英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
外伝~空の祝福、墜ちた空の最期~
~メルカバ伍号機・ブリッジ~
「フフ、私からも御二人の事を祝福致します。―――おめでとうございます。」
エステル達に続くようにエイドスが手を叩き、微笑みながらケビンとリースを見つめ
「ハ、ハハ…………貴女に祝福されるなんて、オレ達にとってはとんでもなく光栄な事ですわ………」
「………感謝致します。エイドス………」
エイドスに微笑まれたケビンは苦笑し、リースは静かな笑みを浮かべて頷いた後その場で祈った。
「フフ、それじゃあ貴方達が崇めている”女神”らしく”女神”として餞別を授けた方が良さそうですね。」
「へ……………」
そして静かな笑みを浮かべて呟いたエイドスの言葉を聞いたケビンが呆けたその時
「――――『ウルの聖槍』を召喚してくれませんか?」
「え?は、はい。」
静かな口調で呟いたエイドスの言葉を聞いたケビンは呆けた後”聖痕”を顕させて『聖槍ウル』をエイドスの目の前に滞空させた状態で召喚した。
「ウルよ………今こそ再び”イース”の加護を受け、眠りし力を解放せよ………!」
そしてエイドスがその場で強く祈ると『聖槍ウル』の刃の部分に一対の白き翼が付与され、さらに槍から膨大な”神気”や”聖気”がさらけ出され始めた!
「な!?なんや、この膨大な神気や聖気は………!」
「凄い………!エステルさん達が持っている”神剣”には及ばないけど、霊気も凄すぎる………!」
膨大な”神気”や”聖気”をさらけ出す『聖槍ウル』を見たケビンとリースは驚き
「……元々その槍―――『空の神槍ウル』は私が自分の武器として使っていた武器です。どうやら長い時を経て力を失っていたようですが………私が再び力を吹き込ませて真の力を復活させました。」
「へっ!?」
「この槍をエイドスが使われていたのですか…………!?」
エイドスの説明を聞いたケビンは驚き、リースは信じられない表情をした。そしてエイドスは再び祈ると今度はリースの法剣―――『神剣シルヴァーン』から膨大な”神気”や”聖気”がさらけ出され始めた!
「なっ!?こ、今度は私の法剣が………!」
その事に気付いたリースは法剣を出して、法剣を見つめて驚きの表情をし
「その法剣にも『空の神槍ウル』同様私の祝福を与えました。以前以上に力を得たはずです。」
「あ、ありがとうございます……!」
「まさかエイドス御自らの祝福を受けられる物を授けられるなんて、今まで生きていて一番嬉しいです……!」
微笑みながら説明したエイドスの話を聞いたケビンとリースはそれぞれ嬉しそうな表情で片手に胸を当てて頭を深く下げ
「もう…………”神”扱いして欲しくないって頼んだのに全然治っていないではないですか……」
二人の様子を見たエイドスは溜息を吐いた後苦笑した。
「う~ん、リースさんの法剣は名付けるとしたら『空の神剣シルヴァーン』かな??」
「ハハ、確かにその名前にした方がいいね。」
「なんてたって空の女神の祝福を受けているものね♪」
その様子を見ていたエステルは首を傾げ、ヨシュアは苦笑し、ミントは嬉しそうな表情で呟き
「と、というか空の女神直々が使っていた武器に空の女神自身が祝福を与えた武器って………」
「ア、”古代遺物”どころか”神器”クラスなんじゃないのか……!?」
星杯騎士達はそれぞれ大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
(フフ………この”時代のセリカ”が私を見たら一体どんな反応をするのかしら?)
一方サティアは微笑みながらセリカの姿を思い浮かべていた。
~2時間後・某所~
「アリアンロード………ど………う………して……………」
2時間後、某所で重傷を負って、今にも絶命しそうな状態のエイドスの容姿と似ていながら銀髪、そして紅い瞳の女性は信じられない表情でリアンヌやその背後にいるリウイやセリカ達を見つめ
「――――”我が主”が行く”覇道”には誰にも邪魔をさせません。ただそれだけの事。」
リアンヌは静かな口調で答え
「墜ちた”空の女神”よ。”世界の悪意”に2度と侵されぬよう”核”ごと滅してやろう。セリカ!」
「ああ!」
「エクリア姉様!」
「ええ!」
「「神魔の剣嶺!!」」
「「フェミリンスの裁き!!」」
リウイ達はそれぞれに秘められる”力”を解放して同時に協力技を放ち
「我の力、思い知れっ!偽りの女神よ!!枢孔!飛燕剣!!」
「塵も残さず消え去れ!エーテルストライク!!」
「アーライナよ、今こそ御身の力を!ルナ=アーライナ!!」
「「償いの道よ、今こそ顕れよっ!エクスピアシオン!!」」
「妖精と魔の力、思い知りなさい!妖魔の目覚め!!」
「精霊達よ!世界に仇名す災いを退ける為、今こそ力を!スプリームエレメンツ!!」
リウイ達に続くようにハイシェラ、レシェンテ、ペテレーネ、リアンヌ、セオビット、シルフィエッタがそれぞれ強力な剣技や魔術を放ち
「ああ……人々の………”私”の願いが……………」
リウイ達が放った強力な技や魔術を全て受けた女性は悲痛そうな表情で塵も残さず消え去った!
「……………これで”結社”の”盟主”とやらは消せたか………」
「ああ………後は二大国に戦争を仕掛け、世界中が混乱している隙を狙って残りの”使徒”達を滅するのみ。シルフィア……いや、リアンヌ。お前の力、期待しているぞ。」
武器を鞘に収めたセリカの言葉に頷いたリウイはリアンヌに視線を向け
「ハッ!我が力は陛下とイリーナ様の為に。」
リアンヌはリウイとイリーナに会釈をした。
こうして………”身喰らう蛇”の”盟主”は無念にしてあっけない最後を遂げた…………………
ページ上へ戻る