英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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外伝~集いし救世主達~
~ラクリマ湖畔~
「ええええええええっ!?」
「ほえええええ~!?なんか一杯出た~!?」
「精霊の軍団!?しかも石像兵まで……!」
突如現れた精霊の軍団にエリオットとミリアムは声を上げて驚き、セリーヌは信じられない表情で精霊達の軍団や軍団に混じっている機甲兵達と大して変わらない大きさの石像兵達を見回した。
「リザイラ様!」
するとその時火の最上位精霊―――”メルテ・ヌイ”、水の最上位精霊―――”モリガン・モルガナ”、氷の最上位精霊―――”ラクス・レニア”、風の最上位精霊―――”ルファニー”、木の最上位精霊―――”ニル・ユイチリ”、地の最上位精霊―――”トリエスタル”がリザイラに駆け寄り、地面に膝をついてリザイラに頭を下げた!
「顔を上げて下さい。――――皆、壮健そうで何よりです。私が貴女達を呼びだした理由はわかっていますね?」
最上位精霊達を見回したリザイラは真剣な表情をした。
「無論、承知しております!この大自然を破壊しようとする愚か者達に我が怒りの炎の裁きを下す為にこのイフリート、火の精霊達と共に参上しました!」
リザイラの言葉に頷いたメルテ・ヌイ―――イフリートは立ち上がって怒りの表情で貴族連合を睨みつけ
「我らリスレドネーの精霊達の主たるリザイラ様の御心のままにこのネレイ、水の同胞達と共に私達に仇名す者達に水の裁きを与えます。」
「同じくシヴァ、氷の同胞達と共に氷の裁きにて敵に”死”を与えます。」
モリガン・モルガナ―――ネレイ、ラクス・レニア―――シヴァはリザイラに恭しく礼をした後静かな怒りを纏って貴族連合を睨み
「私―――フローラは”風”を大切に扱ってくれる方達の恩に報いる為にも風の同胞達と共にこれより彼らを傷つけようとする愚か者達に風の怒りを与えます。」
「同じくアタランテ、木の同胞達と共に私達と共存せし”人”の為にこの矢にて彼らに仇名す者達を貫きます。」
ルファニー―――フローラとニル・ユイチリ―――アタランテはガイウス達―――ノルドの民達を見回した後決意の表情でリザイラを見つめ
「私―――ノームはこの美しい大地を汚す愚か者達に大地の怒りを思い知らせてやります!」
トリエスタル―――ノームも他の最上位精霊達に続くように怒りの表情で貴族連合を睨みつけた。
「何て魔力……!あの精霊達からは他の精霊達とは比較できない程の魔力を感じるわ……!」
「ま、まさかここにいる精霊達全員がリザイラの”領域”に住んでいる精霊達なの……!?」
最上位精霊達から感じる膨大な魔力にセリーヌは驚き、アリサは信じられない表情で精霊達を見回し
「ええ。―――ミルモ、貴女も”リスレドネー”の精霊の一人として、戦いなさい!」
「はい、リザイラ様!」
アリサの言葉に頷いたリザイラがミルモの名を呼ぶと、ミルモはリザイラの傍に現れた。
「ミルモ……少し見ない内に随分見違えましたね。」
「えへへ……フローラ様に早く追いつけるように……大好きなアリサを守る為にいっぱい頑張ってます!」
ミルモを見たフローラは目を丸くした後微笑み、ミルモは嬉しそうな表情でフローラを見つめ
「そう……とても素晴らしい出会いをしたのですね……」
嬉しそうに自分を見つめるミルモをフローラは微笑ましそうに見つめた。
「へ……ミ、ミルモ、その精霊と知り合いなの!?」
一方その様子を見ていたアリサは驚きの表情で尋ねた。
「うん、フローラ様はわたし達―――風の精霊達の面倒を見てくれているから、わたしにとってはアリサの世話をしているシャロンみたいな人だよ!」
「まあ……フフ、ミルモ様ったら、お上手ですわね。」
ミルモの説明を聞いたシャロンは嬉しそうな表情をし
「それにしてもリザイラに直接話しかけとる精霊達の親玉に見える精霊達も全員べっぴんじゃの~。さすがはとんでもないべっぴんのリザイラの家臣と言った所か。」
「ア、アハハ……言われてみれば綺麗な容姿をされている女性の精霊達ばかりですわね……」
興味ありげな表情で最上位精霊達を見回すグエンの言葉を聞いたセレーネは苦笑した。
「……まさか、生きている内にこのような”奇蹟”をこの目にする事ができるとはな……」
「ええ……これも風と女神の導きですね。」
ラカンとファトマは精霊達を見回した後その場で祈り
「さ、さすが”精霊王女”のリザイラだよね……みんな、滅茶苦茶強そうなのにリザイラに従っているよ。」
「あ、ああ……改めてリザイラの凄さを思い知った瞬間だな……」
冷や汗をかいて表情を引き攣らせているエリオットの言葉に頷いたリィンも表情を引き攣らせながら精霊達を見回し
「まさかノルド高原にこんなにも多くの精霊達が住んでいるとは……」
クレア大尉は真剣な表情で精霊の軍団や最上位精霊達を順番に見回し
「リザイラ、まさか彼女達はオレ達を守る為に……?」
精霊達の会話を聞いてある事を察したガイウスは信じられない表情でリザイラを見つめた。
「精霊はいつも人間達の行いを見ています。そしてこの大自然で醜い争いを続ける愚か者達と違い、自然と共存し続けた貴方達―――”ノルドの民”は我ら精霊達にとって守護すべき存在。自然と共にある”精霊”として今こそ、その義務を果たしましょう。」
「醜い争いを続ける愚か者達か………………耳が痛いな…………」
「リザイラ…………本当にありがとう。」
リザイラの言葉から遠回しに自分達の事を非難している事に気付いたゼクス中将は複雑そうな表情をし、ガイウスは静かな笑みを浮かべて会釈をした。
「な、何なんだ、奴等は!?」
「ど、どどどど、どうすればいいんだ!?数は圧倒的に向こうが上だぞ!?」
「た、隊長!?わ、我々はどうすれば……!」
一方機甲兵からは狼狽えた様子の操縦士達の声が聞こえ
「狼狽えるな!幾ら数を揃えようが、この機甲兵の前に敵はない!我らカイエン公に”灰の騎神”共々異種族共も討ち取り、我らがカイエン公に捧げるのだ!」
シュピーゲルからは狼狽えている操縦士達を一喝する隊長の声が聞こえて来た。
「リスレドネーの精霊達よ!この大自然に土足で踏み入れ、己の欲望の為に自然を破壊する愚か者達に自然と精霊の怒りを存分に思い知らせて差し上げなさい!この大自然を守る為……そして自然と共存し続けてきた人間達の為にも!」
「おおっ!!」
そしてリザイラの大号令の元、精霊達は貴族連合軍との大規模戦闘を開始した!
今ここに!”精霊王女”率いる精霊達による”蹂躙戦”にして”虐殺劇”が始まった……!
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