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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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第二部 紅き翼~目覚める獅子たち~ 外伝~黒兎との再会~

帝国東部を回って活動していたリィンは途中ユミルに立ち寄り、仲間達が情報収集や依頼の達成、休憩等を手分けしてやっている中、一人墓地に訪れていた。



~ユミル郊外・墓地~



(………ここに、俺がパンダグリュエルに向かった後にリウイ陛下達によって葬られた貴族連合の裏の”協力者”達が埋葬されているんだったな……)

墓地に到着したリィンは静かな表情で周囲を見回し

(そう言えば……ゲルドの予言もここを示していたよな?)

ゲルドのある言葉を思い返した。



雪山の墓地で新たな”絆”を結ぶ事になるわ。



「(あれは一体どういう意味だ……?)――――!この気配は……!?」

考え込んでいたリィンはある気配に気付いて警戒の表情をし

(―――死者の気配ね。気をつけてリィン、一体は相当の力の持ち主よ。)

神剣の中にいるアイドスは念話でリィンに忠告した。



「ああ……!一体何故ユミルの墓地に亡霊が……!?――――え。」

アイドスの忠告に頷いたリィンが周囲を見回していると”この世にいないはずの人物と物体”が”憑魅霊”の最上位種にして亡霊の中でも王族種である亡霊――――”凌恋の霊姫”と対峙していた!



「フフ、いい加減に諦めて私に取りこまれたら?その傀儡も取り込んだ私が有効活用してあげる……」

「―――無駄です。”クラウ=ソラス”は私の魂の一部。私を取りこんではクラウ=ソラスも消滅しますし、そもそもクラウ=ソラスは私の指示以外は聞きません。」

「―――――!」

凌恋の霊姫と対峙している人物と物体――――アルティナの言葉に応えるかのようにクラウ=ソラスは目を光らせて機械音を出した!

「あれは……アルティナにクラウ=ソラス!?どうしてあの二人が……クッ、とにかく助けないと不味そうだな……!」

アルティナ達を見たリィンは信じられない表情をしたが今にも戦闘が始まりそうな雰囲気に気付き、アルティナ達の許へと向かった。



「そう……じゃあ、弱らせてから貴女達の魂を取りこんであげるわ―――!」

「……!クラウ=ソラス、迎撃開始!」

「―――!」

そしてアルティナ達が戦闘を開始しようとしたその時

「二の型――――大雪斬!!」

「!?」

跳躍したリィンが自分が”敵”と判断した凌恋の霊姫目掛けて神剣を振り下ろしたが、攻撃に気付いた敵は後ろへと下がって回避した。



「貴方は……”灰の騎神”の操縦者、リィン・シュバルツァー。まさか”パンダグリュエル”から脱出するとは……何故貴方がここに?」

「―――今はそんな事はどうでもいい。加勢させてもらう。神気―――合一!!」

目を丸くして自分を見つめるアルティナの言葉に静かな表情で答えた後”力”を解放した!



「………理解できません。貴方と私は敵対関係だったはずです。何故敵である私の加勢を?」

リィンの言葉を聞いたアルティナは戸惑いの表情で尋ねたが

「フフ……美味しそうな人間ね…………二人纏めて食べてあげるわ……!」

「来るぞ!――――頼む、メサイア!!」

「………!クラウ=ソラス、今はリィン・シュバルツァー達と一時休戦し、彼らと共に目の前の障害の排除を開始します。」

「――――!」

敵の行動を見てすぐに表情を引き締め、リィンやリィンが召喚したメサイアと共に戦闘を開始した!



「ブリューナク、照射。アークス、駆動…………」

「――――!」

オーブメントを駆動させたアルティナの指示により、クラウ=ソラスはビームを敵に放ったが

「無駄よ。」

敵は片手で簡易結界を展開して防御した。



「ハァァァァ……滅―――弧影斬!!」

「ッ!?結界が……それにこの”神気”……まさか……”神剣”!?」

リィンが放った斬撃波を結界で防御した敵だったが結界が破壊された事に驚いた後リィンが持つ神剣に気付いて目を見開き

「浄化しなさい!―――煌めけ、昇閃!!」

「クッ……!」

メサイアの聖剣による聖なる力が込められた魔法剣技を受けるのはまずいと判断し、側面へと転移して回避した。



「――グランドブレス!!」

するとその時駆動を終えたアルティナは発動し、アーツによって発生した大地の衝撃波が敵を襲ったが

「フフ…………無駄よ。レイ=ルーン。」

地属性に強い耐性を持つ霊体である敵にはほとんど効かず、敵は片手から魔力による無属性のレーザーをアルティナに目掛けて放った!

「させるかっ!―――滅・洸破斬!!」

しかしリィンが側面から神速の抜刀による衝撃波を放ってアルティナに襲い掛かるレーザーを切り裂き

「エニグマ駆動――――ダークマター!!」

リィン達が戦っている間にオーブメントの駆動を終えたメサイアはアーツを発動した。

「アアアアアアアッ!?」

弱点属性である空属性によるアーツによって発生した重力場によって動きを封じられると共にダメージを受けた敵は悲鳴を上げ

「メーザーアーム―――斬!!」

「――――!」

その隙を狙ったアルティナがクラウ=ソラスと共に敵に近づいてクラウ=ソラスに乱舞攻撃をさせた。



「アアッ!?よくもやってくれたわね……お返しよ。」

クラウ=ソラスの攻撃をその身に受けた敵だったがアルティナとクラウ=ソラスに目掛けて片手から魔力による衝撃波を放ち

「あうっ!?」

「―――――」

衝撃波をその身に受けたアルティナは吹っ飛ばされたが素早く自分の背後に回ったクラウ=ソラスに受け止められた。



「縛ッ!!」

その時リィンはクラフト―――魔眼を発動した。

「!?これは……フフ、だけどこんな拘束すぐに――――」

魔眼によって身体の動きを封じられた敵だったが膨大な魔力を解放して魔眼による束縛を解こうとした。するとその時詠唱を終えたメサイアが魔術を発動した。

「浄化の光よ、哀れなる魂に救いを!―――――純聖光!!」

「アアアアアアアアアアア―――――ッ!?」

メサイアが発動した魔術によって自分の足元から発生した光の柱をその身に受けて悲鳴を上げた。

「クラウ=ソラス、トランスフォームモード!」

「――――!」

「よいしょっ!」

それを見たアルティナが好機と判断したのか、クラウ=ソラスを巨大な剣に変形させてクラウ=ソラスに乗り、敵の周囲を廻るように移動しながら敵の上空へと移動した。

「これで―――終わりです!ラグナブリンガー!!」

そしてアルティナがクラウ=ソラスから跳躍したその瞬間、クラウ=ソラスは敵に突撃した!

「カハッ!?そ、そんな…………こ、この……わ、私が……消え………………」

クラウ=ソラスによる強烈な一撃をまともに受けた敵は信じられない表情で身体を消滅させ、その場には敵の魂だけが残った。 
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