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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~精霊達の怒り~

~ノルド高原~



「撃て――!”灰の騎神”共々蜂の巣にしてやれっ!!空挺部隊も砲撃せよ!」

「イエス・サー!!」

シュピーゲルの指示により機甲兵や軍用飛行艇はリィン達に向けて怒涛の銃撃を放った。しかし―――

「ネレイ!」

「はい!水よ……我らを守りたまえ!!」

リザイラに視線を向けられたネレイは配下である多くの水精達――――”ティエネー”、”セイレン”、”ウンディーネ”と共に湖畔全体を覆うほどの水の大結界を展開して砲撃や銃撃を防いだ!



「す、凄い……!」

「まさか銃撃や砲撃を防ぐとは……」

「これが精霊の”力”……」

「それに気のせいでしょうか?湖畔の”水”も彼らに力を貸しているような気がしますわ……」

「湖畔全体を覆うなんてとんでもない大結界ね……」

展開された大結界を見たエリオットは驚き、ゼクス中将やガイウスは呆け、何かに気付いたセレーネは湖畔と水精たちを見比べ、セリーヌは真剣な表情で大結界を見つめた。



「アタランテ、ミルモ!まずは空にいる愚か者達を撃ち落しますよ!」

「かしこまりました!」

「はーい!」

指示をされたアタランテとミルモはそれぞれ弓に矢を番えて膨大な魔力や闘気を矢に溜め込み、指示をしたリザイラ自身も両手に魔力を溜め込み、そして!

「大地よ、森よ、我が矢に邪悪なるものを退ける力を!森の援護射撃!!」

「すごいのいっくよー!風雷の援護射撃!!」

フローラとミルモから解き放たれた矢はそれぞれ軍用飛行艇を貫き、貫かれた飛行艇は煙を上げながら地上へと落下して激突した!



「なあっ!?」

「ひ、飛行艇を弓矢で撃ち落すなんて、あ、ありえません!!」

「こ、これはワシも驚いたの……」

「うふふ、お嬢様の為に新たなる力を得たミルモ様には改めてお礼を申し上げる必要がありますわね、」

飛行艇が弓矢に撃ち落されるという信じられない出来事にゼクス中将は口を大きく開けて絶句し、クレア大尉は混乱し、グエンは呆け、シャロンは微笑みながらミルモを見つめ

「クレア、すっごい混乱しているし、グエンじいちゃんも口を大きく開けているね~。」

「ハハ……無理ないよ。」

「私達もガレリア要塞でのエヴリーヌとベルフェゴールが飛行艇を撃ち落したのを見た時も似たような反応だったものね……」

ミリアムの言葉を聞いたリィンとアリサは苦笑した。

「そこですっ!次!」

「わたしだって負けないよ~!」

「純粋なる輝きよ、今こそ愚か者達に滅びの鐘を鳴らせ!――――ルン=アウエラ!!」

そしてアタランテとミルモが矢で次々と飛行艇を落としている中、リザイラによる最高位の純粋魔術が空に炸裂すると、閃光が空を埋め尽くした後轟音と共に超越した大爆発が起こった!

「う、うああああああああっ!?」

「め、女神様―――――ッ!?」

爆発の煙が消えると飛行艇の残骸や無惨な姿になった飛行艇の中にいた領邦軍の兵士や操縦士、整備士達の死体が次々と高原に降り注ぎ、まだ生きている者達は恐怖の表情を浮かべながら地面に激突して無惨な死体となった!



「馬鹿なっ!?」

「空挺部隊がぜ、”全滅”……」

「ヒィィィィッ!?」

「ば、”化物”……!」

それを見た機甲兵の操縦士達は狼狽え

「おのれ……!突撃!いっきに詰め寄って畳みかけろ!”ニーズヘッグ”も全員突撃せよ!」

シュピーゲルからは怒りに震えた様子の操縦士の声が聞こえ

「イ、イエス・サー!」

了解(ラジャー)。」

そして機甲兵や猟兵達、軍用魔獣の混合軍がリィン達に突撃した。



「イフリート、フローラ!貴女達の出番ですよ!」

「承知!火の同胞達よ、精霊の怒りの炎で愚か者達を焼き尽くせ!」

「はい!風の同胞達よ、風の怒りを今こそ思い知らせて差し上げなさい!」

突撃して来る領邦軍を見たリザイラの指示によってイフリートとフローラはそれぞれ精霊達と共に詠唱を始め、イフリートとフローラが長い詠唱をしている中火の精霊―――”ファマ”と”ファラ・ヌイ”がまず魔術を放った!



「大熱風!!」

「メルカーナの轟炎!!」

「うおおおおおおおっ!?」

「ぎゃああああああ――――ッ!?」

「あ、熱い、熱い……!」

「クッ……!炎の壁があって近づけん!」

火の精霊達が一斉に放った火の魔術は機甲兵の中にいる操縦士達にも熱さを伝わらせ、生身の猟兵や軍用魔獣にも酷い火傷を負わせたり焼き尽くしたりした。

「大竜巻!!」

「双竜の大竜巻!!」

火の精霊達に続くように風の精霊達―――”シルフィ”、”ジルニー”がそれぞれ魔術を発動し、風の精霊達によって放たれた魔術によって戦場に無数の大竜巻が発生し、火の精霊達が放った火の魔術と合体して炎の渦と化し

「ぎゃああああああ――――ッ!?」

「グアアアアアアアアア―――――ッ!?」

炎の渦に巻き込まれた者はその身を焼き尽くされ、機甲兵の中にいる操縦士すらも機甲兵の隙間から入って来た炎によって絶命させた!



「骨まで焼き尽くされるがいい!――――メル=ステリナル!!」

「風よ、雷よ、我が呼びかけに応え、我らに仇名す者達を塵と化せよ!――――リーフ=ファセト!!」

「グギャアアアアアアアア―――――ーッ!?」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

イフリートとフローラによる最高位魔術によって機甲兵は塵と化し、機甲兵が塵と化した事によって生身の身となった操縦者達は猟兵達と共に無惨な死体と化した!



「水の同胞達よ、彼の者達に水の裁きを!デネカの大海!!」

「溺水!!」

「津波!!」

「デネカの津波!!」

そして精霊達が攻撃している間に詠唱を終わらせたネレイは水精達と共に戦場を埋め尽くす程の津波を異空間から召喚して兵士や猟兵達にダメージを与えると共にずぶ濡れにし

「氷の同胞達よ、愚か者達に永遠なる眠りをつかせてやれ!―――ユン=ステリナル!!」

「凍結の渦波!!」

「氷垢螺の吹雪!!」

「氷垢螺の絶対凍結!!」

「うああああああああっ!?」

「さ、寒い……!」

「こ、凍え……し……死んでし……ま……」

シヴァは氷の精霊達―――”ヴィリニ”、”ヴュリテュン”、”レニア=ヌイ”と共に猛吹雪を発生させてずぶ濡れになった敵の体温を急激に冷やして動きを鈍くしたり、凍死させたりした!



「木の同胞達よ、自然に仇名す者達彼らを私達の怒りの矢で貫きなさい!大地の制圧射撃!!」

「雷と光よ、わたしに力を貸して!雷光の制圧射撃!!」

「制圧射撃!!」

「二連制圧射撃!!」

「ヒッ!?うわああああああっ!?ガッ!?」

「退避、退避――――ッ!グッ!?」

アタランテはミルモや木の精霊達―――”ユイチリ”、”ネミルユイチリ”と共に空を埋め尽くす程の矢の雨を降り注がせて敵を怯ませ

「さあ、ようやく私達の出番だよ、大地の同胞達!全員、突撃――――ッ!!」

「――――――――!!」

ノームの指示により石像兵(ゴーレム)の軍団や土精達―――”アースマン”、”トリューヤ”、”トトリス”の軍団が咆哮を上げて領邦軍や猟兵達に向かい、ゴーレムはその巨体で機甲兵を破壊したり足元にいる敵を踏みつぶしたりし、土精達は岩石を投擲したり自らの拳や足で敵を粉砕して絶命させ

「大地の怒りを思い知らせてあげるわ……!――――ベーセ・ファセト!!」

ノーム自身は最高位魔術で多くの敵を葬った!



「我らも後れを取るな、火の同胞達よ!」

「ドリュアス達も手伝ってあげて!」

「こちらも行くぞ、氷の同胞達よ!私に続け!」

更にはイフリートとアタランテの指示によってそれまでジッとしていた獣や鳥の姿をした火の精霊達―――”ファラム”、”グルムンド”、”グルルフ”と樹木の姿をした木の精霊―――”ドリュアス”の軍団が一斉に突撃して領邦軍や猟兵達を蹂躙し始め、シヴァは氷の精霊達と共に最前線へと突撃し

「ハアッ!!」

「ぎゃああああああ――――ッ」

手の部分を鋭い氷の刃へと変化させて機甲兵に袈裟斬りを放ち、操縦者ごと切り裂かれた機甲兵は操縦者がいる部分から大量の血を流しながら地面に倒れ、他の氷の精霊達も手の部分を氷の刃へと変えて次々と自分達の敵を切り裂いた!



火の精霊達は敵を焼き尽くしたり切り裂いたりし、水の精霊達は傷ついた精霊達の傷を回復させ、氷の精霊達は遠近両方に別れて臨機応変に戦い、風の精霊達と木の精霊達はミルモと共に後方から様々な援護をし、土の精霊達は最前線で敵を圧倒し続け、リザイラは精霊達に指示をしながら圧倒的な魔力による魔術で次々と多くの敵を葬り、凄まじい連携で敵を圧倒し続けた!そしてその様子をリィン達は目の前で起こり続ける現実とは思えない程の”蹂躙戦”にして”虐殺劇”を絶句して呆然とした様子で見守り続けた。



「た、隊長!味方残存戦力が2割を切りました!こ、このままでは……!”全滅”してしまいます!」

「グググググ……ッ!撤退、撤退――――ッ!何としても生き延び、本土に戻り、奴等の事をカイエン公に知らせろ――――ッ!」

「クソッ!こんな化物共と戦うなんて、聞いてねえぞ!?お蔭で仲間がほとんど殺られちまった!総員、撤収!」

そして自分達の不利を悟った領邦軍や猟兵達は撤退し始めた。



「ふふふ、この大自然に手を出して生きて帰れるとお思いで?―――――止めです。巡り踊れ地水火風!深奥に集いて我が鉄槌となれ!」

その様子をミルモと共に上空から見つめていたリザイラは両手を空へと掲げて空に巨大な魔法陣を展開し

「天光満つるところに我はあり、黄泉の門開くところに汝あり、出でよ神の雷!」

ミルモもリザイラに続くように自分の足元に巨大な魔法陣を展開して詠唱をし終え、大魔術を発動した!

「これで最後だよ!インディグネイション――――――ッ!!」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

「グギャアアアアアアアア―――――ッ!?」

ミルモの大魔術により、戦場に巨大な雷が落ち、雷は巨大なドーム型のエネルギーとなって多くの敵達の悲鳴をも飲み込む轟音を高原中に響き渡らせながら塵も残さず焼き尽くし

「滅びよ!――――エレメンタルメテオ!!」

そしてリザイラの大魔術によって空から数個の巨大な火・水・風・地の四属性の隕石が戦場に次々と落ちた瞬間四属性の連鎖する超越爆発を起こし、最後にドーム型に広がる四属性が混じった大爆発が起こり、残りの敵全員を殲滅した!

 
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