英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)
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第26話
~第四星層~
「ここは………?」
「ふむ………見覚えのない場所やけど。」
新たな星層につき、周囲を見たヨシュアとケビンは首を傾げた。
「あれは……!」
その時シュリが何かに気付いて、その方向を見つめた。シュリの言葉を聞いたケビン達がシュリが見ている方向を見つめるとそこには絶景が広がっていた。
「ほう。中々の絶景だな。」
「凄い………!こんな絶景、”テラ”のハインメルにもあまりなかったよね………!?」
「う、うん。ハインメルでも、こんな絶景はそんなにないの。」
景色を見たジンは感心し、ナユタは興奮し、ノイは驚いた表情で見つめていた。
「へえ………まさかこんな場所に出てくるなんてな。ここも王都と同じく”影の国”の中に再現された場所でしょうか?」
「ああ………その可能性は高いやろう。しかしここ………リベールのどこになるんや?」
ヨシュアの言葉に頷いたケビンは考え込んだ。
「いや………僕にも見覚えがありません。クローネ連峰?いや、それにしては空気が………あ………」
「なんや………?」
考え込んでいたが何かに気付いたヨシュアの呟きを聞いたケビンは首を傾げ、ヨシュアが気付いた方向を仲間達共に向かった。するとそこには”支える籠手”の紋章がつけてある大きな家があった。
「へ………遊撃士協会の紋章………?」
「ひょっとしたら………リベール以外かもしれません。僕が知る限り、こんなギルドの施設など国内に存在していないはずです。」
「ふむ………確かに俺も覚えはないな。かといってカルバードにもこんな施設はなかったぞ。」
「なんや………あっちに答えがあるやんか。」
ヨシュアとジンが考え込んでいる一方何かに気付いたケビンは声をあげた。そしてケビン達はケビンが気付いた物――看板に近づいて、看板に書かれてある字を読んだ。
「『遊撃士協会ル=ロックル訓練場』…………もしかしてここは………」
「たしかエステルちゃんとミントちゃんが訓練に行ってた場所やないか?アネラスちゃんと一緒に。」
「ええ………レマン自治州にある遊撃士協会の訓練場です。僕も彼女から話を聞いただけで訪れたことはなかったんですが………」
「ふむ、ここがあのル=ロックルか。俺も訪れたことはないが、ギルドでは割と有名な場所だ。………しかし妙だな。レマン自治州はリベールからかなり離れた場所にあるはずだ。」
ケビンに尋ねられたヨシュアは頷き、ジンも頷いた後真剣な表情で考え込んだ。
「ええ、リベールからやとエレボニアやカルバード、メンフィルよりも遠い場所にあるのは間違いないです。そんな場所を、どうやってそして何のために再現したのかはわからへんですけど………」
「これが”敵”の仕掛けならそれなりに意味があるはず………つまり、そういう事ですね?」
「フッ、話が早くて助かるわ。」
ヨシュアの確認の言葉にケビンが頷いたその時、何かの鳴声や唸り声が聞こえてきた!
「今のは………!」
「ああ、さっそくの歓迎や………!」
声に気付いたヨシュアとケビンが仲間達と共に振り向くとそこには鼠のような姿をした戦士の魔物と狼のような姿をし、武闘家のような魔物がいた!
「こ、これは………」
「獣が武器や盾を持っている………!?」
「”テラ”にもいるけど………今まで見た事のないタイプの魔獣なの!」
敵を見たシュリ、ナユタ、ノイは驚き
「武装した獣―――いや”獣人”というべきか………『次なるは獣の道』というのはこれを意味していたみたいですね。」
「ああ、そうみたいやな。数も多いし手強そうや………気合い入れて追っ払うで!」
そしてケビン達は戦闘を開始した!
「「「………」」」
戦闘開始早々、狼型の獣人がケビン達に襲い掛かった!
「えいっ!!」
「そこやっ!!」
しかしシュリとケビンがそれぞれ魔導銃の銃弾とボウガンの矢を次々と放って、牽制し
「おぉぉぉ!!」
ヨシュアがクラフト――真・魔眼で動きを止めた!
「「「………」」」
一方、狼型の獣人に続くかのように今度は鼠型の獣人達が襲ってきた!
「行っけ~!ヘイルストーム!!」
しかしノイが放った竜巻を発生させる夏の季節の力を借りた魔法――ヘイルストームによって、ダメージを受けると共に竜巻に巻き込まれて足を止められた!
「とりゃっ、せぇぇぇい!!」
そこにジンがクラフト――極・雷神脚を放ってダメージを与え
「奥義―――流星撃!!」
さらにナユタはジャンプして敵の真下に落ち、落ちた際に発生する衝撃波で周囲の敵を巻き込むクラフト――流星撃をヨシュアのクラフトによって、足止めされている敵達に放って、ダメージを与え
「セリカ様、お力を………!メギドの槍!!」
「そらっ!シャドウスピア!!」
シュリとケビンはそれぞれ魔術やアーツを放って、一匹ずつ仕留めた!
「どんどん行くの~!ヴェノムヘイズ!!バレット・ビー!!ルナ・バタフライ!!」
一方ノイは状態異常を起こす魔法を次々と放って、敵達にダメージを与えると共に毒や麻痺、混乱の状況に陥らせ
「朧!!」
「せぇぇぇい!月華掌!!」
「剣技―――カマイタチ!!」
ヨシュアとジン、ナユタがそれぞれクラフトを放って止めを刺した!そして残っていた敵達は素早く撤退して行った!
「………フン、一時撤退か。小知恵が廻る連中やな。」
「ええ、普通の魔獣と違って高い知恵を持っていそうです。やはり今までと同じく『あり得ない魔物』でしょうか?」
「ああ、レマン自治州の魔獣の生態は知らへんけどあんなのが普通にいるはずがない。」
「………一筋縄ではいかなさそうですね。」
ヨシュアの言葉にケビンとナユタはそれぞれ真剣な表情で頷いた。するとその時、何かの音が鳴った!
「おいでなすったか………!」
その音を聞いたケビンは懐から”方石”を取り出した!するとケビン達の目の前に何度か現れた女性の霊が現れた!
「………よくここまで………来ていただけました………この”第四星層”には3つの『修練場』があるようです………それぞれを制すれば………次なる道が開かれるはず………どうか………これを………」
女性が語るとケビンの手に地図が現れた。
「………ですが………どうか………気を付けて………”影の王”の狙いは………あなた……の………」
そして女性は最後まで語らず消えてしまった。
「………消えてしもうたか。”力”を奪われてるせいか満足に姿を見せられへんって感じやな。」
「ええ………彼女の方もはがゆいのかもしれません。ですが、ずいぶん貴重な手掛かりを託してくれましたね。」
ケビンの言葉にヨシュアは頷いた後、ケビンの手にある地図を見つめた。
「ああ………」
そしてケビンは地図を開いた。すると地図にはいくつか途切れている道があり、後は赤い点と”バルスタール水道”という名称の場所が示されてあった。
「……ふむ、右上にある赤い点が今いる場所みたいやな。すぐ左の上にあるのが”バルスタール水道”………多分、これが”彼女”の言ってた『修練場』ってヤツかもしれん。」
「しかし、先ほどの方は修練場が3つあるとおっしゃっていましたが………残りの2つはどこにあるのでしょう?」
ケビンの話を聞いたシュリは考え込みながら地図を見つめて呟いた。
「多分………不自然に途切れている道の先にあるのかもしれません。ただ、どうやらこれも”ルール”に則っているみたいです。現時点でそちらに行っても”何もない”かもしれません。」
「一体どうやったらそんな方法で場所を隠せるのか、サッパリなの………」
「空間を組み替えられる以上、あり得るかもしれへんな………仕方ない、まずはこの”バルスタール水道”に行ってみよう。」
ヨシュアの推測を聞いたノイは考え込んだ後溜息を吐き、ケビンは提案をして、”バルスタール水道”に仲間達と共に向かった。バルスタール水道に到着したケビン達は”水道”という名ながら溶岩が流れている事に驚きながらも、仕掛け等を解除して行き、奥に到着した。
~バルスタール水道・終点~
ケビン達が終点に到着すると妖しげな光陣が現れ、なんとそこから一際大きい狼型の獣人達と共にアネラスが現れた!
「アネラスさん………!?」
「…………………………」
アネラスの登場にヨシュアは驚き、アネラスは何も答えず虚ろな目でケビン達を見つめていた。
「どうやら、前の時と同じ”グリモア”の擬態らしいな。魂の気配が全然感じられへん。」
「だとすれば………遠慮は必要なさそうですね。全力で行きましょう!」
そしてケビン達は戦闘を開始した…………!
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