英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~”零の至宝”キーア~
~オルキスタワー~
オルキスタワーの屋上ではディーター大統領、シグムント、シャーリィ、ヴァルドが誰かを待っており、しばらくするとマリアベルとキーアが現れた!
「おお……!」
「ほう……」
キーアを見たディーター大統領は嬉しそうな表情をし、シグムントは興味深そうな表情をし
「チビ、おめぇ……」
「へえ~、なんかスゴそうだね?」
ヴァルドは驚き、シャーリィは興味深そうな表情でキーアを見つめていた。
「キーア君―――いや、教団にならって”御子”殿と呼ばせてもらおう。よくぞ再び、この世界に顕れてくれた。クロイス家現当主としてお迎えできて光栄だ。」
「……………うん。」
「フフ、お父様。挨拶はそのくらいで。そろそろ彼らからの贈り物を受け取りませんと。」
「おお、そうだったな。」
マリアベルの言葉にディーター大統領が頷いたその時
「フフ、ようやく私の努力も実を結ぶようだねぇ。」
ノバルティスの声が聞こえた後、カンパネルラ達がディーター大統領達の近くに転移によって現れた!
「大いなる至宝を継ぐ者よ………”身喰らう蛇”の盟主に代わり、御身の顕現を寿がせて頂きます。」
「フフ、ささやかながら”献上品”を用意しました。どうかお受け取りあれ。」
「……ありがとう。」
ノバルティスの言葉にキーアが頷いたその時、空より巨大な白の人形兵器が2体、紫色の人形兵器と青色の人形兵器が一体ずつ降りて、オルキスタワーの屋上に着地した!
「こ、こいつは……!」
「うわあああっ!カッコイイじゃん!」
「クク……なかなかのオモチャだ。」
巨大人形兵器達を見たヴァルドは驚き、シャーリィははしゃぎ、シグムントは口元に笑みを浮かべて見つめ
「『神機アイオーン』………”至宝”が奇跡を振るうための4体のインターフェイス……」
マリアベルは興味深そうな表情で人形兵器―――アイオーン達を見つめ
「……予想以上の仕上がりだ。”結社”の諸君。借りを作ってしまったようだね。」
ディーター大統領は口元に笑みを浮かべた後カンパネルラ達に視線を向けた。
「ハハ、こちらも資金面でいつも助けてもらっているからね。ゴルディアス級の運用データがそっくり使えたものも大きかったよ。」
「それに今回の件については”盟主”の意にも適うこと……借りに思う必要はありません。」
「うふふ……なかなかの太っ腹ですわね。―――キーアさん。それではお願いできますか?」
「うん……わかった。」
そしてマリアベルの言葉に頷いたキーアは自分に秘められる力を解放して青色と紫色のアイオーン達にそれぞれ青い光を纏わせ、光を纏ったアイオーン達はそれぞれ分散してある場所へと向かって行った!
~カルバード丘陵~
カルバード丘陵に到着した紫色のアイオーンは変形した後、翼になっている部分から高純粋エネルギーの刃を発生させて突撃し、カルバード軍の飛行艇を全て真っ二つにして破壊した!それを見た他の飛行艇達は銃撃を放ったが、アイオーンの動きはあまりにも速いため、攻撃は一切命中せず次々と破壊された!そして地上では戦車がアイオーンに向けて砲撃を次々と放ったが、アイオーンには一切命中せず、戦車の最後方に移動したアイオーンはエネルギーを放って戦車達を全て破壊した!
~ガレリア要塞・ベルガード門間~
一方エレボニア軍の戦車達はベルガード門に向かっていたが青色のアイオーンに道を阻まれた!戦車達はアイオーンに向けて次々と砲撃を放ったが、砲撃を受けたアイオーンは何かの障壁によって守られ、無傷だった。そしてアイオーンは先頭の戦車を腕についているドリルを回転させて破壊した後腕を振り下ろして破壊された戦車を吹っ飛ばした!そして戦車達が砲撃をしている中、アリオスは変形させ、両腕にある巨大な砲門に膨大なエネルギーを溜め込み、溜め込んだエネルギーを解き放ち、戦車を全て破壊した!
~ガレリア要塞~
「ば、馬鹿な……!?第5機甲師団が壊滅しただと!?」
自軍が壊滅した情報を聞いたガレリア要塞の司令は驚いて声を上げた。
「し、信じがたいことですが……巨大な人型兵器が現れて全てを薙ぎ払ったと……」
「な、何を馬鹿な……まあいい。そっちがその気ならばこちらも容赦はせん。列車砲起動!目標、クロスベル市!せめてもの情けだ!民間人の密集地は避けてやれ!」
「了解!」
司令の号令に士官達は頷いた後それぞれの行動を開始した。そして列車砲は前に出て砲撃を放った!しかしその時空間から白いアイオーン達が現れ、それぞれ片腕を掲げて巨大な障壁を展開して砲撃を防いだ!列車砲はさらに砲撃を放ったがアイオーン達は片腕を振るった。すると砲弾は空間の中へと消え、アイオーン達は転移してガレリア要塞の前に現れて腕を振るった。するとガレリア要塞の周囲の空間が歪み、ガレリア要塞は丸ごと消滅した!
~オルキスタワー~
「ひゃっほう!!」
その様子を見ていたシャーリィは声を上げ
「……な、なんだありゃ……」
ヴァルドは信じられない表情をし
「アハハ、こりゃ凄いや!”零の至宝”………よくぞ言ったもんだね!」
「クク、ゴルディアス級最新型を4体も同時に……!しかも”奇蹟”の代行者として自立行動させられるとは……!”グロリアス”の代わりの開発を中断して創りこんだ事はあるよ!ハハ、これはあの方にも良い報告ができそうだよ!」
「…………………………(確かにとてつもない力を持っていますね……………しかし………所詮は”創られた神”の力……………恐らく”本物の神”の力を宿すリウイ陛下やエクリア殿、ペテレーネやリフィア、そして”神殺し”や”紅雪”が本気になればアイオーン達は容易く破壊される事になるでしょうね……………)」
カンパネルラとノバルティスは嬉しそうな表情で声を上げ、アリアンロードは黙り込み
「フン……確かに大したもんだ。」
シグムントは口元に笑みを浮かべ
「フフ、まあ最初ですとこんなものかしら?」
マリアベルは不敵な笑みを浮かべ
「…………………」
キーアは哀しそうな表情をしていた。
「フフフ………ハハハハハハハハッ!―――今、この瞬間をもってクロスベルは”聖地”となった!二大国という列強を退け、大陸全土に新たな秩序をもたらすための拠点に……!我がクロイス家の理想と正義を世界に広めるための中心に……!この力があれば”覇王”達も………メンフィルも敵うまい!そしてゆくゆくはメンフィルだけでなく、異世界もクロスベルに膝を折る事になるだろう!ハーハッハッハッハッハッ!」
ディーター大統領は空に向かって大声で笑いだした……………!
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