ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
19:悪い子は居ねぇかぁ~?
(メルキド)
リュカSIDE
世界は俺を必要としている!
そう実感出来る戦いをしたね。
だってね……襲われてる美女を助ける事が出来たからぁ!
彼女の名前は“チェリコ”……
綺麗な金髪に、それを目立たせる褐色の肌。
ブラウンの切れ長な瞳で超美人。
そしてピリンよりも巨乳!
ポイント高いよね、コレ。
拠点の外で知り合ったけど、拠点内へと優しくエスコート。
拠点内へ入り、町を紹介してるフリをしながら懸命に口説く。
ヒゲが先程の話の続きを再開しようとしてきたが、ガチで蹴飛ばして黙らせる。今は忙しいのだ!
視界の隅にピリンの表情が見えた……
何か複雑そうな顔してた。
で、でもさ……別に夫婦じゃないしさ……恋人同士でもないしさ……俺、自由人じゃん!
だから一瞬だけ口説きが止まったけども、気持ちを直して続行。
するとチェリコは、冷静な目で拠点内を見渡して俺に言った。
「私は特別な力も無いし、知識も持ち合わせてないわ。でもね、空気だけは読める大人な女よ」
空気より俺の欲求を読み取って欲しいですなぁ。
「この町は出来て間もないみたいだけど、住人同士の空気がピリピリしてるわね」
「良いんだよ連中の事は……馬鹿だから喧嘩もするけど、利口だから何れは仲良くなるさ。そ・れ・よ・りぃ~」
俺はチェリコの腰をグイッと引きつけて、瞳を見詰めながら顔を近づける。
「あらあら、大胆な男なのね貴方。でも良いの? あちらの美女が困惑顔で見詰めてるわよ。一晩を共にした特別な関係なんでしょ?」
「ふっ……野暮は止せよ。空気を読める大人な女なら、大人の関係って奴も解るだろ? 僕が求めてるのはそれさ」
「うふふ……せっかちな男は嫌われるわよ」
そう言うとチェリコは俺の腕からスルリと逃げ、ピリンへと近付く。
皆と仲良くが基本のピリンは、最初こそ複雑な表情をしてたが、チェリコに話しかけられて笑顔で対応。
そのまま二人は衣装部屋へと入っていった。
まぁ焦る事は無い。
時間は十分にあるのだし、これからの楽しみと言う事で……
だから俺は建築するのさ……新たな住人のチェリコの部屋を!
一応各人への配慮として、ピリンの部屋とは離して建設。
先日手に入れたバスタブも有難く利用して完成。
不公平感が出ない様に、ピリンの部屋にもバスタブを設置しました。
これで何時でもどちらとでも、イチャイチャ洗いっこが出来るってモンよ!
そんなムフフな妄想をしていると、ケッパーとショーターが俺に近付いてきた。
何だろうか? 面倒事だったら嫌だなぁ……
「リュカさん、先程の戦闘で新たな旅の扉が手に入りましたよ」
そう言ってケッパーが持ってきてくれたのは、緑の大きな板。
名前は“旅の扉・緑”になるだろう。
これを拠点内へ設置すれば、町発展に必要な物事の場所へワープ移動できるようになる。
……はて? 次に町の発展に必要な物事とは何だろうか?
ヒゲにそれを確認するのは嫌だ。ロッシと口論になられるのも面倒だし、何よりも奴の態度が気に入らない。
「リュカさん。メルキドシールドを作るには、ドムドーラ地方に居る大きなストーンマンが持ってる“ゴーレム岩”と“オリハルコン”が必要です」
大きなストーンマンってのは、俺とテンプレート衝突をしたアイツか!
「ふ~ん……ストーンマンは出会した事があるから居場所は分かるけど、オリハルコンは何処にあるんだ?」
「多分、この旅の扉の先にあると思います」
ザックリとした希望的観測を述べるショーター……
そこに行くべき理由が見つからぬ……と言おうとしたんだけど、先程ヒゲのアホに『メルキドシールドを作ってやる!』と言ってしまったのを思い出す。
あー……作らなきゃダメなんだね。面倒だねぇ。
大きな溜息と共にケッパーの手から旅の扉・緑を受け取ると、他二つの旅の扉の近くに設置して、お出かけ準備を万端にする。
まぁ出かける準備と言っても、後は旅の扉に飛び込むだけなのだが、ショーターが慌てて話しかけてきたので、取り敢えずワープを中断する。
「リュカさん。オリハルコンは大変堅い金属だと言われております」
「はぁ……それが?」
「はい。僕の持ってる情報では“魔法の玉”なるアイテムがないと、土中から分離出来ず採取不可だと言われてます」
「……大金槌で叩いても無理って事?」
「はい。ですので、先に魔法の玉を作成しなければ、オリハルコンを入手する事は出来ません。そしてその魔法の玉は、オリハルコンが採取出来る地方に生息する“爆弾岩”から取得出来る“爆弾石”を入手しなければなりません」
ほぅ……爆弾岩ですか。
嫌な名前のモンスターですなぁ……
前世では、俺も何度か戦闘した事があるけども、早めに倒さないと自爆をするモンスターだったなぁ。
そうなると少しでも強力な武器があった方が良いだろう。
俺は慌てて“鋼の剣”を何本か作り、爆弾岩狩の準備を整える。
そうして気が付けば、また徹夜になりそうだった。
夜が明けるには、未だ2.3時間余裕がありそうなので、何時ものソファーで仮眠タイム。
……と思ったんだけど、ちょっとだけチェリコの部屋を覗いてみる事に。
すると彼女は俺の気配に気が付き目を覚ます。
そして沈黙のまま互いに見詰め合うと、沈黙のまま会話が終了する。
今日も徹夜確定です!
(オリハルコン鉱山地帯)
新顔として先輩等への……特に同姓への配慮で俺の誘いを初めはスルーし、皆が寝静まった夜中に気持ちを解禁する。
空気の読める大人な女は素晴らしい!
お陰で徹夜だけども、元気に爆弾岩狩ができるってモンよ!
因みに、砂漠地帯に切り立った周囲の岩山には初めて見る鉱物が豊富に存在する。
あれがオリハルコンかな?
試しに大金槌を振り下ろしてみた。
“キン!”と堅い金属音を響かせて、俺の攻撃を受け付けない。
如何やら本当にオリハルコンは、魔法の玉でしか採取出来ないらしい。
じゃぁ沢山欲しいし、爆弾岩を沢山狩らないとね。
さて、そんな訳で悪逆非道な乱獲者再来です。
キメラ・一角ウサギと乱獲してきましたが、爆弾岩を乱獲する日が来るなんて夢にも思いませんでした。まぁ最近は夢すら見れてないけどね。
ただ注意点が一つ……
目の前の獲物に気をとられてると、突然予期せぬ敵に遭遇する。
ドラゴンとかストーンマンとかね。
だから一心不乱には爆弾岩を乱獲しない。
周囲に警戒をしつつ、一体ずつ倒していきます。
すると砂漠地帯から森林地帯へと景色が変わってくる。
ドムドーラ地方でも同じ事があったよね。
緑の丘だと思ってたら、緑の激オコぷんぷんドラゴンが居たって事があったよね。
森林地帯には爆弾岩は生息してないらしく出会う事が無くなったけど、対ドラゴン戦に備えて警戒は怠らない。
そして出会ってしまった……悪いモンスターに(笑)
「こんにちは。ぼくスラタン。ぼくはわるいスライムなんだよ」
「やぁこんにちは。僕はリュカ。イケメンな人間だよ」
自己申告で悪いスライムと言うスラタン。可愛いなぁ……
「リュカっていうんだぁ。かっこいいお名前だね」
「そうだろ。実際にイケメンだし、格好いいんだぜ。スラタンは何で悪いスライムなの?」
悪そうには見えないけどなぁ?
「ぼくね、ニンゲンが大好きなんだ。そのことを仲間のスライムに言ったら、『ニンゲンを滅ぼそうとしてるリュウオウ様に逆らうわるいスライムだ』って言われちゃったの。だから残念だけどリュカはここから早く逃げた方がいいよ。わるいぼくをイジメるスライムがいっぱい居るから」
俺と出会えて嬉しそうにしてたスラタンだったが、周囲から敵意を感じ哀しそうに俯いて逃げるようにと忠告してくれる。
だが時既に遅し。俺の周りには人間嫌いの良いスライムが沢山集まり、人間に攻撃を仕掛けてきた。
だが残念。
襲いかかる何十匹と居たスライムは、俺の華麗なる攻撃で死散して行く。
注意しなくちゃならない事は、間違ってもスラタンを攻撃してはダメって事。
まぁスラタンからは殺気が感じられないから、大丈夫だと思うけども……
「わぁー、リュカって強いんだね」
「イケメンだからね」
襲ってくる全ての良いスライムを倒しきると、脅えた表情だったスラタンに笑顔が戻った。
「でも、ここにはもっと強いモンスターもいるから、はやく逃げた方がいいよ」
「スラタンは逃げないのかい? そいつ等にも苛められるんだろ」
「うん、みんなにイジメられるんだ。でも行くところもないし……」
「逃げたり身を守ったりだけじゃ、何時かは力尽きちゃうよ。僕の造ってる町に来ないかい?」
「えぇ~! リュカは町をつくってるの!?」
「そうだよ。僕はビルダーだから、このアレフガルドの地に町を造って、復活させてるんだ」
「すご~い! リュカすご~い!! でもさぁ……町ってなぁに?」
「そこからかい!」
リュカSIDE END
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