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英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)

作者:sorano
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第113話

~リベル=アーク・居住区画~



「は~、やっと外に出たわね。」

「……ここは……」

地上に出たエステルは溜息を吐き、ヨシュアは周りを見渡した。周りは家らしき物がたくさん並んでいた。

「綺麗な街並み……。どうやら古代人が暮らしていた場所みたいですね。」

「確かに俺達が拠点にしている場所より、人が住んでいる雰囲気があるみたいだね。」

「うん……。静かで良い感じの雰囲気かも。でも……なんで昔の人たちはこんな立派な街を捨てちゃったのかな?」

クローゼとウィルの言葉に頷いたエステルは首を傾げた。

「……調べて行けば当時の状況が分かるかもね。新たなルートを探す必要もあるし、さっそく周囲を探索してみようか?」

「ん、オッケー。」

ヨシュアの言葉にエステルは頷いた。その後エステル達は街を調べながら進んで行った。 しばらく進むと意外な物を見つけた。

「ヨシュア、あれ……!」

「……うん。どうしてこんな所に……。!!」

エステルの言葉に頷いたヨシュアは驚いた後、ある事に気付いた。



「そ、それ以上近寄るなっ!これ以上”山猫号”を傷付けたら絶対に許さないんだから!」

意外な物――”山猫号”の傍で人形兵器に囲まれているジョゼットは銃で人形兵器達を退けていたが

「あう!?」

一際大きい人形兵器がジョゼットに攻撃し、命中したジョゼットは呻いた後、後退した!

「あうっ……!うう……キール兄……ドルン兄……。………ヨシュア…………」

ジョゼットが泣き言を言っていたその時

「ふふん、お困りみたいね?」

武器を構えたエステル達が登場した!

「ノーテンキ女!?……そ、それに……」

エステル達の登場に驚いたジョゼットはヨシュアを見つめた。

「だ~から、誰がノーテンキよっ!」

ジョゼットの言葉にエステルは怒ったが

「話は後だ!まずはこいつらを片付けるよ!」

「う、うんっ!」

「まったくもう……ブツブツ」

自分を無視してヨシュアの言葉に頷いているジョゼットを見て、文句を言いつつ戦闘を開始した!



「みんな、行くわよ!!」

「全員、突撃!!」

戦闘開始早々エステルとリウイは号令をかけて、仲間達の闘志を高め

「光よ!かの者を守りたまえ!防護の光盾!!」

イリーナは魔術をジョゼットに放って、ジョゼットの防御を高めた。そして敵達はエステル達に向かって、炎を発射して攻撃したが

「行くよ!紅燐剣!!」

ヨシュアがクラフトを放って攻撃を無効化し

「雷よ!」

ウィルは特殊な絵札――放電の絵札を使って、敵全員を攻撃し、絵札の効果によって敵達は動きが制限された!

「氷よ!我が矢に力を!氷垢螺の精密射撃!!」

「えぃ!やぁ!やぁ!!」

「セアッ!!」

セラウィ、クローゼ、リウイがクラフトを放って止めを刺して行き

「どうだぁ!!」

ジョゼットも銃を撃って、目の前の人形兵器に止めを刺した!



「はぁぁ、せいっ!!」

一方エステルは棒で一際大きい人形兵器に攻撃したが、攻撃が命中した敵はビクともせず、エステルに何かのレーザーは放った!

「きゃっ!?」

敵の攻撃を受けたエステルは悲鳴を上げた。そして敵はエステルに突進して来たが

「せいっ!!」

ヨシュアが双剣で受け止め

「風よ!ウィンディング!!」

リウイがクラフトを放って、吹っ飛ばした!

「癒しの光よ……癒しの息吹!!」

「ありがとう、イリーナさん!」

そしてイリーナは治癒魔術をエステルに放ち

「聖なる水の力よ…………今ここに集いて、悪しき者に裁きを!ブルーアセンション!!」

「やあっ!ストーンインパクト!!」

「悠久の風よ……怒りの雷と共に吹き荒れろ!流砂竜巻!!」

クローゼとジョゼット、セラウィはアーツや魔術を放って、ダメージを与え

「行くぞ!」

ウィルは槌にすざましい魔力を纏わせた後

「炎よ!水よ!風よ!大地よ!光よ!闇よ!」

槌にさまざまな属性を順番に宿らせて何度も攻撃した後、純粋属性を宿らせた槌を振り上げ

「止め!エレメンタルインパクト!!」

振り上げた槌を敵に命中させた!さまざまな属性を宿らせて何度も攻撃するウィルのSクラフト――エレメンタルインパクトを受けた敵は所々の場所をへこませた後、セピスを落として消えた!



「ふう……何とか片づいたわね。大きいヤツはやたらと固かったけど……」

「結社の重人形兵器、”レオールガンイージー”だ。普通は拠点防衛用に使われることが多いんだけど……」

安堵の溜息を吐いて呟いたエステルの疑問にヨシュアは考え込む表情をしながら答えた。そしてエステル達はジョゼットに近づいた。

「まあとにかく……本当に無事で良かった。でも、なんで君たちがこんな場所にいるんだい?」

「う、うん……。ボクたち、あんたと別れた後、国境近くに潜伏してたんだけど……。いきなり空に変な物が現れたから近寄って様子を見ようとしたら山猫号の導力が止まっちゃって……」

ヨシュアに尋ねられたジョゼットは状況を思い出しながら答えた。

「それで墜落しちゃったわけね。あれ、そういえば……。……あんたのお兄さんたちはどうしたの?姿が見えないけどどこかに出かけちゃってるとか?」

「…………っ…………。ううう……うぐっ……」

エステルに尋ねられたジョゼットは急に涙を流して、泣き始めた。

「わわっ、な、なんなのよ!?」

「ジョゼット……落ち着いて。ゆっくりでいいから事情を話してもらえるかい?」

ジョゼットの様子にエステルが驚き、ヨシュアが優しい表情で尋ねたその時

「ううっ……。ヨシュア……ヨシュアああっ!」

ジョゼットは泣き叫びながらヨシュアの胸に飛び込んできた。

「………あ………………」

「「まあ………」」

「………………」

「ア、アハハ………」

その様子を見たクローゼは呆けた声を出し、イリーナとセラウィは驚き、リウイは呆れた表情でその様子を黙って見ており、ウィルはエステルを気にしつつ、冷や汗をかいて苦笑しながら見ていた。

「な、な、な……」

そしてエステルは口をパクパクさせた後、怒鳴ろうとしたところを

「け、結社の連中に兄貴たちが捕まったんだ!ボクを逃がすためにみんなで囮になって……。ねえヨシュア……。ボク、どうしたらいいの!?」

ジョゼットが予想外の事を泣きながら叫んだ。その後エステル達はたちはひとまず無人の家でジョゼットから詳しく話を聞くことにした。



「……ごめん……。驚かせちゃったみたいだね。もう落ち着いたから大丈夫だよ。」

「まったくもう……。色々な意味で驚いたわよ。」

落ち着いた様子で話すジョゼットをエステルはジト目で睨んだ後、溜息を吐いた。

「それでジョゼット……他の人達が捕まった時の状況をもう少し詳しく教えてくれるかな?」

そしてヨシュアは真剣な表情で尋ねた。

「……うん……ボクたち、ここに墜落してから、すぐに”山猫号”の修理を始めたんだ。エンジンは何とか無事だったけど、それ以外の装置は壊れちゃってさ……。修理に使えそうな材料がないかこのあたりを探索してたんだけど……」

「エステル達と同じ状況という訳だね。」

ジョゼットの話を聞いたウィルは頷いて答えた。

「……3日後くらいかな……。足りなかった材料も揃って本格的に修理しようとした矢先にタコみたいな人形兵器が現れてさ……。ボクがそいつを撃った後で紅い飛行艇が飛んで来たんだ……。着陸するなり、例の猟兵たちがわらわら降りてきちゃって……」

「哨戒中の”ヴォーグル”を倒してしまったのか……。多分、破壊された時に発せられる緊急信号が敵に伝わったんだろう。」

「やっぱりそうなんだ……。ど、どうしよう……。ボクが余計な事をしたせいで兄貴やみんなが……」

「ジョゼット……」

自分の推測を聞いて顔を青褪めさせているジョゼットをヨシュアは心配そうな表情で見つめていた所を

「あ~もう!そんな顔するんじゃないわよ!捕まってるんだったら助ければいいだけじゃない!」

エステルが意外な提案をした。



「え……」

エステルの提案に気付いたジョゼットはヨシュア達と共にエステルを見た。

「いくら犯罪者といえど不当に監禁されているんだったら遊撃士の保護の対象だわ。どうせ”結社”とは決着を付けなくちゃいけないんだし……。あんたのお兄さんたちもついでに助けてあげるわよ。」

「エステル……」

「ちょ、ちょっと待ちなよ!どうしてボクたちが遊撃士なんかに助けられないといけないのさ!?」

エステルの説明を聞いたヨシュアは口元に笑みを浮かべ、ジョゼットはエステルを睨んで反論したが

「へ~、“なんか”にねぇ。だったらあんた、自分1人で助けられるわけ?」

「うぐっ……」

得意げな表情のエステルに尋ねられ、ジョゼットは反論がなく、唸った。

「それに、あんたたちには”グロリアス”を脱出する時に助けてもらっちゃったし……。ここらで借りは勝手に返させてもらうからね。」

「~~~~~っ~~~~」

「ジョゼット……。エステルの言う通りだよ。君が一人でここに居たって何の解決にもならないはずだ。それは分かるよね?」

「………………………………」

「よかったら、しばらくの間、アルセイユで待っているといい。多分、キールさんたちは”グロリアス”に捕まっているはずだ。このまま探索を続ければ停泊場所へのルートが見つかるかもしれない。その時は必ず君に伝えるから。」

「………………………………。……分かった。ヨシュアがそう言うなら。でも、ただ世話になるのはカプア一家の名折れだからね!探索だろうが、船の修理だろうがきっちりと協力させてもらうよ!」

エステルの言葉に悔しそうな表情をしていたジョゼットだったが、ヨシュアに諭され、考え込んだ後納得して頷いた。



「あー、はいはい。ほんと素直じゃないんだから。」

「ふ、ふん……。どこかのお人好しみたいに単純にできてないもんでね。」

「あ、あんですって~!?」

「ふう、まったくもう……。……何が原因か知らないけど少しは仲良くできないのかな。」

エステルとジョゼットの口喧嘩に呆れて溜息を吐いたヨシュアだったが

「あのねぇ、ヨシュア……」

「……あんたがそれを言う?」

「え……?」

エステルとジョゼットに睨まれて尋ねられ、驚いた。

(…………踏んでしまったようですね……)

(……………………鈍感。)

セラウィとクローゼは呆れ

(………リウイも少しはヨシュアさんを見習って、鈍感になって私一筋になってくれないかしら?あなたが鋭すぎるお蔭で、私が寂しい思いをしているのですよ?)

(………なぜ、今の話に関係のない俺を見る、イリーナ………)

イリーナは心の中で溜息を吐いた後、凄味のある笑顔でリウイを見つめ、見つめられたリウイは冷や汗をかきながら無表情で黙り込み

(セラウィが寛大な心を持っていてくれてよ、よかった…………)

エステル達やリウイとイリーナの様子を見たウィルは冷や汗をかきながら、安堵の溜息を吐いた。

「ねえ、ジョゼット……。ここは一時休戦にしない?」

「……そうだね。どうやら当面の敵はお互いじゃあなさそうだし。」

「えっと、その……。打ち解けられたのはいいんだけど……何かマズイことを言ったかな?」

自分を睨みながら打ち解けているエステルとジョゼットにヨシュアは戸惑いながら尋ねたが

「ううん、ちっとも。」

「気のせいじゃないの~?」

「そ、そう……。(目が笑ってないんですけど……)」

目が笑っていない2人に見つめられ、冷や汗をかきながら頷いた。



その後ジョゼットと共にジョゼットに道案内兼護衛としてウィル、セラウィ、イリーナ、そしてイリーナの護衛にセオビットを付かせてアルセイユに向かわせたエステル達は再び、探索に戻った………
 
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