英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~ベルガード門制圧作戦~中篇
~ベルガード門~
「そ、そんな……………”神機”がは、破壊されるなんて………!それも生身で………!それになんなんですか!?あの戦艦や竜のような存在は!?」
アイオーンが破壊される様子を端末で見ていたノエルは信じられない表情をした後表情を青褪めさせ
「……………まさかメンフィルがここまで”規格外”だったなんて………どうやら私達は世界をも破滅させるほどの恐ろしい存在を敵に回してしまったようね…………」
ソーニャは厳しい表情で端末を見つめながら呟き
「ノエル少尉!すぐに迎撃を!それと市内に連絡して、残りの”神機”や援軍を要請して!」
すぐに気を取り直して、ノエルに指示をし
「イエス・マム!!」
指示をされたノエルは答えた後敬礼して、部屋を出て行った。
「フフ……これも抗う事を決めたギュランドロス司令達と違い、ただ流されてディーター大統領の指示に従った私達への空の女神からの裁きかしら…………」
ノエルが出て行くとソーニャは自嘲気な笑みを浮かべて端末に映る突撃して行く様子のギュランドロスを見て呟いた。
「確かにそうかもしれませんね。――――イリアさんがあんな目に合う事になった原因の人に従っているのですから。」
するとその時女性の声が聞こえ
「!?何者っ!?」
声を聞いたソーニャは立ち上がって懐から銃を出して周囲を警戒した。するとソーニャの目の前の空間からリーシャが現れて剣を構え
「なっ!?アルカンシェルのリーシャ・マオ!?一体いつの間にここまで侵入を……!い、いえ……それより先程の現れ方といい、その格好は一体……!?それに何故行方不明の貴女がこんな所に……!」
リーシャを見たソーニャは信じられない表情をして、混乱しながらも銃口をリーシャに向けたその時!
「―――遅い!炸力符!!」
リーシャは起爆する符を付けたクナイを投擲し
「カハッ!?」
投擲されたクナイはソーニャの腹に命中して爆発を起こし、爆発をその身に受けたソーニャは口から血を吐くと同時に吹っ飛ばされ
「逃がしませんッ!!」
吹っ飛ばされるソーニャをリーシャは鉤爪を放ってソーニャを拘束して引き寄せ
「斬!!」
大剣で斬撃を放った!
「キャアッ!?……………」
リーシャのクラフト―――――龍爪斬をその身に受けたソーニャは斬られた部分から大量の血を噴出させた後気を失って地面に倒れた!
「ソーニャ司令、大変です!装甲車がほとんど動かない上、通信機も何者かによって破壊されていま………す……?」
その時血相を変えたノエルが部屋に入って来て状況を見て呆け
「ソ、ソーニャ司令!?それにリーシャさんも!!……―――!ま、まさか……リーシャさん……!これを……いえ、装甲車や通信の破壊工作も貴女が……!?」
血だまりの中で倒れて意識を失っているソーニャを見たノエルは信じられない表情をした後、身体を震わせて怒りの表情でリーシャを睨んだ。
「……………………『飛んで火にいる夏の虫』とはこの事でしょうね………………………」
ノエルに睨まれたリーシャは静かな口調で呟いて武器を構え
「――――大人しく武装解除して投降するなら、痛い目には合わせません。……………無駄な抵抗は止めてください。相手は”赤い星座”とも互角以上に戦ったあの”紅き暴君”、”微笑みの剣妃”、そして”暴風の戦姫”率いるベルガード門の精鋭達に加え、後方には”英雄王”達――――メンフィル帝国軍が控えています。”神機”を失った貴女達に勝ち目はありません。」
真剣な表情でノエルを見つめて言った。
「ふ、ふざけないでくださいっ!ソーニャ司令をこんな目に合わせた人の……クロスベルを裏切った人なんかのいう事を誰がっ!!」
リーシャの言葉を聞いたノエルは怒りの表情でアサルトマシンガンを連射してリーシャに放ったが、銃撃をリーシャはノエルには決して見えない速さで次々と回避し
「……ランディさんと違って空蝉にも気付かなかった貴女が……全力を出せるようになった私に1体1で勝てる要素があると思っているのですか?雷電!!」
電撃を宿したクナイを投擲した!
「うあっ!?それでも……それでもあたしはクロスベルを守る軍人です!ですから必ずクロスベルを守ってみせますっ!!」
投擲されたクナイが片手に命中してサブマシンガンを落としたノエルは痛みや痺れに顔を顰めながらも必死の表情で無事だった片手でサブマシンガンを連射してリーシャを攻撃した。
「―――でしたら今は叶わぬ夢を見ながら眠ってください。」
するとその時リーシャが一瞬でノエルに詰め寄り
「な――――」
詰め寄られたノエルは目を見開いた。
「―――鏡面刹!!」
そしてリーシャは神速で次々と斬撃や蹴りを混ぜた連続攻撃を放ち
「うああああああああああっ!?」
リーシャの斬撃を受け続けたノエルは斬られた部分から次々と大量の血を噴出させ、さらにはリーシャの蹴りによって命中した顔や体の一部を青痣を作りながら悲鳴を上げた!
「銀の名の下、永遠の眠りにつけ……!―――最終奥義!裏桜花!炸光!!ハァァァァァァァァァ……………!!」
一方連続攻撃を続けていたリーシャはクラフト――鏡面刹から連携してより速い斬撃を連続で繰り出し始め
「閃!!」
怒涛の連続斬撃を放ったリーシャは剣の刃が照らす光の軌跡を残しながらノエルの背後へと駆け抜けた。すると闘気による大爆発が起こり
「う………あ……………ごめ……ん……ね……フラ……ン…………………」
爆発に呑みこまれたノエルは脇腹から大量の血を噴出させながら地面に倒れて気を失った!
「……………………」
気孔による体格の操作をしなくなったことで全力が出せるようになり、放つ事が可能になった”銀”の最終奥義―――――裏桜花炸光を放ち終えたリーシャは自分の剣にこびりついているソーニャやノエルの血を一振りして飛び散らせ、そして二人の応急手当てをして拘束した。するとその時外から喧騒や悲鳴、銃撃に武器と武器がぶつかり合う音が聞こえ始めた!
「……どうやら始まったようね………」
近くの窓から戦闘を開始した警備隊と国防軍を見たリーシャは静かな口調で呟いた。するとその時複数のエニグマが鳴りはじめ、リーシャは鳴り続けている自分のエニグマで通信を開始し
「―――はい、リーシャです。……………ルイーネさんでしたか…………ええ……ええ……こちらは今、ソーニャ司令とノエルさんを制圧し終えた所です……はい…………はい……………わかりました……では私はこのまま砦内での攪乱戦を続行します。」
通信を終えたリーシャはエニグマを元の位置に戻して部屋の出入り口を見つめ
「―――リーシャ・マオ、これより砦内の兵士達の調伏を始めます……!」
決意の表情で声を上げた後、リーシャは部屋から疾風のような速さで出て行き、リーシャが部屋を出て行くと、部屋の中には気を失い、血だまりの中に倒れて拘束されたソーニャとノエルのエニグマが鳴り続けていた。
今ここに!”東方の魔人”と恐れられる”銀”――――リーシャ・マオの真の実力が存分に発揮される戦いとギュランドロス達――――”六銃士”率いる警備隊員達の国防軍への反撃が始まった………!
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