転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1415話
「一体どういうつもりですか!」
俺を自分の部屋に引っ張ってきた白鳥は、小声で叫ぶという器用な真似をしてみせる。
部屋の中には、これぞ木連男児というのが正しいように、何枚もゲキガンガー関係のポスターが貼られて……貼られて……えー……?
ゲキガンガー関係のポスターに紛れるように存在している写真立て。
その写真立ての中には、エザリアの写真があった。それも、明らかに隠し撮りと思われるような写り方の写真。
恐らく以前交渉のために木連にやってきた時に撮った写真なんだろうが、それでもゲキガンガーのプラモデルの隣にあるその写真立てがどういう意味を持っているものなのかというのは、俺にも容易に理解出来る。
にしても、白鳥や高杉を見ているとあまりにもチョロく見えてくるんだが……
以前チョロいヒロイン、通称チョロインって言葉が流行ったことがあったけど、チョロい男キャラの場合は何て言うんだろうな。
「アクセル代表! 俺の話を……っ!?」
俺がじっと見ている方へと視線を向け、白鳥は俺が何を見ているのかを悟ったのだろう。慌てたように棚の上にある写真立ての下へと向かい、そのまま倒す。
いや、そんな真似をしても既にその写真立てに誰が写っているのかってのは、しっかりとこの目で確認してるんだけど。
白鳥は恐る恐るといった様子で俺の方へと視線を向けてくる。
……どうやら予期しない行動で主導権を握れたらしい。
それにこんな様子であれば、対白鳥用の最終兵器は十分に効果を発揮してくれそうだ。
念の為にエザリアの映像データを持ってきて良かったな。
「久しぶりだな」
今のやり取りがなかったように告げると、それでようやく白鳥も我に返ったのだろう。
少し慌てたようにしながら、口を開く。
「そうですね。……ですが、何故アクセル代表はここにいるんですか? アクセル代表が今この木連にいるという意味を理解していない訳ではないでしょう?」
「当然だ。寧ろ、今だからこそこうして木連にやって来たんだからな」
「……私の立場としては、アクセル代表について上に報告せざるを得ないのですが、それは理解していますか?」
「ああ」
正直なところ、もし木連が揃って俺を捕らえようとしても、物理攻撃しか存在しない以上はどうしようもない。
それこそ最悪の場合は空間倉庫からニーズヘッグを取り出す事すら出来る。
まぁ、それでも俺を捕らえようと思うのは、木連の人間としては当然なんだろうが。
「それだけの覚悟を持ってやって来たという事は、何か意味があるんですよね? 何しに来たんです?」
「それを聞くのか? 本当に想像出来ないのか? 俺が何の為にここにやって来たのかは、お前にも想像は出来ると思うが?」
「……私の口からは何とも言えません」
この辺は軍人らしい実直さを持ってるが、それでも今その行為は愚かでしかない。
いや、木連の人間としては当然なのか。
「今、地球では賊軍によるテロ活動が続いている。それは理解しているな?」
「ええ……」
「その賊軍は木連を地球に迎え入れるという主張をしているが、木連の人間としてどう思う? この件は木連にとっても他人事じゃない筈だな?」
「それは……」
「今のままだと、木連は賊軍の仲間……盗賊の一種だという認識が地球に広がるぞ? それでもいいのか?」
「それはっ!」
「……まぁ、賊軍が勝てばその辺はどうにかなるかもしれないけどな。ただ、これだけは言っておく。俺達シャドウミラーは討伐軍に全面的に協力をしている」
その言葉に、白鳥の顔は苦悶に歪む。
分かっているのだろう。俺達シャドウミラーが討伐軍に協力した時点で賊軍の勝利という未来は完全になくなったと。
それが分かっていながら、それでも尚賊軍から離れるといった行為をしないのは、やはりこれまで資金や資源といった色々な物を今回の計画に突っ込んできたからか。
ここであっさりと退く事が出来ない程に木連は今回の作戦へ様々な物資を注ぎ込んでいるのか。
元々物資という意味では決して豊かという訳ではない木連だ。それだけに、注ぎ込んだ物資に対する思いも人一倍といったところか。
「……知ってます。一応これでも軍ではかなり顔が利くので、地球からの情報は優先的に見る事が出来ますし」
「木連を実質的に動かしている草壁の腹心だしな。そうでもおかしくないか。……なら、それこそもう理解しているんじゃないか? 既に賊軍も……そして木連も詰んでいる、と」
シャドウミラーが討伐軍に協力を表明し、実際に戦場で共に戦いを行ってすらもいる。
俺は出てないが、精霊の卵が出撃して討伐軍と共に賊軍を討伐しているのだ。
ナデシコ世界の戦力では、シャドウミラーの実働班は当然だが、精霊の卵が使用しているMSにすら勝ち目はないだろう。
ノーマルのMSであれば話は別だったかもしれないが、シャドウミラーの技術班によって改修されている以上、SEED世界のMSと比べても明らかに性能は上がっているのだから。
それこそルナマリアが乗っているザクと……ああ、いや。今のSEED世界だとルナマリアが乗ってるのはインパルスなのか。
ザフトの開発した新型機のインパルスと、シャドウミラーが改修したウィンダム、ザクのどっちが性能高いんだろうな。
うん? ああ、そう言えばインパルスはともかくデスティニーってどうなったんだ?
あの機体はかなり強力な機体だったし、可能なら欲しいんだよな。
ストライクフリーダムは……キラがオーブで技術者をしている以上、開発されていないか?
インフィニット・ジャスティスのパイロットのアスランも今はオーブだしな。
そもそもそんな強力な機体を開発するとしたら、どうしたって秘密裏には出来ない。
ザフトにも地球連合にも、オーブとシャドウミラーからそれぞれ監査用の人員が送られているのだから。……まぁ、シャドウミラーの場合は人員って言っても量産型Wなんだか。
って、今はそんな事を考えている場合じゃなかった。白鳥の説得をする方が先だな。
俺の言葉に難しい顔をしている白鳥に、追撃を仕掛ける。
「お前は討伐軍を結成する時の放送を見たか?」
「……はい。見ました」
「なら、単刀直入に聞こう。お前の目から見て……そして木連の目から見て、グリューノの死に様はどうだった? 自分の命じた事ではないにも関わらず、上に立つ者の責任として、自らの命を以て償ったのを見て」
「男……いえ、漢だと感じました」
だろうな。あのグリューノの死にざまは、木連にとってはこれ以上ない程に尊敬出来る者だっただろう。
仲間を庇って死ぬというのも木連の連中にとっては理想的な……それこそ憧れる死にざまだろうが。
「あの映像を見て、それでもお前達は賊軍に付くのか? 自分達が間違っていると知りながらも、自分の利益の為に行動を起こす。それは……お前達の祖先を月から追放し、火星に核を撃ち込んだ当時の連合軍とどう違うんだろうな」
「待って下さい! それはさすがに聞き逃せません!」
「そうか? けど、俺の言ってる事は間違っているのか? そもそもだ。お前達はクーデターを起こそうとした……いや、今現在起こしている勢力の味方をしているんだぞ? そしてクーデターってのは、こう言うのも何だが基本的に悪者が起こすものと相場が決まってる」
実際には圧制者から市民を解放する為に起こしたりもするんだが、その辺はまぁいいだろう。
「お前達が熱血や正義といった言葉を好んで使っているのは知っている。けどな、それが本当に正しいのか? 今木連が向かっているのは正しい道だと、間違っていないと。お前達の聖典であるゲキガンガーに胸を張って言えるのか?」
「そ、それは……」
やはりゲキガンガーを説得の材料に入れたのは大きかったな。
今の言葉でかなりショックを受けているように見える。
ぶっちゃけ木連の人間がヤマダモドキと呼ばれるようにヤマダに似ているのであれば、ヤマダを説得する要領で話を進めればいいんだし。
勿論全員がヤマダモドキって訳じゃない。
高杉みたいに女に一目惚れするような奴もいるし、草壁みたいに木連を動かすといった行為をする者もいるみたいに。……一目惚れって意味だと、白鳥もか。
「お前達が地球に恨みを持っているのは分かる。けど、その恨みをいつまでも引きずっていいのか? 自分達の子々孫々までその恨みの呪縛に囚われたままにするのが正義か? お前の妹を見ろ。あんなに元気が良くて人当たりもいい子供が、地球人に対して残酷に振る舞うような光景を見たいのか? それが本当に兄として正しい。そう思うのか? 10年、100年、1000年経っても恨み続ける。お前達木連が本当にそんな存在であるのなら……俺達も覚悟を決める必要がある」
「それは……それは、どういう意味でしょう?」
「どう取るのかは、お前次第だ。それに、お前達がやってる事は色々と矛盾を孕んでいると理解しているか?」
「……矛盾?」
「ああ。地球に対する恨みがあるとか言いながら、結局地球と……それも賊軍と手を組んでる。これを矛盾と言わずに何と言う?」
「それはっ! それは……地球と手を組んでいると言っても、あくまでも私達木連と友好的な存在と……」
「お前達に有効な存在って意味なら、アカツキはどうなんだ? あいつは十分お前達に友好的な存在だと思えるが。なのに、お前達が手を組んでいるのは、サワガサキ……ネルガルの社長派だ。それも木連が嫌っている時代のやり方を守っているような、な」
月の独立派を分裂させたり、火星に核を撃ち込んだようなやり方をした時代の名残と言うべきか。
その時代を生きたネルガル会長のやり方を継承しているのが、サワガサキだ。
なのに、木連はそのサワガサキと手を組んでいる。
自分達を月や火星から追い出した恨みを晴らす為に。
……これを矛盾と言わず、何を矛盾と言えと?
「……では、私にどうしろと? 今の木連が間違った方向に向かっているというのは、私も知っています。ですが、それでも私は木連の一員なのです」
「上が間違っているのなら、それを止めるのも下の役目だと思うが?」
「それは……」
「さっきも言ったが、今のお前の態度はゲキガンガーに胸を張って正しいと言えるのか?」
結局白鳥に対しては、この言葉が最も効果的なんだよな。
そしてゲキガンガーに胸を張れるのかという言葉を聞いた白鳥は少し考え込む。
ここは少し別方面から攻めてみるか。
「ああ、それと今回俺達が木連に来たのは別の理由もあってな」
「……俺、達? え? もしかしてアクセル代表以外にも来てる人がいるんですか?」
「そうなる。そいつはゲキガンガーに対して強い思いを抱いている奴でな。恐らく木連の連中とも仲良くやっていけると思うぞ」
「地球にも……ゲキガンガーを好む人が?」
「いる。実際に連れてきているから、後で会わせるよ。その時、木連のゲキガンガーと地球のゲキガンガーについて話し合ってみるってのも面白いと思うぞ。ああ、それからこれはそいつからの土産だ」
そう告げ、空間倉庫から取り出したゲキガンシールを白鳥へと渡す。
このゲキガンシールはそれなりにヤマダが量を持っていたので、何枚かは討伐軍に譲渡して同じような物を作ろうとしている。
まぁ、作り自体はチープな代物だし、同じのを作るのはそんなに難しい話ではないだろう。
ただ、重度のマニアになれば新しく作られたシール……リメイク版とでも呼ぶべき物は偽物だと見る事もあるが……
「これは、ゲキガンシール! 素晴らしい……幻と呼ばれたこのシール、私は見るのも初めてです」
このゲキガンシールは正真正銘の本物であった事も影響し、白鳥には喜んで貰えたようだ。
「そうか、喜んで貰えて何よりだ。それで、どうだ? これから地球のゲキガン好きと会ってみないか? お前も興味あるんだろ?」
「いえ、それはありますが……ですが、今から移動するとなるとどうしても目立つのでは? その、こう見えて私は木連でそれなりに知られてますし」
優人部隊というのはエリート部隊であると同時に、顔的な一面もあるんだったか。
そう考えると、確かに白鳥を連れ歩くのは色々と不味いだろう。
……ただし、それは俺が普通の場合では、だ。
以前木連に来た時に起きた騒動では影のゲートの使用を控えたが、既に敵対してしまっている以上、しっかりと見せた方がいい。
本来ならこっちの奥の手を教えるのは下策なのだが、この世界では影のゲートを使った転移魔法があると知っても、それを防ぐ事はまず無理だしな。
これがネギま世界なら、何気に魔力を察知したりといった方法でどうにでも出来るんだが。
寧ろ俺達と敵対すれば絶対に侵入を防げない移動方法があるというのを目にする事で、それは俺に……延いてはシャドウミラーに対する畏怖となるだろう。
「安心しろ。誰にも見つからずに移動するから。それより、一緒に行くって事でいいんだな?」
「え? あ、はい。本当に誰にも見つからないのであればぁああぁぁぁあっ! ちょっ、アクセル代表!? これは、一体何を!?」
足に広がった影に身体が沈んでいく感触に白鳥が叫び……
「ちょっと、お兄ちゃんうるさいから……って、ぎゃあああああっ! これ、何! 何なの!?」
兄に文句を言いに来たユキナが部屋に入り、当然影のゲートによる転移を見られる。
……ま、仕方ないか。
「ついでだ、お前も来い」
そう告げ、影槍でユキナの身体をこちらに引き寄せるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
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