ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
20:食事は皆で楽しく食べると美味しい。料理にも依るけど……
(メルキド)
ケッパーSIDE
この町に新しく美女が仲間に加わったのだが、頗る雰囲気が悪い。
ロロンドさんとロッシさんの激化した対立に加え、紅一点だったピリンさんの対抗馬が現れた事に他ならない。
いや、チェリコさんが新住人となる事に、ピリンさんは動揺してる訳では無い。
問題はリュカさんの行動だ。
今までピリンさん一筋だったのに、新しい女性と出会った途端、人目も憚らず口説き倒し剰え男女の関係に一夜にして成り果てたからだ。
ピリンさんは懸命に平常心を貫こうとし、チェリコさんへの接し方も何時も通りを装ってる。
しかし彼女に対する笑顔は引き攣っており、無理してる事を隠しきれない。
それが解るチェリコさんは、ピリンさんに『私と彼の関係は大人な物よ』と言ってる。
しかし大人な関係が何なのか解らないから、ピリンさんの動揺は収まらない。
そんな雰囲気が極めて悪くなってる町に、雰囲気を悪くさせた元凶が戻ってきた。
ロロンドさんとロッシさんだけで手一杯なので、女性陣とのゴタゴタを解決させてもらうべく、私は帰ってきたばかりのリュカさんに近付く。
するとリュカさんの肩にはスライムが1匹乗っていた!
驚いた私は慌てて剣を抜き身構える。
それを見たリュカさんは「何だお前……やろうってのか?」と流れる様な動作で、私に剣先を向けてきた。
「ち、違います! か、肩に……リュカさんの肩にモンスターが!!」
「スラタンの事か?」
モンスター出現への驚き以上に、リュカさんからの強大な威圧感で震えながら状況を訴えるが、当のリュカさんはスライムを“スラタン”と呼び、緊迫感を感じさせない。
「ねぇリュカ……やっぱりぼくは、ここにいちゃダメなんだよ」
「良いんだよスラタンは僕の友達なんだから!」
私の構えた剣を勢いよく地面に叩き落とすと、自らも剣を納めてスライムと優しい声で会話するリュカさん。
「集団で生活する以上、嫌いな奴や気に入らない奴・気の合わない奴などは必ず存在する。例えその存在を排除していって好きな連中とだけ生活しても、その好きな連中の中から嫌な部分が浮き出てきて排除せざるを得なくなる。そんな生き方していけば、何れは独りぼっちの人生だ。だから集団生活では、好きな人嫌いな人を全部ひっくるめて付き合わなければならない」
まるで全員に言い聞かせる様な台詞を肩に乗るスライムに言い、リュカさんはピリンさんとチェリコさんを呼び寄せる。
「僕の友達のスラタン。彼は悪いスライムで、人間が大好きなんだって。だから他のスライムから苛められるし、この町で暮らす事になった。宜しくね」
「ぼくスラタン。よろしくね」
肩のスライムもリュカさんに続いて挨拶をする。
しかし女性二人の関係が微妙なので、如何なることやら。因みにお二人の雰囲気が悪いのは、リュカさん……貴方の所為なのですよ。
「私ピリン。宜しくねスラタン!」
「私はチェリコよ。これから仲良くしましょうね」
可愛い動作で自己紹介したスライムは、瞬く間に美女二人との距離を詰める。
しかも先程まではギクシャクしてた間柄だったのに、急に大親友かと思える様な和気藹々ぶりを醸し出している。
た、確かに……敵意の無いスライムは可愛いけど、急に友達と言われても……
ケッパーSIDE END
(メルキド)
ショーターSIDE
リュカさんが“友達”と言い張るスライムを連れて女性陣二人と共に食堂へと入って行く。
女好きの男なので、スライムを使った妖しいプレイでもするのかと思い、4人(3人と1匹)が入っていった部屋を覗いてみる。
だが僕の期待は裏切られ、普通に料理をしているだけだった。
いや違うな……
普通に料理をしてるのはリュカさん・チェリコさんで、ピリンさんは何時もの劇物を作成しており、スラタンがそれを手伝っていた。
「ちょ、何してるのピリン!? 何で土で煮込むの!?」
「きゃぁ、凄い匂いがしてきたわよ! 一体何を入れてるのよ?」
スラタンというマスコットの登場で、リュカさんを巡る女性二人の修羅場は回避出来たけど、別の修羅場を繰り広げている。
「私の得意料理を披露しようと思ったの。スラタンも良い隠し味を教えてくれたし……」
「か、隠し味って……?」
「うん。さっき見つけたゴキブ「そんな物を入れないでよ!!」
僕と同じ様に食堂内が気になったケッパーさんと顔を見合わせ、思わず困惑してしいます。
ロロンドさんやロッシさんより、リュカさんの考えに付いていきたい僕等は、一緒に料理作りに参加するべきなのかもしれないけど、ピリンさんの奇抜さで尻込んでしまうから。
ショーターSIDE END
(メルキド)
リュカSIDE
料理してて、こんなに疲労したのは初めてだ。
取り敢えずピリンとスラタンには、隠し味禁止で下拵えだけさせて、料理自体は俺とチェリコで担当し、第一回メルキドお食事会を開催出来るとこまで辿り着いた。
この町は現在地味に雰囲気が悪い。
先日俺が大声を張り上げてしまったからだろうけど……
このままじゃ良い状態とは思えない。
だから以前から考えてた“皆で楽しくお食事会”を催そうと思い、女性陣と一緒にイチャイチャ料理をしたかったんだが、ピリンの料理センスがアレすぎてイチャイチャ出来なかった。
でもお食事会は開催する。
出来上がった料理を真新しいテーブルに並べ、人数分の椅子(スラタンは小さいので、椅子は不要)を用意し、皆を食堂へ呼び出す。
この状況下としては、かなり豪華な食事を用意出来、作り手としては満足している。
さぁ楽しく食事しよう。
ってな感じで食事会スタートしたんだけど、料理を作った者達(下拵え班も含む)以外の空気がピリピリしてて感じ悪い。
得意じゃないけど、ホストとして場の空気を和らげなきゃいけないと思う。
「みんな安心してくれ。ピリンは料理の手伝いしかしてない」
俺は拠点に居る事が少なかったからピリンの料理の腕前を知らなかったけど、他の皆は知ってたのだろう……ホッと息を吐く者も居た。
「私だって得意料理を皆に食べさせたかったのに!」
「そうだよね。ぼくだってピリンのために、た~くさん食材をあつめたのに」
うさまめバーガーを手に憤慨するピリンと、森のサラダを頬張りながら残念がるスラタン。
「あなた達は他者に料理を振る舞っちゃダメよ」
キノコ豆乳スープを飲みながらチェリコが冷静に二人を制すると、
「料理として捉えるからダメなのではないですか? いっその事、敵に投げつける武器として考えれば、あれほど効果的な物は無いと思うのですが」
と、ウサギステーキを口に運びながらケッパーが意外と面白い事を言ってくる。
うんうん。
良い感じで笑いも起きてきた。
ピリンには悪いけど、メルキドのテッパンネタとして語り継いでいこう。
「ふん。ピリンが作りたがってたのだから、止めずに作らせれば良かったではないか! 出来上がった物はロッシが食すであろうから……此奴ならば腹を下しても問題ないしな! あぁそうか、お前は危険だと思ったら逃げ出すんだったな」
「危険だと思ったらではない。モンスターが町へ押し寄せてきたら逃げるつもりでいたんだ! この町は貴様以外は皆が良い奴だから、出来れば逃げたくはないけど……」
ダメだ……この二人は如何しても喧嘩をしたいらしい。
「モンスターなら押し寄せてるではないか! ほれ……そこにも1匹、恐ろしいモンスターが!」
「スライム1匹に脅えるのは貴様だけだ! ご自慢の鋼の守りも効果無いからな」
自分の事を言われてるのは解るのだろう。スラタンが俯いて食べるのを止めてしまった。
「スラタン……気にする事は無いよ。人間もモンスターも互いの事を忌諱しているんだ。友好的な感情を持ってる者は少ないだろう。でも僕は、その少数派の方が好きだ。同じ世界で生きる者どうし、手と手を取り合い協力して生きる事の方がステキだと思う」
「う、うん……ありがとリュカ……」
本当はヒゲもロッシもぶん殴りたかったのだけど、それをすると今回の食事会の趣旨に反するので、懸命にスラタンを慰める。だけどスラタンは、この町の皆と仲良くなりたがってるから、嫌われてる(恐れられてる)と言う事に悲しみを隠せない。
どうするかなぁ……
アホ二人は放って置いてもいい気がするけど、スラタンには元気になって欲しいし、本当は話したくなかったんだけど、俺の前世の事を話すかな……
リュカSIDE END
後書き
DQHのホミロンも可愛いよね。
でも中の人は銀魂の神楽ちゃんなんだよね。
凄いね中の人。
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