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英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)

作者:sorano
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第100話(4章終了)

~鏡の城・最上階~



「………………………」

その様子を映像で見ていたロイドは黙り込み

「……あり得ないだろ………」

「……私達……夢でも見ているの……?」

ランディとエリィは信じられない表情をし

「残念ながら……現実みたいです………」

(…………………あの人形兵器達をどうにかしないと私達の勝ち目はないわね……………)

ティオは不安そうな表情で呟き、ルファディエルは厳しい表情で考え込んでいた。

「―――その通りだ。”奇蹟”の後にも現実は待ち受けている。」

その時アリオスは静かに呟いた。すると

「いたぞ……!」

「アリオス長官!ご無事ですか!」

白い軍服を着た兵士達―――国防軍が次々とロイド達の背後に現れた!

「あ――――!」

「チッ……!」

そして国防軍に囲まれたロイド達が武器を構えたその時!

「―――抵抗は無駄です。」

聞き覚えのある娘の声が聞こえた来た!

「え………」

「この声は……!」

声を聞いたエリィやティオが驚いたその時

「既にミシュラム一帯は国防軍が制圧しています。どうか……大人しく投降してください。」

なんと白い軍服を着たノエルがロイド達に近づいて警告した!

「ノエル、お前………」

「………どうして………」

「…………………」

ランディ達に睨まれたノエルは複雑そうな表情をして黙り込み

「―――ご苦労、シーカー少尉。私はオルキスタワーに戻る。彼らの拘束は任せたぞ。」

「……了解しました……!」

アリオスの指示に敬礼をして答えた。そして国防軍はロイド達を拘束し、アリオスはロイド達から去ろうとしたが

「―――待ってください!」

ロイドの制止の声を聞いて立ち止まった。

「………一つだけ……どうか一つだけ答えて欲しい。もし貴方が、数年前から彼らに協力していたのなら……ガイ・バニングスを―――兄貴を殺したのは貴方なのか?」

「!?」

「え………」

「そ、それって……」

「おい、まさか………」

(………………………)

ロイドの質問にエリィ達は驚き、ノエルは信じられない表情をし、ルファディエルは目を細めていた。

「…………………ああ―――その通りだ。」

そしてアリオスは黙り込んだ後静かな口調で答え、ロイド達から去って行った!その後拘束されたロイド達はどこかへと連れ去られた!



~数日後・ウルスラ病院~



数日後ウルスラ病院には多くの国防軍の兵士達が病院内を調べ回っていた。

「ソーニャ副司令!これは一体どういうことだい!?」

マーサ師長は国防軍の服を着ているソーニャを睨んで怒鳴り

「……こちらにメンフィル大使リウイ・マーシルンの側室の一人、セシル・ノイエスが働いていると聞きましたので。彼女を”保護”する為にこうして探させてもらっています。」

「なっ!?セシルが!?」

ソーニャの話を聞いたマーサ師長は驚き

「セ、セシルさんがあの”覇王”の側室の一人!?」

「は、初耳だわ……!」

「というかセシルさん、いつ結婚したのかしら!?」

話を聞いていた看護婦達は驚いたり信じられない表情をしていた。

「………例えセシルが”覇王”の側室の一人だというのが本当の事だとしても、セシルの事をどうするつもりだい!?まさかメンフィル帝国に対しての人質とする気かい!?」

その時マーサ師長は怒りの表情でソーニャを睨みつけ

「……………”保護”をするだけで、決してセシルさんに危害を及ぼすつもりはありません。」

睨みつけられたソーニャは複雑そうな表情で答えた。

「フン!それなら残念だったね!セシルなら数日前―――ディーター大統領の初任演説の日から朝早くに街に出た時を境に行方不明さ!しかもあの娘が借りている寮の部屋から着替えや荷物がある程度なくなっていたから、大方身の危険を察してクロスベルから離れたんだろうね!」

ソーニャの言葉を聞いたマーサ師長は鼻を鳴らした後ソーニャを睨んだ。

「なっ………!?」

マーサ師長の言葉を聞いたソーニャが驚いたその時

「司令!空港を調べた所、大変な事がわかりました!」

国防軍の兵士が慌てた様子でソーニャに近づいてきた。

「……まさか既にセシルさんがクロスベルから離れていたの?」

「ハッ!どうやら大統領の初任演説の日にメンフィル帝国の紋章が刻み込まれているメイド服を身に纏った女性と共に空港にいた目撃情報があり、リベールに向かう飛行船の乗船記録にもセシル・ノイエスの名前がありました!」

「そう……………相手の方が上手(うわて)だったみたいね……………」

兵士の答えを聞いたソーニャは疲れた表情で呟き

「セシルの事がわかったならさっさと兵士達を連れて出て行きな!!」

「…………………ご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした。」

マーサ師長に睨まれたソーニャは頭を深く下げた後去ろうとしたが

「………あんた達が何を考えているか知らないけど、こんな事、絶対に長続きしないよ。その内姿を消した”六銃士”達や今の所は黙っているメンフィル帝国によってあんた達が滅ぼされるのがオチだろうね!」

「…………………………………」

マーサ師長の言葉を聞いて立ち止まって複雑そうな表情で黙り込んだ後、去って行った。



――――ゼムリア歴1214年――――



~クロスベル帝国・帝都クロスベル郊外~



「………キーアちゃん、もう一度確認するけど本気で”戻る”の?」

”クロスベルの運命の日”より”約10年後”、様々な事情によって大きく様変わりし、都となったクロスベルの郊外で金髪の女性は真剣な表情でイーリュンの司祭服を着た女性――――”キーア”に尋ね

「うん……………キーアの時も”今のキーア”がパパ達と一緒にいた………それを守らないと駄目なんだよね……?」

「……………………………」

キーアに尋ねられた女性は複雑そうな表情で黙り込んでいた。

「それに………キーアはキーアが作ってしまった”罪”と向き合うべきだし…………せめてもの償いに………”あの頃”のパパ達を手伝いたいの……!」

「……………わかった。――――けど”今のあの人達”に事情を話さなくていいの?」

そして辛そうな表情をした後、決意の表情に変えて言ったキーアの言葉に女性は静かに頷いた後尋ね

「うん……………………それに……………――――ミントも知っているでしょう?パパ達も最後の最後に”ミントが連れてくることを”。」

「……………そうだったね。それじゃあいつ頃、どの場所に”戻る”の?」

真剣な表情のキーアに尋ねられた女性――――ミントは頷いた後尋ね返した。

「えっとね…………………にお願い。到着した後は”メルカバ”へと続く法陣の場所までキーアが行くから、そこまでの護衛をお願いしてもらってもいいかな?」

「うん、いいよ。……それとキーアちゃん、わかっているとは思うけど………」

「うん………”未来に影響を与える情報を教える事”は絶対にダメなんだよね?わかっているよ。パパ達を”以前の呼び方”で呼ぶのはちょっと寂しいけど………仕方ないよね。」

「キーアちゃん…………………………――――じゃあ、始めるよ!!」

「うん………!」

キーアの返事を確認したミントは鞘から剣を抜き

「エターナルソードよ!今こそ時空を切り裂く力を!!」

空に向かって剣を掲げて叫んだ!すると剣は膨大な光を放ち始め、ミントは光を放っている剣を目の前の空間に向かって振り下ろした!すると空間が”斬られ”、斬られた先には謎の異空間が広がっていた!

「キーアちゃん、絶対にミントの手を離したら駄目だよ!」

「うん……!(パパ……エリィママ……ティオママ……ランディ………それにみんな……待っててね……!もうすぐキーアがみんなの力になるよ……………!)」

そしてミントとキーアは手を繋いで異空間の中へと入って行き、二人が異空間の中へと入って行くと斬られた部分の空間は完全に閉じた。



こうして時空を超えた戦いが静かに始まろうとしていた…………… 
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