英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第111話
~古戦場~
ロイド達が”太陽の砦”周辺まで来ると、ロイド達が背後の巨大な扉がしまり
「しまった……!」
「罠……だったみたいだね。」
それを見たロイドとワジは厳しい表情をし
「!!あれは……!」
エオリアは扉の開閉装置の近くにいる人物を見つめて驚き
「……”赤い星座”の猟兵。」
人物―――”赤い星座”の猟兵を見たリタは真剣な表情で呟いた。するとその時、”赤い星座”の猟兵が装甲を身に纏った魔獣と共にロイド達を包囲した!
「”赤い星座”……!」
「気配を消していたのはこやつらだったか。」
「囲まれちゃったね……」
自分達を包囲した猟兵達を見たティオやツァイトは厳しい表情をし、キーアは真剣な表情で言った。
「ハハ、目当てに逃げられて当てが外れた気分だったが……代わりの獲物が飛び込んできてくれるとはな。」
「ランドルフ隊長の同僚か……捕えておけば国防軍にも恩が売れそうだ。」
「それに”真銀の霊女”もいるとはついているぜ。」
猟兵達は口元に笑みを浮かべてロイド達を見つめ
「くっ……」
見つめられたロイドは唇を噛みしめ
「総勢20名……軍用魔獣多数の構成です。」
ティオは不安そうな表情で呟いた。
「おっ!?あのイーリュンの女と帽子を被った銀髪の女、かなりの上玉じゃねえか!」
「後でタップリ楽しませてもらうぜ……」
そしてキーアとエオリアを見た猟兵達は醜悪な笑みを浮かべ
「…………………」
「最低な連中ね……」
キーアは真剣な表情で黙り込み、エオリアは蔑みの表情で猟兵達を見つめ
「全く……猟兵って人達はみんなこんな人達ばかりなのでしょうか?」
リタは溜息を吐いた後真剣な表情で猟兵達を睨み
「お前達なんかにキーアに指一本触れさせないっ!!」
ロイドは猟兵達を睨んで闘気を纏って叫んだ!
「フフ、なかなか歯ごたえがありそうな獲物どもだ。じっくり確実に削ってくれるとしよう。”赤い星座”の包囲からどこまで持ちこたえられるか……見せてもらうぞ、特務支援課!」
そして猟兵達が戦闘を仕掛けようとしたその時!
「フッ……馬鹿な連中だ。包囲されているのは自分達とは気付いていないとはな。」
ロイド達にとって聞き覚えのある声が聞こえ
「え……」
「この声は……ヴァイスさん!?」
声を聞いたロイドが呆け、ティオが驚いたその時!
「ご主人様の敵は……消えてください!神聖剣舞!!」
「ぐがっ!?」
「ギャンッ!?」
空よりミスティが光を纏った連接剣で強襲して開閉装置の近くにいる猟兵と魔獣を攻撃して怯ませ
「鮮血に染まるがいい!玄武の烈燐撃!!」
「があっ!?………」
ミスティに続くように空から強襲して来たベルの強烈な一撃によって頭を破壊された猟兵は絶命し
「止めです!!」
「グルッ!?」
魔獣はミスティの連接剣によって喉元を貫かれて絶命した!
「なっ……!?」
「クッ……散開しろ!!」
それを見た猟兵達が驚いて行動に移ろうとしたその時!
「逃げられるとお思いか!二連制圧射撃!!」
「がっ!?」
「ぎゃっ!?」
遺跡の建物の屋上から姿を現したメイメイが矢の雨を降り注がせ、矢の雨を受けた猟兵達は怯み
「純粋なる魔よ、今こそここに集え!エル=アウエラ!!」
「光の神々よ!邪悪なる者達に裁きの炎を!贖罪の神炎!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアッ!?」
さらに建物の物陰から姿を現したエルファティシアとマルギレッタが放った魔術によって数人の猟兵や魔獣は悲鳴を上げながら絶命した!
「おのれっ!」
「接近戦で一気に制圧しろ!」
それを見た無事だった猟兵達は武器を構えてエルファティシア達に向かおうとしたが
「―――氷の精霊よ!我に力を!氷垢螺の吹雪!!」
「うあああああああああああああっ!?」
「さ、寒い……!」
「こ、凍え死ぬ……!」
逆側の物陰から姿を現したアルフィミアが発動した魔術によって極寒の猛吹雪を受けた猟兵達は悲鳴を上げた後、全身が凍結し始めた。するとその時、チキ、エリザベッタ、ネネカ、リ・アネス、ガルムスが建物の屋上から飛び降りると共にエルファティシア達やアルフィミアがいる場所からそれぞれヴァイスとアルが姿を現して猟兵達に突撃した!
「ウオオオオオオオオオオオオオオ―――――――――――ッ!!」
そしてネネカはクラフト――拡散咆哮で猟兵達や魔獣達を怯ませ
「貫くッ!!」
「ガッ……!?………」
電光石火の如くネネカは猟兵の一人に近づいてクラフト――串刺しで猟兵の心臓の部分を貫くと同時に心臓があった部分を中心に風穴を空けると共に絶命させ
「えいっ!!」
「やあっ!!」
「ぐぎゃ!?」
「ガッ!?」
チキとエリザベッタはそれぞれ猟兵に詰め寄って武具を付けた拳や蹴りで猟兵達の頭を破壊して絶命させ
「気合一閃!!」
「ぐあっ!?」
リ・アネスはクラフト――気合い斬りで猟兵の身体を袈裟斬りに真っ二つに斬って絶命させ
「見切れるか!?ぬうううんッ!!」
「ぐ、がっ、ぎっ!?…………」
ガルムスはクラフト――五段突きで猟兵の四肢を貫いた後、最後の一撃は顔を貫いて絶命させ
「アル!」
「はい、ヴァイス!」
「「デスティニークロス!!」」
「ギャンッ!?」
ヴァイスとアルはコンビクラフトで魔獣達を全て滅し、多くの猟兵達はあっという間に絶命し、その場で生きているのはたった一人だった!
「ク、クソ――――――――――ッ!!」
自分以外全滅した状況を見た猟兵は懐から爆弾を出してヴァイス達に投擲したが
「させん!風弓!!」
「なっ!?」
投擲された爆弾はメイメイが放った風を纏った矢によって吹っ飛ばされて誰もいない場所で爆発し
「ハアッ!!」
ヴァイスは猟兵に詰め寄って斬撃を放ち
「!?ギャアアアアアアアアア―――――――――――ッ!?」
ヴァイスの斬撃によって片腕を斬りおとされた猟兵は悲鳴を上げた!
「きょ、局長……アル警視……!それにエルファティシアさんや局長達の協力者の方々も……!」
「それに”ラギール商会”の店長や売り子もいるね。」
ヴァイス達を見たロイドは驚き、ワジは真剣な表情をし
「「………………………」」
キーアとティオは猟兵達の死体を見て辛そうな表情で黙り込み
「電光石火の連携攻撃だったわね………」
「ええ………」
エオリアとリタは真剣な表情でヴァイス達を見つめていた。
「ば、馬鹿な………俺達が狩られる側だったというのか……!」
そして片腕がなくなった猟兵は地面に膝をついて信じられない表情をした。
「………この程度の数で私達を……制圧できると思うなんて……随分馬鹿にされたものですね……」
チキは静かな口調で呟き
「ロイド達もいる事だし、今日は”このくらい”で勘弁しておいてやろう。――――ディーターや”赤の戦鬼”達に伝えておけ………―――貴様ら全員、いずれ俺達”六銃士”によって滅ぼされる運命だと!とっととクロスベル市に尻尾を巻いて逃げ帰れ、三下!」
ヴァイスは猟兵に大剣を突き付けて不敵な笑みを浮かべて声を上げた後片手を上げた。するとミスティが開閉装置を操作して閉じられた門を開け
「おのれ………!……………貴様のその言葉……いずれ後悔させてやるっ!!」
猟兵は怒りの表情でヴァイスを睨んで叫んだ後、ロイド達に背を向けて走り去って行った……………!
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