英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第113話
12月25日――――
~カレイジャス・ブリッジ~
「―――これからいよいよ、アルバレア公の拘束作戦を決行する。みんな、覚悟はできているか?」
「ええ、もちろんよ。」
「わたくしも何時でも大丈夫ですわ!」
「ユーシスの為にも頑張らなくちゃね……!」
「ん、お世話になったケルディックの敵討ちでもあるし。」
「……私も全力で力を貸すわ。」
「……よろしく頼む。」
リィンの言葉にそれぞれ答えたアリサやセレーネ、フィーとゲルドの言葉を聞いたユーシスは頭を下げた。
「まあ、余計なことは考えずに作戦の遂行を第一に動くんだな。」
「えへへ、ボクたちも全力で力を貸すから!」
「皆、気合も十分みたいだな。」
「あの……少々よろしいですか?」
それぞれがやる気満々でいる中、エリスが申し出た。
「エリス?どうしたんだ?」
「その……シグルーン様は先程シグルーン様の通信機による連絡でメンフィル帝国から”命令”がされた為、その”命令”を遂行する為に先程愛馬のペガサスと共にこの艦を去りました。本日中に戻ってくるとの事でしたが……」
「何だって!?」
「ま、まさか”戦争回避条約”の”期間”が切れたんじゃあ……!?」
「今日中に戻ってくるって事は少なくても、あの人がボク達に力を貸す”期間”が切れた訳ではないだろうね~。」
エリスの話を聞いたリィンは血相を変え、ある事を察したマキアスは表情を青褪めさせ、ミリアムは真剣な表情で推測した。
「……今は目の前の事に集中した方がいいと思うわ。」
「…………そうだな。シグルーン中将閣下が戻ってきた時に後で聞いてみるか。」
「………………」
ゲルドの助言を聞いたリィンは静かな表情で頷き、サラ教官は真剣な表情で考え込んでいた。
「騎神の武器も強化されたようだが……」
「仕上がりの方はどうですか?」
「ああ、バッチリだ。きっと今回の作戦でも力になってくれると思う。」
そしてラウラとエマの疑問にリィンは決意の表情で頷いた。
「ああ、ぜひ実戦で切れ味を確かめてみてくれ。今後、”太刀”を製作する上で実戦データが欲しいからね。」
「第四機甲師団や鉄道憲兵隊もそろそろ動き始めるみたい。作戦を開始するときはわたしに声をかけてね。」
「リウイ陛下にも宣言したし、今回はあたしも同行させてもらうわ。念の為、出発前にもう一度装備を確認しておきなさい。」
「ええ、了解しました……!」
その後リィンは作戦に参加するメンバーにユーシスとサラ教官以外にエリス、エリオット、ミリアム、フィー、ゲルドを選び、準備を整えた後トワに話しかけて作戦を開始した。
「――総員、作戦準備を開始してください!状況開始まで、所定の地点にカレイジャスを待機させます!」
「地上を警戒しつつ潜伏ポイントへ向かうぞ!」
「クロイツェン州方面への針路を確保―――巡洋艦カレイジャス、フルスロットルで発進する!」
「ごーごーごー!」
そしてカレイジャスはバリアハート方面へと向かい、作戦開始まで潜伏を開始した!
一方その頃、クロスベルの”結界”を解除する為にクロスベルの遺跡――――”星見の塔”を探索し、時折道を阻む”鉄機隊”との戦いに勝利しながら進んでいたロイド達は屋上の手前まで到着した。
~クロスベル・星見の塔~
「くっ、まさかここまで辿り着くとは……まったく二人とも何をしていたのかしら!」
声を聞いたロイド達が驚いて周囲を見回したその時、デュバリィが姿を現した!
「―――鉄機隊が隊士、”神速”のデュバリィです。アイネスとエンネアを退けたのは見事ですが……アリアンロード様の所にはこれ以上、一歩も近づけません!いざ―――尋常に勝負ですっ!」
デュバリィの様子にロイド達は冷や汗をかいた。
「えっと……」
「うーん、話が早くて済むのは助かると言えば助かるけど。」
「他の”結社”の連中とは色々な意味で違う娘ね~。」
「カ、カーリアン様。本人に失礼ですよ。」
ロイドは答えに困り、ワジは疲れた表情をし、苦笑するカーリアンの言葉を聞いたエリゼは苦笑しながら指摘した。
「な、なんですの?その微妙そうな表情は!?」
「いえ、筆頭というのでどんな方かと思ったのですが……」
「意外と可愛らしいっつーか、微笑ましいっつーか。」
「フフ……あえて言うなら真っ直ぐな性格をしているわね。」
デュバリィの問いかけに対し、ティオは疲れた表情をし、ランディとロカは微笑ましそうにデュバリィを見つめた。
「可愛らしい!?何という屈辱……!って、げえっ!?な、ななななななな、何で貴女達が”特務支援課”と共にいるんですの!?”守護の剣聖”エリゼ・シュバルツァーに”戦妃”カーリアン!!」
「アハハ……カーリアンさんはともかく、エリゼさんも”結社”からも警戒されている存在のようですね。」
「さすがあのリフィアのお目付け役をしているだけはあるわね♪」
「恐縮です。」
エリゼとカーリアンに気付いて狼狽している様子のデュバリィを見たリーシャは苦笑し、カーリアンにウインクをされたエリゼは静かな表情で答えた。
「クッ……!例え貴女達がいても、絶対にここは通しませんわっ!!」
一方デュバリィは唇を噛みしめた後大型の人形兵器達を召喚した後闘気を全身に纏った!
「これは……!」
「なんて闘気……!」
「あの二人を纏める”筆頭”としての力がある証拠ね……!」
デュバリィがさらけ出す闘気を見たロイドやエリィ、ロカは表情を引き締めて仲間達と共に武器を構えた!
「かの”剣帝”に迫ると称されし、神速の剣――――とくと味わいやがれですわっ!」
「来るぞ……!」
「全力で行きます!」
「あの娘は私とエリゼ、ロカで相手するわ!貴方達は先に雑魚を片付けておきなさい!」
「わかりました!お願いします!」
そしてカーリアン、エリゼ、ロカはデュバリィとの戦闘を開始し、ロイド達は人形兵器達との戦闘を開始した!
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