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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第189話

~???~



「あ……か、勝ったんだよね……?」

「うむ。何とか超えられたようだな……!」

リィン達の勝利を見たエリオットは呆け、ラウラは明るい表情をし

「それにしても一人でオリヴァルト殿下だけでなくメサイアをも制圧するとはな……」

「め、滅茶苦茶強かったな……」

「ビックリだよね~。今までリィン達が契約している異種族の人達が負けている所なんて見た事なかったし。」

「さすがは空の女神の父親って所かしら?」

ユーシスとマキアスはアドルの強さに信じられない表情をし、目を丸くしているミリアムの言葉に続くようにサラ教官は静かな表情でアドルを見つめていた。



「……リィン達の勝ちは嬉しいんだけど、なんか微妙に腹立つ勝ち方だったね。」

「よりにもよって殿下との協力技(コンビクラフト)で勝つなんて、ちょっと妬けるわよね……」

「同感です。」

「むぅ……わかってはいたけど、やっぱり妬けるよ~。」

一方フィーとアリサ、エリスはそれぞれジト目や顔に青筋を立ててリィンとアルフィン皇女を見つめ、トワは頬を膨らませ

「ま、まあまあ。とっさの事だったのですし、仕方ないと思いますよ?」

「え、ええ。そうですね。そのくらいは大目に見た方がいいと思いますよ?」

「フフッ、最後は殿下との愛の共同作業とかさすがはリィン君だよ♪」

「クスクス………何はともあれ、これでようやく試練は終わりね……」

セレーネとエマは苦笑しながらアリサ達を諌め、アンゼリカは口元に笑みを浮かべ、ゲルドは微笑みながらリィン達を見つめていた。



「はぁ、はぁ……わ、わたくし達、勝ったのですか……?」

「ええ……何とか超えられたようです……!」

息を切らせて信じられない表情をしているアルフィン皇女の言葉にリィンは静かな表情で頷き

「フフ、私達の助太刀は必要なかったかもしれませんね。」

「フッ、これぞ”愛の勝利”だね♪」

メサイアは苦笑しながらリィンとアルフィン皇女を見つめ、オリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべた。



「フゥ……完敗だよ。」

「フフ、お疲れ様です、アドルさん。」

「エイドス。」

疲れた表情で呟いたアドルをエレナは労い、フィーナは静かな表情でエイドスに視線を向け

「はい。――――お見事でした。おめでとうございます。私の”試練”も”合格”です。」

エイドスはリィン達を見つめて微笑んだ後指を鳴らした。すると空間は歪み、その場にいる全員は鳳翼館に戻った。



~鳳翼館~



「ここは……鳳翼館のロビーですね。」

「元の場所に戻ったな……」

「こんな”力”を見せつけられると改めて”空の女神”だって事を思い知らされるよな……」

「……そうね。後は普段の性格がまともだったら言う事無しなんだけどね。」

クレア大尉とガイウスは周囲を見回し、疲れた表情で呟いたトヴァルの言葉に頷いたセリーヌは呆れた表情でエイドスを見つめていた。



「エイドス様、彼らは貴女の”試練”を見事乗り越えましたが……他の条件とは一体何なのでしょうか?」

「あ…………」

「そう言えば”試練”の前にそのような事を言っていたな………」

ルフィナの質問を聞いてある事を思い出したアリサは不安そうな表情をし、ラウラは重々しい様子を纏ってエイドスを見つめた。



「フゥ。ルフィナさん?以前にも”命令”しましたよね?公式ではまだ許しますが、プライベートの時は”様付け”や”女神扱い”は止めるようにと。」

「え、えっと……?」

「エ、エイドスさん。ま、まさかとは思いますけど……」

「もしかしてツァイトの話にあった”女神モード”とやらはもう終わりかい?」

溜息を吐いたエイドスの指摘にルフィナが戸惑っている中、ある事を察したケビンは表情を引き攣らせ、ワジは口元をニヤニヤさせながら尋ねた。



「はい♪やっぱり”女神モード”は肩が凝って疲れますね…………それでどうでしたか?”女神モード”で皆さんと接していた時の私、女神らしかったでしょう♪」

そして溜息を吐いた後にすぐに表情をいつものような親しみのある笑顔へと切り替えたエイドスが問いかけるとその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力し

「クク……ハハ……ハッハッハッハッ!アルテリアに行った際も是非その”女神モード”とやらを見せた後にいつもの貴女を見せてやってくれ!」

「ちょっと、アイン!?洒落にならない事を提案しないでよ!?」

「お願いしますから、ほんの少しでも構いませんので御自身がゼムリア大陸の人々が崇め続けて来た”空の女神”である事を自覚して、先程のようにもっと威厳を持った態度で接してください……」

大声で笑った後口元に笑みを浮かべて提案したセルナート総長にルフィナは慌てた様子で指摘し、リースは疲れた表情でエイドスを見つめて言った。



「そう言われましても私自身は自分の時代では女神としての仕事は引退して、”ただの新妻”になりましたから正直2度と”女神モード”をしたくないんですよね……というかどうして私が貴女達が勝手に妄想していた人物像―――”空の女神”として振るわなければならないんですか?」

「……………………」

「アハハハハハッ!女神としての仕事を引退している事や僕達が”空の女神”の人物像を妄想って、色々と突込み所がありすぎて笑いが止まらないよ!」

「笑い事やないやろが!?アドルさん、フィーナさん。頼みますから、こちらのお茶目すぎるゼムリア大陸の女神を何とかしてください……!エイドスさんを何とかできるのは両親であるお二人だけですから……!」

エイドスの口から出たあんまりな答えにその場にいる全員が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中、リースは石化したかのように固まり、腹を抱えて大声で笑うワジに疲れた表情で指摘したケビンは懇願するかのような表情でアドル達を見つめた。



「そ、そんな事を言われても困るよ……」

「そ、その……すみません。私とレアの教育が間違ったせいでこんな性格になってしまって。」

「う、う~ん……フィーナさん達のせいじゃないと思うのですが……」

ケビンの懇願に対しアドルは疲れた表情で答え、申し訳なさそうな様子で謝罪するフィーナを見たエレナは苦笑しながら指摘し

「アハハ……相変わらず女神とは思えない人だよね……」

「一体何があって両親とは似ても似つかないあんな性格になったのか、逆に気になるわよね?」

「というか今更更生なんてできないと思うの。」

ナユタとクレハは苦笑しながらエイドスを見つめ、ノイは呆れた表情で呟いた。



「ア、ア、アンタねぇ!?いい加減空気ってものを読みなさいよ!?アンタ自身が緊迫した空気を作っておきながら、自分から壊してどうするのよ!?」

「だって私は皆さんもご存知の通り”KY女神”で”シリアスブレイカー”なので仕方ないのです」

疲れた表情で指摘したセリーヌの言葉に対し、エイドスはとぼけた様子で答え

「開き直ったわね……」

「女神の面汚しだな。」

エイドスの答えを聞き、リィン達と共に脱力したサラ教官とユーシスは呆れた表情で呟いた。



「わ、私が今まで抱いてきた女神様のイメージが音を立てて崩れて行く気がします……」

「その気持ち、わかるわ。私達も同じだったわ……というか今も崩れ続けているわよ……」

疲れた表情で呟いたエリスにアリサは遠い目をしながら答えた。

「フフ、女性には様々な面が隠されている事は私も知っているが、さすがにこれには私も驚いたよ♪」

「ア、アンちゃん……笑い事じゃないよ……」

笑顔でエイドスを見つめるアンゼリカにトワは疲れた表情で指摘し

「ハハ……エステル君すらも比べ物にならないくらい色々と凄まじい女性だよ……―――それでエイドスさん。最後の条件とは一体何かな?」

苦笑しながらエイドスを見つめていたオリヴァルト皇子は表情を戻して尋ねた。



「あ、その件ですね。最後の条件とは…………リィンさんとアルフィン皇女が”今結婚する事”です♪」

笑顔で答えたエイドスの言葉を聞いた瞬間、その場は凍りつき

「えええええええええええええええええええええええええええええっ!?」

やがて全員驚きの表情で声を上げた!


「エ、エエエエ、エイドスさん!?何故今すぐに殿下と俺が結婚する必要があるのですか!?」

(アハハハハハッ!まさかこんな展開になるとは私も予想外よ♪)

(ふふふ、”そういう空気”を読む事に関しては天才的かと。)

(クスクス、確かにそうね。)

(どうやらアルフィン皇女に関しましては未婚の状態で子供を産むという不埒過ぎる事態には陥らなくてすむようですね。―――最も他の女性はわかりませんが。)

逸早く我に返ったリィンは混乱した様子でエイドスに尋ね、その様子を見守っていたベルフェゴール達が興味深そうに事態を見守っている中、アルティナはジト目で呟いた。

「私が公の場に出席した上、エレボニア帝国の味方をするのですから、三国の皇族との結婚の件で情状酌量を頼む提案者であるエレボニア帝国には”証拠”として”既成事実”を作ってもらう為に二人には結婚してもらうべきだと思いましたので♪」

「しょ、”証拠”の為にリィンとアルフィン殿下が結婚って……」

「め、滅茶苦茶だ……!」

エイドスの答えを聞いたエリオットは表情を引き攣らせ、マキアスは疲れた表情をした。



「しかもあの顔、絶対に楽しんでいるね。」

「こっちの反応がわかっていて、あんな発言をしたんでしょうね。」

「え、えっと……祝い事には違いないのですから、仕方ないかと。」

ジト目で呟いたフィーとセリーヌにセレーネは冷や汗をかきながら必死に言葉を選びながら答えた。

「リィンと殿下の件は救済条約を守る為にもいつかは実行する事は理解しているが、幾ら何でも性急すぎると思うのだが……」

「確か教会が決めた結婚に必要な最低年齢は16歳からの為、17歳のリィンはともかくまだ15歳の殿下では不可能だぞ。」

ラウラは困った表情で二人を見つめ、ユーシスは呆れた表情で呟いた。



「あ、それなら七耀教会が崇めている私の”勅命”という事で、”特例”扱いすれば全然問題ないですよ♪何でしたらアルテリアに行った時に結婚に必要な最低年齢を下げるように勅命しますよ?」

「ブッ!?」

「エ、エイドスさん!”特例扱い”は別に構わないと思うのですが、御身自身が七耀教会の規則を変えるような事を言ってしまえば冗談で済まなくなるのですが……!?」

「どうか御考え直し下さい……!」

ユーシスの指摘に対して笑顔で提案したエイドスのとんでもない発言にケビンは吹き出し、リースとルフィナは表情を青褪めさせてエイドスを諌めようとし

「ハッハッハッハ!確かに崇めている存在であり、教皇すらも比べ物にならないくらいの遥かに高い地位を持つ”空の女神”直々の勅命とあらば我々はそれに従うしかないな!」

「アハハハハハッ!確かにそうだね♪フフ、それにしても女神直々に結婚を命じられたカップルなんて君達が歴史上初だと思うよ?」

「おいコラ、ワジ!笑い事やないやろうが!?」

「アインも呑気に笑っていないでエイドスさんを諌めてよ!」

腹を抱えて大声で笑うセルナート総長とワジにケビンとルフィナはそれぞれ疲れた表情で指摘した。



「エ、エイドス……女神としての特権を存分に使っているね。」

「ア、アハハ……ケビンさん達七耀教会の人々は御愁傷様としか言いようがないですね。」

「ううっ、一体何があってあんな性格になったのかしら……?私の時代のエイドスはあんな娘じゃないのに……」

ケビン達の様子を表情を引き攣らせているアドルとエレナと共に見つめていたフィーナは頭を抱え

「この様子だとエイドス、”空の女神”の特権を存分に使って世界中を騒がせると思うの。」

「ノ、ノイ。それ、冗談になっていないよ……?」

「ううっ、あんな滅茶苦茶な性格をしている娘と私達が同列扱いされないといいのだけど……」

ノイの推測を聞いたナユタは冷や汗をかき、クレハは疲れた表情で呟いた。



「あ、どうしよう……?私、二人の結婚のお祝いの品物や言葉を用意していないわ……」

「ゲルドさん……今気にするべき所はそこですか……?」

本気で悩み始めたゲルドに気付いたエマは疲れた表情で指摘し

「は、はわわわわわわわっ!?」

「な、ななななななななっ!?」

「!!!!!!??????」

「え、えっと……皆さん、落ち着いて下さい。お気持ちはわかりますが、皆さんもいつかはリィン様と結婚する立場ですし、アルフィン皇女御自身もリィンさんが自分と結婚しても何人娶っても受け入れると以前仰っていたでしょう?」

トワやアリサ、エリスは混乱した様子でリィンとアルフィン皇女を見つめ、混乱しているアリサ達をメサイアは冷や汗をかいて苦笑しながら諌めようとし

「フフッ……いや~、まさかあたしが受け持っている生徒から在学中に結婚するとんでもない生徒が現れるとはね~?言葉通りまさに”女神の巡り合わせ”ね♪」

「全く持ってその通りですね♪リィン君の女運はまさに神がかっているよ♪」

「ったく、非常識にも程があるだろう……」

サラ教官とアンゼリカは口元をニヤニヤさせ、トヴァルは疲れた表情で溜息を吐いた。



「ですがよく考えてみればエイドスさんの仰っている事も理にはかなっています。リィンさんと殿下が今結婚する事でメンフィルとクロスベルにエレボニア帝国は本気で三国の皇族による結婚を望んでいる事を証明できる上、”戦争回避条約”の”救済条約”を執行した事にもなる為、現在は一応エレボニア帝国は存在している事になりますから、厳しいとは思いますがその件も理由にして情状酌量を求める事ができる可能性もありますし……」

「あ、確かに言われてみればそうだね~。後は二人の気持ち次第じゃないかな~?ニシシ♪」

「フフッ、少なくても殿下の方は大丈夫だろうな……」

冷や汗をかいて苦笑するクレア大尉の推測を聞いて納得したミリアムはからかいの表情で二人を見つめ、ガイウスは静かな笑みを浮かべてアルフィン皇女を見つめた。



「フッ、女神直々の勅命とあらば受け入れるしかないね♪」

「うふふ、そうですわね♪と言う訳で不束者ですがよろしくお願いします、リィンさ―――いえ、あ・な・た♪」

オリヴァルト皇子と共に笑顔になったアルフィン皇女はリィンにウインクをし

「………………」

リィンは石化したかのように固まっていた。



「あ、どうせならさ。”灰色の騎士人形”の乗り手である彼とアルフィン皇女以外の女性とも近い内結婚するように勅命したらどうだい♪そしたら貴女の勅命によってアルフィン皇女に抜け駆けされた彼女達も安心できるだろうし♪」

「フフ、それは良い提案だね♪」

「おいコラ、ワジ!状況を悪化させるような事を提案するなや!?」

「ア、アンちゃんもそこで同意しないでよ!?」

それぞれ口元をニヤニヤさせるワジとアンゼリカにケビンとトワはそれぞれ疲れた表情で指摘した。



「クスクス、確かに言われてみれば抜け駆けされたアリサさん達が可哀想ですね。リィンさん、貴方は現在学生との事ですが、卒業はいつですか?」

「え、えっと……色々な事情があって今年度限りで退学して、プリネさん達の元でシュバルツァー家の跡継ぎ兼領主としての仕事を学ぶ事になっていますが……」

エイドスに問いかけられたリィンは猛烈に嫌な予感を感じながら答え

「それじゃあ士官学院退学後はアルフィン皇女同様結婚式は結婚した後で構いませんのでアリサさん達とも籍を入れてください♪これはさっきの条件同様私が会談に参加してエレボニア帝国の為に意見をする条件の一つです♪」

「…………………………」

エイドスの答えを聞くと石化したかのように固まり、その場にいる全員は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせた!



「はわわわわわわわっ!?という事はリィン君が退学したら、わ、私達もリィン君のお、奥さん……!?」

「………………」

「め、女神様の勅命とあらば仕方ありませんね……」

「確かに嬉しいですけど、そんなついでみたいに私達の結婚を提案しないで下さい~!」

一方我に返ったトワは慌て、エマはリィン同様石化したかのように固まり、エリスは頬を赤らめて嬉しそうな表情をし、アリサは疲れた表情で指摘し

「フフ、皆さんもよかったですね。わたくし達だけ抜け駆けした形になりましたから、これで公平な立場ですね。」

「あ、あの………そんな呑気な事を言っている場合ではないと思うのですが……」

微笑んでいるセレーネにメサイアは表情を引き攣らせて指摘した。



「いや~、今の話だとアンタもリィンの退学後にリィンと籍を入れる事になるわよね~?」

「ニシシ♪ねえねえクレア~、結婚式はいつ~?」

「サラさん!ミリアムちゃん!」

口元をニヤニヤさせるサラ教官とミリアムにからかわれたクレア大尉は顔を真っ赤にして声を上げた。

「ア、アンタねえ!?いい加減にしなさいよ!?そんな非常識な事がまかり通ると本気で思っているの!?」

その時セリーヌが疲れた表情で声を上げてエイドスに指摘し

「え、何をおかしなことを言っているんですか?だって私はゼムリア大陸の人々が崇め続けて来た女神―――”空の女神”ですから、そんな非常識な事も通って当然でしょう?神の言葉は絶対服従が基本ですし♪」

エイドスの答えを聞いたその場にいる全員が大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「た、確かに言っている事は間違っていないけど……」

「ま、前に会った時は自分が”空の女神”である事を滅茶苦茶否定していたのに……」

「”こんなの”が”空の女神”だなんて今でも信じられないね。」

「それにこんな厚かまし過ぎる女神、どこを探してもいないだろうな。」

「?どうしてエイドスの事をそこまで悪く言うのかしら?エイドスはアリサ達の為に提案してくれているのに。」

「フム……ゲルドの指摘は間違ってはいないのだが……」

「フフ……それでリィン、どうするんだ?」

我に返ったエリオットとマキアスは疲れた表情をし、フィーとユーシスは呆れた表情で呟き、不思議そうな表情で首を傾げているゲルドの疑問を聞いたラウラは困った表情をし、ガイウスは苦笑しながらリィンに問いかけた。



「う”……あ、あの……エイドスさん、冗談ですよね……?」

ガイウスに話を振られたリィンは大量の冷や汗をかきながらエイドスに懇願するかのような表情で尋ねたが

「あら……その様子ですとまだ増やして欲しいのですか?結婚で足りないのでしたら、後残っているのは子供を作ってもらう事くらいしか――――」

「わ、わかりました!その条件を守りますからこれ以上増やすのは止めてください!」

エイドスが更に状況を悪化させようとした事に気付いて慌てた様子で答えた。



「フッ、言質は取ったよ、リィン君♪君とは今日から義兄弟の関係だね♪」

「うふふ、前言撤回はできませんわよ、あ・な・た♪」

「あ”…………」

そしてオリヴァルト皇子とアルフィン皇女の言葉を聞いた瞬間リィンはもう逃げられない事に気付いて表情を青褪めさせ

「ちなみに私は半年は現代にいますから誤魔化す事はできませんからね♪」

「ううっ、何でこんな事に……」

エイドスの言葉を聞き、止めを刺されたかのように肩を落として呟いた。その後エイドスの提案によりリィンとアルフィン皇女の簡易的な結婚式が挙げられる事になり、リィンとアルフィン皇女はアリサ達や事情を聞かされたシュバルツァー男爵夫妻が見守っている中、結婚をしようとしていた。 
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