英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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外伝~神速の災難~前篇
~星見の塔~
「ドライブ開始……!」
「アークス駆動……!」
戦闘開始早々ティオとエリィはそれぞれリウイ達から貰ったメンフィル帝国が開発した改良版の”ARCUS”の駆動を開始し
「リーシャ!俺達は右の人形兵器を相手にするぞ!ランディとワジは左の人形兵器だ!」
「はい!」
「おうっ!」
「了解。」
ロイドはリーシャと、ランディはワジと戦術リンクを結んでそれぞれが相手する人形兵器へと向かって行った!
「――――」
人形兵器は自分に向かってきたロイドとリーシャに武器を振り下ろして攻撃したが
「っと!」
「遅いッ!」
二人はそれぞれ左右に散開して攻撃を回避した。
「ハァァァァ……そこだっ!!」
「!?」
敵は電撃を流し込んだトンファーの一撃――――スタンブレイクを受けて怯み
「リーシャ!」
「はい、ロイドさん!セイッ!!」
その隙を逃さずロイドと戦術リンクをを結んでいるリーシャが追撃をしてダメージを叩き込んだ。
「――――」
するとその時敵がリーシャ目掛けて武器を振り下ろしたが
「させるかっ!!クッ……!?」
リーシャと戦術リンクを結んでいるロイドがリーシャの前に出てトンファーで敵の攻撃を受け止めた。
「援護するわ、ロイド!ヤアッ!!」
するとその時ロイドのARCUSとの戦術リンクを結んだエリィがリンクアビリティ―――『ライブリーエール』を発動してロイドの傷と闘気を回復し
「スパークダイン!!」
「爆雷符!!」
続けて駆動を終えたオーブメントを発動してアーツで爆裂する符を投擲するリーシャと同時に敵を攻撃し、同時攻撃を受けた事によって怯んでいる間にロイドは敵から距離を取った。
「さあ、行くわよ!絶対に逃がさない!!」
「!?」
アーツを放ち終えたエリィはライフルによる3連射撃―――ペネトレイターで敵にダメージを与え
「砕け散れっ!!」
リーシャは斬魔刀を投擲し、ブーメランのように戻って来させるクラフト―――崩月輪で追撃した。
「――――」
「!!」
その時敵はエリィに標的を変えてエリィに向かって行ったが
「させるか!うおおおおおおおっ……ハアッ!!」
ロイドがクラフト―――レイジングスピンで敵を引き寄せて攻撃すると共に標的を自分に引きつけた。
「下がって、ロイド!」
「!!」
そしてエリィの警告を聞いたロイドが後ろに跳躍して敵から距離を取ったその時
「ディバイン――――バスターッ!!」
銃口に光の魔力のエネルギーを溜め込んだエリィが極太のレーザーを敵に叩き込んだ!
「止めだ!リーシャ、行けるかっ!」
「はい、勿論です!」
その時互いの手を握りしめるとと共にそれぞれの全身から闘気を解放したロイドとリーシャは竜の顔を形どった闘気を纏いながら同時に敵に突撃した!
「「比翼――――双竜撃!!」」
「―――――!!??」
ロイドとリーシャによる協力技を受けた敵は全身から小規模な爆発を起こしながら消滅した!
「そーらよっ!!」
自分達が相手する人形兵器へと向かったランディはスタングレネードを投擲して強い光を炸裂させて敵を怯ませようとしたが、敵は怯まず一気に突撃して二人に武器を振るった!
「チッ、やっぱり効かねぇか!」
「さすがは”結社”の人形兵器と言った所かな?オォォォ……セイッ!!」
「!?」
ランディと共に敵の攻撃を回避したワジはクラフト―――ブロードアックスを叩きつけ、機体に強い衝撃を感じた敵を怯ませた!
「そこだっ!!」
敵が怯むとワジと戦術リンクを結んでいるランディがリンクアビリティ――――『渾身の一撃』による強烈な追撃を叩き込んだ!
「行きます……!」
「援護するよ!!」
「ハイドロカノン!!」
するとその時オーブメントの駆動を終えたティオと戦術リンクを結んだワジがリンクアビリティ―――『ブーストアーツ』を発動してティオが放ったアーツの威力を高め、威力が高められたアーツを受けた敵は巨体でありながら吹っ飛ばされた!
「ヒュ~。”戦術リンク”だったか?”英雄王”達から貰って説明を受けた時は半信半疑だったが、相変わらず滅茶苦茶役に立つな、この機能は!」
「しかも”Ⅶ組”だっけ?彼らの持っているのと違って、エニグマⅡのクオーツが使えるから大助かりだね。エプスタイン財団もちょっとは見習うべきじゃないかい?毎回互換性の違う戦術オーブメントを出しているんだから、クオーツを揃えるこっちの身にもなって開発して欲しいよ。」
ランディと共にARCUSの機能―――”戦術リンク”に感心したワジは意味ありげな表情でティオに視線を向け
「……畑違いのわたしに言わないで下さい。というかレンさんやウィルさんくらいのチート能力がなければ、互換性がある新型戦術オーブメントを作るのなんて難しいですし、”ARCUS”で使えるアーツを使えず、”ENIGMA(エニグマ)Ⅱ”のアーツが使える状態で機能が追加されたようなものですから、”ARCUS”と呼ぶより”ENIGMA(エニグマ)Ⅲ”と呼ぶべきですよ、この戦術オーブメントは。―――それよりも来ますよ。」
ティオは疲れた表情で答えた後再び自分達に向かって突撃する敵を見て表情を引き締めた後魔導杖を銃へと変形させ、ランディとワジもそれぞれ攻撃の構えをした。
「ハァァァァ…そこだっ!!」
「フフッ、これはどうかな?」
ランディは竜の姿をした炎の闘気を放つクラフト―――サラマンダーを、ワジはクラフト―――トリニティカードを放って突進して来る敵にダメージを与え
「デミガンナー起動……アブソリュートゼロ!!」
ティオは銃口から絶対零度の弾丸を放った。すると敵に命中した弾丸は敵の全身を氷漬けにして動きを封じ込めたが、すぐに全身に凍結した氷をエネルギーを解放して打ち破り、ティオ達に向かって突進した!
「ならばこれはどうですか?ハァァァァァ……!!」
「!?」
ティオ達に突進した敵だったがティオのクラフト―――邪眼によって動きが封じ込められた。
「突っ込むぞ、ワジ!」
「オーケー、ランディ!」
するとその瞬間全身に闘気を纏ったランディとワジが敵に向かって突撃した!
「「ラスト――――リベリオン!!」」
「――――――!!!??」
二人が敵の背後へと駆け抜けると無数の斬撃が敵に叩きこまれ、協力技を受けた敵は全身から小規模な爆発を起こしながら消滅した!
「コォォォォ…………ハアッ!!」
デュバリィとの戦闘を開始したエリゼはクラフト―――――麒麟功で自身の能力を上昇させ
「見切れるかしら――――五段斬り!!」
カーリアンはデュバリィに詰め寄って双剣を次々と振るって斬撃を放った!
「舐めるなですわっ!!」
カーリアンが放った斬撃に対しデュバリィは大剣を振るい、盾を使ってカーリアンの連続攻撃を防ぎ
「狙いは外さない!―――壊山槍!!」
「轟炎剣ッ!!」
闘気を纏ったロカの強烈な一撃に対し、大剣に炎の闘気を纏わせて振るって相殺した!
「二の型――――洸破斬!!」
「クッ!?よくもやりましたわね!?残影剣!!」
エリゼの高速の抜刀による衝撃波を受けたデュバリィは神速の速さでエリゼに詰め寄って斬撃を叩き込み
「キャッ……!?」
デュバリィの攻撃を見切れなかったエリゼはダメージを受けた。
「マーズテリアよ、御慈悲を―――癒しの息吹!!」
その時ロカが治癒魔術でエリゼの傷を回復し
「ありがとうございます!反撃です!二の型―――大雪斬!!」
傷が回復したエリゼは跳躍してデュバリィ目掛けて静かなる闘気を纏った太刀を叩きつけた!
「甘いですわっ!」
エリゼの攻撃を回避した後エリゼに反撃しようとしたデュバリィだったが
「私の事を忘れては困るわね♪それぇっ!!」
「キャアッ!?」
カーリアンが双剣を振るって無数の斬撃を敵に叩きこむクラフト―――乱舞をその身に受けて怯んだ。
「そこっ!!」
「キャアアアアアアッ!?」
更にカーリアンと戦術リンクを結んでいたロカがデュバリィが怯んだ隙を逃さず魔導鎧から集中砲撃を行うクラフト―――魔導重砲撃で追撃し
「秘技―――八葉滅殺。ヤァァァァァァ……!」
ロカによる砲撃が終わると間髪いれずにエリゼが滅多斬りをデュバリィに放ち
「クッ……!?」
エリゼの滅多斬りに対し、デュバリィは必死に防いでいた。
「止めっ!」
「隙ありですわっ!!」
「キャッ!?」
そして跳躍して最後の一撃をエリゼが叩きつけようとしたその時デュバリィは大剣を振るってエリゼを吹っ飛ばしたがエリゼは空中で受け身を取って着地した。
「クッ……!さすがに手強いですわね………!ならば!―――ハッ!!」
エリゼ達の強さに唇を噛みしめたデュバリィは自らの分け身を作ってエリゼ達へと向かい
「ロカは片方を!エリゼは私ともう一人を相手するわよ!」
「わかったわ!」
「はい!」
対するカーリアンはエリゼと戦術リンクを結んで片方のデュバリィへと向かい、ロカはもう片方のデュバリィへと向かった。
「一対一でこの私に勝てると思うなんて、無謀にも程がありますわよ!」
「………………」
分け身達と共に自分を包囲したデュバリィに対し、ロカは静かな表情で槍を構えていた。
「斬!!」
そしてデュバリィが分身と共に斬りかかるクラフト―――幻影剣でロカに襲い掛かったその時
「セイッ!!」
「キャアッ!?」
ロカはクラフト―――豪薙ぎ払いで分身たちを消滅させると共にデュバリィの大剣に強烈な一撃を入れてデュバリィを怯ませ
「行くわよ――――空裂槍連撃!!」
貫けぬものは無いと謳われる槍撃の最高峰―――空裂槍連撃による怒涛の突きを放った!
「なっ……!?グッ!?こ、この私が見切れない程の速さを出すなんて……!?」
ロカが繰り出す怒涛の攻撃に次々と傷ついて行ったデュバリィは信じられない表情をし
「全てを貫く!――――壊山槍!!」
ロカは槍に膨大な闘気を纏わせた鋭い突きを放った!
「クッ……!?」
ロカが繰り出した突きに対して盾を構えて防御しようとしたデュバリィだったが何と盾は繰り出された槍によって粉々に破壊されると共に盾を持っていた腕を貫いた!
「キャアッ!?……ッ……!」
槍に腕を貫かれたデュバリィはロカから距離を取ったが
「逃がさない!行きなさいっ!!」
「キャアアアアアッ!?」
ロカが魔導鎧から放った怒涛の連続砲撃―――魔導全弾砲撃によって逃げ場をなくし、ダメージを受けて怯んだ。
「マーズテリアよ、裁きを!―――天界光 !!」
「アアアアアアアア―――――ッ!?」
そしてその隙を狙ったロカは最高位魔術を発動し、デュバリィに大ダメージを与えた!
「グッ!?ハア……ハア……あ、ありえませんわ……!?何なんです、貴女は!?」
息を切らせながら剣を支えにしているデュバリィはロカを睨み
「―――”神殺し”を含めた全ての種族達との共存を目指す我が主神”軍神”より神核を承りし神官戦士――――ロカ・ルースコート。それが今の私よ。マーズテリアよ、償いの道を今ここに!」
ロカは静かな表情で答えた後槍を天へと掲げてその場で強く祈り始めた。すると槍の切っ先に凄まじい光の魔力が集束し始めた!
「なっ!?そ、その構えは……!あ、ありえませんわ!?何故……何故アリアンロード様の必殺の魔術を貴女が使えるんですの!?」
見覚えのある構えや動作を見たデュバリィが狼狽したその時!
「裁きを受けよ!―――エクスピアシオン!!」
ロカは槍から巨大な光の道を放った!
「キャアアアアアア―――――――ッ!?あ、ありえませんわ…………」
ロカが放ったSクラフトによって発生した巨大な光の道に貫かれたデュバリィは地面に膝をつくと同時に消滅した!
「……どうやら分け身の方だったみたいね。」
それを見たロカは静かな表情で呟いて武器を収めた。
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