英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~それぞれの夜~前篇
~メルカバ玖号機・個室~
「フフ、ティオちゃん♪今夜はず―――――――っと一緒だよ♪あん♪プニプニしたほっぺ、すっごく気持ちいいわ♪」
ロイドとエリィ、そしてリィンとエリゼが愛し合っているその頃、エオリアは自分のベッドで嬉しそうな表情でティオを抱きしめて自分の頬をティオの頬にスリスリし
「ううっ………エリィさん。何をしようとしているのか大体察しましたけど、何でよりにもよってエオリアさんに頼んだのですか…………!いくら正妻の位置を盤石にする為とはいえ、自分だけいい想いをする為に私を生贄にするなんて……!本気で恨みますよ……………!というかリタさん、ナベリウスさん!お願いしますから助けて下さい……!」
エオリアに抱きしめられ、頬をスリスリされているティオは疲れた表情で呟いた後声を上げ
「え、えーと…………頑張ってね、ティオちゃん。慣れればどうでもよくなるから。」
「………エオリア………あったかい……………それと………今日………リタ………一緒が………いい……………」
向かい側のベッドで座っているリタは冷や汗をかきながら苦笑し、ナベリウスは首を傾げていた。
「二人とも薄情です………!今こそ”影の国”で共に戦った仲間として助けてくださいよ……!鬼!悪魔!ああそうですね、幽霊と魔神だから鬼や悪魔みたいに薄情なんですよね……!?」
(あの男は………!ついに一線を超えたのか……!)
二人の言葉を聞いたティオは疲れた表情で叫び、一方ティオの身体の中にいるラグタスはロイドの姿を思い浮かべて膨大な怒気を纏って声を上げ
「……………?……………悪魔………魔神………意味………一緒………」
「ア、アハハ………ティオちゃん、壊れかけているね。」
ティオの言葉を聞いたナベリウスは首を傾げ、リタは苦笑していた。
「夜は長いんだから、明日に向けてい――――――――――――っぱい!可愛がってあげるね♪」
「いやああああああああ…………………!?やめてくださいいいいいいい……………!?(エリィさん、この借りは高くつきますからね………!)」
そしてエオリアに可愛がられているティオは心の中でエリィを恨みながら悲鳴を上げ続け
「え、えっと……そろそろ寝ようか、ナベリウス。」
「ん……………明日に……備える………」
その様子を見ていて大量の冷や汗をかいたリタの言葉に頷いたナベリウスはリタと一緒のベッドで寝ころんで眠りはじめた。
「えへへ……ノエル、あったかいね♪」
同じ頃、ベッドでノエルと一緒に眠ろうとしているキーアは無邪気な笑顔を浮かべ
「フフ、キーアちゃんもあったかいよ。(あ、改めて思ったけど、胸が凄い大きいわね、キーアちゃん………リーシャさんともいい勝負をするような気が……………)」
キーアの言葉を聞いたノエルは内心冷や汗をかきながら微笑んだ。
「フフ………それにしても……どうしてエリィさんはキーアちゃんを今晩だけ別の部屋に泊めるように頼んだのでしょうかね?」
その様子を向かい側のベッドで寝ころびながら見ていたリーシャは不思議そうな表情で呟いた。
「それは勿論ロイドに”処女”をあげる為だよ♪」
「「ええっ!?」」
そして笑顔で答えたキーアの言葉を聞いた二人は驚いて声を上げた後それぞれすぐに起き上がり
「キ、キーアちゃん!?それは本当なの!?」
「もしかしてエリィさんに聞いたの!?」
ノエルは顔を赤らめ、リーシャは真剣な表情で尋ねた。
「”半分”は当たっているよ♪だって未来のエリィが思い出話として教えてくれたんだもん♪」
「な、なるほど………というかキーアちゃん、よくそんな言葉を知っているよね……?」
キーアの答えを聞いたノエルは苦笑した後大量の冷や汗をかき
「今のキーアは立派な大人の女性なんだから知っていて当然だよー。」
ノエルの言葉を聞いたキーアは無邪気な笑顔を浮かべて答え
「フフ………さすがは1番目の恋人だけあって行動力がありますね、エリィさん……………(油断していたら私が正妻の座をもらいますからね♪)」
そしてリーシャは微笑んでいた。
「えへへ………ついに告白しちゃったね♪」
「ええ………フフ、ロイドさん、きっと凄く混乱しているでしょうね。」
「少しは無自覚な所を反省するのにちょうどいい機会ですね。」
同じ頃シャマーラは嬉しそうな表情をし、エリナは微笑み、セティは苦笑した。
「そういえばロイドさん………あたし達が創って渡した依頼の指輪、まだエリィさんに渡していないのかな??」
その時ある事を思い出したシャマーラは首を傾げ
「フフ、ひょっとしたら私達が去った後にでも渡しているかもしれませんよ?」
「確かにロイドさんならあり得そうですね………」
セティは微笑み、エリナは苦笑した。
「そうだね~。それどころか他の女の人達からも一斉に告白を受けていたりしているかも♪」
「シャマーラ………」
「冗談になっていないですよ、その言葉………」
そしてからかいの表情で言ったセティは表情を引き攣らせ、エリナは疲れた表情で呟き
「ア、アハハ………あたしも自分で言っていてそんな気がしてきたよ……」
シャマーラは冷や汗をかいて苦笑していた。
「………おかしい。二人とも、こんな時間まで一体何をやっていやがるんだ?」
一方その頃、ランディはベッドに座って部屋に備え付けてある時計の時間を見た後、真ん中と向かい側に備え付けてある空のベッドを見つめて眉を顰めていた。
「フフ、二人共多分………いや、絶対に今夜は”この部屋には”帰って来ないよ。」
その時口元に笑みを浮かべたワジが部屋に入って来た。
「?何か知ってんのか??」
ワジの言葉を聞いたランディは不思議そうな表情をし
「いや、何………明日に備えて休む前に廊下に設置されてある監視カメラの録画映像をチェックしていたんだけどさ………ロイドがエリィと共にエリィが泊まっている部屋に入って全然出て来ないんだよ。」
「ハアッ!?オイオイオイオイッ!?それってまさか……!」
(あっははははははははっ!ついに一皮剥けたようだねえ!?)
口元に笑みを浮かべて言ったワジの言葉を聞いたランディは声を上げた後信じられない表情をし、エルンストは大笑いした。
「フフ、しかもリィンもエリゼが泊まっている部屋に入ったきり出てこない上………エクリアさん達が部屋に入ろうとしたんだけどすぐに引き返したんだよね。」
「何ィッ!?あ、あのヤロウ共~!!決戦前に何をやっていやがるんだよ!?これだからリア充共は!エイドス……いや、エステルちゃん!もしくはどんな神様でもいい!!頼むからあのリア充共に天罰を与えてくれっ!!」
口元をニヤニヤしながら言ったワジの話を聞いたランディは厳しい表情をした後、怒りの表情で叫び
「いや~、まさかセリカさん達みたいに”メルカバ”をラブホテル代わりにするとんでもない罰当たりな行動をするなんて呆れを通り越して、もはや尊敬するよ。アハハ!」
ワジはニヤニヤした後笑顔で声を上げて笑った。
~メルカバ伍号機・会議室~
「「「「「クシュン!!」」」」」
一方その頃、ランディが叫んだその時、それぞれとの再会話で盛り上がっていたエステル、フィーナ、かつての”影の国”でのナユタとノイの”試練”で一時的に力を貸した少女――――クレハ、そしてエイドスとサティアはそれぞれ同時にくしゃみをした……………
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