転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1413話
ここがれいげつか……
現在俺が見ているのは、木連の首都的な存在の都市艦れいげつの姿。
ここに入り込むのは、普通の人間にはちょっと大変だろう。
だが、混沌精霊である俺にとって宇宙空間というのは全く恐れるべき場所じゃないし、外壁の類があっても影のゲートを使えば中に入るのは難しくない。
もっとも、それが可能なのはあくまでも俺だけ。
桜咲も烏族の血を引いてるって話だし、宇宙空間で生身でも平気か? ……いや、何だかんだで生身の肉体を持っているんだから、それは無理か。
ともあれ、俺が頑張って……色々と頑張ってれいげつの一画にコンテナを運び込む事に成功し、現在ヤマダを始めとする他の面々はコンテナの中で待機している。
木連の兵士やバッタ辺りが見回りに来る可能性もないとは言えないが、その辺は桜咲がいれば全く問題ないだろう。
バッタとかも神鳴流を使えば普通に倒す事が出来るだろうし。
神楽坂も何だかんだとシャドウミラーで鍛えているだけに、決して弱い訳じゃない。
人間を相手に殺すような真似は出来ないが、それでも気絶させて無力化させる事は可能だろうし、何よりバッタ相手なら全く問題なく破壊出来る。
もしエリナやヤマダといった者達が怪我をしても、近衛の回復魔法がある。
ただ、その場合はコンテナが戦闘に巻き込まれているという事で、ヤマダが私物のゲキガングッズをなくしてしまう可能性があるが。
勿論木連との交渉用にヤマダが選りすぐったゲキガングッズは俺の空間倉庫の中に入っている。
当然だろう。これは今回の肝なのだから、万が一の事を考えればコンテナの中に入れておく訳にもいかない。
……まぁ、恐らく大丈夫だとは思うんだけどな。
コンテナのある場所は人目につきにくい場所だし。
取りあえず大丈夫だろうと考え、そのままれいげつの中を歩く。
こうして見ると、やっぱり軍人だけって訳じゃないんだな。
木連の人間は当然多いが、その中でも軍服を着ているのはほんの一部だけだ。
いや、勿論中には軍人でも休日で軍服を着てないってのもいるだろうけど。
それでもこうして見る限りだと……
「女が少ない」
軍服の次に気になったのがそれだった。
別に俺は木連に女漁りに来た訳じゃない。
それどころか、ホワイトスターに恋人はいるし、ミナトや……入れていいのかどうか分からないが、エリナもいる。他にも凛や綾子もいるし。
けど俺が気になったのは、あくまでも木連に女が少ないという事だ。
前に聞いて知っていたし、予想もしていたのだが……それでもやっぱり違和感がある。
これはシャドウミラーでは何だかんだと女が多く、それに俺が慣れているってのも影響してるんだろうけど。
それと最も違和感があるのは、やっぱり街中の景色だろう。
……分かっていた。分かってはいたんだが、やっぱり予想通りだった訳で……
うん、街中のいたる所にゲキガンガーのポスターとかが貼ってあったり、銅像があったり、ゲキガンガーの映像が流されていたりしているんだよな。
一応予想はしてたけど、これは……
それでも木連の住人がこんな光景を全く気にした様子もないのは、木連で生まれたからこそだろう。
つまり生まれたときからこんな景色があったので、これが普通になってる訳だ。
以前に木連に来た時は、当然ながらこの首都でもあるれいげつの中に入る事は出来なかった。
だからこそ、中身がこういう場所だとは予想しつつも、これが初の経験なのだが……以前は来なくて良かったって言うべきだろうな。
もし以前来ていたら、恐らく色々と突っ込んでいただろうし。
「さて」
れいげつの観光も悪くはないんだが、それよりもまず俺がやるべき事は目標の相手を見つけるという事だ。
つまり、白鳥か秋山、もしくは高杉。
出来れば白鳥がベストだ。
俺が会った若手の中では秋山と同程度の影響力を持っているように見えたし、部下も白鳥を慕っている者が多い。
そして何より、俺は白鳥に対する秘密兵器を持ってきている。
即ち、エザリアから白鳥に対しての映像データを。
……まぁ、純粋に神楽坂という本物がいる以上、高杉の方が効果は高いのかもしれないが。
ただ、問題は白鳥達がどこにいるのか、だよな。
そもそも、れいげつは都市艦で木連の首都的な扱いなのは確かだが、それ以外にも多くの施設とかが小惑星帯に存在しているのは以前来た時に判明している。
だとすれば、軍事基地としてそっちにいる可能性は高い。
まぁ、それが分かっていてこっちに来たのは、何だかんだでここが一番拠点にしやすいと判断したからなんだが。
それに優人部隊とかいうエリート部隊の人間だった以上、多分このれいげつに家があると思うんだよな。
……その家を見つけられるかどうかってのは微妙だが。
まさか、軍の人間……それもエリート部隊の人間がどこに住んでいるのかと聞いて、住んでる場所を教えてくれる筈もないし。
それでも軍って事は恐らく官舎とかあるだろうから、そっちを集中的に探してみるのもありか?
幸い俺は影のゲートを使えるので、侵入するのは全く問題なく可能だし。
「お、そこ行くお兄さん。どうだいこれ。ゲキガンカード激レアバージョン入りのカードセットだよ。買ってかないかい?」
街中を歩いていると、不意にそんな風に声を掛けられる。
視線を向けると、そこでは露店売りというか? 地面に布を敷いてカードの入った袋を並べている四十代程の男の姿があった。
木連でもこういう店ってあるんだな。……店って言うべきか? まぁ、一応店か?
「いや、今はちょっと急いでるから」
「いやいや、そう言わずに。ほら、少しだけでも見ていってくれよ。これは絶対にお買い得だからさ」
しつこく声を掛けてくるが、それを無視してその場から離れる。
今の俺は、いわゆる不法入国者だ。当然何か面倒事に巻き込まれては堪ったものじゃ……
「あー! いた! ちょっとあんた! よくもこの子を騙したわね! 何が最新バージョンのカードよ。どれもこれも、全部古いのばっかりじゃない!」
少し離れた瞬間、不意にそんな声が聞こえてくる。
もしかして何かやってしまったか? そうも思ったが、カードがどうこう言ってるのを考えると、今回の件は俺には関係ない筈だ。
それどころか、こうして騒ぎが起こった場所に俺がいるというのも色々と不味いので、少しでも早くこの場を離れた方がいいのだが……
そもそも俺の時は激レアとか言ってたのに、今回の問題は最新バージョンなのか?
多分、以前と今日とで売り文句が違うのは特に意味がないんだろうけど。
声の聞こえてきた方を見ると、そこには2人の少女の姿があった。
年齢は13歳前後ってところか? 連れの方も同じような年齢だ。
片方は茶髪で非常に元気がいいって言うか、気が強そうな少女で、もう片方は黒髪で大人しそうな感じ。
「いやいや、お嬢ちゃん。そんな事を言われてもね。そっちのお嬢ちゃんだって、自分で納得したからカードセットを買ったんだろう? なら、今更何を言われても……ねぇ?」
「ねぇ? じゃないわよ! そもそも最新のカードが入っているって言ってこの子にカードセットを売ったのに、中身が古いのばっかりってのは詐欺よ、詐欺!」
「白鳥さん、私はもういいから……」
「へへっ。ほら、そっちのお嬢ちゃんだってもういいって言ってるだろ? 当事者同士が納得してるのに、関係のないお嬢ちゃんが口を出してくるのは正直どうよ?」
そのやり取りを聞いて、俺の足が止まる。
本来なら速やかにその場から離れるのが最善だ。それは分かっている。
だが……今、2人の少女の内、大人しそうな方の少女が口にした言葉に足を止める。
今その口から出たのは、間違いなく白鳥という名字だった。
勿論この木連に白鳥という人物が、俺の知っている白鳥九十九以外にいないという訳じゃないだろう。
それでも何の手掛かりもない状況では、少しでも手掛かりになりそうなこの状況を見過ごす訳にはいかない。
とはいえ、どうしたものか。
あの商人……こういうのも露天商って言うのかどうかは分からないが、その露店商も別にからかうつもりでこういう事をやってる訳ではないだろう。
生活費を稼ぐ為……でも、騙すのは駄目だよな。一種の詐欺だし。
いや、これが本当に刑法で詐欺になるのかどうかは分からないし、そもそも木連でどんな法律があるのかも分からない以上、助けるのが正しいのかどうかも分からないが……そんな風に考えている間にも、露天商と少女との言い争いは激しくなっていく。
「いいから、この子のお金を返しなさいよ! そうしたら許してあげるって言ってるでしょ!」
「許してあげるってなぁ……こっちも商売でやってるんだから、そう簡単にはいそうですかって訳にもいかないだろ。それくらいは分かるだろ?」
「あんたがどんな気持ちなのかってのは分からないけど、だからってそれに私達が頷かないといけないって事はないでしょ!」
「ちょっ、ちょっとユキナちゃん。あんまり大声を出すと……」
ユキナと呼ばれた少女が叫んだのが影響しているのだろう。周囲を通りかかっていた大人達が何事かと興味を引かれたように足を止め、露天商の少女のやり取りを眺める。
これで露天商がここから離れれば取りあえず問題は収まる。そう思ったのだが……
「ええいっ! しつっこいぞ! いい加減にしろ!」
ここで侮られると明日以降の商売に影響すると考えたのか、露天商の男はそう叫ぶと近くにあった石を拾い……
「おいおい、幾らなんでもやり過ぎだろ」
その石を少女達に投げつける前に、後ろに移動していた俺が露天商の腕を掴んで止める。
別に今のは瞬動を使った訳ではなく、普通に地面を蹴って移動しただけだ。
ただ、ナデシコ世界の住人にとっては、俺の行動が普通の移動でも瞬動でも大して変わらないかっただろうが。
それにしても驚いたのは、露天商の男が石を投げつけようとした時に近くの通行人達の半分近くが動こうとした事だ。
地球とかでは見知らぬ誰かを助けるような真似はしない方が得だと考える者が多いのだが、この木連は違ったらしい。
結果的に露天商の動きは俺が止めたが、恐らく俺が止めなくても誰かが少女達との間に割って入っていた筈だ。
俺みたいに露天商の動きを止める事は出来なくても、投げられた石を防ぐくらいの事は出来ただろう。
ゲキガン好きの木連の男らしいな。
まぁ、白鳥ユキナと呼ばれたのが少女……つまり女だというのも関係してるんだろうが。
木連は女が少ない。そうである以上、女を大事にするようになるのは当然か。
寧ろ、露天商の方が木連の人間としては色々と問題があったんだろうが。
「ビクリ。え? あ、あの……ありがと」
白鳥ユキナと呼ばれた方の少女が、俺の方を見てそう頭を下げてくる。
「おいっ、離せ! 離せよ!」
「……で、この男はどうするんだ? 出来れば面倒は避けたいんだけどな」
「え? あ、うん。えっと……」
「ユキナちゃん、ユキナちゃん。私はもういいから。このままここにいると、きっとそのお兄さんの言う通り面倒な事になるよ? 行こう?」
大人しそうな少女の言葉に、白鳥ユキナは少し考え……やがて頷く。
「うん。ミクがそれでいいんなら構わないわ。えっと、ちょっと場所を移さない? このままだと人の目が……」
「ああ、俺は構わない。丁度お前に用件もあったしな」
「え? 私? えっと、会ったのは初めてよね?」
「そうだな、多分」
「多分?」
不思議そうに首を傾げている白鳥ユキナだったが、俺が知っている白鳥……九十九の方の妹とは限らない訳で。
いや、妹がいるのかどうかを聞いた訳ではないので、多分って事にもならないが。
「ともあれ、移動するか。人の目も気になるし」
俺が手を掴んでいる露天商から助けた為に当然目立っており、中には嫉妬の目で俺を見ている奴がいる。
……おいおい、幾ら何でも嫉妬はないだろ嫉妬は。
俺は別にこの2人をそういう目で見るつもりはない。ないのだが……中には自分がそうだから俺もそう思っていると考えている奴もいるんだろう。
「じゃあ、こいつは離すけどいいか?」
「え? あ、うん。それでいいわよ」
白鳥の妹かもしれないって割りには随分と気が強いな。どちらかと言えば月臣の妹のようにすら感じられる。
「ひっ、ひいぃっ!」
手を離すと、露天商は荷物をそのままに去って行く。
そうして俺と少女2人はその場から離れ……やがて人の少ない公園へとやって来る。
「それで、私と知り合いってどういう事? 別にミクの知り合いって訳じゃないんでしょ?」
「その前に聞きたいんだが、白鳥九十九。この名前に聞き覚えはあるか?」
「……お兄ちゃん?」
俺の言葉に、白鳥ユキナは呆然とそう呟くのだった。
……やっぱり正解、か。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
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