英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第185話
~???~
「フゥゥゥゥ……ハアッ!!」
戦闘開始早々アンゼリカは気功―――ドラゴンブーストで自身の身体能力を上昇させ
「喰らえ――――メイルブレイカー!!」
「っと!」
マキアスが放った強力な一撃を秘めるレーザー攻撃をワジは僅かに側面にそれて回避した。
「セイッ、セイッ……!」
「フフ、甘いよ。」
マキアスの攻撃によって回避行動を取ったワジに向かって突撃したユーシスによる連続突きをワジは両手に付けている武具で次々と防ぎ
「ハアッ!」
「ユベルティ!!」
「グッ!?」
連続突きの後に放った薙ぎ払い攻撃を回避した後魔力と闘気を纏わせた足で回転蹴りをしてユーシスにダメージを与えると共に吹き飛ばした!
「踊れ、炎よ――――アステルフレア!!」
「おっと。これはお返しだ―――それっ!」
「キャッ!?」
「グッ!?」
エマが魔導杖から放った蒼き炎を回避したワジはクラフト―――トリニティカードを放ってエマとマキアスにダメージを与え、放たれたカードはユーシスとアンゼリカにも襲い掛かったが
「舐めるな!」
「フフ、これはどうかな?セイッ!!」
「!!」
ユーシスが騎士剣を振るってカードを斬っている中、アンゼリカは一瞬でワジに詰め寄り、零頸(ゼロ・インパクト)を叩きつけてワジを吹っ飛ばし、攻撃を受ける瞬間武具でガードしたワジはすぐに受け身を取って追撃して来たアンゼリカのクラフトを回避した。
「それっ!ライトニングキック!!」
「っと!ハァァァァァ……!」
「……!」
闘気によって発生した雷撃を纏った蹴りを回避したワジはまるで拳が無数に見える程の幻影を見せながら拳を連続で振るい、振るわれた拳をアンゼリカは自身が身につけている武具で防御し
「ハアッ!!」
「!そこだよっ!!」
「クッ!?」
最後に放たれた一撃をバックステップで回避した後クラフト―――レイザーバレットを放ってワジにダメージを与えた。
「暗黒の重力を喰らえ!!」
「!?ちょっと不味いね……!」
続けて放たれたマキアスのクラフト―――ダークイレイザーによってワジの動きは封じ込められ
「アークス駆動――――」
「援護する!」
「イグナプロジオン!!」
「グッ……!?」
ユーシスのリンクアビリティ――――ブーストアーツによって威力が増したエマの高火力のアーツをその身に受け、ダメージを受けると共に怯んだ。
「さっきはよくも蹴り飛ばしてくれたな……裁きの雷を受けろ!ジャッジメントボルト!!」
そこに戦術オーブメントの駆動を終えたユーシスが強烈な雷のアーツをワジに放ち
「!!」
襲い掛かる雷に気付いたワジは側面へと跳躍して回避した。
「フフ、早めに決めさせてもらうよ!ハッ!!」
その時アンゼリカが全身に闘気を纏いながら空高くへと跳躍し
「ドラグナー―――ハザード!!」
全身に竜の姿をした闘気を纏いながらワジ目掛けて蹴りを叩きつけ、闘気の大爆発を起こそうとした。しかし―――
「フフ、早めに決められるのはどっちかな?ハアッ!」
「な――――」
何とワジが空高くへと跳躍してアンゼリカの目の前に現れ、高速の蹴りを放った!
「はぁぁああ!…………やっ! はっ! せいせいっ!」
「グッ……!?」
ワジの奇襲攻撃によって防御が遅れたアンゼリカはワジの高速蹴りをまともに受けてしまい
「デッドリー……ヘヴン!!」
「カハッ!?ハハ……参ったね……」
「せ、先輩!?」
最後の強烈な蹴りと共に地面に叩きつけられたアンゼリカは戦闘不能になり、地面に膝をついたマキアスは信じられない表情で声を上げた。
「私がアンゼリカ先輩を回復しますのでお二人は時間稼ぎをお願いします!」
「ああ!行くぞ――――ソードダンス!!」
エマの言葉に頷いたユーシスはワジに詰め寄ってまるでダンスをするかのように動きで次々と騎士剣を繰り出し
「……っ!」
ワジは次々と繰り出される騎士剣を回避したり武具で防御したりしながら反撃の機会を練っていた。
「時の結界よ……砕け散れ!!」
その時マキアスのクラフト―――バーストドライブによる加速効果がユーシスに付与され、加速の付与を受けたユーシスはクラフトを放ちながら次のクラフトへと連携した。
「消えろ!デッドトライアングル!!」
「クッ!?」
ワジの周囲の地面を闘気を纏った騎士剣で三角を描いたユーシスは描いた三角から強烈な衝撃波を発生させてワジを怯ませ
「大地の弾丸を受けてみろ!アースインパクト!!」
「ッ!?やるね……!」
その隙を逃さないマキアスがショットガンによる強烈な一点集中攻撃でワジにダメージを与えると共に吹っ飛ばした!
「息吹を――――セレネスブレス!!」
「助かったよ。コォォォォォ……ハアッ!!」
二人がワジを攻撃している間にエマは特殊回復魔法でアンゼリカの戦闘不能状態を回復させ、回復したアンゼリカは再び気功で自身の身体能力を上昇させ
「セイッ!ライトニングキック!!」
「っと!」
更にその場から跳躍し、ワジ目掛けて雷撃を纏った蹴りを放ち、空からの強襲に気付いたワジは武具で蹴りを受け止め、受け止められたアンゼリカはすぐに地上へと着地して次々と拳を繰り出した。
「ハァァァァ……!!」
「オォォォォ……!!」
アンゼリカが連続で繰り出す拳に対し、ワジも連続で拳を繰り出して互いの攻撃を相殺しながら反撃の機会を練っていた。
「アークス駆動―――ダークマター!!」
「な――――グッ……!?」
その時戦術オーブメントの駆動を終えたユーシスが重力を発生させるアーツを発動してワジの動きを封じ込め
「アンゼリカ先輩、下がって下さい!」
「!!」
マキアスの警告を聞いたアンゼリカは後ろへと跳躍してワジから距離を取った。
「エレメンタルショット、リミットブレイク!うおおおおおおおっ!!」
アンゼリカがワジから距離を取った瞬間マキアスは7属性全ての巨大なエネルギーの球体を連続で放ち始め
「天道を司りし、大いなる星々よ!その神秘なる輝きを以って我が声に応えよ!」
エマは上空に巨大な魔法陣を展開させた。
「さすがに不味そうだからそろそろ使わせてもらうよ。我が深淵にて煌く蒼金の刻印よ……………大いなる神の腕となりて我が右手に集え!」
するとその時ワジは背中から”聖痕”を顕させた後右手に膨大な神気や聖気を纏った悪魔のような巨大な手を纏わせ
「これで終わりだ―――エレメンタルマスター!!」
「ゾディアック――――レイン!!」
「セイッ!!」
マキアスが放った虹色の極太のエネルギーと空から降り注ぐ7色のレーザーを右手を軽く振るって全て吹き飛ばした!
「なっ!?ぼ、僕達の大技を一振りで……!」
「それに何だ、あの腕は!?」
「!!気をつけて下さい!あの腕から凄まじい霊圧を感じます……!…………」
「あれが”守護騎士”の”奥の手”――――”聖痕”よ!」
「フフッ、とても”人間”が出せる”気”とは思えない凄まじさだね……!」
異形と化しているワジの右腕を見たマキアスとユーシスは驚き、エマは警戒の表情で声を上げた後魔導杖を掲げて集中し、セリーヌの警告を聞いたアンゼリカは口元に笑みを浮かべていたが厳しい表情でワジを見つめていた。
「クッ……バーニングフォース!!」
”聖痕”を身に纏った事により、全身から凄まじい霊圧を漂わせているワジに気圧されたマキアスは一瞬怯んだがすぐに攻撃し
「ハアッ!!」
アンゼリカも続くようにクラフト―――レイザーバレットを放ったが
「甘いね。」
ワジは異形と化した右腕を再び一振りして攻撃を吹き飛ばし
「さてと。そろそろ反撃させてもらうよ!オォォォォ………!」
マキアス達に向かって突撃した!
「聖なる盾よ―――守護せよっ!!」
「絢爛たる光よ、惨禍を和らぐ壁となれ!!―――フォースフィールド!!」
ワジが自分達に向かって突撃したその時ユーシスとエマはそれぞれクラフトを発動して結界を仲間達や自分達に付与し
「砕け――――アカシックブレイカー!!」
ワジはエマが展開したドーム型の結界に腕を叩きつけて大爆発を起こした!すると結界は易々と破壊され、更にユーシスのクラフトによって付与された結界をも貫いてマキアス達に大ダメージを与えて吹き飛ばした!
「うわあっ!?クッ……!」
「馬鹿な……ッ!?」
「そ、そんな………2重に展開した結界すらも易々と貫くなんて……」
「ハハ……七耀教会もとんでもない”化物”揃いだね。」
「へえ?結界である程度軽減したとはいえ、まさか耐えるとはね?さすがはロイド達と似た存在って所かな?だけど、次で終わりにさせてもらうよ―――――」
大ダメージを受け、疲弊した様子を見せながらも未だ戦意があるマキアス達の様子を感心しながら見ていたワジは追撃しようとしたが
「させません――――!」
「!!」
ルフィナとの戦闘を終わらせたクレア大尉が正確無比な銃撃を放ち、それをワジは異形と化した右腕で防いだ。
「ぶっ放せ~!」
「――――――」
「ハアッ!!」
アガートラムが放ったレーザーをワジは右腕を振るって吹き飛ばし
「セイッ!これはオマケよ!」
「……ッ!どうやらルフィナは制圧されたようだね……!」
サラ教官のクラフト―――電光石火による強襲を回避した後に受けた銃撃でダメージを受けたワジは表情を歪めた。
「みんな、頑張って!!」
その時アリサがクラフト―――セントアライブでマキアス達の傷を回復し
「助かった!今回復する!」
マキアスも続くようにクラフト―――エナジーシェルでユーシス達の傷を回復した。
「やれやれ……8対1か。旗色が悪くなったけど、そう簡単に負けてあげられないよ?それっ!!」
サラ教官達を見回したワジは溜息を吐いた後7色のビリヤード球を縦横無尽に飛び廻らせるクラフト―――セブンショットを放ったが
「ハァァァァ……!!」
「ヤァァァァァ……!!」
クレア大尉が銃撃で撃ち落し、サラ教官が強化ブレードを振るって襲い掛かるビリヤード球を真っ二つに割って攻撃を無力化していた。
「反撃開始だ!準備はいいな、ユーシス・アルバレア!!」
「フン、言われるまでも無い!」
そして互いのARCUSから強い光を放ち始めさせたマキアスはユーシスに呼びかけ、呼びかけられたユーシスはその場で集中して剣に闘気を集束し
「行くぞ……!」
「クッ……!?」
ユーシスが集中している間にマキアスはショットガンに込めた小規模な爆発を起こす特殊な弾丸を連射して命中させた。
「――――これで終わりだっ!!」
マキアスが弾丸を撃ち終わるとユーシスはワジに向かって突撃し、闘気を纏った騎士剣で突きを放つと共にワジの背後へと駆け抜けた。するとワジはドーム型に広がった闘気の檻に閉じ込められ、その隙にマキアスはショットガンにエネルギーをチャージし、マキアスとワジを挟み込むような位置にいるユーシスが強烈な威力を持つ斬撃を十字に放つと共にチャージしたエネルギーを解き放った!
「「エクスペンダブルブライド!!」」
「グウッ!?コンビクラフトか……!」
二人のコンビクラフトをその身に受けたワジが大ダメージを受けた影響で表情を歪めたその時
「「アークス駆動―――ダークマター!!」」
「切り刻め―――紫電一閃!!」
「うあ……っ!?」
アリサとクレア大尉がそれぞれ重力を発生させて数秒だけ動きを制限させる攻撃アーツを発動し、更にサラ教官も動きを僅かに制限させる攻撃クラフトを放ってワジにダメージを与えると共に動きを封じ込めた。
「ガーちゃん、とっておきをするよ!トランスフォーム!!」
「――――――」
「ハァァァァァ……!!」
一方ミリアムはアガートラムを巨大なハンマーに変化させた後ハンマーと化したアガートラムにエネルギーを溜め込んでいた。
「アークス駆動―――クロノバースト!!」
3人がワジの動きを止めている間にエマは駆動時間の必要がないアーツであり、自身を一時的に加速させるアーツを発動し、続けてアーツを発動した!
「行きます――――ソル・イラプション!!」
本来なら長い駆動時間が必要であるはずのロストアーツは”クロノバースト”の効果によってすぐに発動し、ワジの上空から巨大な火球が現れ、ワジに向かってゆっくりと降りて来た。
「さすがにアレは洒落にならないな……ハァァァァァ……!」
降りてくる巨大な火球を見たワジは再び背中から”聖痕”を顕させて膨大な霊圧を解放して自身を拘束する重力や紫電の刃を吹き飛ばし
「アカシックブレイカー――――――ッ!!」
跳躍して自分に向かって降りて来た巨大な火球に異形の右手で攻撃すると共に大爆発を起こして相殺しようとした。
「グッ!?」
しかし相殺した際に発生した凄まじい衝撃波には耐えきれずワジは地面に叩きつけられた。
「フッ、これでフィナーレとさせてもらうよ!ハアアアアアアッ!!」
「ッ!クッ……!?」
ワジに出来た隙を見逃さないかのようにアンゼリカは一気にワジに詰め寄って高速のラッシュ攻撃でワジの全身に拳を次々と叩きつけ
「止めだ!奥義――――インフィニティア・ストライク!!」
ラッシュ攻撃を終えた後両手に溜め込んだ闘気をワジに叩きつけ、闘気を爆発させて吹っ飛ばし、そこにエネルギーを溜め終えたミリアムが巨大なハンマーと化したアガートラムを両手で持ってワジに詰め寄り、ワジの目の前でハンマーを振り下ろした!
「リミットブレイク!ワールド――――デストロイヤー――――――ッ!!」
ミリアムがワジの目の前でハンマーを振り下ろすと地面から戦場全体をも呑み込む程のドーム型のエネルギー大爆発が起こると共に大地震が起こった!
「うあああああああっ!?やれやれ……参ったな…………」
ハンマーと化したアガートラムに溜め込んだエネルギーを解放するミリアムの最終奥義―――――ワールドデストロイヤーによるダメージに耐えきれなかったワジは地面に膝をついた!
「―――そこまで!勝者はⅦ組の皆さんです!」
二人の戦闘不能を見届けたエイドスは号令をかけ
「フッ、まさかこれ程とはな。」
「姉様を制圧した事もそうですが”聖痕”を解放した”守護騎士”をも制圧するなんて……」
「ハハ……さすがは三国が用意したとんでもない使い手達を相手に勝利しただけはあるな。」
二人の敗北にセルナート総長は口元に笑みを浮かべ、リースは信じられない表情をし、ケビンは苦笑していた。
「よし……!」
「何とか一勝しましたね……!」
一方リィンとエリスは仲間達と共にアリサ達の勝利に喜び
「喜ぶのはまだ早いぞ。多分次からが”本番”だ。」
「残り2戦は女神様が選出する人だから、やっぱりあの人達の中の誰かだよね……?」
「一体誰が来るんだ……?」
真剣な表情で呟いたトヴァルの言葉を聞いたエリオットは不安そうな表情で、ガイウスは真剣な表情でアドル達を見つめていた。
「ゲルドさん、予知能力でわたくしやこれから皆さんが相手をする事になる方はわかりませんか?」
「……わかるけど、それを教えたら”試練”にならないわ。」
「それは……確かにその通りですわね。」
アルフィン皇女の問いかけに静かな表情で答えたゲルドの答えを聞いたセレーネは一瞬複雑そうな表情をしたがすぐに納得した。
「やれやれ……さすがに8対1は厳しすぎたな。」
「すみません、ヘミスフィア卿……サポートに回れなくて……」
疲れた表情で呟いたワジにルフィナは申し訳なさそうな表情で答え
「フフ、別に気にしなくていいよ。」
ワジは口元に笑みを浮かべて答えた。
「ハア……ハア……か、勝ったのか……?」
「はい……!」
「フゥ。”守護騎士”。とてつもない使い手だったね……」
「フン、”特別模擬戦”の借りは返させてもらったぞ。」
マキアスとエマは自分達の勝利に息を切らせながら明るい表情をし、アンゼリカは安堵の溜息を吐き、ユーシスは鼻を鳴らして静かな笑みを浮かべた。
「”千の腕”――――情報では”守護騎士”クラスとの事でした、下手をすればそれ以上だったかもしれませんね。」
「ええ……まさかここまで手間取るとは思わなかったわ。」
「シスターとは思えないくらい、強すぎよ……」
「アハハ、勝ったからそんな細かい事は気にしなくていいんじゃないの~?」
クレア大尉とサラ教官は真剣な表情でルフィナの強さを思い返し、疲れた表情で呟いたアリサにミリアムは無邪気な笑顔を浮かべて指摘した。
「―――それでは2戦目に参加する方達は前に出てください。」
「承知。」
「了解。」
「は、はい!」
そしてエイドスの言葉に頷いたラウラ、フィー、トワはリィン達の所へ戻るアリサ達と交代して前に出て来た。
「ナユタ、頑張ってなの!」
「星を救った勇者としての力、みんなにも見せてあげて……!」
「ハハ、勇者だなんて大げさだよ。」
一方ノイと共に応援の言葉を送ったクレハの言葉に苦笑したナユタは前に出てラウラ達と対峙した。
「そなたが相手か……!」
「会長、先祖が相手だけど大丈夫?」
「だ、だから違うよ~!ただ名前が偶然同じなだけだよ~!」
自分達の対戦相手をナユタと知ったラウラは驚き、フィーに尋ねられたトワは慌てた様子で答え
「アハハ……僕が”試練”の相手に務めるなんて正直”役不足”としか思えませんけど、やるからには手加減抜きで全力で行かせてもらいます……!」
慌てているトワに苦笑したナユタは剣を構えた!
「望む所……!」
「二人とも、全力で行くよ……っ!」
「承知……!」
ナユタの言葉に応えるかのようにフィーは武器を構えて答え、トワの号令に頷いたラウラは武器を構えた。
「第2戦―――始め!」
そしてエイドスの号令を合図にラウラ達はナユタとの戦闘を開始した!
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