英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第27話
~バルスタール水道・終点~
「セリカ様………私達に御加護を!黙示録の恩寵!!」
「ほれっ!ラ・クレスト!!」
戦闘開始早々シュリとケビンは魔術とアーツを放って、自分を含めた仲間達の身体能力を高めた!
「「「……………」」」
一方アネラスを含めた他の敵達は一斉にケビン達に襲い掛かった!
「ハッ!!」
「たぁっ!!」
対するケビン達はヨシュア、ジンが獣人の攻撃を受け止め
「……………」
「貫け~!フルールエッジ!!」
アネラスが放ったクラフト――剣風閃に対してはノイが魔法を放って相殺し
「奥義――神風!!」
さらにナユタがクラフトを放って追撃を加えた!
「「………………」」
一方獣人達は狙いをケビンに変えて、いきなり飛び掛かりすばやい動きでケビンを攻撃した!
「あいたぁっ!?」
「光よ!かの者を癒したまえ!癒しの息吹!!」
それを見たシュリは魔術を放って、ケビンの傷を回復し
「朧!!」
「とりゃっ、雷神脚!!」
ヨシュア、ジンもそれぞれ移動すると共に攻撃を加えた!
「ぐっ!?チッ、毒も喰らっちまったか………」
シュリの魔術によって傷を回復したケビンだったが、敵の攻撃に毒も混じっていた為、顔色を若干青褪めさせた。
「今、治します!光よ、浄化の力を!浄化!!」
それを見たシュリは魔術を放って、ケビンの毒を回復した。
「助かったわ。………」
シュリにお礼を言ったケビンはオーブメントを駆動させ始めた!
「双連撃!!」
「せぇぇぇい!月華掌!!」
獣人達と交戦していたヨシュアとジンはクラフトを放って、クラフトの効果による状態異常――毒と混乱を敵に与えた!
「…………」
混乱によって、一体の敵はもう一体の敵に攻撃を始め
「………!?」
もう一体の敵は味方であるはずの敵の攻撃を対処していたが、毒によってどんどん弱り始めた!
「裁きの雷よ!我が仇名す者達に鉄槌を!セナケリプの雷!!」
それを見たシュリは魔術を放って、弱っていた敵に止めをさし、さらに混乱していた敵に大ダメージを与えると共に麻痺させ
「さっきのお返しや!サイクロンナパーム!!」
そしてケビンが高火力のアーツを放って、止めを刺した!
「………………」
「クッ………なんて剣撃だ………!」
一方アネラスと戦っていたナユタはアネラスが放ったクラフト――八葉滅殺を必死に剣でさばいたり、防御をしていた。
「援護するの!クリスタルランス!!」
それを見たノイは魔法を放って、ダメージを与えると共にのけ反らせ
「奥義――散蓮華!!」
さらにナユタがクラフトを放って、追撃を加えた!
「……………」
一方アネラスはクラフト――落葉をナユタに放った!
「うわっ!?」
「……………」
蹴りあげられたナユタをアネラスは追撃を加えようとしたが
「えいっ!!」
「そこやっ!!」
獣人との戦闘を終えたシュリとケビンがそれぞれ銃弾や矢をアネラスの手に放って、アネラスの手から武器を弾いて攻撃を中断させ
「えーい!ギアバスター!!」
さらにノイがクラフトを放って、アネラスの防御力を下げたところを
「奥義――裂空斬!!」
蹴り上げられ、宙に浮かべられたナユタが蹴り上げられた状態を利用してクラフトを放った!するとアネラスは姿を変えて、変身する前の状態――”グリモア”になり
「とりゃっ、雷神脚!!」
姿が戻った敵にジンがクラフトを放って、敵を地面に蹴落とした!
「殲綱斬!!」
そしてヨシュアがクラフトを放って、敵を真っ二つにして止めを刺した!すると敵のいた場所から封印石が現れた。それを見たケビンは武器を収めて封印石を回収した。
「ふう………これで一段落ですね。」
「ああ………誰が閉じ込められてるかは言うまでもなさそうや。いったん拠点に戻るとしようか。」
ヨシュアの言葉にケビンは頷いた後、仲間達共に庭園に戻って封印石を解放した。
~隠者の庭園~
「こ、これは………」
「………眠っている?」
光から現れようとした人物の状態を見たケビンとヨシュアは驚いた。すると光が消え、そこから目をつむって横たわっているアネラスが現れた。
「うーん………むにゃむにゃ………可愛いことは正義………可愛いものには福がある………可愛さあまって好きさ千倍…………えへへ………昔の人はスゴイなぁ………」
アネラスの寝言を聞いた全員は脱力した。
「ど、どんな格言やねん………」
「そんな格言、わらわでさえ聞いたことないぞ………」
そしてケビンとレシェンテは呆れて溜息を吐き
「し、幸せそーですね………」
「フフ、クロスベルで出会ったエオリアさんという方とどこか似ている感じがしますね。」
「………そういえば、リタさんを見た瞬間、『可愛い!』と叫んで、リタさんに抱きつきましたね………」
「ええ………あの時は中々離してくれなくて、大変だったわね………」
ティータは微笑みながらアネラスを見つめ、同じように微笑んでいるリタの言葉にツーヤとプリネはある事を思い出して頷き
「はは、このまま起こすのは可哀想な気がしますけど………」
「フッ、ならば仕方ない。ここはボクが添い寝をすることでさらなる桃源郷に彼女を誘って――」
ヨシュアの言葉に頷いたオリビエは酔いしれった表情で言いかけたが
「………そんなに寝たいなら当て身で気絶させてやろうか?」
「ごめんなさい口が滑りました。」
ミュラーの言葉を聞いてすぐに謝った。
「クスクス………」
「はは、相変わらずだな。」
「うむ。両世界を探しても、これほど奇妙な主従関係はないぞ?」
オリビエとミュラーの会話を聞いたクローゼは微笑み、ジンは豪快に笑い、リフィアは口元に笑みを浮かべた。
「………ん……………」
すると周りの声に気付いたのかアネラスは声を上げた。
「………起きたようだな。」
「………抱きつかれなきゃいいけど。」
アネラスの様子を見たユリアが呟き、エヴリーヌは溜息を吐いた。
「………ふえ………………………」
「お久しぶりです、アネラスさん。」
「そ、その………おはよーございます。」
「はは………いい夢見てたみたいやね。」
寝ぼけ眼で自分達を見つめるアネラスにヨシュア、ティータ、ケビンはそれぞれ声をかけた。
「………………………」
一方アネラスは呆けた表情で周囲を見回した後
「うーん………ティータちゃんとヨシュア君とリベールのお姫様とリタちゃんとエヴリーヌちゃん、ツーヤちゃん、メンフィルのお姫様達は当然として…………ユリアさんやそこの女の子、天使さんに耳がとがった金髪の美人さんとメイドさん達、それとイーリュンのシスターさんもいいかも………特にそこの赤い髪の子と………蝙蝠のような翼がついた子………そして帽子をかぶった妖精みたいな小さい女の子とその隣にいる男の子………」
「え、えっと………?」
「わ、わらわか?」
「わ、私もなの?」
「ぼ、僕も?」
「わたし………?」
アネラスの言葉を聞いたティナとレシェンテとノイ、ナユタは戸惑い、ナベリウスは首を傾げた。
「耳がとがった金髪の美人………この中で金髪の女性は私しかいませんし、もしかして私の事でしょうか?」
「もしかしなくてもセラウィだよ。セラウィ、凄く美人だもの。」
「はいはい。惚気るのは後で好きなだけやって頂戴。」
さらにセラウィはアネラスの言葉に首を傾げて呟き、ウィルはセラウィの言葉を肯定し、ウィルの言葉を聞いたエリザスレインは呆れた。
「へ………」
「アネラスさん………?」
一方ジョゼットとクローゼも戸惑った。
「うん………初めて見る子達の中でも際立ってとっても可愛い~……あ、でもジンさんもクマさんみたいで意外と………ケビンさんのツンツン頭もウニみたいで可愛いし………えへへ……新作ぬいぐるみ超大量ゲットぉぉ………」
そしてアネラスの言葉を聞いたケビン達は全員脱力した。
「等身大のぬいぐるみと勘違いしてるみたいですね…………」
「ど、どんな寝ぼけ方やねん……」
呆れた様子のヨシュアの言葉を聞いたケビンは呆れた様子で溜息を吐いた。そしてケビン達はアネラスに状況を説明し、自己紹介をし合った。
「ふう、残念だなぁ……せっかく新しい子達が仲間になったと思ったのに…………」
「アネラスさん…………」
「一通り事情を説明して最初の一言がそれかいな…………」
アネラスの言葉を聞いたヨシュアとケビンは呆れた様子でアネラスを見つめた。
「あはは、わかってますって。あんまり実感はないけど………みんなが真剣なのはわかりました。何よりもティータちゃんとリタちゃん、新顔のナベリウスちゃんとレシェンテちゃん、そしてノイちゃんの可愛さが現実であることを証明してますから!」
「はわわっ……」
「フフ、少し照れますね。」
「そんなに褒めないで……………ぽ。」
「…………褒められているのはわかっているが微妙な気分じゃ。わらわは神なのに……」
「ちょっと身の危険を感じるの………」
アネラスの言葉を聞いたティータとリタ、ナベリウスは照れ、レシェンテは溜息を吐き、ノイは身体を震わせて恐る恐るアネラスを見つめていた。
「はあ~………みんな、可愛い~!!特にノイちゃん!元の世界に帰る時、お持ち帰りしてもいいかな!?」
「だ、駄目なの!私はクレハ様やナユタ達と一緒に暮らす事が幸せなの!で、でも………目が本気でかなり怖いの~!」
「あ、あはは…………さすがにそれは僕や僕の世界にいる友達達も困りますので勘弁して下さい。」
そして真剣な表情で自分を見つめて叫ぶアネラスにノイは断った後、身体を震わせてナユタの背中に隠れ、ナユタは冷や汗をかいて苦笑し言った。
「うーん、非常に残念………だったら、レシェンテちゃんは!?後、リタちゃんとナベリウスちゃんはセットでお持ち帰りしたいんだけど!?」
「当然、お断りじゃ!」
「フフ、ナベリウスと一緒なのは嬉しいですけど、さすがにお断りさせて頂きます。」
「仕事………一杯………ある…………」
さらに自分達にも話をふられたレシェンテ、リタ、ナベリウスはそれぞれ断った。
「ガクッ……………ま、いいや。しばらくはこうやって一緒にいられるしね♪その間にタップリ堪能しないと………!」
レシェンテ達の言葉を聞いたアネラスは肩を落としたが、すぐに気を取り直して嬉しそうな表情をした。
「ブルブル………」
「一瞬背筋が寒くなったのじゃ………」
アネラスの言葉を聞いたノイは表情を青褪めさせて身体を震わせ、レシェンテは冷や汗をかいた。
「ま、理由がどうあれ納得してもらえて何よりや。それで、どうする?アネラスちゃんも協力してくれるか?」
「ええ、もちろんです!こんな異常事態、遊撃士として見過ごせませんよ!それに………聞けばル=ロックルの訓練場がおかしな事になっているとか。もしかしたら他の遊撃士の人も同じ目に遭ってるかもしれません。」
「なるほど…………あり得るな。」
「ほ、他の遊撃士の人達って…………」
アネラスの言葉を聞いたユリアは納得した様子で頷き、ティータは不安そうな表情をし
「うん…………色々と考えられるだろうね。」
「ミントちゃん…………」
ヨシュアとツーヤは表情をわずかに暗くして呟いた。
「いずれにしてもまだ最初の『修練場』や。新しい場所に行けるようになったみたいやし準備をしたら行ってみるとしよう。」
「ええ、そうですね。」
「フッ…………面白くなって来たじゃないか。」
ケビンの提案にヨシュアとオリビエは頷いた。
「う~………エクリア母様達はどこにいるんでしょう~?」
「大丈夫よ、サリア。ご主人様達も絶対会えるから。」
「そうよ。だから元気出しなさい。」
一方サリアは心配そうな表情をしてある人物達の事を心配し、それを見たシュリとマリーニャが励ました。
その後ケビンはメンバーを編成し、ケビン、ヨシュア、オリビエ、アネラス、クローゼ、ティナのメンバーで向かい、新たに行けるようになった『修練場』―――『サントクロワの森』に入った…………
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