英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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第112話
探索を始めたエステル達は少し進むと公園らしき場所に到着し、その美しい風景に目を奪われた。
~リベル=アーク・公園区画~
「「綺麗……」」
「まあ……!」
「へえ……」
「ほう……中々の景色だな。」
公園の風景を見たクローゼとイリーナ、セラウィは眩しそうな目をし、ウィルとリウイは感心した声を出した。
「な、なんていうか……。とても空の上にあるとは思えないんですけど……」
「古代ゼムリア文明……。単に技術が発達していただけの社会じゃなかったみたいだね。」
あまりにも美しい景色に呆けて呟いたエステルの言葉にヨシュアは頷いた。そしてエステル達は近くのエレベーターらしき足場に乗って、上昇した。すると浮遊都市の全貌が見渡せる場所に到着した。
~西カルマーレ駅~
「まあ……!」
「ほう…………」
「”破熱の森河”から見下ろした景色を思い出させるほどの風景だね……」
「ええ………まさに圧巻されますね……」
新たな景色を見たイリーナは驚き、リウイは感心した表情で声を出し、驚きの表情で呟いたウィルの言葉にセラウィも驚きの表情で頷いた。
「こ、こんなに大きな都市だったんだ……。さすがに……住んでいる人はいないよね?」
「うん……多分ね。どうやら異次元に封印された時、住民のほとんどが退去したらしい。多分、リベール国民のルーツはその人たちなんじゃないかな。」
「そ、それって……あたしたちのご先祖様たちがこの都市に住んでいたってこと!?」
「……可能性は高いと思います。リベールだけに限らず、大崩壊以前の文明の痕跡は驚くほど少ないそうですから……」
ヨシュアの推測に驚いているエステルにクローゼは説明した。
「……なるほど。確かに空で暮らしていれば、地上に痕跡がないのも頷けるな。」
クローゼの説明を聞いたリウイは納得した表情で頷いた。
「な、なんか途方もない話になってきたわね……。それにしても……やたらと見晴らしがいいけど、ここってどういう場所なんだろ?」
「ただの展望台かもしれないけど……。向こうに端末みたいなものがあるから調べてみようか。」
その後エステル達は端末らしきものを調べ、まず浮遊都市の名が”リベル=アーク”という名がわかり、さらに”ゴスペル”が”リベル=アーク”に住む市民達にとって馴染み深い物であることがわかり、そして”レールハイロゥ” という乗り物を見つけ、起動させると何かの物体がエステル達の近くに到着した。
その物体に乗ろうとしたエステル達だったが、他の場所で起動していないため、動かなかった為、ひとまず諦めて地下道のロックを外して、地下道を進んで行った。
~リベルアーク地下道~
地下道を進んでいたエステル達だったが、魔獣や警備用の人形兵器が道を阻み、協力して倒して行っていた。
「行くわよ~!円舞剣!!」
エステルの剣技――飛燕剣はすざましいスピードで敵達を襲って、ダメージを与え
「双連撃!!」
「フリージング!!」
ヨシュアとクローゼが放ったクラフトはそれぞれエステルが攻撃した敵達に止めを刺して行き
「水の力よ!水流スマッシュ!!」
ウィルはクラフトを放って複数の敵達にダメージを与え
「そこをどきなさい!リーフ=グラオス!!」
セラウィが魔術で止めを刺して行き
「出でよ、鋼輝の陣!イオ=ルーン!!」
イリーナは魔術を放って、敵達にダメージを与え
「雑魚はどけ!メーテアルザ!!」
リウイが止めを刺して行った!
「よ~し、終わり!それにしてもウィル達もそうだけど、イリーナさんも結構強いわね。もしかして”幻燐戦争”の時より強くなっているんじゃないの?」
戦闘が終了し、剣を鞘に収めたエステルは仲間達を見て言った。
「ハハ……自分の身を守れないと工匠と言えないしね。」
「フフ……こう見えても私達はそれなりに激しい戦いを生き抜いて来ましたから。」
「フフ、そうですか?そうだとしたら嬉しいですね。リウイやカーリアン様達に少しでも近づいているんですから。」
エステルの言葉にウィルは苦笑し、セラウィとイリーナは微笑んでいた。
「それにしても……さすが”剣皇”と名高いリウイ陛下ですね……同じ細剣を使っている私とは大違いです……」
一方クローゼはレイピアを鞘に収めたリウイに話しかけた。
「……謙遜するな。その年でそこまで戦える者は早々いない。お前のその腕なら少なくとも我が軍の一般兵には勝てるだろう。それに魔術に加えて俺とは異なる魔法剣技を収めているようだな?……フッ、もうクローディア姫には護衛はいらないのじゃないか?」
クローゼの言葉を聞いたリウイはクローゼを見て静かに答えた後、口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「陛下にそこまで言ってもらえるとは、恐縮です……」
リウイの言葉を聞いたクローゼは苦笑しながら答えた。
「剣で思い出したが……エステル。……リンの剣技はまだわかるが、いつの間に”神殺し”の剣技――”飛燕剣”を使えるようになった?」
「あ、”飛燕剣”?セリカの元・使い魔だったパズモ達にどんな剣技か聞いて真似して、後はこの剣が見せてくれた景色の中で”飛燕剣”を使って戦う人――セリカがいたから、そのおかげで初歩技なら使えるようになったわ。」
リウイに尋ねられたエステルは頷いて答えた。
「……さすがは”剣聖”の娘といった所と言いたい所だが……その剣が見せた景色だと?どういう事だ。」
エステルの言葉を聞いて気になったリウイはエステルに尋ねた。そしてエステルはリウイ達に剣が見せた景色の事を説明した。
「…………リフィアが手に入れた経緯や感じる魔力からして、”神殺し”に関する”神剣”とは思っていたが、まさかそれほどの”神剣”とは……しかも”神殺し”誕生の過去をもお前は見たのか。……恐らく両世界において、”神殺し”誕生を知る人間はお前ぐらいだろう……」
エステルの話を聞いたリウイは驚いた表情で言った。
「”神殺し”セリカ・シルフィルか。……………セラウィは知っているのかい?」
「ええ。エルフ族にも伝えられる”世界の禁忌”とまで言われている存在です。光、闇、両陣営の現神だけでなく古神達にも敵視され、さらに魔族達からはその身体を狙われている存在です。」
一方考え込んでいたウィルに尋ねられたセラウィは真剣な表情で頷いて答えた。
「あ、セリカで思い出したんだけど、リウイ。イリーナさんが生き返った事だし、エクリアさんの事はどうするの?」
「!!」
「……なぜそこで”姫将軍”の話が出てくる?」
エステルの言葉を聞いたイリーナは驚いた後リウイを見つめ、リウイは静かに尋ねた。
「え?だって、エクリアさん、今はセリカの”使徒”なんでしょう?テトリやニルに聞いたもの。……で?エクリアさんにイリーナさんが生き返った事を知らせたの?」
「……………………………」
エステルに尋ねられたリウイは黙り込んだ。
「ハア……その様子だと、まだ知らせていないみたいね。……まさかあんた、イリーナさんが生き返ってもまだエクリアさんを恨んでいるの?”あの時”から百年以上経っているし、エクリアさんもすっごく反省しているだろうし、いい加減許して仲直りしたら?前のエクリアさんは”フェミリンス”の影響で、あんた達を憎んでいたけど、今は違うでしょう?テトリ達の話だと、”フェミリンス”だった自分の過去を凄く後悔しているって聞くし。仲良くしなくちゃ駄目と思うわよ?お互い、長い年月を生きる身で、何よりイリーナさんのお姉さんであり、あんたの従姉でもあるんだから。」
「………余計なお世話だ。……雑談はそれぐらいにして、先を進むぞ。」
そしてリウイはエステル達を置いて、先に進んで行った。
「あなた………」
先に進んで行くリウイをイリーナは心配そうな表情で見つめていた。
「う~ん……余計な事を言っちゃったかな?ごめんね、イリーナさん。」
「いえ………私もリウイとエクリアお姉様には和解してほしいですから………私の代わりに言ってくれて、ありがとう、エステルさん。私はまだ、エクリアお姉様と和解してほしい事を言うのを迷っていましたから……」
「そっか。いつか仲直りして、3人が笑い合える日が来るといいわね。え~と……イリーナさんのもう一人のお姉さん……セリーヌさんだっけ?その人もきっと望んでいるかもしれないわね。」
「はい………エステルさんの言うとおり、セリーヌお姉様もきっと望んでいると思います。私とリウイ、そしてエクリアお姉様の時間はたくさんあるのですから、時間をかけてリウイを説得するつもりです。」
エステルの言葉にイリーナは微笑んだ。
そしてエステル達はリウイを追いついた後、先に進み、地上に出た………
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