転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1407話
オカダが乗っていたのだろう新型艦が爆散し、そうしていつの間にか……本当にいつの間にか第2艦隊司令官の立場にいたオカダが戦死したのを境に、賊軍はそれぞれ別々の行動を行う事になる。
ある艦はこちらに降伏し、またある艦はこの場から逃げ出していく。
……この辺は、恐らく艦に乗っている乗員が罪を犯してきたかどうかってところなのだろう。
降伏してきた相手の罪の有無は調べると討伐軍は名言しており、現に降伏してきた賊軍の者達は罪の有無を調べられ、罪のある者は贖罪をしている。
その辺を厳格にやっている以上、後ろ暗いところがある者は間違いなく逃げ出すだろう。
『……私達の出番はなかったな』
シロガネのナタルから呆れたような通信を送ってくる。
まぁ、結局シロガネの出番がなかったのは事実だし、それを考えれば愚痴ってもおかしくない。
「新型艦がここまで呆気なかったとは思わなかったしな」
そう呟くも、新型艦は決して性能が低いという訳ではない。
純粋な性能であれば、新型艦であるだけにナデシコよりも上だろう。
だが、それを操るクルーの練度が低かった。……まぁ、司令官があんなのだったし、その辺はある意味当然だろう。
その新型艦も、1隻は降伏してきたという事もあってこっちで確保出来た。
この新型艦を調査すれば、色々と分かることもあるだろう。
特に木連が協力しているのかどうかは、重要な要素となる。
現在のところ、木連が実際に賊軍に協力しているといった事は報告されていないが、まさか賊軍だって何の勝算もなしに木連の名前を出したりはしないだろうし。
ヤンマやカトンボ、もしくはすいげつのような新型艦の技術が、あの新型艦に使われているのであれば木連の協力は確定的だろう。
「それで……向こうの方はどうなっている? 一応シャドウとメギロートを護衛として出撃させたが」
そんな俺の疑問に答えたのは、円だった。
『現在ナデシコが出撃して戦闘中よ』
「そうか、戦闘中か。……なら、丁度いい」
その言葉だけで俺が何をしようとしているのか理解したのだろう。円は特に表情を変える様子もなく、口を開く。
『行くの?』
「ああ。こっちに存在した新型艦は、ハッキング能力の類がなかった。だとすれば、その能力を持っているのは向こうの新型艦のみとなる。出来れば確保しておきたい」
恐らくルリの同類なのだとは思うが、そんな能力を持っているのが賊軍についているというのは、少し面白くない。
出来ればこの戦いで確保しておきたい。
『気をつけろよ、アクセル。恐らく大丈夫だとは思うが、それでも絶対確実という訳ではない。私達はもしまたこちらから戦力が送られてきた時の為に、この周辺を警戒しているが、それで構わないな?』
円に変わって映像モニタに映し出されたナタルの言葉に、頷きを返す。
ルリと同じ能力を持っているだろう相手だ。どんな奴なのかは分からないし、恐らく大丈夫だとは思うが、警戒してし過ぎるという事はないだろう。
そう判断し、システムXNを起動する。
ニーズヘッグの速度であれば、こことは反対側で戦闘をやっているのに到着するまでそう時間は掛からない。
だが、それはあくまでもニーズヘッグだけであれば、だ。
カスタム機並の性能を誇っているシャドウだが、それでもニーズヘッグの機動力に付いてくる事は出来ない。ましてやメギロートは何を言わんやだ。
そうである以上、やはり全員で一気に転移するのはシステムXNが一番だ。
そして光の繭のような転移フィールドが俺達全員を包み込み……次の瞬間には、俺達のすぐ近くで戦闘が行われている場所へと姿を現していた。
まず真っ先に目に入ってきたのは、当然のように見慣れた艦影であるナデシコ。
そのナデシコと距離を置いて向き合っているのが、賊軍の新型艦。
だが……その2つの艦はこうして向き合っているだけであり、実際には殆ど攻撃らしい攻撃をお互いにしていない。
その代わりなのか、他の戦艦は激しい撃ち合いを行っていた。
まぁ、賊軍も討伐軍も基本的に使っている艦の種類は同じだ。
こうして見る限り、目新しさのようなものはないが。
『アクセルさん!』
ニーズヘッグの姿に気が付いたのだろう。ナデシコから通信が送られてくる。
どこか切羽詰まった様子のメグミの姿を見る限り、やはり何か特別な事が起きているのだろう。
「何があった?」
『向こうの新型艦に乗っているのが、ルリちゃんと同じような力を持っているらしくて……』
「それは分かってる。最初に行われた同士討ちをこの目で見てるしな。けど、向こうの力でナデシコに対抗出来るのか? 経験の差で、どうあっても無理だろ」
『それが……』
言葉に言い淀むメグミ。何だ? もしかして本当に向こうはルリに対抗出来るだけの力を持っているのか?
いや、実際にルリがまだ未熟だというのは理解している。長谷川からもその辺を指摘されてはいたしな。
だがそれでも、未熟というのはあくまでも長谷川を……つまりシャドウミラーから見てのものであり、この世界の者達にとっては十分過ぎる程の実力を持っている筈だった。
だとすれば、この世界の戦力では向こうに抗えるだけの戦力は殆どなく、その数少ない例外がルリなのだろう。
で、その結果がこの千日手な訳だ。
「大体理解した。けど、そんなに強いのか? 向こうがルリと同じ経験を持っていても、純粋な経験だとルリの方が上だろ?」
『そうだと思うんですが、実際には……』
なるほど、メグミを始めとしてブリッジの方でもそれは理解していないのか。
けど、新型艦とナデシコがお互いに動けないというのは、寧ろこっち側にとって有利な展開ではある。
今までならナデシコ以外の戦艦と討伐軍の戦艦は同じ種類であり、練度に関しても元々が同じ連合軍所属の者が多いのだから、そう大差はなかっただろう。
だが……今は俺達シャドウミラーがいる。
どう考えても、向こうに取っては致命的な存在の俺達が。
視線を戦闘が行われている方へと向けると、戦闘機やエステバリスも含めてお互いに大きな戦いが……うん?
「何だ?」
『敵賊軍、戦闘を終息させて引いていきます!』
不意に聞こえてきたメグミの報告。
それは別に俺へと報告をした訳ではなく、ユリカへと報告する祭にそのついで通信の繋がっていたニーズヘッグにも聞こえてきたのだろう。
だが、この状況で撤退? いや、それ自体は正しい。
先程までならナデシコという強力な戦力を押さえている事が出来、それ故に互角に戦う事が出来ていた。
しかし……今はこちらの戦力に俺達シャドウミラーがいる。
どう考えても、向こうに取っては致命的な俺達の存在が。
それでもシロガネに乗って転移してきたならまだしも、こうして機体だけで転移してきた俺達を見つけ……いや、そもそもシステムXNで戦場のど真ん中に転移して来たんだから、どうやっても目立つか。
向こうも俺達を見つけるのは決して難しい訳じゃなかった筈だ。
それでも、現在の状況でよく撤退を決断出来たな。
本隊壊滅の報が入ったのか?
それと俺達の存在で勝ち目がないと判断して撤退を決断した。……だとすれば、それなりに高い状況判断能力を持っているという事になる。
そして当然その高い能力を持っている奴がどこにいるのかと言えば……普通に考えれば、新型艦だろう。
だとすれば、ここでその新型艦を見逃すようなことはない。
元々あの新型艦は沈めるが拿捕する予定だったが、ここは沈めさせて貰った方がいい。
ヒュドラに内蔵されている中でも、強力な威力を持つメガ・バスターキャノンの砲口を新型艦へと向ける。
「ナデシコ、これから敵新型艦を撃破する。その隙にお前達は他の敵を沈め……」
『待って下さい!』
沈めろ。そう告げようとした俺の言葉を遮るように、そんな声が響き渡った。
この声を出したのがユリカであれば、もしくはメグミといった者達であればそこまでは驚かなかっただろう。
だが、その声を出したのが普段は物静かなルリであるとなれば、話は別だった。
普段大人しいルリだからこそ、その叫びに切羽詰まった様子を窺う事は出来る。
メガ・バスターキャノンの発射をキャンセルしつつ、口を開く。
「どういう意味だ? ここで上手くいけば敵を撃破出来るチャンスなんだぞ。それも、恐らくお前と同じ力を持っているだろう奴を、だ」
『分かっています。ですが……いえ、だからこそ彼女を、あの子を逃がしてあげて下さい』
彼女? あの子? その言葉を聞く限りだと、まるで相手の事を知ってるように思える。それもルリよりも年下の相手のような、そんなイメージで。
「……詳しく話せ」
今のルリが11歳。それより年下となると、それこそ10歳以下という事になる。
下手をすれば、それこそまだ7歳、8歳といった子供や少女云々ではなく、幼児……いや、彼女とルリが言っていたのを思えば、幼女と呼ぶべきか。
『あの新型艦に乗っているのは、私よりも小さい子です』
「だから見逃せ、と? こうして戦場に出て来ている以上、当然ながら死ぬ覚悟というのはしてきている筈だ」
『まだ小さいあの子に、そんな判断が出来るとは思いません。恐らく強制的に戦場に連れてこられたんだと思います』
「……それでも敵は倒せる時に倒しておく必要があるのはルリにも分かると思うが? 今回見逃しても、それが結果として味方の被害を増やす事になる。それでも構わない、と?」
『それは……けど、あの子は……』
言い淀むルリが、俺の方へとじっと視線を向けてくる。
いつもは冷静というか、冷めているルリがここまで感情を露わにするのは珍しい。
どうするべきか……そう思っても、既に結論は出ている。
こうしてメガ・バスターキャノンの発射を止めた時点で見逃すと決めたようなものなのだから。
いざとなれば、ここからでも新型艦を攻撃する手段はある。それこそ、ブラックホール・ランチャーやファントム辺りであればまだ射程範囲内なのだから。
『いいじゃない、見逃してあげれば。ルリルリがお願いする事なんか滅多にないんだから、そのくらいは聞いてあげるのが男の甲斐性よ?』
ミナトが笑みを浮かべつつ告げてくるが、事はそういう問題じゃないんだけどな。
「これが俺の個人的な事なら、幾らでもルリのお願いくらい聞いてやるさ。けど、残念ながら今回の件は俺の個人的な事じゃない。それこそ、この世界の未来が懸かっていると言ってもいいんだぞ?」
この世界の未来というのは少し大袈裟かもしれないが、実際あの新型艦の能力を考えれば、それだけの性能を持っていると言ってもいい。
いや、より重要なのは、新型艦の性能ではなく、ルリの同類による能力か。
「あの新型艦が姿を現した場合、対抗出来るのは俺達シャドウミラー以外だとナデシコしかない。そして、次にどこにあの新型艦が攻めてくるかというのは、俺達じゃなくて向こうが決める事だ。それによって出た損害はどうする?」
損害という言葉に、映像モニタに映し出されていたプロスペクターの頬が引き攣っている様子が見える。
プロスペクターの性格を考えれば、この辺は当然なんだろうな。
少しでも節約をしようというのは、半ばプロスペクターの本能に等しい。
『それは……』
言い淀むルリ。
実際問題、ここで新型艦を見逃した事により出る被害というのがどのくらいになるのか……ルリとオモイカネの能力があれば、それを計算するのは難しい話ではない。
『心配ご無用! ……ってのはちょっと言い過ぎかもしれないけど、多少被害を押さえる事が出来るようにはなると思うよ』
唐突にアカツキの顔が映像モニタに割り込んでくる。
当然と言えば当然だが、どうやらアカツキは今回の戦闘に参加していなかったらしい。
出撃しているエステバリスの中にも、アカツキの乗っている新型は見えなかったしな。
「被害を押さえる? 具体的には?」
『そうだね、ナデシコ2番艦コスモス、3番艦カキツバタ、4番艦シャクヤクといった新型艦がもう少しで完成するんだ』
「……へぇ」
予想外に進んでいた新型艦の建設計画に感心の声を上げる。
いや、これは普通に凄いと思う。
連合軍から持ち込まれた相転移エンジン搭載艦の開発をしながら、独自にナデシコ級を建造していたとは思わなかった。
ナデシコ級があってもルリのような能力の持ち主がいないと、どうにもならない気がするんだが。
「……分かった。まぁ、もうここまで時間が過ぎれば、攻撃をするにしても無理だろうしな」
こうして俺達が話している間にも当然賊軍は撤退しており、先程であればまだニーズヘッグで攻撃が可能な距離にいった敵艦隊も、既にこちらの攻撃範囲から外れている。
勿論本当に攻撃する気であれば、システムXNで転移するなり、ツイン・ドライブを全開にして追撃するという手段はあるのだが。
それでもアカツキやナデシコ側からそう言われるのであれば、賊軍の攻撃を迎撃に成功したんだし、俺達としてはこれ以上強引に事を進めるつもりはなかった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
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