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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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第106話

~夜・IBC~



「貴方達は……!」

青年達を見たロイドは驚き

「セリカさん……!それにレシェンテさんとハイシェラさんまで………!」

ティオは明るい表情をした。

「やあ、セリカ。そっちも警備隊員や悪魔達を追って来たのかい?」

青年―――”世界の禁忌”としてディル=リフィーナ中に恐れられている”神殺し”セリカ・シルフィルにウィルは話しかけ

「ああ。何かあると思って追って来たてみたが……どうやら追って来て正解だったようだな。」

「ククク……久しいだの、ティオよ。」

「ここからはわらわ達も加勢してやろう!」

話しかけられたセリカは頷き、蒼髪の女性―――セリカの愛剣にして永遠の好敵手、”地の魔神”ハイシェラは口元に笑みを浮かべてティオを見つめ、赤い髪の少女―――セリカの”使徒”の一人、レシェンテは胸を張ってロイド達に言った。

「あ、ありがとうございます………!」

「セリカさん達がいれば、怖い物なしですね……!」

セリカ達の話を聞いたエリィとティオは明るい表情をした。

「クク………言い忘れていたが我等だけではないぞ?」

「え……」

その時ハイシェラは不敵な笑みを浮かべてロイド達に言い、ハイシェラの言葉を聞いたロイドは呆けた。するとその時



「ガッハハハハハッ!先を越されちまったか!さすがは”神殺し”だっ!!」

外套が付いた赤い鎧を纏う大男が女性達と共にロイド達に走って近づいてきた。

「あら、貴女は……」

そしてエルファティシアに気付いた蒼髪の女性は意外そうな表情をし

「”エレン・ダ・メイル”の王、エルファティシア・ノウゲート!!何故、貴女がこの時代に……!いえ、それ以前に何故生きているのですか!?確か貴女はアルを転生させるためにその身を犠牲にしたと聞いていたのに……!」

金髪の女性は驚きの表情で叫び

「なっ……!何で貴方達がこの時代にいるのよッ!?ユン・ガソルの王―――ギュランドロス・ヴァスガンに”三銃士”―――ルイーネ・サーキュリー、エルミナ・エクス、パティルナ・シンク!」

エルファティシアは信じられない表情で大男―――ギュランドロス・ヴァスガンや、大男の傍に居る蒼髪の女性―――ルイーネ・サーキュリー、金髪の女性―――エルミナ・エクス、紫髪の娘―――パティルナ・シンクを見つめた。

「へ…………」

「エルファティシアちゃんの知り合いなのか!?」

エルファティシア達の会話を聞いたロイドは驚き、ランディは驚きの表情で尋ね

「え、ええ………私がいた時代でヴァイスハイト達と共に戦った仲間なんだけど……何故、”人間”の彼らがこの時代に………」

尋ねられたエルファティシアは戸惑った様子で答えた後、ギュランドロス達を見つめた。

「まあ、ギュランドロス様だからね~。うっかりどこに繋がっているかわからない転移門に入ってこの時代に来ちゃったんだ♪」

「ハアッ!?非常識にも程があるでしょう!非常識な男とはわかっていたけど、時を超えるなんていくらなんでも非常識すぎでしょう!」

ギュランドロス達の代わりに嬉しそうな表情で説明したパティルナの話を聞いたエルファティシアは驚きの表情で叫んだ。

「フフ、でもそのお蔭で貴女もエルちゃんと一緒で、愛しのヴァイスさん達に会えるじゃない♪」

「ルイーネ様!!」

「え……………」

そして微笑みながら言ったルイーネの言葉を聞いたエルミナは顔を真っ赤にしてルイーネを睨み、エルファティシアが呆けたその時!



「……セリカから聞いて久しぶりの戦友達に会えるとは思っていたが、まさか貴女とも再び会えるとはな………今度こそ、自分を犠牲にするような真似はさせないぞ。………エルファティシア。」

「エルファティシア……………!」

金髪の青年がギュランドロス達の背後から現れて微笑みながらエルファティシアを見つめ、銀髪のルーンエルフの女性が嬉しそうな表情でエルファティシアを見つめた。

「え………君は………!」

「どうしてこの時代に…………!」

「なっ………!?ヴァ、ヴァイスさん………!?」

金髪の青年を見たウィルとセラウィ、ティオは信じられない表情をし

「あ、ああ…………!」

エルファティシアは涙を流しながら身体を震わせて金髪の青年――――ヴァイスハイト・ツェリンダーとルーンエルフの女性を見つめた後

「アル!!ヴァイスハイト!!」

ヴァイスハイト―――ヴァイスとルーンエルフの女性―――アルの間に飛び込み、2人はエルファティシアを受け止めた。

「信じられない………!話には聞いていたけど………また貴女達と会えるなんて……!奇跡みたい…………!」

「フフ、それは私達の台詞ですよ。ようやく会えましたね、エルファティシア……!」

「ああ………エルファティシアも生まれ変わったのか?」

嬉しそうな表情で涙を流しているエルファティシアにアルは微笑み、ヴァイスは口元に笑みを浮かべて尋ねた。

「いいえ………気付いたらこの時代とこの世界にいたのよ………」

「フッ、ギュランドロス達のようにエルファティシアも何らかの理由で時を超えたのか………だが、そんな些細な事はどうでもいいな………今、貴女が俺達の前にこうして生きている……それだけで十分だ。今度こそは俺達と共に生きてもらうぞ………エルファティシア。」

そしてエルファティシアの答えを聞いたヴァイスは苦笑した後、エルファティシアに微笑み

「フフ、本当にもう……生まれ変わっても貴方は貴方ね………………約束、したもんね………貴方達がどんな道を進もうと今度こそ一緒に生きて行くわ………ん……!ちゅ………」

微笑まれたエルファティシアは苦笑した後頬を赤く染めて微笑み、ヴァイスの唇に口付けをし、幸せそうな表情で舌を絡めた。

「へっ!?」

「ええっ!?」

「ガーン!!エ、エルファティシアちゃんまで……!おのれ………!今のこの状況でなんてうらやまけしからん事をしているんだ………!」

「…………………」

エルファティシアの行動を見たロイドとエリィは驚き、ランディはショックを受けた後、悔しそうな表情でヴァイスを見つめ、ティオはジト目でヴァイス達を見つめていた。

「フフ………しかし、気になったのですが私とエルファティシアの関係はどうなるのでしょうか?姓が同じ”ノウゲート”ですし。」

一方その様子を微笑ましそうに見守っていたアルはある事に気付いて首を傾げて呟き

「嘘……!?アルの名前が私と一緒だなんて………!フフ、とても素敵な偶然ね♪そうね………だったら双子の姉妹でどうかしら♪それなら前と同じ友達同士として、仲良くできるじゃない♪」

アルの言葉を聞いたエルファティシアは驚いた後、口元に笑みを浮かべてアルを見つめて言い

「なるほど、なるほど……しかしそうなると、どちらが姉でどちらが妹であるかを決めておかないといけませんね………」

「あら♪それなら当然私がお姉さんでしょ♪貴女よりずっと長生きしているんだから♪」

エルファティシアの言葉を聞いたアルは頷いた後、考え込み、エルファティシアは口元に笑みを浮かべて提案した。

「2人とも、親交を暖めるのはそこまでにしておけ。どうやら俺達の再会の感動を邪魔する不逞の輩達がいるようだし、まずはそいつらを片付けるぞ。」

そこにヴァイスが2人に忠告し、ヴァイスの忠告を聞いた2人はヴァイスが見つめる方向――――自分達に迫って来る警備隊員や悪魔達を見て武器を構えた!

「ティオ、ウィル、セラウィ!ここからは俺達も参戦するぞ!」

「当然俺達も参戦するぜぇっ!!」

「ありがとうございます………!」

「ハハ………何だか”影の国”の時を思い出すな。」

「フフ、そうですね………」

ヴァイスとギュランドロスの言葉を聞いたティオは明るい表情をし、ウィルとセラウィは微笑んでいた。

「クククク………異世界の者達よ、とくと見るがいい!”地の魔神”たる我の力をっ!!さあ、始めるだの!!」

「ガッハハハハハッ!ルイーネ、エルミナ、パティ、ヴァイス、アル!見せてやるぞ!俺達”六銃士”の力を!!」

そして不敵な笑みを浮かべて叫んだハイシェラと、豪快に笑った後好戦的な笑みを浮かべて叫んだギュランドロスの言葉を合図にロイド達は戦闘を再開した!



こうしてロイド達は心強き援軍、”神殺し”セリカとその仲間達、そしてティオの”影の国”の戦友―――ヴァイスとその仲間達との戦闘を開始した………!


 
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