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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第187話

~???~



「―――そこまで!勝者はⅦ組の皆さんです!」

「あ……!」

「ラウラさん達の勝利ですわ……!」

「フゥ……ヒヤヒヤしたけど、何とか勝てたわね。」

「ああ………しかしあのナユタって少年、中々やるじゃねえか。」

ナユタが地面に膝をつくのを見たエイドスは戦闘の終了を告げ、アリサとセレーネは明るい表情をし、サラ教官は安堵の溜息を吐き、トヴァルは苦笑しながらナユタを見つめていた。



「Ⅶ組最強コンビのラウラとフィーに加えて、トワ会長の援護もあったのに互角以上に戦うなんて……」

「さ、さすがはあのエステルさんとカシウス准将の先祖だよな……」

「ア、アハハ……さすがにそれは関係していないと思いますよ?…………多分。」

エリオットと共に表情を引き攣らせているマキアスの推測を聞いたエマは冷や汗をかいて答えた。



「ナユタ、大丈夫!?」

「うん、何とかね。」

「フフ、お疲れ様、ナユタ。」

ノイは慌てた様子でナユタに近寄り、その様子を微笑ましく見守りながらクレハはナユタを労わった。



「ううっ……二人とも、ごめんね。わたし、ほとんど役に立てなかったよ……」

「そんな事はない。会長のサポートが無かったら、勝てなかったと思う。」

「フィーの言う通りです。私達こそ前衛でありながら後衛の会長を守れず申し訳ありません。」

「フィーちゃん……ラウラちゃん……えへへ、ありがとう!」

フィーとラウラの言葉に元気を出したトワは無邪気な笑顔を浮かべて二人を見つめた。



「お疲れ様です。今回の手合わせは僕にとっても勉強になりました。」

「フフ、それはお互い様だ。剣を交えてわかったがそなたの剣も私の剣のように誰かから受け継いだ剣なのか?」

「はい。僕の親友のお父さんに昔から習っていた剣術です。」

ラウラの問いかけにナユタは静かな表情で頷いたが

「ちなみにナユタの親友がナユタの将来の奥さんになるクレハ様の兄なの!」

「ノ、ノイ!?」

自分に続くように答えたノイの説明に顔を赤らめて慌て、その場にいる多くの者達は冷や汗をかいて脱力した。



「も、もうノイったら。事実だけど口に出されたら恥ずかしいからできれば止めて欲しいわ。」

「フフ、そう言っている割には嬉しそうですよ?」

「まあ好きな人と将来結ばれる事がわかっているクレハさんの気持ちは何となくわかりますけどね……」

顔を赤らめて微笑むクレハをエレナは微笑ましく見守り、フィーナは苦笑していた。



「今気付いたけどナユタさん達、”空の女神”よりも凄まじい偉業を成し遂げた気がするのだけど。」

「フッ、大陸ではなく”星”自体を救ったとの事だからな。」

「さすがは女神一家にして英雄一家のブライト家の先祖だよねぇ?国を救った”剣聖”や”ブレイサーロード”ともスケールが違いすぎるよ。」

冷や汗をかいて呟いたルフィナの言葉を聞いたセルナート総長とワジは口元に笑みを浮かべ

「そう言えばお前達は”影の国”で彼らの時代に存在していたと思われる”管理者”とやらにも会ったとの事だったな?アルテリアに戻ったら詳しい説明をしてもらうから今の内にしっかりと思い出しておけよ。」

「………わかりました。と言う訳だからケビン、頑張って思い出して。」

セルナート総長の言葉に静かな表情で頷いたリースはケビンに視線を向けた。



「ちょっ、何でオレに丸投げすんねん!?お前もオレと一緒に”影の国”に巻き込まれたやろうが!?」

自分に丸投げされた事に驚いたケビンはリースに指摘したが

「だってナユタさんとノイさんの”試練”に挑むメンバーの中に私はいなかったから、姿すら知らないし。」

「グッ!?ハア……こんな事になるんやったら、全ての”試練”にリースについて行ってもらうべきやったな……」

リースの正論によって唸り声を上げ、疲れた表情で呟いた。



「フフ……――では最後の”試練”に挑む方々は前に出てください。」

「はい。―――来い、メサイア!」

「フッ、それでは行こうか、アルフィン。」

「はい。女神様にわたくし達の”意志”を示す為にも絶対に負けられませんわ……!」

エイドスの言葉に答えたリィンはメサイアを召喚し、オリヴァルト皇子とアルフィン皇女と共に前に出て行き

「姫様……どうかご武運を……!」

「これが本当に最後の”試練”よ。リィン、みんな……頑張って……!」

エリスとゲルドはそれぞれ応援の言葉を送った。



「―――それではお願いします、お父様。」

「ああ。」

エイドスに視線を向けられたアドルは頷いた後前に出て行き

「アドルさん、頑張って下さい……!」

「”冒険家”としての力、とくと見せて差し上げて下さい。」

フィーナとエレナはそれぞれ応援の言葉をアドルに送り、アドルはリィン達と対峙した。



「へ~、最後はよりにもよって”空の女神”のお父さんか~。」

「オレ達の時代に今も伝わっている冒険日誌の内容を考えると相当な使い手なのだろうな。」

「ええ……今目の前にいるアドルさんがどれ程の修羅場を潜り抜けたかわかりませんが、”剣帝”達と同等……いえ、下手をすればそれ以上の強敵である事には間違いないですね……」

「リィン……頑張って……!」

ミリアムは興味ありげな様子でアドルを見つめ、ガイウスの意見に頷いたクレア大尉の推測を聞いて一瞬不安そうな表情をしたアリサはすぐに気を取り直して真剣な表情でリィン達を見つめた。



「ハハ、ナユタ君が出て来たから最終戦は君が出てくる気がしたよ。」

「かつて”影の国”で共に力を合わせた仲とは言え、手加減抜きで戦わせてもらうよ、オリビエさん。」

オリヴァルト皇子の言葉に対してアドルは静かな表情で答え

「望む所です……!貴方という”壁”を超えて”空の女神”に俺達の”意志”を知ってもらう為にも……」

「絶対に負けられませんわ!」

「リィン様にお仕えしている身として……そして未来の妻の一人として、リィン様と仲間の方々の願いを叶える為にも全力で挑ませて頂きます……!」

リィン達はそれぞれ戦意を高めながらアドルを見つめた。



「―――良い目だ。」

リィン達の決意の表情を見たアドルは口元に笑みを浮かべた後剣と盾を構え、アドルに続くようにリィン達もそれぞれの武器を構えた!

「”冒険家”アドル・クリスティン!全力で行くぞ!」

「これが最後の”試練”だ……みんな、絶対に勝つぞ!」

「おおっ!!」

「最終戦―――始め!」

そしてリィンの号令に答えた仲間達はエイドスの号令を合図にアドルとの戦闘を開始した! 
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