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おぢばにおかえり

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第三十四話 あちこちでその八

「天理高校でもですね」
「奇麗な娘多いっていうの?」
「はい」
 何故か私をじっと見ながら言ってきました。
「そうですね、言われてみれば」
「そんなに奇麗な娘多い?」
「おぢば自体に」
「そう言われるとそうね」
 奥華にしてもそうです、美人さんが多いです。
「そういうことなのよ」
「いいところですね、百花繚乱で」
「よくそんな言葉知ってるわね」
「そうですか?」
「そんな難しい言葉」
「ライトノベルとか漫画で結構出ますから」
 そうした本でというのです。
「それで覚えたんです」
「そうなの」
「結構以上に勉強になりますよ」
「ううん、そうした本は」
 高校、つまり寮に入ってからです。
「最近読んでないから」
「そうなんですか」
「だからよく知らないけれど」
「おぢばの本屋さんでも売ってますよ」
「けれどそうした本はね」
 本当に読まないです。
「縁がなくなってるわ」
「寮だとそうした本は読めないですか」
「あまり、いえかなりね」
 というか全くです。
「読まなくなるから」
「読めないんじゃなくて」
「そうでもあるけれど」
 勿論ゲームも出来ないです。
「色々やることあるから」
「忙しいんですね」
「ええ、寮にいるとね」
 少なくとも自宅よりはずっとです。
「スケジュールも決まってるし」
「大変なんですね」
「大変かっていうとね」
 それはです。
「慣れると違うし楽しいし」
「そうなんですね」
「ええ、先輩達もいい人ばかりで」 
 一年の時からお話します。
「後輩の娘達もだから」
「いい人ばかりなんですね」
「二年の娘も一年の娘達もね」
「環境はいいんですね」
「先生達もいい人達ばかりだから、厳しい人もいるけれど」
「厳しいっていうと」
 そう聞いてこう言った阿波野君でした。
「帝国海軍みたいな」
「それ極端でしょ」 
 厳しいと言ってもです。
「幾ら何でも」
「あそこまではですか」
「昔は四時半起きって聞いたけれど」
「それ充分凄いですよ」
「昔よ、二部の娘達もね」
 天理高校は一部と二部があります、二部は夜間です。お昼におぢばでひのきしんに伏せ込んで夜に学校に通います。
「そうだったらしいわ」
「ううん、四時半って」
「昔のことよ」
「今は違うんですね」
「そう、そこまでじゃないから」
「四時半起きは辛いですからね」
 阿波野君も流石に驚いた感じです、いつも軽い子ですけれど。 
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