転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦艦ナデシコ
1406話
ネルガルの月ドックを中心として、こちらに攻めて来た艦隊の正反対に新たな敵艦隊の姿を確認。
それを聞いても、俺は驚くようなことはなかった。
元々それを懸念して月ドックから出撃してきたのだから、寧ろいて当然という認識すらある。
「月ドックの管制室に連絡。迎撃準備を急がせるように告げろ!」
ナタルの指示に従い、円がネルガルの月ドックに通信を送っていた。
それを聞きながら、俺は改めて最初に出撃してきた方の艦隊へと視線を向ける。
ルリと同じ能力を持つと思われる人物が乗っている戦艦。
それはまだ確定した訳ではないが、それでも恐らくは間違いないと思われる。
それ以外の能力の可能性もあるが、どちらが正しいのかどうかを考えると恐らくルリの同類だと思う。
「新たに現れた艦隊の中に、新型艦を確認!」
「……何?」
美砂の口から出たその言葉に、視線を映像モニタへと向ける。
そこに映し出されているのは、新たに現れた戦艦の数々。
そして艦隊の中には。当然のように細長い針のような新型艦の姿があった。それも3隻。
新型艦……てっきり1隻だけかと思ったら、あれだけの数を揃えていたのか?
いや、待て。問題はそこじゃない。そっちの新型艦にもルリの同類が乗っているのかどうかだ。
もしそうだとすれば、こっちの被害も相当のものになる。
最終的には俺達がいる分、こっちが勝つのは間違いない。だが、それでもこちらの……より正確には討伐軍の被害が大きくなるのは間違いない。
戦闘が行われている間、討伐軍側で被害が大きくなるのは避けられない。
「どうした方がいいと思う? ナデシコ世界での戦闘を多く繰り返してきたアクセルの意見を聞きたい」
ナタルの問い掛けに、少し悩む。悩むが……答えは考えるまでもない。
陽動として出撃してきた方の戦力には新型艦が1隻。後から伏兵としてやって来た戦力には新型艦が3隻。だとすれば、どちらに俺達が行った方がいいのかは、明白だろう。
ただし、念の為の保健は必要になる。
「俺達は後から現れた本命と思しき方に向かう。ただし、シャドウを1機とメギロートを3隻、最初に現れた方の戦力に対する護衛として回す」
まぁ、恐らくそっちに対抗する戦力はナデシコになるだろうが。
恐らくというか、確実にだろうな。
討伐軍の中で最強の戦力がナデシコである以上、それは間違いない。
ともあれ、ナタルは俺の言葉に頷いて円へと指示を出す。
「今のアクセルの指示を月面ドックへ」
「分かったわ」
円が月面ドックの担当者と通信しているのを眺めながら、俺はナタルに話し掛ける。
「じゃあ、俺も出撃の準備をするけど構わないな?」
「ああ。……アクセルに言うべき事ではないかもしれないが、気をつけてくれ」
ナタルとしては、正直なところ俺を前線には出したくないのだろう。
その気持ちは分かる。……俺が以前アカツキが前線に出ている時に言ったのと同じ理由なのは間違いない。
それは、俺が混沌精霊であるとしても軍人としてはどうしても思ってしまうものだ。
元帥や大将といった存在が最前線に出ているようなものなのだから、普通の良識ある軍人であればとても認められるものではない。
ましてや戦場では何が起こるか分からないというのを、幾つもの戦いを潜り抜けてきたナタルであれば、十分に……それこそ己の身を以て知っていてもおかしくない。
例え俺が混沌精霊で、物理攻撃が効果がなくても戦場では本当に何が起きるか分からないしな。
「任せておけ。何があっても俺は生きて帰るからな」
「……そういう台詞は、私でなくエリナに言うべきだろう」
そう言いつつも、ナタルの顔に浮かんでいるのは苦笑だ。
この短時間で、本当にエリナと仲良くなったよな。
やっぱり似たもの同士だけあって、気が合ったのが大きいだろう。
あまり考えたくはないが、上司に苦労している者同士とか、そういうところでも共感したのかもしれないが。
とにかく俺達がこれから行うべき行動は決まった。
である以上、俺としては次にやるべきなのは行動に移すことだけだ。
いつものように影のゲートを生み出し、そこに身を沈めていく。
「アクセル君、頑張ってね」
俺の身体が完全に影に沈む寸前、美砂がウィンクをしながらそう声を掛けてくるのが見え、聞こえた。
「……さて、出撃してきたはいいものの、向こうの動きがないのは妙だな」
ネルガルの月ドック近くで浮かびながら、俺が……俺達が倒すべき相手の方を見ながら呟く。
てっきり最初に出て来た戦力で注意を引き付け、その隙を突いてネルガルの月ドックを破壊するなり、占拠するなりするかと思ってたんだが……まさか何の動きも示さないとは。
もしかして、こっちもブラフだったりするのか? それだとちょっと面倒な事になりそうだが。
「まぁ、一当てしてから、その辺は考えるか。行くぞ、俺に続け」
ニーズヘッグの周囲に存在しているメギロートとシャドウに声を掛け、意図的に速度を落としながら敵へと向かって近づいてく。
新型艦3隻を主力としているのだろう敵艦隊だが、こちらが一定以上まで近づいたところで通信が送られてくる。
『こちら、革命軍第二艦隊司令オカダ・カツサ。その機体のパイロットはシャドウミラー代表のアクセル・アルマーとお見受けする』
映像モニタに映し出されたのは、六十代の初老の男。
それを見た瞬間、俺は内心で首を振る。
目の中には利己的な光のみが光っていたからだ。
それも自分だけが正しく、他が間違っていると思い込んでいるような光。
それどころか、自分の利益の為であればこれまで自分を信じてきたような相手ですらあっさりと裏切り、敵国へと売り渡しても恥じる事はないような光。
重箱の隅を突くような事だけを告げ、それでいながら自分の意見は一切なく、批判の為の批判しか口に出来ないにも関わらずそれを恥じる気持ちが一片すら存在しない、そんな人物。
一言で言えば俗物の中の俗物としか言いようのない性根の持ち主。
見ただけでそれが理解出来る相手だけに、オカダと名乗る人物を目にした俺の眉が顰められたのは当然だろう。
それでも第二艦隊司令官という肩書きを口にしている以上は無視出来ない。
「ああ、そうだ。で、何か用があるのか? 賊軍が降伏するのなら、俺じゃなくて討伐軍の方に言ってくれ」
『失敬な。我々は革命軍であって賊軍などというものではない!』
賊軍の言葉に顔を赤くして叫ぶオカダだが、俺はそのまま言葉を続ける。
「お前が自分達をどう思っているのかは関係がない。自分達の国を木連に売り渡そうとしている。俺から見れば、それが全てだ。賊軍ってのは、お前達に相応しい名前だと思うけどな」
『……この件は後日抗議させていただく』
「出来ればいいな」
この期に及んで、まだ平和的な手段で事が運ぶと思っている辺り、頭の中にお花畑でも存在しているのか?
「用件がそれだけなら、もういいな? こっちも色々と忙しいんだから、攻撃を始めるぞ」
『待て! 今回の件はこの世界の地球で起きた内乱だ。全く無関係のシャドウミラーには、速やかにこの宙域から去るべきだ』
「……何を言ってるんだ? 俺達シャドウミラーは討伐軍に対して協力している。その俺達がここにいるのに、何の不都合がある?」
『私はそれを認めていない! 故に、シャドウミラーがここにいるのは間違っている! 大人しくこの場から去らない場合、後日遺憾の意を表明する事になるが?』
この男、何を言ってるんだ? 正直、全く理解出来ない……というか、現状を全く理解していないようにしか見えない。
自分がそう思うからそうでなければならない。……本気でそんな風に考えていられる辺り、傍から見ているだけなら愉快な性格をしているんだろうが……
よくこんな人物が第2艦隊司令なんて地位になれたなとふと気になって話しながら軽く調べてみると、どうやらこの人物の親族にはそれなり――ネルガルとかとは比べものにならないが――の企業を経営しているらしい。
なるほど、それでか。
「間違っているからどうしたんだ? お前が幾ら間違っていると言っても、俺達がここにいるのは変わらない。そうである以上、お前がやるべき事は口でどうこう言う事じゃなくて、実力で俺を撃破することだろう?」
『何でも暴力で解決するというのはいただけないな。物事は話し合いがこの場合は大事だと思うが?』
そう告げてきたオカダの言葉に、一瞬唖然としたのは当然だろう。
「お前……ここがどこだと思ってるんだ? ここは戦場だぞ? そしてお前は戦力を率いてやって来たんだ。その状況で話し合い? 恫喝外交にすらなってないぞ」
そもそも恫喝外交というのは、相手との間に圧倒的な戦力差があって初めて可能な事だ。
今のシャドウミラーが協力している討伐軍を相手に、賊軍がそんな手段を出来る筈もない。
『私はいいんだ。これは自衛の為の戦力だからな。それより問題は君達だよ。誰の許可を得てこの内乱に参加しているんだ? 君達がこの内乱に参加する許可を与えた覚えはない。今すぐに自分達の世界に帰るんだ』
……取りあえず、こいつと話していても意味がない事は分かった。
自分が信じたい事だけを信じて、それ以外の自分に都合の悪い事はオカダの中ではなかった事になっているのだろう。
自分だけの現実の中で生きている奴はいるが、ここまで大物が存在するというのは完全に予想外だった。
いや、寧ろこれだけの大物が第2艦隊の指揮官をやっているというのが異常だろう。
賊軍の奴も、現実を見ようとしない奴をよくこんな高い地位に付けたな。
その度胸だけは褒めてもいい。
だが……その人の能力の見る目のなさには後悔して貰うとしよう。
「全機、攻撃開始」
その言葉と共に、メギロートとシャドウは一斉に敵艦隊へと向かって攻撃を開始する。
『なっ、ちょ、ちょっと待て! まだ話し合いをしている途中だろう! なのに、こんな事……許されないぞ!』
「知るか。お前と話していても無駄に時間を浪費するだけだと判断した。悪いが、延々とお前の相手をしている程に暇じゃないんでな。さっさと片付けさせて貰うぞ」
『そんな……そんな事が許されると思っているのか!』
「許されるだろ。戦場に出て来て下らない事をぬかしてるんじゃない」
未だに俺を会話だけで何とかさせようとしているオカダだったが、その間にも攻撃は続いている。
映像モニタに映し出されているのは、サークル・レーザーによって何隻もの艦が被害を受け、同時にシャドウの放つ重力波砲やビームの類によって被害を受けた艦が爆散していく光景。
こちらが本体というだけあって、かなりの数を揃えてはいたようだが、それでもこうして戦っている間にその数は急激に減っていく。
俺もまた既にオカダとの会話に意味はないと判断し、敵艦隊へと向かって攻撃を行う。
ヒュドラから一斉に発射された無数のビームは、幾つもの戦艦を貫き、爆散させる。
ここが地球ならまだしも、宇宙空間だ。
乗っている艦が爆散すれば、その時点で乗組員の命は尽きる。
パイロットスーツの類を着ていて、爆発の被害も無傷で生き残る事が出来れば話は別かもしれないが……ムウじゃあるまいし、そんな風に生き残れる筈もないだろう。
……いや、ムウの場合はパイロットスーツのヘルメットすらない状態で生き延びたんだったか。原作の話だが。
「各機、新型艦から機体への干渉はあったか?」
シャドウ各機に通信を送って尋ねるが、戻ってきたのは否という返事のみ。
どうなってるんだ? 最初に攻めて来た新型艦は間違いなくルリと同じ能力を持っていた筈だ。
だが、こちらの本命とも呼べる方の艦にその能力はない?
……だとすれば、考えられるのはやはりルリと同じ能力を持っている者の数は少ないってところか。
それでもオカダの性格を考える限り、その能力者を自分の手元に置かないというのは疑問が残るが。
ともあれ、幾ら新型艦があっても……そう思った瞬間、新型艦からグラビティブラストが放たれ、数機のメギロートが爆散する。
「ちっ」
そうだよな。エステバリスを運用出来る
だけの出力を持った相転移エンジンを積んでるんだ。それは当然グラビティブラストを持っていて当然か。
「全機、グラビティブラストには気をつけろ。それと……あの新型艦は俺が相手をする」
それだけを告げると、今メギロートを撃ったのとは別の艦が撃ったグラビティブラストを回避しながら、一応確認の為に腹部拡散ビーム砲を放つ。
すると当然のように歪曲されてあらぬ方へと飛んでいく。
ニーズヘッグの装備しているビーム兵器の中では、拡散している事もあってかなり威力が少ない。
それだけに、ディストーションフィールドを貫く事は出来なかった。
「やっぱりな。……直撃」
その言葉と共に精神コマンドの直撃を使用し、同時に放たれたのはランツェ・カノーネ。
巨大なビーム砲が先頭に存在していた新型艦を貫き……次の瞬間には爆散する。
「……うん?」
ふと気が付けば、映像モニタに映っていた筈のオカダの姿はなく砂嵐状態になっていた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1208
ページ上へ戻る