ドリトル先生北海道に行く
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第十幕その一
第十幕 屈斜路湖にて
先生達は屈斜路湖に着きました、まずは駐車場に車を停めてです。そこから皆で降りて山に囲まれたその湖を見ました。
そのうえで、です。先生は動物の皆にこう言いました。
「今のところクッシーは見えないけれど」
「それでもだね」
「山に囲まれたこの湖も奇麗だよね」
「山の緑ち湖の青」
「その二つが一緒になっていてね」
「うん、とてもいいよ」
実際にと答える先生でした、その目を細くさせて。
「景色も充分楽しめるよ」
「そうだよね、景色だけでもね」
「十分満足出来るね」
「それに周りにはちゃんとクッシーさんいるし」
「あちこちにね」
見れば先生のすぐ傍にクッシーの青に模型があります、お顔立ちが随分可愛らしくて愛嬌があります。
「建物の中にもあるし」
「やっぱりここはクッシーさんの湖なんだね」
「本当にいるかっていうとだけれど」
「僕達まだ会っていないけれどね」
「目撃例は二十世紀後半でね」
先生は皆にそのクッシーのことをお話しました、湖を眺め続けながら。
「二十一世紀になってからはないんだ」
「そうなんだ」
「二十一世紀になったらなんだ」
「もうクッシーさん出て来てないんだ」
「人前には」
「そうなんだ、まあグーグルでずっと見たら」
その時はといいますと。
「見られるかも知れないけれど」
「今はだね」
「目撃はされてないんだ」
「ここのところは」
「残念だけれどね、本当に恐竜だとしても」
それでもというのです。
「まだこの湖にいるかどうか」
「それはわからない」
「そういうことだね」
「そうなんだ、謎のままだよ」
クッシーが本当にいるのかどうかはです。
「ただ、ニホンオオカミもいたし」
「そうそう、奈良県にね」
「本当にいたよね」
「あれには驚いたね」
「本当にいたんだって」
皆もあの時のことを思い出しました、まさか本当にあの場所にニホンオオカミがまたいたということにです。
「狐さんや狸さんもね」
「長生きして喋っていたり」
「あとはカワウソさんもね」
「日本に来てて」
「そうしたこともあるから」
「クッシーさんもね」
「否定出来ないよね」
絶対にいないとです、断言することはというのです。
「だからだよね」
「クッシーさんもいるかもね」
「ひょっとしたら」
「それじゃあね」
「この湖を暫く見て」
「景色を楽しみながらね」
「クッシーさんを探そう」
動物の皆もお話しました、そしてです。
そうしたことをお話してでした、皆で屈斜路湖の周りを見て回りました。景色は確かに奇麗なのですがそれでもです。
結局クッシーはいませんでした、そして。
ジップはです、お鼻をくんくんさせて言いました。
「いないね」
「匂いがしないんだね」
「変わった匂いはね」
ジップが今まで感じ取ったそれはです。
「全然しないよ」
「確かにそうだね」
ジップと同じくお鼻が効くダブダブも言います。
「湖と木の匂いはいいけれどね」
「湖もね」
ガブガブは湖をじっと見ています。
「奇麗で澄んでるけれど動きはないわね」
「水鳥君達はいても」
トートーも大きな目で湖を見ています。
「大きな生きものはいないね」
「水面には出てはいないね」
ホワイティは先生の頭の上から湖を見ています。
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