英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~月の僧院潜入作戦~
~月の僧院~
「―――それでは手筈通り、俺達が暴れはじめてある程度してから”僧院”への侵入をしてくれ。」
「うむ!」
「「はい!!」」
物陰に隠れて国防軍の様子を窺った後に言ったセリカの指示にハイシェラ達は頷き
「さーて、いっちょ暴れますか♪」
マリーニャは口元に笑みを浮かべて両手に短剣を構え
「―――セシル。貴女は私達の後方で援護しているだけで十分よ。いくらアリオスがいるとはいえ、決して前に出ないでよ。」
ルファディエルはセシルに指示をし
「ええ、わかったわ。ツァイト君、よろしくね。」
「うむ、任せておけ。」
指示に頷いたセシルはツァイトに微笑み、微笑まれたツァイトは頷き
「くかかかかっ!それじゃあ始めようぜぇ!!」
ギレゼルは陽気に笑いながら言った。
「お、おい………たったこれだけの戦力で本当にここを守り切れるのか?」
セリカ達が攻撃を仕掛ける少し前兵士は不安そうな表情をし
「いくら”風の剣聖”がいるとはいえ、相手はミシュラムにいた”赤い星座”の猟兵達を皆殺しにした連中だぞ?そんな連中に勝てるとはとても思えないが………」
話しかけられた兵士も表情を青褪めさせてアリオスに視線を向け
「……どのような敵が来ようと私が全て斬り伏せる。警戒を怠るな。」
さまざまな兵士達に見つめられたアリオスは静かに呟いたが
「………………………」
兵士達は不安そうな表情をしたまま返事をしなかった。
「…………………(やはり俺ではカシウスさんのようにはできないのか………!)」
その様子を見たアリオスは無念そうな表情で両手の拳を握った。するとその時!
「二つ回廊の轟雷!!」
「ぎゃあああああああああああっ!?」
すざましい雷が兵士達を襲い、それを喰らった兵士達は悲鳴を上げて地面に倒れて気絶した!
「!!」
それを見たアリオスが目を見開いたその時、セリカが単身、アリオス達の目の前に現れた!
「ヒッ……!あ、”嵐の剣神”………!」
「よ、よりにもよって……!」
セリカを見た兵士達は悲鳴を上げ
「狼狽えるな!敵は一人だ!連携して制圧するぞ!――――裏疾風!!」
アリオスは兵士達を鼓舞した後、クラフトでセリカに強襲したが
「―――無駄だ。」
「クッ………!」
セリカは正面でアリオスの剣を受け止め、剣を受け止められたアリオスは唇を噛みしめ
「何をしている!今の内に囲んで一斉攻撃だ!」
そして兵士達に指示をした!
「イ、イエス・サー!!」
指示を聞いた兵士達が行動を開始したその時!
「遅いっての!まずは一人目!!」
「え―――――ギャアッ!?」
セリカの背後から俊足で現れたマリーニャが放ったクラフト―――瞬殺の極みによって脇腹から大量の血を噴出させた兵士の一人は地面に倒れて気絶し
「ヒャッハーッ!!」
「ハァァァァッ!!」
「ぐぎゃっ!?」
「ががっ!?」
マリーニャに続くように現れたギレゼルとメヒーシャがそれぞれ放った闇や光の魔力を纏わせた連続突きをその身に受けて次々と地面に伏せ
「セリカ様……御力を!セナケリプの雷光!!エニグマ駆動!ラストディザスター!!」
「がああああああああああっ!?」
さらに続くように現れたシュリが放った魔術によって多くの兵士達が悲鳴を上げて地面に倒れ
「わらわの力、思い知れっ!連射魔弾・広範囲!!」
「ががっ!?」
「ぐぎゃっ!?」
レシェンテが放った魔力弾の嵐によって多くの兵士達が怯み
「―――エニグマ駆動!かの者達に空の加護を!フォルトゥナ!!」
「隙は見逃さないっ!イオ=ルーン!!エニグマ駆動!アラウンドノア!!」
「雷精さん~、手伝って下さいです~!!エニグマ駆動です~!エアリアル~!!」
「………やみ………来て………ティルワンの死磔………!!えにぐま……くどう………?………ルシフェンウィング………!!」
「時空に封じられし時の刃よ!今こそ現れろ!シャドーアポカリフ!!」
「光よ、降り注げ!爆裂光弾!!エニグマ駆動!リーンカルナシオン!!」
「ぐああああああああああっ!?」
セシルのアーツによって魔法能力が強化されたエクリア、サリア、ナベリウス、ツァイト、ルファディエルが次々と放った魔術やアーツによって次々と地面に伏せ
「なっ!?」
「メ、メイド!?」
「な、なんなんだよ、奴等は……!?」
それを見たまだ無事な兵士達は驚いた。
「―――行けっ!!」
するとその時セリカは大声を上げ
「よし、行くだの!」
「ええ!」
「はい!」
セリカの言葉に答えるようにセリカ達の背後からハイシェラ達が現れて僧院目掛けて突撃し
「!!そうはさせん!!」
それを見たアリオスは一端下がってハイシェラ達に攻撃を仕掛けようとしたが
「連射光衝撃弾!!」
「!!斬ッ!!」
ルファディエルが放った怒涛の魔力弾を打ち消す為にすざましい斬撃波を放って相殺し
「雷光!滅鋼斬!!」
「!!」
セリカの強襲を回避する為に側面に跳躍して回避し、その間にハイシェラ達は駆け抜け、それを見た兵士達は攻撃を仕掛けようとしたが、マリーニャ達が次々と攻撃を仕掛けて兵士達の行動を妨害し、ハイシェラ達はついに僧院の出入口に到着し
「フン、結界なぞ張っても無駄だのっ!!セェイッ!!」
ハイシェラは結界が張られてある扉をなんと膨大な魔力や闘気を込めた拳で結界ごと扉を木端微塵に粉砕した!
「なっ!?」
「け、結界が張られた扉を拳で破壊……!?」
「め、滅茶苦茶だ……!」
それを見たアリオスは驚き、兵士達は信じられない表情をし
「力づくで結界を解くなんて………非常識すぎでしょう。」
エオリアは表情を引き攣らせた後溜息を吐き
「フハハハハハッ!偉大にして伝説で恐れられた”地の魔神”たる我の力、ようやく思い知ったようだの!」
ハイシェラは高笑いをし
「フフ、最近のハイシェラは色々言われたい放題でしたものね。」
その様子をリタは苦笑しながら見つめた。
アハハ………いや~、今のはさすがに驚いちゃったよ。
その時カンパネルラの声が聞こえ
「!!この声は……!」
声を聞いたエオリアは目を見開いた。するとその時
ウフフ………”嵐の剣神”を囮にしてボクに挑もうという覚悟……見せてもらうよ。
カンパネルラの声が聞こえた後、ハイシェラ達の目の前に人形兵器が2体現れたが
「我相手には不相応なガラクタだの!!沙綾!紅燐剣!!」
「フフ、ハイシェラ相手によくそんな事が言えますね?剛震突き!!」
ハイシェラは剣技を放って一瞬で人形兵器の一体を木端微塵にし、リタは槍に憑依して突撃してもう一体の人形兵器の真ん中を貫き、貫かれた人形兵器は爆発すると共に破壊された!
え”………もう終わり?アハハ、仮にも防衛用の人形兵器なんだけどなあ………
すると呆けた声を出した後渇いた声で笑うカンパネルラの声が聞こえ
「フウ……これじゃあ私の出番がないじゃない。」
エオリアは溜息を吐いた。
「―――カンパネルラとやらよ!すぐに貴様の首を刈り取ってくれるだの!」
「フフ、それじゃあさっさと終わらせちゃいましょう。」
「ええ!」
ハイシェラは高々と言い、リタは微笑みながら言った後、エオリアと共に僧院の中へと入り
「!!追えっ!!なんとしても”大鐘”の元に辿り着かせるな!」
「イ、イエス・サー!!」
それを見たアリオスは血相を変えて指示をし、指示をされた兵士達はハイシェラ達の後を追おうとしたその時
「ここは行き止まりだ。」
なんと真の姿になったツァイトが跳躍して出入口の前を陣取った!
「ヒィィィィィッ!ば、化物……!?」
「報告にあった”神狼”か……!」
ツァイトを見た兵士達は悲鳴を上げたり、慌て始めた。するとその時ツァイトの背に乗っていたエクリア達が次々とツァイトから降りて攻撃をし始め
「やれやれ……相変わらず恐れられているな。」
全員が降りるとツァイトは元の狼の姿に戻って呟き
「フフ、その内みんな慣れてくれるわよ。」
「それはそれでどうかと思うがな………」
微笑みながら言ったセシルの言葉を聞いたツァイトは苦笑した。
「クッ……!出入口付近を陣取られたか……!」
一方それを見たアリオスは唇を噛みしめた。
「――――来い、”剣魔”アリオス。今回の俺達はあくまで時間稼ぎだ。私欲に走って地位も名声も信頼も全て失ったお前のような屑、”戦女神”である俺にとっては不相応な相手だが今回だけ手加減して遊んでやろう。」
その時セリカは剣をアリオスに向けて嘲笑し
「………っ!俺のクロスベルやシズクを想う心も知らずによくもそんな事を………!その傲慢………すぐに打ち砕いてくれるっ!!」
セリカの挑発にアリオスは怒りの表情でセリカとの戦闘を開始した!一方”僧院”内に入ったハイシェラ達が大鐘の元に向かう為に進もうとすると、大鐘の元に向かう隠し扉が何らかの術による封印が施されていた。
「この紋章は……!」
「”教団”の紋章ですね………一体どんな術を使ったのでしょう?」
封印されている紋章を見たエオリアは驚き、リタは真剣な表情をした後首を傾げ
「しかも下の階層に施されている紋章は”結社”の紋章だけど………一体どういうつもりかしら?」
さらにエオリアは下の階層にある扉に施されてある紋章を見て考え込んだ。
「フン、大方仕掛けを解いている所を楽しむつもりだっただろうが………この我がそのような下らん遊びに付き合ってやると思ったら大間違いだの!消しとべぇっ!レイ=ルーン!!」
その時ハイシェラは鼻を鳴らして答えた後、片手から極太の純粋魔力エネルギーを解き放ち、結界ごと扉を消滅させた!
「フフ、さすがはハイシェラですね。」
「アハハ………せっかく仕掛けた結界も今ので全て台無しになったのを見て、”道化師”も仰天しているでしょうね。」
それを見たリタは微笑み、エオリアは苦笑していた。その後ハイシェラ達は破壊された隠し扉の先を進んで、大鐘の前にいるカンパネルラの元に辿り着いた……………
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