英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~ベルガード門制圧作戦~後篇
~ベルガード門~
「う、うわああああああああああっ!う、撃て――――ッ!!」
外ではギュランドロス達率いる警備隊との戦闘をしていた国防軍の兵士達は恐怖の表情で馬に騎乗して突撃して来るギュランドロスに銃口を向けたが
「ガッハハハハハハッ!フンッ!!」
「え―――」
「な――――」
ギュランドロスは高笑いしながら馬を跳躍させて兵士達の目の前に着地させ
「オラアッ!!」
「ぐっ!?」
「がっ!?」
大剣で兵達を薙ぎ払って一撃で気絶させ
「雑魚共はどけどけどけ―――ッ!”暴君”の道を阻む奴等は全員ぶっ潰すっ!!」
「ぎゃあっ!?」
「ぐあっ!?」
馬を駆って兵達に突撃し、ある者はギュランドロスが駆る馬によって跳ね飛ばされ、またある者はギュランドロスが振るい続ける大剣によって一撃で気絶させられた!
「どいたどいたー!”戦姫”のお通りだよっ!」
「ぐわあっ!?」
「ぎゃあああっ!?」
パティルナは暴風のように戦場を荒らしまくって次々と国防軍の兵士達を吹き飛ばしたり大怪我を負わせ
「う、撃て――――ッ!!」
「遅い遅いっ!!」
自分に向かって放たれる銃撃を軽やかに回避し
「エニグマ駆動!フレアバタフライ!!」
「ぐああああああああああっ!?」
アーツを放って兵士達を苦しませ
「それそれそれ――――ッ!!」
「ぎゃあああああっ!?」
「ぐあああああっ!?」
続けてクラフト――飛翔撃で次々と兵士達を無力化し
「突撃部隊!あたしに遅れんじゃないよっ!!」
「イエス・マム!!」
さらに警備隊員達と共に戦場を縦横無人に駆け回って大暴れをし続けていた!
「フフ、みんな眠りなさい♪」
「うあっ!?」
「ぐああああっ!?」
「俺達も続けっ!!」
「ルイーネ一佐達ばかりに負担をかけさせるなっ!」
ルイーネは疾風のような速さで次々と国防軍の兵士達を攻撃して一撃で戦闘不能にし、さらにルイーネを補佐するかのように他の警備隊員達が次々と兵士達に強襲して兵士達を制圧し
「く、クソ……血も涙もない化物共がっ!?」
「なんで元は同じ警備隊なのにここまでの仕打ちができるんだよ!?」
それを見た兵士達は舌打ちをしたり信じられない表情で叫び
「あらあらまぁまぁ。こんな綺麗なお姉さんに向かって”化物”だなんて、いけない子達だわね♪」
兵士達の言葉を聞いたルイーネは膨大な殺気を纏って微笑みながら兵士達を見つめ
「ヒ―――」
「に、逃げろ――――ッ!」
「だ、誰か助け―――」
ルイーネの殺気に呑まれた兵士達が恐怖の表情で身体を震わせてルイーネに背を向けて逃亡しようとしたその時!
「恐怖に慄きなさい。サヨウナラ♪」
「ギャアアアアアアアアアアア――――――ッ!?」
ルイーネが一瞬で兵士達に詰め寄ってSクラフト――カドラツヴァイを放って兵士達の全身を兵士達自身の血で真っ赤に染めて気を失わせた!
「お、恐ろしい……!」
「これが”微笑みの剣妃”………!」
それを見ていた警備隊員達は畏怖の目でルイーネを見つめ
「フフ、手を止めていないで、ちゃんと働きなさい♪」
「イエス・マム!!」
微笑みながら言ったルイーネの言葉を聞いて返事をした後戦闘を再開した!
「ク、クソ……装甲車がもっと使えれば……!」
「何で肝心な時に使えないんだよ!?」
国防軍も装甲車を使って反撃しようとしていたが、ほとんどの装甲車は作戦開始の数日前に潜入したリーシャの工作活動によってメンフィル帝国が開発した導力が一切動かなくなる装置――――かつてレンがグランセルでの”お茶会”事件の際にクーデターを起こそうとしていたカノーネに渡した導力を無効化する装置の完成版の装置を仕掛けられ、その装置が起動し始めた事によって装甲車は動かなくなっていたため、ほとんどの国防軍の兵士達は白兵戦を強いられていた。
「”六銃士”を狙えっ!!」
そしてリーシャの工作活動の時に定時哨戒によってリーシャの工作活動を逃れ、動ける装甲車は大暴れをしているギュランドロス達に狙いを定めたが
「―――させるか!」
「集中攻撃をして装甲車を無力化しろ!!」
ギュランドロス達率いる警備隊の装甲車の軍団の砲撃やミサイルの集中攻撃によって国防軍が使える数少ない装甲車は爆発した後炎上し始めた!
「ぐあああっ!?」
「ぎゃああっ!?」
「うわあああっ!?」
「ク、クソ……同じ数だったら、互角に戦えたのに……!」
爆発が起こった際の衝撃に巻き込まれた兵士達は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、さらに装甲車の中から兵士達が次々と現れたが
「撃て(ファイアー)!!」
「ががっ!?」
「ぎゃっ!?」
その時を待っていた装甲車の背後に待機していた警備隊員達の一斉銃撃によって怯み
「突撃開始!今こそ”六銃士”達に鍛え上げられた俺達の力………国防軍に見せつけてやるぞっ!」
「今この場にはいないエルミナ大尉やミレイユ三尉、そして多くの仲間達の分と共に戦うわよっ!」
「イエス・サー(マム)!!」
「ぐああああっ!?」
「うわあああっ!?」
次々と突撃して行ったり、アーツ攻撃や銃撃を放つ警備隊員達の電光石火かつ圧倒的な連携攻撃によって次々と制圧されて行った!
外の戦闘によって国防軍の兵士達による阿鼻叫喚の状況の中、砦内でも大混乱が起こっていた。
「なっ!?アルカンシェルのリーシャが何でこんな所に……!」
走りながら自分達に向かうリーシャを見た兵士は驚き
「爆雷符!!」
リーシャは走りながら起爆するクナイを数個投擲し
「があっ!?」
「ぎゃあっ!?」
「ぐあっ!?」
リーシャが投擲した起爆するクナイをその身に受けた兵士達は一撃で気を失って地面に倒れ
「砕け散れっ!!」
「「ギャンッ!?」」
さらに続けて放ったリーシャのクラフト―――崩月輪によって兵達の傍にいた数匹の軍用犬は真っ二つにされて絶命した!
「なっ!?」
「くっ……!行けっ!!」
「グルルルッ!!」
それを見た兵士は驚いたり生き残っている軍用犬達に指示をして軍用犬達をリーシャに向かわせたが
「ハァァァァッ!!」
リーシャは一瞬の動作で自分に向かってきた軍用犬達を疾風のような速さで走りながら一撃で滅し
「爆雷符!!」
さらに起爆するクナイを数個投擲して軍用犬達の頭を爆発させて滅した!
「くっ……一斉攻撃で制圧しろっ!!」
そして兵士達は銃撃を放ち、スタンハルバードを持つ兵士達は強襲してリーシャを攻撃したが攻撃が命中した瞬間リーシャの姿は消え、その場には符だけが残っていた。
「な――――」
「ど、どこに消えたんだ!?」
残された符を見た兵士達が混乱したその時、リーシャが空間から兵士達の背後に現れ
「我が舞は夢幻…………去り逝く者への手向け………眠れ……銀の元に!縛!!」
「な――――」
「い、いつの間に俺達の背後に!?」
「か、身体が動かない……!?」
無数の鉤爪や鎖で兵士達を拘束し
「滅!!」
大剣を構えて突撃した!
「ぐあああああっ!?」
「ぎゃあああああっ!?」
「うああああっ!?」
リーシャの奥義の一つ――幻月の舞をその身に受けた兵士達は脇腹から大量の血を噴出させて地面に倒れて気を失った!その後もリーシャは単騎で砦内を駆け回って次々と砦内の兵士達を制圧して砦内を大混乱させていた!
ベルガード門の外ではギュランドロス達が国防軍を圧倒し……内部ではリーシャが国防軍を翻弄し……そしてベルガード門を守る国防軍の命令系統であるソーニャとノエルを真っ先に失い、碌な指示も来ない国防軍の兵士達はもはや烏合の衆と化し、ギュランドロス達やリーシャに蹂躙され続け、その後、国防軍は完全に敗北し、警備隊はベルガード門を制圧した。
「ギュランドロス様、ベルガード門の制圧、完了しました。」
戦闘終了後、ルイーネはギュランドロスに報告し
「おう。――――お前ら、よくやった!俺達の勝利だ!」
ルイーネの報告に頷いたギュランドロスは砦の屋上で武器を空へと掲げて叫び
「オオオオオオオオオオオオォォォォォオオオオオオオオオオ――――――――――ッ!!」
「ギュランドロス!ギュランドロス!!」
「空の女神よ、”六銃士”に勝利の加護を!!」
「”六銃士”によるクロスベル建国に祝福あれ!!」
ギュランドロスの叫びに続くように下でギュランドロスを見上げている警備隊員やギュランドロス達の側にいる警備隊員達はそれぞれの武器を空へと掲げて勝利の雄たけびやギュランドロス達を称え始め
「―――旗を掲げな!!」
「ハッ!!」
そしてパティルナの指示により、警備隊員は『クロスベル独立国』の国旗を下げ、代わりに周囲が漆黒に染まった中、クロスベル独立国の国旗と同じ”大鐘”を紋章とした国旗を上げ
「これが俺達”六銃士”の『クロスベル帝国』への第一歩目だ!!ガッハハハハハハッ!」
ギュランドロスは国旗を見て豪快に笑い続けた!
「フフ、お見事。さすがはリウイ様に”盟友”と認められた”王”。彼らと共にこのゼムリアで私達の腕を振るいまくるその時が待ち遠しいわ。」
ギュランドロス達の活躍を砦の上空で観戦していたファーミシルスは不敵な笑みを浮かべた後、砦の屋上に降り立ってルイーネと会話を始めた。
~警察学校~
「敵襲――――――――!メンフィル帝国軍が来たぞ!」
「そんな!?ベルガード門は……”神機”は何をしていたんだよ!?」
1時間後、警察学校の敷地内では混乱の極みに陥り
「――――全軍、突撃!我等メンフィルの恐ろしさ!誇り高き”闇夜の眷属”の力を思い知らせてやれっ!!」
ファーミシルスは号令をかけ
「オオオオオオオオオオオオオォォォォォォォオオオオオオオ―――――――――――ッ!!」
ファーミシルスの号令にメンフィル兵達は武器を空に掲げて大声で叫びながら突撃して国防軍の兵士達に襲い掛かり
「うわああああああああああっ!?」
「応援はまだか――――ッ!?」
メンフィル兵に襲い掛かられた兵士達は悲鳴を上げたり混乱し
「闇に呑まれよ!ティルワンの闇界!!」
「ギャアアアアアッ!?」
「ヒイイイイイイッ!?そ、”空の覇者”……!」
さらに空中にいるファーミシルスが放った魔術を受けた兵士達は地面に倒れたり、魔術を受けていない兵士達は恐怖の表情でファーミシルスを見上げ
「う、撃ち落せ―――!」
ある兵士はファーミシルスに銃撃を放ったが
「―――遅い!暗礁!電撃剣舞!!」
「ぎゃああああああっ!?」
「があああああああああああっ!?」
ファーミシルスは銃撃を全て回避するか連接剣で弾いた後、強烈な電撃を宿した連接剣の刃を舞わせて兵士達に重傷を負わせた!その後警察学校も瞬く間にメンフィル軍によって制圧された!
~クロスベル警察~
「ベルガード門が制圧されただと………!?」
警察学校が制圧される少し前、セルゲイはダドリーからある情報を聞かされて信じられない表情をし
「ええ………”六銃士”率いる”六銃士派”の警備隊員達が制圧したそうです。なお、制圧後はメンフィル帝国軍がベルガード門に進軍し、駐屯し始め……さらに”空の覇者”率いる正規軍は警察学校に進軍した模様です………」
「……ということは”神機”はメンフィルが破壊したのか?いくら何でも”六銃士”達がアレを破壊するのは無理だろう?」
「……はい。嘘か本当かわかりませんが、情報によると一機は”英雄王”が生身で破壊したそうです。」
セルゲイの疑問にダドリーは真剣な表情で答え
「…………………国防軍はとんでもない”化物”を敵に回しちまったようだな……――――ベルガード門に駐屯していた国防軍の連中は?それに警察学校の方は?」
セルゲイは重々しい様子を纏って呟いた後真剣な表情で尋ね
「……不明です。全員殺害されたのではないかとも兵士達が噂している程です。大統領就任演説の時にあれだけメンフィル帝国を侮辱した上、ベルガード門を攻めたのは殺害に躊躇をもたない”六銃士”や”六銃士派”の警備隊員達なのですから、運が良くても重傷を負った状態での捕縛、最悪の場合は全員殺害されているかと………………それに警察学校にいる戦力では”空の覇者”もいるメンフィル軍にはどう考えても敵わないかと………」
尋ねられたダドリーは疲れた表情で答えた後複雑そうな表情をし
「……………そうか……………」
セルゲイは重々しい様子を纏って目を伏せて呟き
「――――だが、俺達にとっては朗報だな。あの厄介な”神機”が半分に減ったしな。ギュランドロス司令達が動いたとなると、恐らく局長達も近い内に動き出すだろうし、ひょっとすればロイド達も動き出すかもしれん。引き続き俺達も機を窺い、チャンスを待つぞ。」
すぐに気を取り直して真剣な表情でダドリーに言い
「はい……!」
セルゲイの言葉にダドリーは力強く頷いた。
~タングラム門~
「何だと!?ベルガード門と警察学校が!?」
警察学校が制圧されて半刻後、兵士の報告を受けていたダグラスは声を上げて立ち上がり
「は、はい………!ベルガード門はギュランドロス元司令率いる警備隊によって完全に制圧され………さらにベルガード門に次々とメンフィル帝国軍が進軍し、警備隊と共に陣を築き始めている上………警察学校は”空の覇者”ファーミシルス率いるメンフィル軍によって完全に制圧されました……!」
「さ、さらにアイオーンが2機、メンフィル帝国軍によって破壊されてしまいました………!」
「………まさかアレを破壊するとは………メンフィルは俺達の想像以上の”化物”だったようだな………………………ソーニャ司令やノエル少尉達、それに警察学校の連中は?」
表情を青褪めさせながら言った兵士達の報告を聞いたダグラスは重々しい様子を纏って呟いた後、真剣な表情で尋ね
「……ベルガード門と警察学校に駐屯していた国防軍は………全員生死不明です。」
「な、なお………残りのアイオーンどころか、市内にいる兵士は一人も援軍に向かわなかったようです……」
「…………………くそったれ!ディーター大統領達はベルガード門と警察学校の連中を見捨てたのか!!」
兵士達の報告を聞いたダグラスは怒りの表情で机を拳で叩いて叫んだ!
こうして……ベルガード門と警察学校はギュランドロス達率いる”六銃士派”の警備隊員とファーミシルス率いるメンフィル帝国軍によって完全に制圧され………ギュランドロス達がベルガード門を制圧すると、リウイ達―――メンフィル帝国軍も次々とベルガード門を中心に陣を築き始めた。そして国防軍の兵士達は重傷を負っている者もいたが、全員生存しており、それぞれベルガード門や警察学校の牢屋やメンフィル帝国軍が用意した簡易牢屋に入れられ……………アイオーンを破壊した時に見た戦艦や竜―――モルテニアや魔導戦艦、そして”歪竜”の恐ろしさを思い出したり、メンフィルを敵に回した事で今後、自分達がどうなるか想像をしてしまい……それぞれ恐怖や後悔の表情で牢屋で震えたり女神達に祈り続けていた……………………
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