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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~黒兎との契約~

~ユミル郊外・墓地~



「……終わったか。大丈夫か?」

敵の消滅を確認し、元の姿に戻ったリィンはアルティナに視線を向け

「……はい。加勢、感謝します。」

「――――――」

アルティナは静かな表情で答え、アルティナに続くようにクラウ=ソラスも機械音を出した。



「えっと……アルティナ、だったか。何で生きているんだ?アリサ達から君はリフィア殿下によって討ち取られたと聞いているけど……」

「私の生存の問いかけに対する答えは”否”です。私は”生きていません”。」

「え…………」

アルティナの答えを聞いたリィンが呆けたその時

「そ、その……リィン様……そちらの方と傀儡は信じ難いと思いますがそれぞれから”死者”の気配がしますから、目の前の方と傀儡は”死者”―――つまり”幽霊”です。」

「―――その答えに肯定します。」

言い辛そうな表情をしたメサイアが答え、メサイアに続くようにアルティナも答えた。



「えええええええええええええええっ!?というか何で人形まで幽霊になるんだ!?」

「…………クラウ=ソラスは私と”繋がって”いますから、私が幽霊となった際に”クラウ=ソラス”も私の”一部”と判断されたのかもしれません。」

「―――――」

驚いているリィンの言葉を聞いたアルティナは淡々と答えた後、敵が消えた場所に残っている魂に気付いた。



「…………この感覚は………食欲………?」

魂に気付いたアルティナは吸い寄せられるように魂に近づいて魂を握りしめて無造作で自分の身体に押し付け

「!?いけません!無暗に取りこんでしまえば――――」

それに気付いたメサイアは血相を変えて警告したが、時すでに遅くアルティナは魂を自分の身体へと取り込んだ。

「う……あ……くぅ……っ!?」

するとアルティナの胸の部分が服を着ていてもわかる程突如豊満な胸に膨れ上がると共に、アルティナはその場で蹲って苦しみ始めた!



「お、おい!?どうしたんだ!?どこか苦しいのか!?メサイア!何か知っているのか!?」

突如苦しみだしたアルティナにかけよってリィンはアルティナの身を心配した後、アルティナに警告したメサイアに尋ねた。

「……恐らく先程倒した亡霊――――”凌恋の霊姫”の魂に秘められる膨大な魔力を取りこんでしまった影響でその方の魂の中で魔力が暴走しているのだと思います。」

「……暴走した結果どうなるんだ?」

「―――暴走した結果魂の中で魔力爆発による破裂が起こって彼女は”死”に到り……いえ、この場合は魂の消滅ですから、転生すらできず、この場で言葉通り”消滅”してしまいます。」

「なっ!?何とか治す方法はないのか!?」

メサイアの答えを聞いたリィンは血相を変えて尋ねた。



「え、えっと……方法はあるにはあるのですが……しかもリィン様でもできる方法でして……」

(なるほどね♪――――結界展開完了っと♪)

(ふふふ、確かにご主人様でも可能ですね。)

(”性魔術”で彼女の魔力を奪い取れば、彼女は苦しみから解放されるわね。)

メサイアが答えを濁している中、ベルフェゴールは結界を展開し、リザイラは静かな笑みを浮かべ、アイドスは微笑んだ。



「う……あ……くるしい……だれ……か…………たす…………」

「どんな方法だ!?頼む、教えてくれ……!」

苦しんでいるアルティナが見ていられないリィンはメサイアは真剣な表情で見つめて尋ねたが

「”性魔術”です。」

「………………え”。」

メサイアが答えると石化したかのように固まった。



「”性魔術”でそちらの方の魔力をリィン様が奪い取れば暴走も収まり、そちらの方も苦しみから解放されます。リィン様は私達と何度も”性魔術”をしている影響でリィン様の身体に膨大な魔力も受け取れる”器”はできていますし、膨大な魔力を奪い取っても問題はないどころか、むしろリィン様の”糧”になるからリィン様も大丈夫です。」

「………………本当にそれしか方法はないのか?」

メサイアの答えを聞いたリィンは表情を引き攣らせて尋ね

「はい……残念ながら。というか状況を察したベルフェゴール様が気を効かせたのか、既に結界を展開していますけど…………」

「………………あ。」

苦笑するメサイアの答えを聞いて周囲に結界が展開されている事に気付いたリィンは呆けた声を出した。



「そ、その……私が見ていたらやりにくいでしょうから、私は失礼しますね。」

そしてメサイアは苦笑しながらリィンの身体に戻り

「……………………ごめんな…………後で恨むだけ恨んでいいからな…………」

リィンはアルティナを見つめて申し訳なさそうな表情をしてアルティナに近づくと、クラウ=ソラスが立ちはだかった。



「……頼む。彼女を……アルティナを助けたいんだ。そこを通してくれ。」

「―――――」

決意の表情をしたリィンの目を見たクラウ=ソラスはその場から消え、アルティナの傍に来たリィンはアルティナに性魔術を施そうとした。

(ご主人様、私達とやっているいつものやり方で魔力を吸い上げていたら、その娘の魂がもたないから、私がやり方を教えるわ。)

「……わかった。頼む。)

そしてベルフェゴールの念話を聞き、ベルフェゴールの指示通りに性魔術をアルティナに施した後、そのまま流されるかのように何度もアルティナを抱いて無意識でアルティナと”契約”した!


「………………………一応、感謝します。助けて頂き、ありがとうございました。」

”行為”を終えた後リィンに脱がされた服を着直したアルティナはジト目でリィンを見つめた後静かな表情で答え

「そ、その……―――すまない!助ける為とはいえ、あんな方法を取るなんて……!」

リィンはアルティナを見つめて頭を深く下げた。



「いえ……私の過失でああなってしまったのですから仕方ないですし、途中からは私自身も求めてしまいましたから私にも非があります。…………ただ、治療方法が”あんな不埒な方法”だとは思いませんでしたが。」

「う”…………」

アルティナに責められるかのようにジッと見つめられたリィンは唸り声を上げたが

「……どうして、私を助けたのですか?」

「え?」

自分から視線を逸らして複雑そうな表情で呟いたアルティナの言葉を聞いて不思議そうな表情をした。



「私は貴方の妹達を誘拐し、その後も直接貴方達と戦い、敵対関係でありました。それなのに何故私を……」

「…………ふぅ………君の事情は知らないが……君自身の意志で攫ったんじゃないのはさすがにわかっている。それにアルフィン皇女殿下は取り返したし、エリスはメンフィル軍が救出してくれたし、君も”裁き”を受けた。正直、命じられただけの君が”処刑”されたのは間違っていると今でも思っている。」

「………………」

リィンの答えを聞いたアルティナが黙ってリィンを見つめたその時、リィンはアルティナの頭を優しく撫でた。



「…………ぁ……………」

頭を撫でられたアルティナは呆けた表情をし、顔には出さなかったが心の中では嬉しさを感じていた。

「ごめんな………俺がその場にいたら処刑なんて絶対にさせなかったのに……」

「……………いえ…………もう終わった事ですから。それよりも……――――これからよろしくお願いします、”マスター”。」

「……へ……”マスター”ってどういう意味だ………?」

アルティナが呟いた言葉を聞き、アルティナの自分に対する名称からある事を推測した瞬間猛烈に嫌な予感がしたリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながら尋ねた。



「言葉通りの意味です。マスターが私に何度も不埒な行為をした際に、私とマスターの魔力が”繋がり”、主従契約が結ばれました。つまり私は貴方の”使い魔”です。」

「……………………」

ジト目で自分を見つめながら言ったアルティナの言葉を聞いたリィンは石化したかのように固まり

「今後は命令があれば、クラウ=ソラスと共にマスターの助力となりますので、よろしくお願いします。それと私は貴方の”使い魔”ですので、マスターが望むのでしたら…………その…………先程のような不埒な行為も致します…………―――マスターの女性の好みの傾向を考えると胸が大きい女性が好みと思われますので、先程の敵―――”凌恋の霊姫”を取り込み、クラスが”凌恋の霊姫”になった影響で急成長したこの胸なら、マスターを満足させる事もできると思います。」

静かな表情でリィンを見つめていたアルティナは一瞬頬を赤らめてリィンから視線を逸らしたがすぐに表情を戻して静かな表情でリィンを見つめて淡々と言った。



「ちょっ!?誤解だぞ、それは!?」

我に返ったリィンは慌てた様子で自分は身体的特徴で女性を選んだ覚えはない為反論したが

「マスターと”契約”している異種族達全員胸が平均以上に大きく、またマスターと恋愛関係の間柄であるアリサ・ラインフォルト並びにセレーネ・アルフヘイム・ルクセンベールの胸も士官学院生の女子生徒達の平均的な胸の大きさより明らかに大きいと記憶していますし、先程の不埒な行為の際も私の胸を執拗に攻めていた記憶もあるのですが?」

「う”……」

ジト目で自分を見つめるアルティナの正論とも言える指摘を聞き、黙り込んだ。

「では私はマスターの身体の中で待機していますので、御用があればお呼びください。―――失礼します。」

そしてアルティナはリィンの身体に戻り

(うふふ、よろしくね、新人さん♪)

(ア、アハハ……色々ありましたが、これからは仲間同士なのですから仲良くしましょうね。)

(よろしくお願いします。)

リィンの身体の中にいるベルフェゴールとメサイアはアルティナを暖かく迎え入れたが

(ふふふ、久しいですね。このような状況になって、私から受けた屈辱をどのようにして返すおつもりなのですか?)

(!!??リ、リザイラ……)

同じくリィンの身体の中にいるリザイラの念話を受けるとアルティナはかつて自分にとてつもない悪夢を見せられた過去を思い出し、表情を青褪めさせて身体を震わせた。



(私達の同胞となったのですから昔の事は水に流して、貴女より先にご主人様に仕えている身として色々と”教育”をして差し上げますので、ご安心ください。ふふふ…………)

(………………………)

リザイラの念話を聞いたアルティナは石化したかのように固まり

(うふふ、どんな”教育”をするのかしらね♪)

(あ、あの、リザイラ様。アルティナさんはもう味方なのですから、あまり酷い事はしないであげてくださいね?)

(フフ……ゲルドの言う通り、新たな”絆”を結んだわね……)

念話を聞いていたベルフェゴールはからかいの表情になり、メサイアは冷や汗をかいて苦笑し、アイドスは微笑みながらゲルドの予言を思い返した。

「ど、どうすればいいんだ……!?こんな事、エリス達に知られたら……!け、けど黙っていてもいつか解かってしまうし……」

そして一人墓地に残されたリィンは表情を青褪めさせ、身体を震わせながら今後の対応に悩み始めた。 
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