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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第128話

~メルカバ玖号機・ブリッジ~



「―――”結界”の解除方法がわかった!?」

ある人物の話を聞いたロイドは驚きの表情で声を上げた。

「うむ、それとあの残りの2体の”神機(アイオーン)”の力を抑える方法をな。ずばり鍵は”大鐘”にある。」

ある人物―――画面端末に映るヨルグは頷いて答えた。

「”大鐘”………塔や僧院にあったものですか。」

「”僧院”の件を考えると何か秘密があると思っていましたが………」

話を聞いたティオとリタはそれぞれ真剣な表情になり

「それが結界や人形たちを強化しているってことかい?」

ワジは真剣な表情で尋ねた。

「いや、強化しているのはあくまで”至宝”の力のはずだ。だが恐らく、現時点では”至宝”は完全ではないのだろう。その常識外れの”奇蹟”を広範囲に渡って顕現させるためには特異な”場”に頼る必要があるらしい。」

「あの大鐘にはそんな働きが………」

「リースと一緒に行った時、壊してしまえばよかったな。」

ヨルグの説明を聞いたリーシャは考え込み、レシェンテは不愉快そうな表情で言った。

「そ、それでは鐘の共鳴を止めてしまえば……!?」

一方エリィは血相を変えて尋ね

「うむ、あの巨大な結界を解除できるかもしれぬし………ガレリア要塞を消滅させた残りの白い”神機(アイオーン)”の力などもある程度は抑えられるだろう。まあ、断言までは出来ぬがな。」

尋ねられたヨルグは頷いて答えた。



「いや、試してみる価値はあるんじゃねえか……!?」

「うむ……あの結界と白い人形は最大の障害だった。白い人形はメンフィルが破壊できるとしても、結界がある限り、クロスベル市を解放する事は永遠に不可能だったからな。」

そしてランディの言葉にアッバスは頷き

「となると……”塔”と”僧院”ですか。」

ノエルは真剣な表情で言った。

「ああ、古戦場に運ばれた大鐘は市内の中央広場に戻されたようだ。それには手が出せないけど”塔”と”僧院”の鐘なら共鳴を止めることはできる………!」

「まあ、どちらも”結社”が守っている場所だが。」

「そういえば……」

「………確かにそうでしたね。」

ヨルグの情報を聞いたロイドは厳しい表情をし、ティオは疲れた表情で溜息を吐いた。

「どうやら”月の僧院”はカンパネルラがいるらしい。そして”星見の塔”には………アリアンロードがいるようだ。」

「………!」

「あの常識外れの女騎士か………」

ヨルグの話を聞いたリーシャとランディは真剣な表情になり

「……………そうなると。今こそこっちの”切り札”をぶつけるべきじゃない?」

ワジは考え込んだ後口元に笑みを浮かべてセリカ達を見つめ

「あ……!」

「セリカさんならあのアリアンロードという人にも勝てましたしね……!」

ワジの言葉を聞いたエリィは声を上げ、ティオは明るい表情でセリカを見つめ

「アリアンロード………ああ、あのシルフィアと互角に戦った騎士か……フフ、俄然興味がわいてきたわ♪」

カーリアンは好戦的な笑みを浮かべて言った。

「………続けるぞ。数日前の”宣言”で”大鐘”を破壊される事を恐れた国防軍が”僧院”と”塔”にそれぞれ兵達を展開している。特に”僧院”の方にはあの”風の剣聖”もいる。」

「アリオスさんが!?」

「”結社”に加えて”風の剣聖”は厄介だな………!」

ヨルグの話を聞いたエオリアは驚き、リィンは厳しい表情をした。

「――そうなると。”塔”と”僧院”の同時攻略を始めた方がよさそうですね。」

その時エクリアは静かな表情で呟き

「片方が落とされた場合、もう片方に戦力を集中するかもしれませんしね………」

「ああ………下手したらあの”神機”も来るかもしれねえしな………」

エリゼは真剣な表情で推測し、エリゼの推測にランディは目を細めて頷いて言った。



「――――”月の僧院”の攻略は俺達が行く。アリオスや国防軍を俺達が相手している間にハイシェラに補佐を一人か二人ほど付けてカンパネルラとやらの撃破及び”大鐘”の破壊に向かわせる。」

「その代わり”星見の塔”には私が行くわ♪アリアンロードって奴と戦いたいし♪」

その時セリカとカーリアンが申し出

「……セリカさん。ハイシェラさんの補佐は私がしてもいいですか?カンパネルラには湿地帯の時の借りも返したいので。」

「………わかった。だが、あまり無理はするな。」

そしてエオリアの申し出にセリカは頷いた後忠告し

「はい。」

(クク、我の偉大さをとくと知らしめるいい機会だの。)

セリカの忠告にエオリアは頷き、ハイシェラは口元に笑みを浮かべて呟き

「―――リタ。お前もハイシェラ達と共にカンパネルラの撃破に行ってもらってもいいか?」

「お任せを。」

セリカの指示にリタは会釈をした。

「それじゃあ私達は星見の塔を守る国防軍の兵士達と戦います。」

「あたしも!」

「私達が戦っている間に皆さんがカーリアン様と共に塔に侵入、”大鐘”の共鳴を止めて下さい。」

その時セティ、シャマーラ、エリナがそれぞれ申し出

「なら俺もセティ達を手伝うよ。セティ達の負担の方が大きいだろうしな。」

「勿論私も戦います。後方からの援護も必須でしょうし。」

「じゃ、じゃああたしもそちらで戦わさせてもらいます!かつて国防軍の兵士としてあたしもそちらで戦うべきです!」

「……それじゃあ私とキーアちゃんは分担して”塔”と”僧院”の陽動役の援護、回復役としてそれぞれついていくわ。」

「うん!キーア、頑張るっ!」

「私も存分に戦わせてもらおう。」

セティ達に続くようにリィン、エリゼ、ノエル、セシル、キーア、ツァイトが申し出

「お姉ちゃん………」

ノエルの申し出を聞いたフランは驚いた。

「――――ロイドさん。それぞれの陽動班にはラグタス達にも手伝ってもらった方がより確実かと。」

「そうね………”グノーシス”で強化されたマフィアや悪魔の軍団と渡り合えたメヒーシャ達なら大丈夫でしょうね。」

「少数精鋭で一気に決めちまうぞ、ロイド!」

そしてティオとエリィ、ランディはそれぞれ提案し

「ああ………!」

ティオ達の提案にロイドは頷き

「まあ、幸運を祈っておこう。”戦妃”がいるとはいえ、相手はあのアリアンロードだ。準備を万端にしていく事を勧める。」

ヨルグはロイド達に助言した。



その後準備を整えたロイド達はそれぞれ”僧院”、”塔”の陽動班、突入班に分かれ………”僧院”の陽動班にはセリカ、エクリア、マリーニャ、シュリ、サリア、レシェンテ、ナベリウス、セシル、ツァイト、ルファディエル、メヒーシャ、ギレゼルが担当し……”僧院”の突入班はハイシェラとエオリア、そしてリタが担当し………”塔”の陽動班はセティ、シャマーラ、エリナ、リィン、エリゼ、ノエル、キーア、エルンスト、ラグタス、ラテンニールが担当し……”塔”への突撃班はロイド、エリィ、ティオ、ランディ、リーシャ、ワジ、カーリアンが担当する事になり………それぞれ”メルカバ”で近くまで送ってもらった後、作戦を開始した………! 
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