英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)
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第120話
~太陽の砦・最奥~
「2人とも………行くわよっ!!」
「ああ!」
「うんっ!」
ロストフルムに向かったエステルはクラフト―――――掛け声でヨシュアとミント、自分の闘志を高め
「エニグマ駆動…………!弧武!紅燐剣!!」
「…………………」
ヨシュアはオーブメントの駆動を開始した後効果範囲が広い高速剣技を放ち、ミントは後方で魔術の詠唱を開始した。
「…………………」
ヨシュアの高速剣技をその身に受けた敵だったが、巨大な身体に加えて全身に鎧も纏っていたのであまりダメージは通っておらず、反撃に前衛としているエステルとヨシュアにクラフト―――双粉砕撃を放った!
「クロノドライブ!!ハッ!」
「っと!」
敵が攻撃した時ヨシュアのアーツが発動し、身体能力が上昇したヨシュアとエステルは回避し
「フッ!」
さらにヨシュアは敵が攻撃して来た際の腕に飛び移り、敵の頭目掛けて走り
「紅燐………舞華斬!!」
双剣に溜めた闘気を解き放ち、強烈な一撃を放った!
「!?」
頭の部分に強烈な一撃を受けた敵は怯み
「パパ、どいて!でないと巻き込まれちゃうよ!」
「!!」
魔術の詠唱を終えたミントの警告を聞いたヨシュアは敵から飛び降り
「大地に降り注ぐ光よ!矢となり、敵を貫け!シャインアロー!!」
ヨシュアが敵から飛び降りると共にミントが放った魔術により、敵の上空より無数の光の矢が現れて敵に降り注ぎ
「裁きの槍よ……邪悪なる者に裁きをっ!神槍!!」
ミントに続くように魔術の詠唱を終えたエステルは聖気を纏った光の槍を敵に放ち、光の槍は敵に刺さった後光の大爆発を起こした!
「――――――――――――!!」
立て続けに弱点属性の攻撃を受けた敵は防御を犠牲に攻撃力を上げる雄たけびのクラフト――――煉魔咆哮で自らの攻撃力を上昇させ
「――――――!!」
続けて戦場を飛び上がった後地面に突撃し、すざましい衝撃波を発生させて攻撃するクラフト―――激神の鉄槌を放った!
「きゃっ!?」
「くはっ!?」
「やんっ!?」
敵の強烈な一撃を受けたエステル達はダメージを受けると共に怯んだ!
「…………………」
そして敵は鉄球を振り回しながらエステル達に突撃し
「っと!」
「フッ!」
「ヤッ!」
エステル達はそれぞれ散開して回避し
「癒しの闇よ!闇の息吹!!」
「聖なる水よ、傷つきし者達に慈悲を!トータルヒーリング!!」
「せいっ!ティアラ!!」
それぞれ魔術やアーツで自分達の傷を回復し
「沙綾!紅燐撃!!」
「沙綾!紅燐剣!!」
「せーの!裂甲断!!」
それぞれ遠距離から放つクラフトで反撃した。
「…………………」
自分を囲むような位置にいるエステル達を見回した敵はヨシュアに狙いを定めてクラフト―――粉砕撃を放ったが
「朧!!」
ヨシュアは攻撃を回避すると共に敵の背後に回って攻撃し
「大地に降り注ぐ光よ!矢となり、敵を貫け!シャインアロー!!」
「裁きの槍よ……邪悪なる者に裁きをっ!神槍!!」
ミントとエステルは再び魔術で敵の弱点を付いた攻撃を放ち
「「ラストディザスター!!」」
同時に高火力のアーツを放った!
「!!??」
威力の高く、弱点属性であるアーツをその身に受けた敵は怯んだ。
「これで……決めさせてもらう!ハァァァァァ………!秘技!幻影奇襲!!」
それを見たヨシュアはSクラフトで敵の身体の全身に攻撃し
「剣よ!ミント達の道を”拓いて”!希望を拓く剣!!」
ミントは神剣を輝かせて光の道を敵に放った。ミントが放った光の道に貫かれた敵は身体に風穴ができ
「とっておきを見せてあげる!はあああ!たぁっ!いくわよ!奥義・鳳凰烈波!!」
そこに回転しながら跳躍し、鳳凰の姿となったエステルが敵の身体にできた風穴を広げるかのように突撃すると共に通り抜け
「よしっ!!」
技を放ち終わったエステルが棒を回転させて構え直すと敵の中心地に大爆発が起こった!
「――――――――――――!!!???」
大爆発に呑みこまれた敵は断末魔を上げながら消滅した!
「戦場に向かう皆に力を!戦女神の神域!!エニグマ駆動………」
エクリアと共に敵に向かったフェミリンスは魔術で自分とエクリアのさまざまな能力を大幅に上昇させた後オーブメントを駆動させ
「貫け!!エニグマ、駆動………」
エクリアは魔術―――絶対氷剣で敵の身体の一部を貫いてダメージを与えた後オーブメントの駆動をさせた。
「………………」
一方敵は巨大な戦斧からすざましい電撃―――雷招メ・ベルデをエクリア達に放ったが
「フッ!」
「ハッ!」
2人は散開して回避し
「甘いですわ!!」
フェミリンスはクラフト―――ハイロウスピンで攻撃し
「そこっ!!」
エクリアはクラフト――――連接剣伸長で攻撃してダメージを与え
「「ラストディザスター!!」」
さらに敵を挟み込んで敵の弱点であり、高火力のアーツを放った!
「―――――!?…………」
弱点属性であると共に高火力のアーツでもある攻撃を受けた敵は怯んだ後クラフト―――冥界波を放ったが
「させませんわ!」
「させない!」
2人はそれぞれ自分にドーム型の簡易結界を展開して防御し
「…………………」
「「フッ!」」
続けて敵が放ったクラフト―――獄槍スンラスーアもそれぞれ後ろに跳躍して回避し
「「……………………」」
二人同時に魔術の詠唱を開始した。
「………………」
一方敵もその場で何かの力を溜め込み
「―――――――――――!!」
力を溜め込んだ敵は空へと舞い上がり、巨大な戦斧を投擲した!するとその時!
「「フェミリンスの名の元に星の力を今此処に!原罪の覚醒!!」」
魔術の詠唱を終えたフェミリンスとエクリアが同時に超越した純粋のエネルギーの大爆発を起こす魔術を放ち
「―――――――――――――――!!??」
爆発に呑みこまれた敵は断末魔を上げながら塵も残さず消滅し、さらに敵が投擲した戦斧も爆発に呑みこまれて消滅した!
「みんな、一気に行くぞっ!!」
エリィ達と共にヨアヒムに向かって行ったロイドはクラフト――――鼓舞で仲間達の闘志を高め
「風よ!我等に祝福を!加速・広範囲!!」
レンは魔術で自分達の身体能力を上昇させ
「うおおおおっ!!」
「行くわよ………シュート!!」
ランディとエリィはそれぞれ怒涛の銃撃をヨアヒムに放った!
「クク、無駄な事を………」
しかしヨアヒムは教団に伝わりし自らの姿を消す魔術――――ダークミラージュで自分の姿を消すと共に2人の攻撃を回避した!
「なっ!?」
「チッ、どこにいやがる………!?」
姿を消したヨアヒムを見たロイドは驚き、ランディは舌打ちをした後周囲を警戒し
「……………………」
レンはオーブメントを駆動させた後真剣な表情で黙って周囲を見回し
「そこよっ!!」
突如ロイドに向かった!するとヨアヒムはロイドの背後にいきなり現れ、魔導杖から刃を出して放つクラフト―――ダークザンバーで攻撃して来たが、レンの大鎌によって受け止められた!
「ハハハハハハハッ!素晴らしい!君は”真なる叡智”を最大限に使いこなしているじゃないか!クク、後で君の事はたっぷりと調べさせてもらうよ!」
攻撃を受け止められたヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべて叫び
「クスクス。どうやら命が惜しくないよう………ねっ!!」
ヨアヒムの叫びを聞いたレンは口元に笑みを浮かべた後駆動を終えたオーブメントでアーツ――――ラストディザスターを至近距離で発動した!
「なっ………ガアアアアアアアアア―――――――ッ!?」
高火力のアーツを至近距離で受けたヨアヒムは悲鳴を上げた!
「ヤァァァァァァ………!!」
そしてレンはクラフト―――ブラッドサークルでヨアヒムの腹の部分を斬り裂き始め
「グギャアアアア―――――ッ!?」
回転する大鎌を腹に受けたヨアヒムは腹の部分から大量の血を噴出させながら悲鳴を上げたが
「グッ………調子に乗るなっ!!」
片手を上げた!するとレンの周囲の異空間が歪みはじめ
「!!」
自分の周囲の違和感を感じたレンは攻撃の手を止めると同時に大きく後ろに跳躍した。すると魔力による爆発がレンのいた場所に起こり
「ハハハハッ!喰らえっ!!」
ヨアヒムは魔導杖を掲げた後、足元から冥界の叫びを召喚して攻撃するクラフト―――マインドクラッシュをレンに放ち
「……………………」
レンは攻撃の回避に専念していた。
「好きにはさせるか!ハアッ!!」
「いくわよ…………!喰らいなさい!たぁああっ!!」
「うおおおおおっ!!」
「チッ!?」
しかしその時自分を包囲するような位置で放ったロイドのクラフト―――スタンブレイク、エリィが放ったクラフト―――ワイルドスワン、ランディが放ったクラフト―――ファイアラッシュを受けて攻撃を中断した後再びクラフト―――ダークミラージュで姿を消し
「そこだっ!!」
なんとティオの背後に現れてクラフト―――ダークザンバーを放った!
「たあっ!!」
しかしヨアヒムの気配に気付いていたティオはヨアヒムが攻撃を放った瞬間振り向いてクラフト―――ビームザンバーで対抗し、ヨアヒムと鍔迫り合いの状態になった!
「ハハハハッ!君もか、ティオ・プラトー!素晴らしい!どうやら僕の想定以上に成長しているようだね、君の”グノーシス”は!」
鍔迫り合いの状態になっているヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべて叫び
「ええ……!この時だけはこの力があって良かったと思いますよ………!」
ヨアヒムの言葉を聞いたティオはヨアヒムを睨みながら呟いた。するとその時
「うふふ、後ろががら空きよ!」
レンがヨアヒムの背後から強襲して大鎌でヨアヒムの背中を斬り裂いた!
「ガアッ!?」
レンの奇襲によって背中を斬られたヨアヒムは背中から血を噴出させると共に鍔迫り合いの状態を中断してしまい、それを見たティオは魔導杖を変形させて砲口をヨアヒムの身体に押し当て
「デミガンナー起動………ボルカニックフレイム!!」
零距離で炎の魔法弾を発射した!
「ガアアアアアアアアアアア―――――ッ!?」
零距離で放たれた炎の魔法弾によって炎に包まれたヨアヒムは悲鳴を上げた!
「2人とも、下がって!」
その時エリィがヨアヒムの近くにいるレンとティオに警告し
「「!!」」
警告を聞いたレンは後ろに跳躍して後退し、ティオは翼を羽ばたかせて後ろの空中へと退避した。
「光よ、邪悪なる者に降り注げ!爆裂光弾!!エニグマ駆動!アヴァロンゲート!!」
するとその時エリィの魔術とアーツにより、上空から光の魔力弾や銀色の光の槍がヨアヒムに降り注ぎ
「アアアアアアアアアア――――ッ!?」
降り注いできた魔力弾や銀色の光の槍を受けたヨアヒムは悲鳴を上げ
「ランディ、行くぞ!」
「合点承知だぁっ!!」
それを見たロイドとランディはヨアヒムに向かって走り、散開してヨハヒムを挟み込んだ後息も尽かせぬ怒涛の連撃を放ち
「「バーニング………レイジ!!」」
最後に強烈な一撃を放った!
「ガアッ!?おのれ………調子に乗るなっ!!」
2人の強烈な一撃を受けたヨアヒムは大ダメージを受けた後片手を上げて、ロイドとランディがいる中心地に爆発を起こした!
「ぐっ!?」
「おあっ!?」
爆発に巻き込まれた2人はダメージを受け
「ハハハハッ!喰らうがいいっ!!」
「キャッ!?」
さらにエリィはヨアヒムが放ったクラフト―――マインドクラッシュを受けてダメージを受けた。
「闇の息吹!!……………」
一方レンは短い詠唱を終えた魔術でエリィの傷を回復した後大鎌を持って再びヨアヒムに向かって行き
「やあっ!ホーリーブレス!!行きます……!」
ティオはアーツでロイドとランディの傷を回復した後魔導杖を剣に変形させ、飛行しながらヨアヒムに向けて突撃し
「それっ!!」
「ハアッ!!」
2人同時にヨアヒムに攻撃を放った!
「無駄だっ!!」
しかしヨアヒムはクラフト―――ダークミラージュで姿を消して攻撃を回避すると共にロイド達から離れた場所に現れ
「ハハハハハッ!真の叡智を知るがいい……!」
さらにその場で詠唱をした。
「来たれ………災厄の宝珠……!」
するとヨアヒムの上空に禍々しい紫色の魔法陣が現れ、そこから何かの顔のようになっている巨大な球体が現れた!
「炎よ!氷よ!雷よ!大地よ!光よ!闇よ!そして無よ!今ここに全て具現せよ!」
一方ヨアヒムが詠唱を開始すると同時にレンも詠唱をして、自分の背後に無数のさまざまな属性の武器達を召喚し
「エイオンシステム、解放します…………位相空間にアクセス、絶対障壁を個別展開………ゼロ・フィールド!!」
レンが行動を開始すると同時にティオはSクラフトで自分達に絶対障壁を付与した!
「ハハハハハハハッ!!」
そしてティオがロイドや自分達に絶対障壁を付与したその時、ヨアヒムは高々と笑った!するとヨアヒムが召喚した球体がロイド達に向けて怪しげな赤い光を無数に放ち
「さあ!お茶会の始まりよ!虹の門!!」
対するレンは背後に召喚した無数のさまざまな属性を球体に向けて解き放った!怪しげな光と武器はぶつかり合って相殺したり、通り抜けたりし、武器は球体に次々と刺さり、光はロイド達を襲ったがティオの絶対障壁によって守られていた。
「うふふ………これで終わりよっ!!」
そしてレンが指を鳴らすと球体に刺さった武器はそれぞれの属性の爆発を起こし、さらに球体の中心部分では炎、冷却、雷、地、暗黒、神聖、純粋が全て混ざった大爆発が起こり、球体を粉々に破壊した!
「何っ!?」
災厄の宝珠を召喚し、敵を滅する”D∴G教団”に伝わりし古代魔法にしてSクラフト――――カラミティスフィアによって召喚した球体を破壊されたヨアヒムが目を見開いたその時
「ロイド、お願い!」
「ああ、任せろ!」
「「スターブラスト!!」」
「ガアッ!?」
エリィが放った雷の銃弾と共にロイドが突撃してヨアヒムに大ダメージを与え
「さあ………始めるとするか………うおおおおおおおっ!!」
ランディは怒涛の銃撃を放ちながらヨアヒムに突撃し
「喰らえ………ベルセルガー!!」
「グアッ!?」
ヨアヒムに近づいた瞬間、一瞬に斬撃を数回放って駆け抜け、ヨアヒムの全身から血を噴出させた!
「グッ………」
一方ロイド達の攻撃を受けたヨアヒムは再びクラフト―――ダークミラージュでその場で姿を消した。
「「……………………………」」
ヨアヒムが姿が消えるのを見たティオとレンはその場で目を閉じて集中した後
「――――見えた。ティオ、行くわよ!」
レンは静かに呟いた後ティオに呼びかけ
「はい、レンさん!」
呼びかけられたティオは頷き
「「瞬間、響き合い、心交わる!」」
魔導杖を剣に変形させた後剣の刃に膨大なエネルギーを溜めながら、大鎌を構えたレンと共に全身から”魔”の気をさらけ出した。そしてティオはSクラフト――――エーテルザンバーを飛行しながら強襲し、レンはすざましいスピードで強襲しSクラフト――――レ・ラナンデスで何もない空間を2人同時に十字に斬り裂いた!その技は”真なる叡智”によって互いの感応力を共鳴させた者達が協力して放つ協力技!その技の名は………!
「「衝破!十文字!!」」
2人が十字に斬り裂くと同時に駆け抜けると”魔”の気が込められた十字の大爆発が起こった!すると
「ガアアアアアアアアアアアア――――――ッ!?ば、馬鹿なっ……………!!」
何もない空間の床に大量の血が飛び散った後、そこから爆発に巻き込まれた影響で全身ボロボロで身体の至る所から血を流しているヨアヒムが現れ、信じられない表情で地面に膝をついた…………!
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