英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~獣達の咆哮~
1時間前――――
~マインツ山道~
「こちら司令部―――第3中隊に告げる。武装集団の規模は不明。先程より情報が来た”赤い星座”の可能性高し。マインツの住民に被害が及ばぬよう、最大限配慮せよ。」
多くの装甲車が鉱山町に向かっている中通信音声は装甲車の中にいる隊員達に伝えていた。
「第3中隊、了解。これより武装集団の――――」
そして装甲車の中にいる人物が通信に答えて進んでいたその時、先頭車の足元から爆発が起こって、先頭の装甲車は炎上した!
「導力地雷……!?」
「いかん、総員戦闘配置―――」
突然の出来事に装甲車の中にいる警備隊員達が混乱している中、ミサイルが飛んできてまた一台装甲車が炎上し、炎上した装甲車から銃を構えた警備隊員達が出てきたが、上からの突然の銃撃を受けて絶命した!そしてさらに後方の装甲車は機銃を打ち始め、装甲車からは数人の警備隊員達が出てきた!
「アハハ……なかなか悪くない反応だね。」
するとその時シャーリィの声が聞こえ
「ふふっ……実戦は通商会議ぶりかなぁ?やっと”テスタ=ロッサ”を満足させてあげられそうだよ♪」
シャーリィは不敵な笑みを浮かべて警備隊員達を見下ろしていた!
「くっ………」
「な、何だこいつら……!?」
「――――掃討戦開始。まずはトンネルまで押さえよう。歯向かうヤツは皆殺しでいいよ♪」
「了解!」
そしてシャーリィ達は戦闘を開始し、夕方になる頃にはクロスベル市方面のトンネルの出入口まで到る所に警備隊員の死体や炎上した装甲車が続いていた!そしてトンネルの出口付近で猟兵達はバリケードを作って、警備隊員達と銃撃戦を繰り広げていた!
「……隊長、いかがしますか?」
その様子を見ていた猟兵はシャーリィに確認し
「んー、そうだなぁ。ここで頑張られてもウザいし、ちょっと遊んでくるよ。フォローはお願い。」
確認されたシャーリィは考え込んだ後指示をした。
「了解。」
「隊長に続くぞ。」
「さあ、”テスタ=ロッサ”。獲物はまだまだ残ってるよ………シャーリィと一緒にめいっぱい楽しんじゃおう!」
そしてシャーリィは猟兵達と共に突撃し、軽やかな動きで崖上に登り、突撃して来る警備隊員達に銃撃を放った!
「ががっ……!?」
「うわあああっ!?」
シャーリィの銃撃を受けた警備隊員達は地面に倒れ
「しゃ、車両の陰に隠れろ!」
地面に倒れなかった警備隊員は指示をしたが
「あはは、ムダだってばぁ!アハハハハハハハハハッ!!!」
「ぎゃああああああっ!!」
崖上から強襲して来たシャーリィの武器の刃の部分で切り裂かれ、身体から大量の血を噴出させて地面に倒れた!
「ヒイイイッ……!」
「ば、化物ッ………!」
「し、司令達に……ろ、”六銃士”達に助けを求めろっ!!」
その様子を見ていた警備隊員は悲鳴を上げながら銃撃を放ったがシャーリィは全て回避して装甲車の上に着地し
「イッッけええええええええええええっ!!」
なんと刃の部分をチェーンソーのように回転させ、装甲車を上から切り落として炎上させた!
「ひゃっほう!あははははははははっ!!!」
装甲車を炎上させたシャーリィは大声で笑い、さらに猟兵達が次々と強襲して警備隊員達を次々と大怪我を負わせたり絶命させたりしていた!するとその時!
「調子に……乗りすぎだよっ!!」
娘の声が聞こえた後回転する刃がシャーリィを襲い
「!!」
刃に気付いたシャーリィはその場から後ろに跳躍して回避した!そして刃はブーメランのように戻り、持ち主であるパティルナの元に戻った!
「ろ、”六銃士”………!」
「”暴風の戦姫”か……!」
パティルナを見た猟兵達は驚いたり睨んだりした!するとその時!
「でええええいっ!!」
「なっ!?……………」
パティルナはクラフト――――烈震斬で強襲して猟兵の一人を縦に真っ二つにして絶命させ
「な――――――」
それを見た猟兵達が驚いたその時!
「遅い!雑魚はどいたどいた―――!」
「ギャアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」
「グアアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」
続けてクラフト――――飛来刃・円輪を放って周囲の猟兵達を絶命させ
「さあ、飛ばして行くよっ!!」
「ガアッ!?」
「ギャアアアッ!?」
そしてクラフト――――乱舞を放って猟兵達の死体をさらに増やし、猟兵達が立っていた地面を猟兵達の血で真っ赤に染めた!
「ば、馬鹿な………たった一人に百戦錬磨の”赤い星座”の猟兵達が殺られるなんて……!」
「クソッ……!まさか警備隊が殺しを易々と実行するなんて……!」
一方その様子を見た後方にいる猟兵達は信じられない表情をしたり悔しそうな表情をしたりし
「おおっ!さ、さすがは”暴風の戦姫”パティルナ中尉……!」
「たった一人であんな一瞬であれだけの数の猟兵達を殲滅するなんて……!」
警備隊員達の一部は歓声を上げ
「お、おい……いいのか?パティルナ中尉……猟兵達を殺したが……」
ある警備隊員は戸惑ったが
「何を言ってやがるんだ!?仲間が既に何人も殺られているんだぞ!?」
「そうだ!奴等は国際犯罪者の上、各国家から殺害許可も降りている!殺られた仲間達の仇を取る為にも一人残らず、殲滅するぞ!」
戸惑った警備隊員に他の警備隊員達が一喝した。
「へ~、やるじゃん!あははっ!面白くなってきたね!さあ、”テスタ=ロッサ”!!次の獲物は”暴風の戦姫”だよっ!!」
「今度はあたしが相手してやるよ、”血染め”!!」
シャーリィは感心した後パティルナに銃撃を放ちながら突撃し、パティルナとの戦闘を開始したが、最初は互角な戦いだったが、徐々にパティルナが圧し始めていた!
「あはははははっ!本当に面白いよ!まさかここまで強かったなんてねぇ!」
戦闘の最中、パティルナと鍔迫り合いの状態になったシャーリィは不敵な笑みを浮かべ
「……あたしと同じ戦闘狂だけど……あんたはあたしとは決定的な違いがあるね。その違いがある限り、あんたは絶対にあたしに勝てないよ。」
「へぇ……?」
口元に笑みを浮かべて言ったパティルナの言葉を聞いたシャーリィが好戦的な笑みを浮かべた。するとその時!
「それは……今この時が”殺し合い”という事を忘れているから……よっ!!」
なんといつの間にかシャーリィの側面にいたルイーネがクラフト―――シューティングスターで強襲した!
「!?アアアアアアアアアア―――――ッ!?」
ルイーネの強襲によって片腕を細剣で貫かれたシャーリィは悲鳴を上げた後すぐにその場から後退してパティルナ達から離れたが
「エニグマ駆動!クリムゾンレイ!!」
「ウアアアアアアアアア―――――――――――――ッ!?」
ルイーネが発動したアーツによって全身を焼き尽くされ、悲鳴を上げた!
「シャーリィ様!?」
「クッ……この卑怯者がっ!!」
悲鳴を上げたシャーリィを見た猟兵は悲鳴を上げたり、ルイーネ達を睨み
「あらあら、”殺し合い”で正々堂々な戦をすると思っていたのかしら?」
「ま、個人的にはそういう事は正直したくないけど、あたしは軍人だしね。軍人であるあたし達とは考え方とか全然違うし、そんなのわかんないじゃない?」
睨まれたルイーネは微笑み、パティルナは口元に笑みを浮かべた後
「エアリアル!!」
「フレアバタフライ!!」
「ルイーネ一佐達に続け!ゴールドハイロゥ!!」
「イエス・マム!!」
次々とアーツを発動し、それを見たミレイユの号令によって続くように警備隊員やミレイユが次々とアーツを発動してシャーリィに集中攻撃し
「アアアアアアアアアアアア――――――――――ッ!?クッ……こんの~………!!」
アーツによって集中攻撃され続けているシャーリィは悲鳴を上げながらパティルナ達を睨んだ!
「た、隊長!」
「クッ……撃て、撃て――――――――ッ!!」
シャーリィの様子を見た猟兵達は慌てたり、前進して銃撃を放ち始めたが
「遅い遅い!!」
「ウフフ♪」
「ギャアアアアアアアアアアア――――――――ッ!?」
「グアアアアアアアアアアアア――――ッ!?」
銃撃を回避し、一瞬で詰め寄ったパティルナとルイーネの強襲によって絶命した!
「ば、化物が……!」
「クソ……まさか”赤い星座”がたった2人にここまで翻弄された上、戦況をひっくり返されるなんて……!」
それを見た猟兵達は表情を歪めたり、悔しそうな表情をしていた。
「クッ………クーガーを出して!悔しいけどここは撤退!!」
「ハッ!!」
その時シャーリィは猟兵達に指示をした!
「――――突撃部隊!蹂躙するよっ!!全員、あたしについてきなっ!!」
シャーリィが指示をすると同時にパティルナは号令をかけ
「総員、これより敵の殲滅を開始!戦線を一気に圧し戻す!!ミサイルポッドや火炎放射器の使用も許可する!決して一人で挑まず複数で挑めっ!!」
「みんなでタコ殴りにして皆殺しにしちゃいなさい♪」
後方にいたミレイユも号令をかけ、ルイーネは膨大な殺気を纏って笑顔で指示をし
「イエス・マム!!」
3人の号令に答えた警備隊員達は答えた後なんと撤退し始めた猟兵達を強襲、包囲した後殺害や後方から現れた装甲を全身に身に纏った魔獣の殲滅を開始した!なお、殺害された猟兵達は銃や火炎放射器、ミサイルで足を狙われて転倒したり、全身を焼き尽くされ、足が爆破されて地面に倒れたところをスタンハルバードを持った警備隊員達に身体のさまざまな部分を次々と叩きつけられ、まさに拷問を受けているといってもおかしくない惨い殺され方で悲鳴を上げながら絶命していった!
「こ、これが”六銃士”達が直々に育てたと言われるベルガード門の精鋭達……!」
「す、凄すぎる………!俺達が苦戦していた猟兵達を次々と殺しているなんて……!」
「あ、あいつら……本当に俺達と同じ警備隊員なのか……!?」
「あんな惨い殺し方をするなんて……!」
「何を寝ぼけた事言ってるんだ!?これで死んだ仲間達も浮かばれるぞ!?」
「そうだっ!!俺達も続くぞっ!!」
猟兵を殺害している警備隊員達をタングラム門の警備隊員達は驚きや畏怖の表情で見つめたりした後、戦闘を再開した!
「……………………………もしかしてランディは”こういう事”に嫌気がさして、猟兵を止めたのかもしれないわね…………………正直、こんな惨い殺し方はしたくないけど……ここで泣き言をいう訳にはいかない………!でなければ勇敢に挑んで死んだ隊員達が浮かばれないし、あの馬鹿の隣には一生立てないわ……………!」
一方次々と複数で取り囲んで猟兵や魔獣を殺害している警備隊員達を複雑そうな表情で見つめていたミレイユは重々しい様子を纏って呟いた後、決意の表情になって戦闘を再開した!
その後シャーリィ達は完全に撤退し、ルイーネやパティルナ達――――ベルガード門の精鋭達の獅子奮迅な活躍によって戦線はトンネルの出入口付近まで圧し戻され、その頃には夜になり、パティルナ達は進軍を一端止めてトンネルの出入口付近を中心に警備隊を展開して警戒を始めた。
「………何人殺られたの?」
鉱山町付近のトンネルまで撤退し終えたシャーリィは猟兵に尋ね
「……時間稼ぎの為に残ったまま戻って来ない奴等も含めると30人は殺られたかと。クーガーも戻って来ないところをみると………恐らく出した分は全て殺られたと見ていいでしょう……」
「クソッ!”六銃士”もそうだがまさか警備隊如きがここまでやるなんて……!」
尋ねられた猟兵は重々しい様子を纏って答え、猟兵の一人は悔しそうな表情をした。
「あはははははっ!いいじゃん、いいじゃん!面白くなってきたじゃない!!こうなってくると”次”の襲撃はもっと楽しい事になりそうだねぇ!!」
一方シャーリィは好戦的な笑みを浮かべて大声で笑った!
「み、味方の犠牲すらも楽しむなんて……………」
「さ、さすがは”血染めの(ブラッディ)シャーリィ”………!」
そしてシャーリィの様子を見た猟兵達は畏怖が籠った視線で笑い続けるシャーリィを見つめていた………………………
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