転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1414話
「入って頂戴。あ、言っておくけど変な真似をしようとしたら大声を出すからね」
公園でのやり取りから30分程。俺の姿は白鳥の家にあった。
ミクとかいう少女とは既に別れており、この家の中には俺と白鳥ユキナの2人だけ。
それを思っての牽制の発言だったのだろうが……
「別に俺はロリコンじゃないから、安心しろ」
「ロッ、ロリコン!? ムカ! ちょっと、私の姿を見て、どこをどうすれば小さい子供だっていうのよ!」
顔を真っ赤にして叫んでくる白鳥ユキナだったが、普段からレモンのような成熟した女と夜を過ごしている俺にとって、今目の前にいるのは手を出そうと思えるような相手ではない。
そもそも白鳥ユキナの年齢は……多分中学生に上がるかどうかってところだろ?
……それで自分の身の心配をしているって事は、もしかして木連って意外にロリコンが多かったりするのか?
女が少ない以上、少しくらい小さくてもいいとか考える奴はいそうだけど。
俺がエザリアやエリナから聞いた限りだと、ヤマダモドキの揃っている木連の人間にとってそういうロリコンの要素は少ないと思ってたんだが。
「どこを見て? ……どこを見ても、だな。そういう台詞はもう少し大きくなってから言うんだな」
白鳥九十九の妹だけあって、顔立ち自体は整っている。もう10年……いや、7年くらいすれば、確かに男達が放っておかない程の美人になるのは間違いないだろう。
だが、今の状態でそういう視線を向けるのはまず不可能だというのも事実だった。
「むきーっ! ちょっとあんた! アクセルって言ったわよね! お兄ちゃんとどんな関係なのかは知らないけど、この私を相手にそんな事を言うなんていい度胸じゃない。覚悟は出来てるんでしょうね!」
「そう言われてもな。俺は聞かれたから思った通りに言っただけなんだが……もしかしてお世辞でも言った方が良かったのか?」
「カチーン! ふーん、そう。そういう事を言うんだ。お兄ちゃんに会おうとしてたのに、随分と私に対して態度が大きいんじゃない?」
不敵な笑みを浮かべて告げてくる白鳥ユキナ……もう面倒臭いからユキナでいいか。白鳥は白鳥で。
「兄の客をどうこうするのか?」
「むかっ、べ、別にそんなつもりはないわよ。……お兄ちゃんを呼んでくるから、ちょっと待ってなさい。けど、お兄ちゃんはここ最近お仕事で忙しいから、すぐに帰ってくるとは限らないわよ?」
「そうか。……ああ、そうだ。折角だし白鳥……兄の方な。そっちが帰ってきた時に驚かしてやりたいから、俺が来ているってのは秘密にしておいてくれ」
今の白鳥が仕事中……つまり軍人として働いているのであれば、当然それは周囲に他の奴等がいる事も意味している。
秋山辺りの穏健派であればともかく、月臣のような頭に血が上りやすい奴がいて……その上で俺が白鳥の家にいるというのを知ったら大騒ぎになるのは目に見えている。
それこそ、下手をすれば木連の被害がとんでもない事になる。
まぁ、木連の被害の心配を俺がする必要はないと思うんだが。
それでも騒動になれば、俺達がこうしてれいげつに潜入しているのが大騒ぎになるのは確実であり、そうなれば俺が何の為にこうして潜入してきたのかが分からなくなる。
その辺を考えると、白鳥が家に帰ってくるまで俺の事は秘密にしておくに限る。
「え? 秘密? お兄ちゃんを驚かすならそれも面白そうかも。うん、分かったわ。じゃあお兄ちゃんが今日何時くらいに帰ってくるか聞いてみるから、ちょっと待っててね」
そう告げると、ユキナは居間に俺を置いて部屋を出ていく。
うん? 普通なら居間に電話とかあるもんじゃないのか? いや、この場合は電話じゃなくて通信機だろうけど。
そんな風に思いつつ、木連に俺の常識が通じないというのは十分に分かっていたので、それ以上は口にせず、何となく部屋の中を見回す。
珍しく……珍しく? うん、多分珍しくだろうが、部屋にゲキガンガー関係のポスターは殆ど貼られていない。
ゲキガンガーのポスター一色じゃないってのは、木連の人間にしては大分珍しい。
白鳥との会話でも、当然のようにゲキガンガーに傾倒している光景は目にしている。
だからこそ、当然ながら部屋の中もゲキガンガー一色なのかと思ってたんだが。
「取りあえずお兄ちゃんには早く帰ってくるように言っておいたわよ。本当は地球との件で色々と大変らしいんだけど……感謝しなさい」
居間に戻ってきたユキナが自慢するかのように呟く。
どんな話をしたのかは分からなかったが、それでも色々と頑張ってくれたのは俺としても助かる。
「キュピーン! で、お兄ちゃんとはどういう関係なの? そもそも名前は? 見た事がない顔だけど、どこの出身? この辺りじゃないわよね!?」
立て板に水と言うべきか、昭和の時代に良くあるような木のテーブルにお茶の入ったコップを置くと全く休むようもなく聞いてくる。
木連で植物というのは当然貴重であり、そういう風に考えるとこの木のテーブルってのも大分高価な品なんだろう。
この辺は多分、白鳥が高い階級にいるから給料も高いから、とかか?
俺から見るととても高価そうなテーブルには見えないんだが。
いや、でもこういうのが味があるっていうのか? 味覚的な味じゃなくて、長い年月を過ごしての味って意味で。
「どういう関係……そうだな、以前基地の中で色々と切磋琢磨した仲、か?」
「ちょっと、何であんたが疑問系なのよ。それにしても切磋琢磨ね。ならやっぱりあんたも軍人なんだ」
「そうだな。軍人なのは間違いない」
正確にはシャドウミラー代表だが、基本的には軍人っぽい働きしかしてないし。
「あ、そう言えばここまで連れてきたのにまだ自己紹介もしてなかったわね。私は白鳥ユキナよ。よろしくね」
「ああ、そう言えば。俺はアクセル。アクセル・アルマーだ」
「……アクセル・アルマー? うーん、どこかで聞いたような覚えが……」
しくったか? 一般市民に対して情報統制を敷いてるらしい木連だし、てっきり俺の名前はそんなに有名ではないと思ったんだが。
ああ、でも白鳥の妹って事になれば、そっちから何気なく聞いていた……って可能性もあるのか。
「うーん、うーん……むむむむ……駄目だ、分からないわ」
「俺はそんなに有名じゃないしな」
どうやら俺の予想通り、アクセル・アルマーという名前は木連ではまだ殆ど広まっていないらしい。
となると、シャドウミラーの存在もあまり広まっていないのか? でも、木連の領域内にいきなりシロガネで転移してきたんだから、シャドウミラーを隠し通すのは難しいだろうし。
それこそ、実は地球が木連の……それも首都的な役割を持つれいげつのすぐ側に転移してきたというよりは、シャドウミラーという存在を公表した方がいいと思うが。
それに木連の人間なら、異世界とか異次元から来た相手というのはそれ程違和感なく受け入れられるだろう。……ゲキガン的に。
まぁ、アニメとか漫画とかでは異次元や異世界から来る相手というのは敵が多いので、友好的な存在になるかどうかというのは難しいところだが。
ああ、それともシャドウミラーという存在そのものは知らせていても、俺の名前は公表してないというのはあるか。
「ま、いいわ。思い出せないって事は、そんなに重要じゃないんでしょうし。それより……ね、ね。アクセルってば恋人がいるの? それってどんな人? ワクワク、ドキドキ」
さっきから思ってたんだが、ユキナは擬音を口で言う癖があるな。
ちょっと面白い癖だが、珍しい。
思春期だけあって、恋愛にも興味津々らしいが……まさかこの木連で、正直に俺の恋人は10人を超えていて全員と同棲してますなんて言える訳がない。
木連は元々人数が少ないのだから、間違いなく疑問を抱かれる。……いや、それよりも前に不潔よ! とか言われそうだな。
ハーレム状態の俺は、木連の人間から見れば理解不能の生き物だろうし。
「そうだな。その辺は秘密という事にしておくか」
「えー……教えなさいよね。お兄ちゃんを呼んであげたお礼の気持ちとかあるでしょ?」
不満そうなユキナだったが、その後も話を誤魔化し続けているとやがて諦めたのか他の話題へと移る。
俺もこの年代の子供と話をするというのは結構珍しいので……うん? 珍しいか? まぁ、取りあえず珍しいって事にしておこう。
そんな感じで会話をしていると、やがてユキナが不思議そうな表情を俺の方へと向けてくる。
「どうした?」
「ドキーン! う、ううん。アクセルって部屋にゲキガンガーのポスターを貼ってないのを何とも思わないんだなーって思っただけよ」
しまった、やっぱりその辺は気にするところだったのか?
木連の一般家庭の中なんか見た事がないからな。
かといって、木連の人間でゲキガンガーを好まないってのを口にするのもちょっと問題があるし……取りあえず誤魔化すべく口を開く。
「部屋に貼るのはあまり好きじゃなくてな」
誤魔化しではあるが、これは本当だ。
部屋にポスターとかが貼ってあると、どうにも落ち着かない一面がある。
ホワイトスターの家で、俺が基本的にいるのは居間か寝室だ。
で、そのどちらにもポスターの類は貼っていない。
居間だと客が来る時もあるし、寝室では毎晩の行為で雰囲気が台無しになるという一面もある。
「ふーん……ま、アクセルがお兄ちゃん程にゲキガン好きじゃなくって安心したわ」
「うん?」
これは、もしかして……以前予想した通り、本当に木連の中にもゲキガンガーが好きじゃないって奴がいたのか?
まぁ、必ずしもその人数は多くなさそうだが。
取りあえずゲキガンガー関係は色々と俺にとっても地雷に近いし、少しで話を逸らすとしよう。
「それにしても、お前の兄さんと俺が知り合いだからって簡単に家に上げても良かったのか? もしかしたら騙っていたって可能性もあるだろ?」
「大丈夫よ。もし何かあったら、これを食らわせるだけだし」
そう告げ、ユキナが見せたのは黒い長方形の手の平程の大きさの機械。
それが何かというのは、容易に予想出来た。
木連の人間であっても、護身用に持っていたとしてもおかしくない物……スタンガン。
いやまぁ、実際にユキナが俺にスタンガンを使おうとしても、俺の速度についてこれる訳がないし……何より俺が混沌精霊である以上、スタンガンは効果がない。
混沌精霊云々はともかくとして、あの露天商とのやり取りを間近で見ていたユキナであればスタンガンを俺に接触させるのはまず無理だって気が付いていてもいいと思うんだけどな。
「それに……」
スタンガンと思しき物をしまいながら、ユキナは言葉を続ける。
「それに?」
「アクセルは私に襲い掛かったりしないんでしょ? さっき言ってたじゃない。そういう趣味はないって」
「……襲うってのはそういう意味だけじゃないと思うけどな。金とか、ただ暴力を振るうだけとか」
「ニヤニヤ。本当に襲うような人は、自分でそんな事を言ったりはしないわよ」
そんな風に会話を続けていると、やがて玄関が開く音が聞こえてくる。
そして居間へと近づいてくる足音が聞こえ……
「おーい、ユキナ。帰ったぞ。お客さんって……」
居間に入りながらそう告げる人物は、俺の予想通り白鳥九十九だった。
何か手土産のような物を持ってきていたのだが、居間の中にいる俺を見ると、その動きは止まる。
「お兄ちゃん、どうしたの? アクセルってお兄ちゃんの友達なんでしょ?」
いきなり動きの止まった白鳥を眺めながら告げるユキナに、俺は誤魔化しも兼ねて口を開く。
「ドッキリ大成功って奴だな」
「え? ああ、なるほど、。アクセルが家にいたから驚いてるんだ。それでもちょっと驚き過ぎじゃない? お兄ちゃんがここまで驚いているのって、見た事ないんだけど」
「それだけ驚いたって事だろ。……なぁ?」
そう声を掛けると、ようやく白鳥は我に返ったのだろう。慌てた様子で周囲を見回す。
いや、ここで周囲を見回しても何の意味もないと思うんだけどな。
ああ、それとも伏兵……って言い方はちょっと正しくないけど、そういうのを探してるのか?
だがそんな白鳥の行動は、妹のユキナに疑問を抱かせる。
「ちょっとお兄ちゃん、どうしたのよ急に」
「え? ……ああ、いや。何でもない。まさかこんなところでアクセル代……アクセルさんに会えるとは思ってもいなかったからな。少し驚いただけだ。……アクセルさん、ちょっと2人だけで話をしたいのですが、よろしいですか?」
「ああ、構わない。俺もそれを希望してこうしてやってきたんだし」
「あれ? もしかしてお兄ちゃんの上官だったり……する?」
白鳥が俺に対して、明らかに目上への言葉使いをしたのに気が付いたのか、ユキナは恐る恐ると尋ねてくる。
だが、俺はそんなユキナに対して首を横に振って不安を晴らす。
「安心しろ。別に上官って訳じゃないから。ただ……ちょっとその、なんだ。まぁ、色々とあるんだよ」
「ユキナ、悪いがアクセルさんと話をするから、暫く部屋には近づかないでくれ」
そう告げ、白鳥は俺を引っ張って居間を出て行くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
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