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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第152話(7章終了)

~朝・特務支援課~



「珍しいですよね?ロイドさんがまだ起きてこないなんて。」

「ええ…………いつもなら一番早く起きていたのに……」

翌日の朝、ティオとエリィはそれぞれ不思議そうな表情をし

「ロイド、起きてる?」

「もう朝ご飯ができていますよ。今朝は久しぶりのキーア手作りの朝食ですよ。」

エリィは扉をノックし、ティオは言った。

「ん………………?」

エリィの声とノックに気付いたロイドは目が覚めて起き上がり

「!!!(ルファ姉!今すぐ起きて俺の中に戻ってくれ!!)」

自分の側で寝ている何も身につけていないルファディエルを見て驚いた後念話を送った。

「起きていないのかしら?…………入るわね、ロイド。」

その時エリィが扉を開け

「ちょっ、待――――――」

それを見たロイドは表情を青褪めさせた。

「あら、起きているじゃない。」

部屋に入ったエリィは目を丸くし

「まあ、様子を見る限り今起きたばかりみたいです……が…………?」

ティオが呟きかけたその時、ロイドの側で眠っているルファディエルに気付いて固まり

「ティオちゃん、どうした…………の…………?」

ティオの様子に気付いたエリィはティオが見つめる方向――――ルファディエルを見て固まり

(なっ!?ルファディエル様!?)

(まさか…………!)

メヒーシャは驚き、ラグタスは信じられない表情をした。

「…………………………」

そしてエリィは厳しい表情をしてロイドとルファディエルが寝ているベッドに無言で近づき

「あわわわわわ…………!(頼む、ルファ姉!今すぐに起きて俺の中に入ってくれ!!)」

(くかかかかかかかっ!ここからさらに面白い展開が待っているぜ!さすがはロイド!期待を裏切らないな!!)

ベッドに近づいてきたエリィを見たロイドは表情を青褪めさせて身体を震わせながら必死にルファディエルに念話を送り、ギレゼルは陽気に笑っていた。そしてエリィはベッドにかけられてある毛布や布団を勢いよく剥がした。毛布と布団を剥がすとそこには何も身につけていないルファディエルが眠っていた。するとその時その場の空気が凍った!



「…………さっきからうるさいわね…………って、あら。」

そしてルファディエルは目を覚ました後自分を見つめるエリィに気付いたルファディエルは目を丸くし

「フフ、私とした事が失敗したわね。昨日の”行為”の疲れでロイドの中に戻らずに眠ってしまうなんて。」

微笑みながら答えて起き上がった。

「”行為”ですか……………どうやら決戦前に色々と聞きたい事ができたようですね………………?」

(なななななななななっ!?)

一方エリィは背中に空は雷鳴が連続で轟く大嵐、火山が噴火し、大地は割れ、割れた大地からマグマが次々と噴出すると共に地震が起こり続けている幻影が見えるほどの膨大な威圧を纏って口元は微笑み、目が笑っていない状態でルファディエルを見つめ、メヒーシャは顔を真っ赤にして混乱し

「ついにやっちゃったんですか…………これは一大事です。早速皆さんにも知らせないと。」

(………本当にお前まで落とされるとは…………我の味方はどこにもおらんのか!?)

ティオはジト目でロイド達を見つめた後部屋から出て行き、ラグタスは嘆き

「ちょ、ティオ!待――――」

ティオの行動を見たロイドは慌てた様子で何かを言いかけようとしたが

「ロ・イ・ド!!どういうことか説明してもらうわよっ!?昨日は私を慰める為に抱いてくれたのに、もう他の女性を抱くなんて……!それもよりによってルファディエルさんだなんて……!そんなにルファディエルさんがいいのっ!?」

「エ、エリィ!こ、これには訳が……!あわわわわわわ…………!」

膨大な威圧を纏い、怒りの表情になったエリィに睨まれ、表情を青褪めさせて身体を震わせていた。

「まあまあ。私の方からロイドを誘ったから、そんなに怒らないであげて。」

「ルファディエルさん!もう誤魔化そうと思っても無駄ですからね?」

さらにルファディエルに宥められたエリィは膨大な威圧を纏ってルファディエルに微笑み

「フフ……今更誤魔化すつもりはないわよ。どうせその内わかる事だし。まあ、そういう訳だから貴女の予想通り、私もロイドの恋人の一人になったから、よろしくね。」

対するルファディエルも微笑みを浮かべながら答えた後指を鳴らした。すると何も身につけていないルファディエルは服を着た状態になった。

「へー…………ようやく本性を現しましたね……あれですか。ミシュラムで私に積極的になるように焚き付けたり、ロイドの”初めて”を私に譲ったのはいつでもロイドの”正妻”の座を私から奪えると確信していたから、わざと私に譲ったり焚き付けたりするようにして、自分は私がロイドの正妻の座を必死で守る様子を見て楽しんでいたんですか。もしくはせめてもの情けですか。」

「フフ、別にそんなつもりはないわよ。」

そしてエリィは顔に無数の青筋を立てて膨大な威圧を纏いながら微笑みを浮かべ続け、対するルファディエルも微笑みを浮かべて答え

(だ、誰かこの状況を何とかしてくれ…………!)

(…………………いつか私もこうなると思うと他人事とは思えないな……………………)

(くかかかかかかかっ!ロイド!やっぱりお前は我輩を笑い殺すつもりだったのだな!?くかかかかかかかっ!!)

ロイドとエリィの身体の中にいるメヒーシャは表情を青褪めさせ、ギレゼルは腹を抱えて笑い続けていた。


「大変です、皆さん!ルファディエルさんがついにロイドさんと一線を越えちゃいました!!」

一方その頃1階に降りたティオは真剣な表情で叫び

「ええっ!?」

「「「………………」」」

「何だとっ!?」

その場にいるエリゼとキーアを除いた女性陣は驚き、リィンやワジ、セルゲイは固まり、ランディは声を上げ

「ティ、ティオちゃん!?本当なの、それは!?」

ノエルは信じられない表情で尋ね

「はい。朝ロイドさんの部屋に入ったら裸のルファディエルさんがロイドさんの側で眠っていましたから間違いないかと……!それに今思い出しましたが確かシーツには血が付着していたと思います……!」

尋ねられたティオは真剣な表情で答え

「うわ~…………さすがはルファディエルさんだねー…………」

「確実に決まり……ですね…………それにしてもよりにもよってこんなタイミングで動くなんて…………」

「決戦前だからロイドさんを元気付けるついでに自分も得しようとするなんて…………さすがですね…………」

ティオの答えを聞いたシャマーラ、エリナ、セティは冷や汗をかいて苦笑し

「まあまあまあ…………!それじゃあついにルファディエルとも結ばれたのね♪しかも”初めて”だったなんて♪今日の晩ご飯はお赤飯ね♪」

セシルは嬉しそうな表情で呟き

「アハハハハハハハハッ!ついにルファディエルさんも抱いちゃったんだ!?さすがだよ、ロイド!!」

「やれやれ…………まさか局長の悪影響を受けたんじゃないだろうな…………?にしてもあいつがなあ……?元々ブラコンである事には気付いていたが、そこまで重症だったとは…………」

「ロイド……お前って奴は………………」

ワジは腹を抱えて大声で笑い、セルゲイは呆れた表情で溜息を吐いた後大量の冷や汗をかき、リィンは表情を引き攣らせていたが

「…………兄様は人の事は言えませんよ?」

「ええっ!?」

ジト目のエリゼに見つめられ、慌てた。

「畜生―――――――――――――――ッ!!ついにルファディエル姐さんまで落としやがったかっ!!かくなる上は…………!」

(アッハハハハハハハハハッ!まさか本当にルファディエルの奴が落とされるなんてねえ!最高に面白いよ!!)

ランディはその場で大声で吠えた後ビルから走って出て行き、エルンストは腹を抱えて大声で笑い

「あ、ランディー。どこ行くのー?朝ご飯が冷めちゃうよー?」

ランディの行動を見たキーアは首を傾げながら呟き

「ほおっておけ………………」

ツァイトは呆れた表情で言った。



~宿酒場・『龍老飯店』~



一方その頃、エステル達はエイドス達、そしてケビン達やリーシャと共に朝食をとっていた。するとその時扉が荒々しく開かれてそこからランディが入り

「エイドスちゃん!エステルちゃん!後フェミリンスのお姉さんでもいい!後はフィーナちゃんにクレハちゃん!あんたらも女神なんだろう!?頼むからロイドに天罰を与えてくれっ!!」

エステル達に近づいて必死の表情で言った。

「ラ、ランディさん!?」

「いきなり何なんですか…………」

ランディの言葉を聞いたエステルは戸惑い、フェミリンスは呆れた表情で言った。

「実は――――――」

そしてランディはエステル達に朝での出来事を説明した。

「ええっ!?ルファディエルさんが!?」

説明を聞いたリーシャは驚き

「と、とんでもないな、ロイド君……」

「ロ、ロイドさん、すっごいモテモテだねー…………」

「そ、そうだね…………正直リウイ陛下やヴァイスさんとも並んでいるくらいだよ…………」

「………最低。エリィさんが可哀想…………」

ケビンとミント、ヨシュアは表情を引き攣らせ、リースは蔑みの表情をし

「何それっ!?確かロイド君ってエリィさんと付き合っている上、しかもティオちゃんやリーシャさん達を無自覚で落とした上、さらに増やしたの!?」

エステルは怒りの表情でランディを見つめて言った。

「そうなんだよ!あの野郎………お嬢と付き合っていながら次々と綺麗所ばかり落としやがるんだ!!頼むからあの弟王に天罰を与えてやってくれ!女神とその一族だろう!?」

「え、えーと…………」

「私達にどうしてほしいのですか…………?」

「うーん…………まあ気持ちはわかりますが、さすがにその事については人それぞれですし……」

必死の表情で叫んだランディの言葉を聞いたクレハ、フィーナ、エイドスは冷や汗をかいて戸惑い

「ハア…………正直言って下らないですわ。」

「アハハ…………」

「ほおっておけばいいと思うの!そんな最低な人の事は!」

フェミリンスは呆れた表情で溜息を吐き、ナユタは苦笑し、ノイは怒りの表情で言い

「何甘い事を言ってるんですか。ここで”お仕置き”をしておかないと懲りずにどんどん数を増やすと思いますよ。ね、アドルさん?」

「ハ、ハハ…………」

エレナは威圧感を纏った微笑みを浮かべてアドルを見つめ、見つめられたアドルは大量の冷や汗をかいて身体を震わせながら苦笑していた。

「その通りよ!エイドス!フィーナさん!エレナさん!それとクレハちゃん!女神の一族として……何より乙女としてロイド君に注意しに行くわよ!!」

「エステルさん!?」

「ひ、引っ張らなくても自分で走れますよ……!」

そしてエステルは立ち上がってそれぞれの手でエイドスとフィーナを引っ張ってその場を去り

「フフ、なんだか面白そうだから私もついていくわね♪」

「あ、私もお供します♪私も呼ばれてしまいましたし。」

「ク、クレハ!?」

「クレハ様がわざわざ手を下す必要はないの!……って、もう行っちゃったの…………」

(彼女達に怒られるなんて哀れとしか言いようがないな…………)

クレハは微笑みながらナユタ達に言った後エレナと共にエステルの後を追い、その様子を見たナユタは驚き、ノイは声を上げた後呆け、アドルは大量の冷や汗をかいていた。

「神父のあんたも!確か”外法狩り”なんだろう!?あの無自覚で次々と綺麗所を落とす外道を裁けよっ!?」

そしてランディは真剣な表情でケビンを見つめて言い

「ちょっ……!その異名をここで口にせんといてくれまへんか!?というか、”外法狩り”は廃業したし、そんなしょうもない事に動いたら”外法狩り”の名が泣くっちゅうに……」

ケビンは慌てた後疲れた表情で溜息を吐いたが

「別にいいんじゃないの?シスターの私の”処女”を奪ったのだから、”今更”その異名が傷つく事はないと思うけど?」

「おい、リース!こんな朝っぱらからする話やないし、一体それはどういう意味やねん!?」

ジト目で自分を見つめて言ったリースの言葉を聞いて慌てた様子で指摘した。

「リーシャちゃんもいいのかよ!?またロイドの奴が増やしたんだぞ!?」

「アハハ……私自身もティオちゃん達と一緒の立場だから気にしていませんし……それに………いざとなったら危険日に抱いてもらって一発逆転を狙う作戦だってありますし♪」

さらにランディに突っ込まれたリーシャは苦笑した後笑顔で答えた。するとその時その場の空気が凍った!

「そ、それって……!あわわわわ……!?」

「こ、子供を最初に作って正妻の座を奪うってやり方か……」

「単純だけど、確実なやり方なの……」

我に返ったナユタは顔を真っ赤にして慌て、アドルは表情を引き攣らせ、ノイは呆れた表情で呟き

「リ、リーシャさん……」

「す、凄い大胆だね~……アハハ…………」

ヨシュアとミントは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「全く…………()の人間を好いている女性達に同情しますわ。」

フェミリンスは溜息を吐き

「ロイド君…………エリィちゃんを怒らしたらマジでヤヴァイで……?なんせバックにいるのがあの人達やねんからな…………」

ケビンは疲れた表情で呟き

「最後に勝つのはエリィさん。貴女である事を心よりお祈りしております。」

リースはその場で祈り

「畜生――――――――――――――ッ!あんの弟王が――――――ッ!!局長が娼館を作っても絶対お前は連れていってやらないからな!?局長!頼むから一刻も早く娼館を作ってくれっ!!」

ランディは悔しそうな表情で大声で叫んだ!



その後…………再びエリィに恐怖を植え付けられたロイドが1階に降りると、ビルの中に待機していた『この乙女の敵が――――――ッ!』と叫びながら振るったエステルの棒―――姫棍フェミリンスの一撃によるクラフト――――金剛撃で吹っ飛ばされると共に大ダメージを受け…………そしてエステル、エイドス、フィーナ、、エレナ、クレハ、さらにエステルの連絡によって支援課のビルに来たサティア――――”空の女神”の一族に怒られるという、ゼムリア大陸に住む者達にとっては”最悪の恐怖”を体験した……………………なお、エステル達と共にロイドに怒っているサティアを見たセリカは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、ハイシェラは爆笑しながら見守っていた……………… 
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