相当の腕前……」
「しかし……年齢が我々とあまり変わらないではないか。もしかしてフィーのように幼い頃からそのような裏組織と関わりがあったのか……?」
サラの説明を聞いたエリオットとマキアスは驚き、フィーは静かに呟き、ラウラは眉を顰めていた。
「そこの所はあたしよりあんたの方がよく知っているんじゃないかしら?」
ラウラの言葉を聞いたサラはジト目でシャロンを見つめ
「……ヨシュア様は私やレオンハルト様達のような”執行者”と違って、少々特殊な事情をお持ちな方でして……私も詳しい事は存じておりませんが、確か幼い頃から”白面”様の操り人形になっているという噂は聞いた事はあります。」
シャロンは静かな表情で答えた。
「操るだと!?」
「……もしかして暗示の類ですか?」
シャロンの説明を聞いたラウラは厳しい表情で声を上げ、エマは真剣な表情で尋ねた。
「ま、そんな所よ。……でも今のヨシュアは暗示からは解放され、暗示をかけた”白面”も既に死んでいるわ。」
「……幼い時に暗示をかけ、自らの手足のように使っていた外道……この手で裁けなかったのは残念だが、既に自由の身となっている事は幸いだな……」
「ああ…………つくづく最低な組織だな……」
サラの説明を聞いたラウラとマキアスは不愉快そうな表情で呟き
「……シャロン。今回の件が終わったら全部話してもらうからね?」
「お嬢様…………」
アリサに真剣な表情で見つめられたシャロンは複雑そうな表情をしていた。
「――――フェミリンス。出身地、経歴共に不明でエステル達を守護している”女神”よ。」
「え…………」
「…………教官。今、信じられない言葉が聞こえてきたのだが……」
「さ、さっき”女神”って言いましたよね……?」
サラの説明を聞いたアリサは呆け、ガイウスは静かな表情で尋ね、エリオットは表情を引き攣らせた。
「ええ、言ったわよ、”女神”って。」
「…………………………」
サラの答えを聞いた一同は黙り込み
「えええええええええええええええええええええええええっ!?」
全員驚きの表情で声を上げた!
「め、めめめめ、女神ってまさか!?」
「”空の女神”なのか……!?」
我に返ったエリオットは混乱し、ガイウスは信じられない表情で声を上げた。
「違うわ。トヴァルの話だと”空の女神”とは何の関係もない”女神”だそうよ。」
「で、でも……”女神”自らが特定の人々を守護しているって……」
「それ以前に”女神”が人間達と共にいるなど普通に考えてありえんぞっ!?」
「………ただでさえ”ブレイサーロード”達自身が反則的な存在に近いのに、”女神”自身まで味方だったら冗談抜きで”国”を滅ぼせる……」
「うわ~…………つくづく”ブライト家”って恐ろしい一族だね~。」
「英雄の家系にして女神から寵愛を受けている一族か……………」
サラの説明を聞いた後信じられない表情で呟いたアリサに続くようにユーシスは声を上げ、フィーは呟き、ミリアムは表情を引き攣らせ、ガイウスは静かな口調で呟いた。
「ま、あたしは本人に会った事はないからあまり知らないけど……何でも話によれば”風の剣聖”――――アリオスさんに手加減した状態で勝った事があるそうよ?」
「なっ!?かの”風の剣聖”相手に!?」
「とんでもない実力の持ち主みたいですね……」
「…………でも本当に”女神”だったら納得かも……」
苦笑しながら言ったサラの話を聞いたラウラは驚き、マキアスは目を見開いて呟き、フィーは静かな口調で呟いた。その後サラはセリカ達についての説明を終えた後、最後の一人の説明に入った………………
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